ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■運用形態別
- オンプレミス型:Secioss Identity Manager Enterprise(SIME)、WebSAM SECUREMASTER、OSSTech Unicorn ID Manager
- アプライアンス型:AXIOLE
- オンプレミス型とクラウド型の両方に対応:Soliton ID Manager、Identity、Keycloak
- クラウド型:Okta Workforce Identity、GMOトラスト・ログイン、SeciossLink(セシオスリンク)
- パッケージとクラウドサービスを組み合わせて提供:ID統合管理ソリューション
- ■主なID連携先・用途別
- Active Directory・LDAPとの連携:Okta Workforce Identity、GMOトラスト・ログイン、AXIOLE、SeciossLink(セシオスリンク)、Secioss Identity Manager Enterprise(SIME)、WebSAM SECUREMASTER
- 社内の業務システムへのID同期:Secioss Identity Manager Enterprise(SIME)、ID統合管理ソリューション、WebSAM SECUREMASTER、OSSTech Unicorn ID Manager
- 社内システムとSaaSの併用:Okta Workforce Identity、GMOトラスト・ログイン、SeciossLink(セシオスリンク)、Secioss Identity Manager Enterprise(SIME)、Soliton ID Manager
- 認証・シングルサインオン基盤の構築:Okta Workforce Identity、GMOトラスト・ログイン、AXIOLE、SeciossLink(セシオスリンク)、Keycloak
オンプレミス型のID管理ツールが選ばれる場面
オンプレミス型のID管理ツールは、ID情報を自社の設備内に置きたい企業や、社内ネットワークの中にある業務システムへIDを配る企業で選ばれています。ここでは、どのような条件のときに自社運用が検討対象にあがるのかを整理します。
ID情報を社外に保管できない規程がある
社内規程や取引先との契約で、社員情報の保管場所を自社管理の設備に限定している場合、オンプレミス型が検討対象です。ID管理ツールには氏名や所属、雇用区分、メールアドレスといった個人情報が集まるため、保管場所の扱いは監査でも確認されます。
ただし、クラウド型でも保管地域や暗号化の方式を明示しているサービスがあります。規程が「社外不可」なのか「国内保管なら可」なのかを情報システム部門や法務と確認してから、運用形態を決めましょう。
閉じたネットワーク内の業務システムにIDを配る
工場の生産管理システムや病院の部門システムのように、インターネットから切り離した環境で動くシステムが多い企業では、オンプレミス型のほうが構成しやすい場合があります。ID管理ツールを同じネットワークに置けば、外部への通信経路を新たに開けずにアカウントを作成・削除できます。
クラウド型で同じことを行う場合は、社内に中継用のエージェントを置き、外向きの通信を許可する設計が必要です。ネットワークの設計方針とあうかを先に確かめておくと、後の手戻りを抑えられます。
独自開発の社内システムが多く残っている
自社開発の基幹システムや古い業務パッケージは、ユーザー情報をデータベースのテーブルや独自の設定ファイルで持っていることがあります。こうしたシステムにアカウントを反映するには、個別の連携設定やカスタマイズが必要です。
オンプレミス型は社内システムと同じ環境に置けるため、データベースへの直接接続やファイル連携を組みやすい場合があります。どの程度の個別対応が可能かは製品や導入支援の範囲で異なるため、連携したいシステムの一覧を示して相談するとよいでしょう。
オンプレミス型とクラウド型でID管理の何が変わるか
オンプレミス型とクラウド型(IDaaS)の違いは、機能の有無よりも「誰が何を管理するか」に表れます。データの置き場所や更新作業、得意な連携先の3点で比べると、自社にあう運用形態が見えてきます。IDaaSとは、ID管理や認証の機能をクラウドで提供するサービスです。
ID台帳の置き場所と管理責任
オンプレミス型では、ID台帳を保管するサーバーやデータベースを自社で用意し、バックアップや暗号化の設定も自社で行います。保管場所を自社で決められる一方で、障害やデータ消失への備えも自社の責任です。
クラウド型では、基盤の運用はサービス提供会社が担い、利用企業は設定と利用者の管理を行います。責任の分担は契約や利用規約に記載されているため、障害時の復旧目標やバックアップの範囲を資料で確認しておくと安心です。
バージョンアップと保守の進め方
オンプレミス型は、製品のバージョンアップやセキュリティ修正プログラムの適用時期を自社で決められます。業務の繁忙期を避けて計画的に更新できる点は利点です。
一方、更新を先送りすると保守期限が切れたり、OSやデータベースのサポート終了に引きずられたりする場合があります。クラウド型は更新を提供会社が行うため、自社の作業は少なくて済みます。ただし、画面や仕様の変更時期を自社で選べないことがあります。どちらの進め方が自社の運用ルールにあうかを考えましょう。
得意な連携先の違い
オンプレミス型は、Active Directoryや社内のLDAPサーバー、業務システムのデータベースなど、社内にある連携先とつなぐ構成に向いています。LDAPとは、ユーザー情報を階層的に管理するディレクトリへアクセスするための通信手順です。
クラウド型は、クラウドのメールやグループウェア、チャットツールのような業務SaaSへのアカウント配布に向いています。社内システムとSaaSの両方を連携先に持つ企業もあるため、連携先の比率を数えたうえで、どちらを主軸にするかを決めると判断しやすくなります。
ID管理ツールを自社運用するときの体制と作業
オンプレミスでID管理ツールを運用すると、ツールの設定に加えてサーバーと連携部分の保守が自社の仕事に加わります。導入前に作業の一覧と担当者を決めておけば、稼働後に運用が止まる事態を避けやすくなります。
サーバーとデータベースの保守
自社運用では、ID管理ツールを動かすサーバーやデータベースの監視、OSの修正プログラム適用、バックアップと復元の確認が定常作業です。ID管理ツールが止まると、入社者のアカウント作成や退職者の削除が滞るため、業務への影響も小さくありません。
冗長化の要否や復旧までの目標時間は、ID管理が止まった場合の影響から逆算して決めます。保守の一部を外部の運用会社に委託する方法もあるため、社内の人員と比べて検討するとよいでしょう。
連携コネクタの更新と動作確認
ID管理ツールと各システムをつなぐ部品はコネクタと呼ばれ、連携先のバージョンアップにあわせて設定の見直しが必要になる場合があります。連携先の仕様が変わると、アカウントの同期停止や一部項目の欠損、認証エラーが起こる可能性があります。
連携先の更新予定を事前に把握し、検証環境で同期を確かめてから本番に反映する流れを決めておきましょう。同期の失敗を管理者へ通知し、未処理のデータを再実行できるかも、運用の負担を左右する確認項目です。
担当者に依存しない運用ルールづくり
オンプレミス型は設定や構成を自社で持つため、構築に関わった担当者しか中身を知らない状態になる場合があります。担当者の異動や退職で、障害対応や設定変更ができなくなる事態は避けたいところです。
構成図や連携設定の一覧、障害時の手順書を文書にまとめ、複数人で内容を共有しておきましょう。設定変更の申請と承認の流れを決め、操作履歴を残しておけば、引き継ぎや監査の際にも経緯を説明できます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でID管理ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
オンプレミスのID管理とSaaSをどうつなぐか
オンプレミスでID管理ツールを運用していても、業務SaaSの利用が増えると、社外のサービスにもアカウントを配る必要が出てきます。ここでは、社内中心の構成を保ちながらSaaSへ対応する方法を紹介します。
SaaS向け連携機能の有無の確認
オンプレミス型の製品にも、SaaSへアカウントを配布する機能を持つものがあります。SaaS側がSCIMに対応していれば、標準的な手順でアカウントの作成や削除を自動化できる場合があります。SCIMとは、システム間でユーザー情報をやり取りするための標準仕様です。
ただし、対応するSaaSの範囲や、SaaSごとの設定に追加費用がかかるかは製品で異なります。利用中のSaaSの一覧を用意し、どこまで自動化できるかを資料請求や問い合わせで確認しましょう。
クラウド型と役割を分けるハイブリッド構成
社内システムはオンプレミスのID管理ツールで扱い、SaaSはクラウド型のサービスで扱うハイブリッド構成も選択肢です。人事情報をもとにした原本はオンプレミス側に置き、必要な属性だけをクラウド側へ渡す設計にすれば、社外に出す情報を絞れます。
一方で、管理画面が2つに分かれるため、どちらで何を変更するかのルールが欠かせません。退職処理の漏れを防ぐには、両方の削除が完了したかを一覧で確かめられる仕組みも用意しておきましょう。
オンプレミス運用を見直すタイミング
一度オンプレミスでID管理ツールを入れても、事業や利用システムが変われば適した運用形態も変わります。次のような変化があったときは、自社運用を続けるか、クラウド型やハイブリッド構成へ移すかを検討する好機です。
サーバーや製品の保守期限が近づいたとき
サーバー機器の保守期限や、OS、データベース、ID管理ツール自体のサポート終了が近づくと、更新費用と作業が発生します。更新の見積もりを取る時期は、運用形態を見直す材料がそろう機会です。
更新費用だけで比べるのではなく、今後数年間の保守の人件費や、障害対応の負担も含めて比べましょう。そのうえで、規程上ID情報を社外に置けるかを改めて確認すると、判断の根拠を社内に説明しやすくなります。
連携先の中心がSaaSに移ったとき
社内システムが減り、業務の多くをSaaSで行うようになった場合、オンプレミス型の強みである社内連携の比重は下がります。SaaSごとに個別の連携設定を追加し続けると、コネクタの保守が増えていくことも考えられます。
連携先の数を社内システムとSaaSに分けて数え直し、SaaSの比重が大きくなっていれば、クラウド型を主軸にする構成も比べてみるとよいでしょう。移行する場合は、旧環境と並行して動かす期間を設けると、アカウントの不整合に気づきやすくなります。
オンプレミス運用で比べたいID管理ツール一覧
ここでは、提供形態と主な連携先に注目して、ID管理ツールの特徴を一覧にまとめました。オンプレミス型に加え、社内システムとの連携に対応するクラウド型も紹介します。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| Okta Workforce Identity | クラウド型のIDaaS/IAM。AD・LDAPや人事システムと連携し、ID管理・SSO・多要素認証を提供 |
| GMOトラスト・ログイン | クラウド型のIDaaS。Active DirectoryとのID連携や、業務アプリ・SaaSへのSSOに対応 |
| AXIOLE | LDAP/RADIUS認証に対応する認証アプライアンス。SAML認証にも対応し、ハードウェア・仮想・クラウド版を提供 |
| SeciossLink(セシオスリンク) | クラウド型のIDaaS。AD・LDAPなどとのID同期に加え、社内システムやSaaSへのSSOに対応 |
| Secioss Identity Manager Enterprise(SIME) | オンプレミス型の統合ID管理ソフト。AD・LDAP・データベース・SaaSなどへID情報を同期 |
| ID統合管理ソリューション | ID統合・ID同期のパッケージを組み合わせ、異なるシステム間のID情報を一元管理。クラウド型の認証サービスも提供 |
| WebSAM SECUREMASTER | オンプレミス型。ID管理とアクセス管理を統合し、人事データベースや業務システムとの連携に対応 |
| Soliton ID Manager | オンプレミス・クラウドに対応。人・権限・デバイス情報の一元管理や申請承認ワークフローを提供 |
| Identity | アイデンティティとアクセス権限を一元管理するOracleのソリューション。オンプレミス・クラウドに対応 |
| OSSTech Unicorn ID Manager | Linux向けのオープンソース統合ID管理製品。Webブラウザによる管理やCSV・コマンド連携に対応 |
| Keycloak | オープンソースのIAM基盤。SSO・多要素認証・OIDC・SAMLに対応し、自社環境にも構築可能 |
自社運用と社内連携に対応するID管理ツール
オンプレミス型やアプライアンス型の製品に加え、社内のActive Directoryなどと連携できるクラウド型も紹介します。自社の業務システムへの対応範囲や導入形態を確認して比較しましょう。
Okta Workforce Identity
- フィッシングに強い認証フローでログインをより簡単・安全にする
- ADやLDAP等と統合。全てのIDを単一コントロールプレーンから管理
- ユーザーのアクセスを1か所で管理しアクティビティを適切に把握
Okta Japan株式会社が提供する「Okta Workforce Identity」は、社内システムとSaaSのIDを統合管理できるクラウド型のIDaaS/IAMです。Universal DirectoryでActive DirectoryやLDAPなどのID情報を統合し、ユーザー・グループ・デバイスを一元管理できます。人事システムと連携したアカウントの作成・更新・停止の自動化に加え、シングルサインオンや多要素認証にも対応。クラウドとオンプレミスのサーバーへのアクセス権を管理する特権アクセス管理機能も提供しています。
GMOトラスト・ログイン
- 社内システム、業務アプリ、複数SaaSのIDを効率的に一元管理
- シングルサインオンで情報漏えいのリスクを減らし、利便性も向上
- 迅速に多要素認証を導入し、セキュリティを強化
GMOグローバルサイン株式会社が提供する「GMOトラスト・ログイン」は、業務アプリや社内システム、SaaSのIDを一元管理できるクラウド型のIDaaSです。ID連携オプションを利用すると、社内のActive Directoryとユーザー情報を同期できます。SAML認証やフォームベース認証などに対応し、さまざまな業務アプリへのシングルサインオンを実現。IPアドレス制限やクライアント証明書による認証強化にも対応しており、既存の社内システムを生かしながらクラウドサービスの利用を広げたい企業に適しています。
AXIOLE
- ネットワーク認証に必要なスキーマ構築済みの認証アプライアンス
- LDAP/RADIUS認証に対応し様々なネットワーク機器から認証が可能
- 「時間」や「場所」を考慮した、より厳密な複合認証が可能
株式会社ネットスプリングが提供する「AXIOLE」は、LDAPベースの認証機能に特化したアプライアンスサーバです。ネットワーク認証に必要なスキーマがあらかじめ構築されており、導入時の設定負担を軽減できます。LDAP/RADIUS認証に加えてSAML認証にも対応し、ネットワーク機器や業務アプリケーションとの認証連携が可能です。既存のActive DirectoryやLDAPサーバーとの連携にも対応。ハードウェア版のほか、仮想版・クラウド版も用意されています。
SeciossLink(セシオスリンク)
- シングルサインオンであらゆるサービスに連携
- IDの一元管理で業務効率化
- FIDO認証や証明書認証などの多要素認証で認証を強化
株式会社セシオスが提供する「SeciossLink(セシオスリンク)」は、社内のディレクトリ情報を活用しながらクラウドでID管理や認証を行えるIDaaSです。Active DirectoryやLDAPなどとのID同期に対応し、Microsoft 365をはじめとするクラウドサービスのアカウント管理を効率化できます。また、SAML認証に加えて代理認証やリバースプロキシによるシングルサインオンも利用可能です。FIDO認証や証明書認証などの多要素認証にも対応し、社内システムとSaaSが混在する環境の認証を統合できます。
Secioss Identity Manager Enterprise(SIME)
- 複数のシステムに散在するIDを一元管理
- パスワードポリシーの管理も可能
- あらゆるサービス・システムと連携できる
株式会社セシオスが提供する「Secioss Identity Manager Enterprise(SIME)」は、自社環境で運用できるオンプレミス型の統合ID管理ソフトウェアです。Active DirectoryやOpenLDAPなどのディレクトリサーバーに加え、MySQLやOracle Databaseなどのデータベースとも連携可能。Google WorkspaceやMicrosoft 365などのクラウドサービスへもユーザー情報を同期できます。CSV連携では取り込み先にあわせたフォーマットの定義や、ID同期時のスクリプト実行にも対応。社内システムとSaaSが混在する環境のID管理に適しています。
ID統合管理ソリューション (TISI株式会社 (※株式会社インテックはTIS株式会社と合併し、2026年7月より社名を「TISI株式会社」に変更いたしました。))
- SaaSを利用する際の認証を強化する統合認証サービス
- ID統合システムとID同期システムを組み合わせて対応
- 証明書認証など様々な認証方式にも対応
WebSAM SECUREMASTER (日本電気株式会社)
- 国産なので、日本企業特有の業務スタイルに対応します
- 内部統制強化の支援に繋がる機能で管理者負担が軽減します
- 主要システムとの連携のためのテンプレートを標準で用意
Soliton ID Manager (株式会社ソリトンシステムズ)
- よりスムーズなログイン・管理が可能!
- 自社ルールに適合した柔軟な設定を実現!
- 申請ワークフローを活用し効率的なデジタル証明書の配布が可能!
Identity (日本オラクル株式会社)
- 全環境で一貫したアイデンティティ管理
- リスクベース認証によるセキュリティ強化
- ビジネス・ニーズに合わせて拡張可能な柔軟なアーキテクチャ
OSSTech Unicorn ID Manager (OSSTech株式会社)
- 複数システムのID情報を統合・一元管理。
- WebブラウザでID管理やパスワード操作が可能
- CSVやコマンド連携により柔軟なID連携を実現
Keycloak (レッドハット株式会社)
- シングルサインオンで複数のサービスを統合認証
- OIDCやSAML等の標準規格に対応
- 多要素認証や外部ID連携による柔軟な認証管理
まとめ
ID管理ツールをオンプレミスで運用するかは、ID情報の保管規程、連携先が社内システム中心か、サーバーと連携部分を保守できる体制があるかで判断します。自社運用は保管場所や更新時期を自社で決められる一方、保守と引き継ぎの仕組みづくりが欠かせません。SaaSが増えた企業はハイブリッド構成も検討しましょう。自社の連携先にあうID管理ツールを比較したい方は、資料請求を活用してください。

