トランスファーセンター(TC)とは
ここでは、トランスファーセンターの概要を紹介します。
通過型の物流センターのこと
トランスファーセンターとは、基本的には在庫を持たない物流センターのことです。
荷物を保管することなく、センター内で荷物を開梱し、検品・店舗別の仕分け・トラックへの積み替えなどを行います。店舗近辺に配置され、小ロット多頻度配送になるのが特徴です。
場合によっては納入業者側で検品・店舗別仕分けを終わらせ、センター内ではトラックの積み替えだけを行うケースもあります。入出荷に関する正確な情報がいるため、高度な物流管理システムの導入も必要です。
日本の物流センターの主流で、多くの大手量販店やコンビニエンスストアが利用しています。
クロスドッキングを行う
クロスドッキングとは、入荷した荷物を在庫として保管せずに、そのままトラックに積み替える配送方式です。
トランスファーセンターで行われるような、荷物を開梱し中身を検品する業務は含まれません。クロスドッキングでは、入荷時の荷姿のままコンテナやパレット単位で店舗別に仕分けるだけです。
在庫を持たない配送方式なため、トランスファーセンターとの相性がよいといわれています。トランスファーセンターは、クロスドッキングを行う場所として機能します。
トランスファーセンター(TC)のメリット
トランスファーセンターは、通過型の物流センターで小ロットの配送となるため、不良在庫を抱えるリスクが軽減されています。
ほかにも、荷物の保管スペースや要員などは最小限で済むでしょう。在庫量が少ないため、荷受けにかかる時間を削減でき、その他作業の業務効率化も期待できます。
さらに、配送トラックの台数が減ることで、CO2排出量の削減にも効果的です。
その他の物流センター
トランスファーセンターの他にも、物流センターはあります。ここでは「ディストリビューションセンター」「プロセスディストリビューションセンター」「フルフィルメントセンター」を見ていきましょう。
1、ディストリビューションセンター(DC)
ディストリビューションセンターとは、在庫保管型の物流センターのことです。
入荷した商品を在庫として保管し、小売業者からの注文に応じてピッキング・検品・梱包・発送します。さらに、商品ラベルの張り替えや包装などの簡単な流通加工を行うこともあります。
設備費・人件費・在庫管理費などが必要になるため、トランスファーセンターよりコストが高くなりがちです。欧米で利用されています。
2、プロセスディストリビューションセンター(PDC)
プロセスディストリビューションセンターとは、流通加工機能を強化した物流センターのことです。
商品ラベルの張り替えや包装だけでなく、精肉や鮮魚といった専門設備が必要な荷物の加工まで請け負います。物流センターの中に、生産ラインを持った工場が備え付けられているイメージです。
多機能ですが、専門設備が必要なためコストが高くなります。
3、フルフィルメントセンター(FC)
フルフィルメントセンターとは、商品の注文から配達まで、全ての通信販売業務を行う物流センターのことです。
具体的には、商品仕入れ・在庫管理・顧客からの受注・代金の請求・梱包・発送・入金確認・顧客データ管理・返品クレーム対応・決済処理など、インターネット販売に関わる全ての業務を請け負います。
商品管理・受注・配達・決済処理までを代行するため、在庫保管や倉庫内作業にかかるコスト削減に効果的です。サービスによっては配送方法や決済方法の選択肢を増やせるところもあります。
ただし業務委託にあたって手数料が必要です。リアルタイムでの在庫確認もできなくなるため、フルフィルメントセンター側との連携体制の構築が重要になります。
トランスファーセンターの特徴を理解してメリットを活かそう
トランスファーセンターとは、在庫を持たない物流センターのことです。
入荷した荷物を保管することなくトラックに積み替えるため、不良在庫を抱えるリスクが軽減されます。クロスドッキングとの相性がよく、物流コスト削減に効果的です。ただし入出荷情報を正確に把握するために、高度な物流管理システムが必要になります。
メリット・デメリットを理解して、自社に合った物流システムを構築しましょう。