積載率とは?
積載率の概要と計算方法を見ていきましょう。
トラックの最大積載量に対する荷物の割合
積載率はトラックの輸送効率を示す指標の1つです。トラックが積載可能な量に対する、実際の積載量の割合を示します。積載率が高いほど、トラックに無駄なく荷物を積載できていることになります。
積載率が100%でも、荷物を納品して物流拠点に帰る際に荷物がなければ、そのときの積載率は0%です。そのため、一般的には行きと帰りの積載率を平均した平均積載率が指標として用いられます。
現在の平均積載率は40%程度が標準的です。無駄な輸送が多く発生しているため、この現状の改善が物流業界全体で求められています。
「積載量÷最大積載量」で求められる
積載率は計算式「積載量÷最大積載量」で算出します。パーセンテージで示す場合は、さらに100を掛けましょう。例として、最大積載量10トンのトラックで6トンの荷物を運ぶ場合の積載率の求め方は以下のとおりです。
- ■積載率=6トン÷10トン×100=60%
ただし、帰りは荷物がないため、積載率は0%となります。したがって、平均積載率は30%です。さらに、複数の箇所で積み下ろしをする場合は輸送途中で荷物が増減するため、それに伴って積載率も変化します。
積載率を向上させるには?
積載率を向上させ、効率的な輸送を実現するにはどうすればよいのでしょうか。
商品カテゴリーを集約する
積載率を向上させるためには、無駄なスペースを排除する必要があります。そのための方法の1つが商品カテゴリーの集約です。
商品カテゴリーが細分化されていると、1つのオリコン(折り畳みコンテナ)に入れる商品数が少なくなります。カテゴリーを集約すれば1つのオリコンにまとめて多くの商品を入れることが可能です。
共同配送する
共同配送とは、複数の物流企業が共通のトラックやコンテナで荷物を運ぶことです。通常の配送方法では、物流企業ごとに配送手段が完結しています。ところが、これでは積載率が低くなります。
たとえば、物流企業のA社とB社が、同じ納品先にそれぞれ3.3トンと6.7トンの荷物を運びたいとしましょう。この場合、ちょうど3.3トンや6.7トンの荷物を運べるトラックがないため、スペースに無駄が発生します。
しかし、共同配送をすればこれらをまとめて10トントラックで運べるのです。
現在、多くの物流企業が共同配送に取り組んでいます。ただし、料金体系の管理が大変、責任の所在が曖昧になるなどの課題も残っています。
荷主側と配送側が協力する
荷主と協力することで、運送条件を変えられるようになります。たとえば、配送日を変更して周辺のほかの納品先と揃えられれば、配送回数が少なく済むでしょう。
ただし、これを実現するには荷主側と強固な信頼関係を築く必要があります。条件変更によりどのようなメリットがあるのか、丁寧に説明し、納得してもらわなければなりません。
配送状況を共有する
配送状況を俯瞰的に把握できれば、最適な配車が実現します。たとえば、同じ方向に積載率が低いトラックが複数台出発することが分かれば、荷物をまとめて配送できます。
また、急に配送が必要になった際、トラックの位置が分かれば、もっとも近くにいるトラックを呼ぶことも可能です。そのほか、常にトラックの位置を把握できることから、ドライバーに効率的な配送を心がけさせることもできるでしょう。
積載率を向上させる「配送管理システム」とは?
配送管理システムとは、配送状況を管理するITツールです。スマートフォンのGPS機能などを駆使して、トラックの状況を常に把握できます。交通状況や納品先とのトラブルも管理可能です。ドライバーに適切な指示を出すことで、最適な対応が実現します。
基本的に、パソコンの画面ですべて管理します。配送状況の全容を把握することで、より良い配送計画の立案なども可能です。それらの機能を活用することで、積載率が向上し、無駄のない配送が実現するでしょう。
以下の記事では、おすすめの配送管理システムを比較紹介しています。あわせてご覧ください。
配送管理システムを使って積載率を上げ輸送効率の改善を!
積載率とはトラックの最大積載量に対する実際の積載量のことです。以下の計算式で算出でき、この数値が高いほど配送に無駄がないことを意味します。
- ■積載率(%)=積載量÷最大積載量×100
この積載率向上のためには、商品カテゴリーの集約や共同配送を行うことをオススメしますまた、配送管理システムを利用すれば、積載率にとどまらない配送効率化を実現できるので、ぜひ検討してみてください。