配送管理システム(Transport Management System)とは、配送計画や配送状況などを一元管理できるシステムのことです。倉庫から商品を出荷して配送するまでのすべての工程を把握・管理し、配送業務のさまざまな物流管理を効率化します。「TMS」や「配車管理システム」「運送業システム」「輸配送管理システム」とも呼ばれます。
車両費や人件費、燃料費などのコスト削減を目的に導入する企業が多い配送管理システムは、初期費用を抑えられるクラウド型が人気です。
この記事では、おすすめのクラウド型配送管理システムを比較して紹介します。クラウド型の選び方も解説するので、システム導入の参考にしてください。各社製品の一括資料請求も可能なため、製品をじっくり検討したい方はぜひご利用ください。
この記事は2023年7月時点の情報に基づいて編集しています。
クラウド型配送管理システム(TMS)を徹底比較!
早速、主要なクラウド型配送管理システムを紹介します。配送における管理業務をどのように把握・管理できるのか、製品ごとに特徴を見てみましょう。
《TUMIX配車計画》のPOINT
- 貨物受注、配車、請求、支払、経営分析を手間なく一元管理!
- 毎月20万円以上の利益改善!90時間もの残業削減実績あり!
- 操作はカンタンで、PCが苦手な方でもすぐに効果を実感!
株式会社TUMIX(鈴与グループ)が提供する「TUMIX配車計画」は、中小運送会社の経営や業務を改善する運送業専用のクラウド型業務支援システムです。配車計画やリアルタイムな配車状況を、インターネットにつながればどこからでも確認できます。受注情報を一度登録すれば、請求書などの帳票と連動するため、入力作業を削減できるでしょう。
参考価格 |
月額16,800円 ~/1ユーザー、月額29,600円/2ユーザー、月額39,400円/3ユーザー、月額48,200円~/4ユーザー、月額56,000円/5ユーザー ※別途初期費用あり |
無料トライアル |
◯ |
主な機能 |
運送受発注 / 伝票発行 / 集配指示 / 配車計画 / 配送員管理 |
TUMIX配車計画のいい点 |
★ ★ ★ ★ ★ 5 |
多くの機能が装備されたシステムですが、コンパクトにまとまっておりシンプルなUIで使いやすい印象です。ドライバーに指示を送る際にスマホへと自動で送信されるので紙で指示を制作するコストや手間などがカットされました。 |
TUMIX配車計画の改善してほしい点 |
★ ★ ★ ★ ★ 5 |
現状一部アナログでの作業が残っています。随時様々な点で機能が更新されているのを確認していますが、更にデジタル化が進められるのを期待しています。 |
製品・サービスのPOINT
- 効率の良い配送ルートで無駄を省き、売上アップ!
- 配送の進捗がリアルタイムでわかる運行管理システム
- 最大年間530万円のコスト削減、配送品質向上の為の機能が豊富
株式会社オンラインコンサルタントが提供する「ODIN リアルタイム配送システム」は、スマホGPSの勤怠管理と配送状況を連動できるクラウドの配送システムです。ドライバーがもつスマートフォンの位置情報と配送計画をもとに、配送の進捗を見える化します。計画と差が発生した場合は、事前に配送先へ連絡ができるため、依頼主や配送先の満足度向上につながるでしょう。GPSで位置情報が記録される動態管理機能は、日報作成や急な配送依頼への対応に便利です。
参考価格 |
ODIN動態管理:月額1,200円(税込)/ドライバー、ODINフードデリバリー:月額2,000円(税込)/配送員、ODIN配送計画:月額2,000円/割り当てる人数、ODIN PREMIUM:月額2,300円(税込)/ドライバー ※初期費用の有無はプランによって異なる |
無料トライアル |
◯ |
主な機能 |
集配指示 / 配車計画 / 配送員管理 |
ODIN リアルタイム配送システムのいい点 |
★ ★ ★ ★ ★ 5 |
PCはもちろんのこと、スマホからでも誰がどこに向かっているか何をしているかが、一目瞭然で判りやすい。
そのまま日報として使えるのもドライバーから評判が良い。 |
業種 | その他 |
従業員規模 | 50名以上 100名未満 |
ODIN リアルタイム配送システムの改善してほしい点 |
★ ★ ★ ★ ★ 5 |
スマホのアプリ画面を気軽に変更できるような機能があるとよりスマートライクな利用が可能になると思いますね。また古い機種でもサクサクと動くようになると嬉しいです。 |
製品・サービスのPOINT
- 運行収益が把握でき、適切な経営判断ができるようになります。
- 営業所担当者の業務が軽減され、時間外作業が減ります。
- 請求支払業務が軽減され、迅速な事務処理と透明化が図れます。
ロジスティードソリューションズ株式会社が提供する「ONEsLOGI / 運送業支援システム」は、受注入力から運賃・経費入力、運行収益などの機能を搭載し、運行収益管理の効率化を実現します。同社のONEsLOGI/TMSやONEsLOGI/車両管理システムなどと連携することで、配車業務や資産管理なども効率化が可能です。
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
◯ |
主な機能 |
運送受発注 / 伝票発行 / 運賃管理 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
業種 | 自動車、輸送機器 |
従業員規模 | 1,000名以上 5,000名未満 |
ONEsLOGI / 運送業支援システムのいい点 |
★ ★ ★ ★ ☆ 4 |
倉庫在庫や入出荷が発生する受払状況が可視化でき、多様なグラフで分析できるため倉庫管理者が欲しい情報が表示できる。 |
業種 | 自動車、輸送機器 |
従業員規模 | 1,000名以上 5,000名未満 |
ONEsLOGI / 運送業支援システムの改善してほしい点 |
★ ★ ★ ★ ☆ 4 |
ハンディターミナルで入荷をスキャンした際に、本体システムに反映されるまでのリードタイムが長く感じる。リアルタイム反映してほしい。 |
《ブッキングブック》のPOINT
- ネットがあればどこにいても必要な情報が見られるので安心
- 配車状況をリアルタイムで共有でき業務効率アップ
- 未配車案件がひと目で分かり配車忘れを防止
株式会社ブッキングブックが提供する「ブッキングブック」は、配送状況などの動態管理をリアルタイムで共有できるクラウド型の配車システムです。パソコンだけでなくタブレットでも操作ができるので、管理者は外出先でも配送状況などの確認が可能。急なルート変更やトラブルが発生しても、迅速な対応が実現します。企業のアカウントにアクセスすれば、管理者以外の従業員も状況の把握が可能です。過去運賃検索機能やとりあえず入力機能など、業務効率化につながる機能も豊富です。
参考価格 |
月額40,000円/20台以下、月額50,000円/21台~30台、月額60,000円/31台~50台、月額65,000円/51台~75台 |
無料トライアル |
◯ |
主な機能 |
運送受発注 / 伝票発行 / 集配指示 / 配車計画 / 運賃管理 |
《LOGI-Cube EXPRESS》のPOINT
- 画面がわかりやすく、スピーディーな入力が可能
- 各種外部システムとの連携でさらなる効率化を図れる
- 監査や行政処分に迅速に対応したい企業様におすすめ
株式会社コモンコムが提供する「LOGI-Cube EXPRESS」は、適切な運賃設定や労働環境づくりなど運送業の業務を支援する運送管理システムです。日計表管理システムを基本とし、売上実績や請求、支払などの管理や、運転者・車両別の実績確認などが行えます。収支を見える化することにより、適切な経営判断につながるでしょう。クラウド型システムを導入すると、許可されたすべての端末で同時に利用でき、リモートワークや外出先でも対応可能です。
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
ー |
主な機能 |
運送受発注 / 伝票発行 / 集配指示 / 配車計画 / 運賃管理 / 配送員管理 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
業種 | 卸売・小売業・商業(商社含む) |
従業員規模 | 5,000名以上 |
LOGI-Cube EXPRESSのいい点 |
★ ★ ★ ☆ ☆ 3 |
運転日報、運転者管理を行うことで車両別実績、稼働時間の集計などをすぐに把握できるようになり生産性が向上した。 |
業種 | 卸売・小売業・商業(商社含む) |
従業員規模 | 5,000名以上 |
LOGI-Cube EXPRESSの改善してほしい点 |
★ ★ ★ ☆ ☆ 3 |
業務面を向上する便利な機能が多いが全てを使いこなすのは難しく感じる。また慣れるまでに少し時間がかかってしまう。 |
以下では、ITトレンドでユーザーから問い合わせの多かった配送管理システムをランキング形式で紹介しています。一括資料請求もできるので、製品選びの参考にしてください。
Cariot
株式会社フレクトが提供する「Cariot」は、配送車両に関わるデータをダッシュボードにまとめ、リアルタイムで状況を把握できるツールです。走行データを分析・蓄積し、問題点を洗い出して最適な配送ルートを設計します。ダッシュボードのカスタマイズに対応しており、必要な機能だけを設定できます。
トラックメイト配車Pro
株式会社タイガーが提供する「トラックメイト配車Pro」は、配車担当の視点に基づき、操作性を追及した受注配車システムです。有償オプションで、労務管理機能の利用やタブレット端末との接続が可能です。労務管理によってドライバーの乗務時間を把握できるので、長時間労働を防げるでしょう。
LYNA 自動配車クラウド
株式会社 ライナロジクスが提供する「LYNA 自動配車クラウド」は、20年以上の実績を持つ配車管理システムです。AIによる配送計画の最適化を行い、クラウドで共有します。経験が求められる配車計画を誰でも簡単に作成でき、ボタンをクリックするだけで完成します。配車表や運行指示書などのレポート機能も、標準搭載されています。
TMS(配送管理)
株式会社Gappaが提供する「TMS(配送管理)」は、在庫や配送管理を一元化し、業務効率化や品質向上を実現するクラウド型物流マネジメントシステムです。積み込みや荷下ろしなどをバーコードで管理してチェックできるので、誤配送を防止します。配送遅れや配送ミスなどは、リアルタイムにワーニング表示(警告メッセージ)する気づき機能も搭載しています。
をリアルタイムで把握できます。
配車マスター
ネットロック株式会社が提供する「配車マスター」は、ドライバーにスマートフォンを携行してもらい、車両の動きを把握する輸配送クラウド管理サービスです。有償オプションで、輸送経路の自動計算が可能です。ガントチャートを使った柔軟な配送ルート変更に対応し、交通状況などにあわせて最適な指示を出せます。
以下の記事では、クラウドをはじめオンプレミスにも対応した配送管理システムを紹介しています。幅広い製品情報を知りたい方は、あわせてご覧ください。
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クラウド型配送管理システム(TMS)の選定ポイント
クラウド型配送管理システムの選定には、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。注意するべき2つのポイントを解説します。
ベンダーの得意分野が自社の業務にあっているか
クラウド型配送管理システムの選定時は、ベンダーの提供実績を確認してください。
どの業種に向けて、どのようなソリューションをベンダーが提供してきたのかを確認すると、得意分野や技術力が見えてくるはずです。自社の相性はどうか、課題が解決できるのかを十分に精査しましょう。
管理画面の操作性は高いか
管理画面の操作性も大きなポイントです。
例えば、マウス操作のみで設定や変更ができるか確認するといいでしょう。動態管理によって交通渋滞や事故の発生を確認したら、ドライバーに配送ルート変更などの連絡を迅速に行う必要があるため視認性も重要です。操作性の高い管理画面やレイアウトは、業務効率化につながるでしょう。
クラウド型配送管理システム(TMS)の導入で効率的な配車を!
配送計画や当日の進捗管理、運賃の請求など、配送業務のさまざまな物流管理を効率化できる配送管理システム(TMS)。コスト削減を目的に導入する企業が多いため、初期費用を抑えられるクラウド型が人気です。
クラウド型配送管理システムを選定する際は、自社の業務にあった機能を搭載し、操作性の高さも確認してください。ベンダーの提供するサービスの特徴を理解するために製品の資料請求を行い、自社の課題を解決できるシステム導入を実現しましょう。