人事評価システムの種類を知る前に整理したいこと
人事評価システムとは、社内の従業員の評価プロセスをシステム上で管理し、集計や共有を効率化するためのシステムです。種類を理解する前に、システムが担う役割と業務範囲を整理しておきましょう。
人事評価システムが担う業務の範囲
人事評価システムは、評価シートの作成や配布、回収、集計といった一連の業務を支援します。紙やExcelで行っていた評価業務を、システム上で完結させられる場合があります。
評価の運用方法は企業によって異なり、評価項目や評価回数もさまざまです。自社がどのような評価制度を運用しているかを整理しておくと、必要な種類のシステムを判断しやすくなります。評価者と被評価者のやり取りをどこまでシステム化したいかも、あわせて整理しておくとよいでしょう。
種類を理解しないまま選んだ場合に起こりやすいこと
人事評価システムの種類を理解しないまま選ぶと、自社の評価制度に合わない機能ばかりの製品を導入してしまう場合があります。例えば、目標管理を重視したい企業が、コンピテンシー評価専用の製品を選ぶと運用しづらくなります。
反対に、多機能な製品を選んでも、実際に使う機能が一部に限られていれば、費用に見合わない場合もあります。自社の評価制度と照らし合わせて、必要な種類を見極めることが求められます。導入前に無料トライアルで操作感を確認する方法も有効です。
評価手法から見た人事評価システムの種類
人事評価システムは、対応する評価手法によって複数の種類に分けられます。自社の評価制度と照らし合わせながら、代表的な評価手法での分類を紹介します。
目標管理制度に対応したタイプ
目標管理型の人事評価システムは、従業員が設定した目標の達成度をもとに評価する仕組みを支援します。目標設定から中間振り返り、期末評価までの流れをシステム上で管理できる場合があります。
上長とのコメントのやり取りを画面上で記録できる製品もあります。目標の進捗を可視化しやすくなることで、期中のフォローがしやすくなる場合があります。過去の目標設定を参照できる機能があると、次期の目標設定にも役立ちます。
コンピテンシー評価に対応したタイプ
コンピテンシー評価型の人事評価システムは、職種や役職ごとに求められる行動特性を基準に評価する仕組みを支援します。評価項目をあらかじめ職種別に設定できる機能を備えている場合があります。
行動特性は数値化しにくい要素を含むため、評価者による判断のばらつきが生じやすくなります。評価基準を具体的に示すコメント欄や、評価者向けのガイドラインを表示できる機能があると、判断のばらつきを抑えやすくなります。複数の評価者による多面評価に対応した製品もあります。
提供形態から見た人事評価システムの種類
人事評価システムは、提供形態によっても種類が分かれます。運用体制やコストへの影響が大きいクラウド型とオンプレミス型の違いを、以下の表にまとめました。
| 提供形態 | 特徴 |
|---|---|
| クラウド型 | インターネット経由で利用でき、初期費用を抑えやすい |
| オンプレミス型 | 自社サーバーで運用し、独自の評価制度に合わせやすい |
クラウド型人事評価システムの特徴
クラウド型の人事評価システムは、インターネット経由で利用するタイプの形態です。自社でサーバーを用意する必要がなく、比較的短期間で導入しやすいという特徴があります。
評価制度の見直しにあわせて、評価項目や運用フローを柔軟に変更できる製品もあります。一方で、自社独自の評価フローが複雑な場合は、カスタマイズできる範囲を事前に確認しておく必要があります。データの保管場所やアクセス権限の設定方法もあわせて確認しておくと安心です。
オンプレミス型人事評価システムの特徴
オンプレミス型の人事評価システムは、自社のサーバーにシステムを構築して運用するタイプの形態です。独自の評価制度が複雑な企業や、既存の人事システムとの統合を重視する企業に選ばれる場合があります。
導入や運用には、自社の情報システム部門による対応が必要です。初期構築にかかる期間や費用が大きくなりやすいため、クラウド型とあわせて比較しておくことが重要です。評価制度の変更時にも、社内での改修対応が発生する場合があります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で人事評価システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
企業規模で異なる人事評価システムの種類
人事評価システムは、企業規模によっても適した種類が異なります。中小企業向けと大企業向けの違いを、それぞれの運用体制もふまえて見ていきましょう。
中小企業向けタイプの特徴
中小企業向けの人事評価システムは、シンプルな機能構成で、比較的短期間で導入しやすい製品が多く見られます。評価項目のテンプレートがあらかじめ用意されている場合もあります。
専任の人事担当者が少ない企業でも運用しやすいよう、操作画面がシンプルに設計されている製品もあります。サポート体制が充実しているかどうかも、選定時に確認しておきたい点です。初期費用や月額料金が従業員数に応じて変わる製品もあるため、見積もりを確認しておきましょう。
大企業向けタイプの特徴
大企業向けの人事評価システムは、部門や拠点ごとに異なる評価制度を運用できる柔軟性をあわせ持っている場合があります。複数の評価フローを並行して管理できる機能が求められます。
従業員数が多い企業では、権限設定やデータ連携の仕組みも重要な確認項目です。既存の人事システムや給与システムとの連携実績を確認しておくと、導入後の運用がしやすくなります。海外拠点がある場合は、多言語対応の可否もあわせて確認しておくとよいでしょう。
自社に合う人事評価システムの種類を選ぶ基準
人事評価システムの種類を選ぶ際は、自社の評価制度や企業規模を基準に検討することが大切です。確認しておきたい観点を、順を追って紹介します。
自社の評価制度に対応できるかを確認する
導入前に、自社が採用している評価制度をシステムが問題なく再現できるかを確認しましょう。評価項目や評価フローが複雑な場合、カスタマイズの範囲が制限されている製品では対応しきれない場合があります。
評価制度を見直す予定がある場合は、将来的な変更にも柔軟に対応できる製品を選ぶ方法があります。導入前に自社の評価シートをもとにデモを依頼し、実際の画面で確認しておくとよいでしょう。評価結果を人事考課や昇給の判断に利用する場合は、出力形式が自社の運用に合うかも確認しておきましょう。
運用体制に合った種類を選ぶ
人事評価システムは、運用を担当する人事部門の体制によっても、適した種類が変わります。専任の担当者が少ない場合は、設定や操作がしやすい種類を選ぶことが重要です。
導入時のサポート体制や、操作研修の有無も確認しておきましょう。評価者となる管理職への周知や説明会もあわせて計画しておくと、運用開始後の混乱を抑えやすくなります。運用開始後に問い合わせが集中しやすい時期を見越して、社内の対応体制も整えておくと安心です。
人事評価システムに関するFAQ
人事評価システムの種類について、よく寄せられる質問と回答をまとめました。
- ■Q1:人事評価システムにはどのような種類がありますか?
- 目標管理型やコンピテンシー評価型など、評価手法での分類があります。提供形態でもクラウド型とオンプレミス型に分かれ、企業規模によっても適した種類が異なる場合があります。
- ■Q2:クラウド型とオンプレミス型はどちらを選ぶとよいですか?
- 短期間で導入したい場合はクラウド型、独自の評価制度が複雑な場合はオンプレミス型が選択肢の一つです。自社の情報システム部門の体制や、既存システムとの連携要否もふまえて検討しましょう。
- ■Q3:中小企業と大企業では選ぶべき種類は変わりますか?
- 中小企業ではシンプルな機能構成の製品が、大企業では部門ごとの評価制度に対応できる柔軟性のある製品が選ばれる傾向があります。自社の規模や今後の従業員数の見通しもふまえて検討しましょう。
- ■Q4:目標管理型とコンピテンシー評価型を併用できますか?
- 両方の評価手法に対応した製品もあります。自社が複数の評価軸を組み合わせて運用している場合は、対応範囲を導入前に確認しておくと安心です。
人事評価システムのタイプ別に見る代表的な製品
人事評価システムには、労務管理と一体型のもの、人材データベースを軸にしたもの、評価・目標管理の運用に特化したものなど複数のタイプがあります。自社の評価制度や既存の業務フローに合わせて、以下のような製品を比較検討の材料にしてください。
SmartHR
- 柔軟な評価シートと進行管理で、評価業務の運用負荷を大幅に削減
- 評価分布を一覧で可視化し、面倒な「甘辛調整」が簡単に
- 評価結果を「配置シミュレーション」などに、シームレスに活用
株式会社SmartHRが提供する「SmartHR」は、人事労務手続きのクラウド化を起点に、人事評価・タレントマネジメント機能を備えたプラットフォームです。従業員情報を一元管理しながら評価シートの作成・配布・集計をオンラインで行え、目標管理や人事データの分析にも活用できます。労務管理と評価業務を同じ基盤で扱えるため、情報の重複入力を減らしたい企業に向いています。
カオナビ
- 企業独自の評価シートを再現し、評価の回収~集計を効率化
- AIが目標設定から振り返りまでデータをもとにアドバイス・添削
- 1on1や面談履歴の蓄積で振り返りやフィードバックの精度向上
株式会社カオナビが提供する「カオナビ」は、顔写真付きの人材データベースを軸にしたタレントマネジメントシステムです。評価シートの作成・回収・集計をクラウド上で行えるほか、評価結果や異動歴、スキル情報を蓄積して人材配置の検討に活用できます。目標管理やコンピテンシー評価など複数の評価制度のフォーマットに対応しており、部門ごとに運用ルールを分けたい企業にも利用されています。
HRBrain
- 評価シートの作成から集計まで煩雑な業務をワンストップで効率化
- OKR・MBO・1on1、360度評価など、豊富なテンプレートを完備
- 「使いこなせない…」の心配はご無用!充実したサポート体制
株式会社HRBrainが提供する「HRBrain」は、人事評価・目標管理・人材データ分析をまとめて扱えるタレントマネジメントシステムです。評価シートの設計や進捗確認をクラウド上で行え、蓄積した評価データを人材配置や育成計画の検討材料として活用できます。既存のExcel運用からの移行を想定した機能も備えており、評価制度の運用負荷を軽減したい企業に選ばれています。
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まとめ
人事評価システムには、目標管理型やコンピテンシー評価型といった評価手法での種類、クラウド型やオンプレミス型といった提供形態の種類があります。自社の評価制度や企業規模、運用体制を踏まえたうえで、種類ごとの特徴を比較しながら、無理なく運用を続けられる人事評価システムを検討してみてください。


