人事評価システムとは
人事評価システムとは、従業員の日々の目標・実績管理やそれに紐づく人材育成に役立つシステムです。
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人事評価システムの導入メリット
人事評価システムを導入することで、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。大きく5つに分けてご紹介していきます。
明確な評価設定を実現
人事評価システムを導入することで、評価項目を詳細に設定することができます。また、詳細で具体的な評価項目は、緻密で正確な社員の評価を実現します。
これによって、従来では実現が難しかった公正で平等な評価を下すことができるようになったのです。ハロー効果などの人的エラーを防ぐだけでなく、業績の良いハイパフォーマーとの相対評価を防ぐことで、従業員により良いインセンティブを与えることができます。
詳細な評価項目を分かりやすく整理するシンプルなインターフェイスと、直感的な操作性を実現した現在の人事評価システムを導入することで、タレントマネジメントを効率的に行うことが可能となります。
パフォーマンスのマネジメント業務を効率化
人事評価システムを導入することで、目標の設定や共有、管理を一括して行うことができます。自社のビジョンを明確化して、共有し、ビジョンを実現するためのミッションを評価データに基づいて設定することが可能となるのです。同時に、人事制度を運用する人事担当者などの管理者が、各社員がどのような段階にいるのかといった人事考課の進捗管理を行うこともできます。
プロジェクトの終了後も、各従業員の成果・業績を適正に評価することで、次へ向けた改善点を洗い出すことができます。成果主義による絶対評価だけでなく、成果のプロセスや取り組む姿勢を評価項目へ取り入れることで、社員に対して、より平等で納得のいく評価を下せます。
複雑な人事評価業務を自動化
正確で実用的な考課シートの作成及び運用には、多大な労力と時間を要します。また、詳細な評価項目を設定すればするほど、担当者の工数も増加していきます。中小企業であれば、通常業務の傍らでの作成は、担当者一人あたりの負担は大きくなりますし、大企業では膨大な部署や社員の評価項目を正確に設けることは至難の業になります。
人事評価システムを導入すれば、多岐にわたる評価項目の設定から集計、分析といった人事制度の運用を容易に実現することができます。また、人事評価システムによって作成された考課シートは、従来の人によるものよりも精度が向上するため、従業員のステータスをより正確に視覚化することが可能となります。
データ化することで付随して得られるメリット
人事評価システムを導入することで、評価結果をデータ化することができます。データ化することで、ペーパレスな人事評価が可能となり、大幅なコスト削減が期待できます。また、データ化することで、評価結果を比較、分析して人材育成に活用することも可能です。
従業員を評価するだけでなく、人材育成という長期的なスパンで考えても、データ化することのメリットは大きいと言えるでしょう。データを蓄積して活用することで、個人の潜在能力を見える化し、人材育成の新たな指標を形成することもできます。
目標と人材をマネジメントできる
5つ目の人事評価システムによるメリットは、目標と人材を共にマネジメントすることができる点です。人事評価システムを導入することで自社の掲げるビジョンの達成に向けたミッションの設定を、社内で共有し再確認することが容易となります。
個々が取り組むべき課題を明確にし、それを共有することでより大きな事業の達成を見込むことができます。プロジェクトの終了後に反省会を開く際にも、評価結果を基にして個人が今後改善するべき点を視覚的に提示し、論理的な戦略を立てることもできるでしょう。
人事評価システムによって設定された詳細な評価項目は、従来のタレントマネジメント業務を円滑に行うことを可能にします。丁寧なタレントマネジメントは、離職率の削減に貢献し、従業員のモチベーションを向上させ、より大きなミッションへ取り組む足がかりとなります。
人事評価システムを導入することで、従来のアナログ式の考課シートよりも、より透明性の高い人事評価を行うことができます。また、人事制度の運用も手間がかからないようになります。人事評価システムを活用することで、目標管理と人材育成の観点から自社に大きな飛躍をもたらすことができるのです。
人事評価システムを効果的に活用するための4つのポイントとは
システムは導入がゴールではありません。システムを効果的に活用し、効果が発揮されることでシステム導入が成功と言えます。ですので、ここでは人事評価システムの活用を成功させるために注意すべきポイントを紹介します。
公平な評価の徹底
人事評価システムは、詳細な目標管理シートの設定が可能ですが、前提となる自社の人事評価制度や目標管理制度を確立しておくことが必要です。システムの導入が先行してしまい、導入以前の評価方法を考慮せずにシステムを優先した人事評価を行うと、利用開始の前後で、社員への評価に明らかな差が出てしまうケースがあります。
システムの導入後は、社内全体の公正な評価と合わせて、個人単位の評価に大きな差がないか確認することが重要です。もし適正な評価により、導入の前後で評価の差が大きくなっている従業員に対しては、誤解が生まれないように具体的な背景を説明しましょう。
評価結果をデータとして活用する
人事評価システムは、評価結果を分析することで、人事評価制度の見直しや組織の問題点の改善に役立ちます。
データとして蓄積された従業員の評価データは、従業員のモチベーションの変化や、部署ごとの偏りを可視化できます。これまで好調だった社員の業績が突然悪化した場合、長年蓄積してきた評価データを基に分析し、客観的に原因を把握しやすくなります。従業員のあらゆる情報をデータとして蓄積し、視覚化することで、様々な視点から従業員や組織を分析することができるのです。
目標の設定と共有
人事評価システムでは、達成すべき目標を簡単に社内で共有することができるようになります。設定した目標を共有することで、組織やチームの目標に対する共通認識や相互理解を促し、目標達成意欲を高めることにもつながります。
目標によっては、OKRなど全社共有する目標と、MBOなど個人と上司の間でのみ共有に分かれる場合もありますので、目的に応じて使い分けましょう。
OKRとMBOについては下記の記事をご参考ください。
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相対評価ではなく、絶対評価を実現
人事制度を運用する上で、理想的な評価は、達成した業績などの定量的な成果だけでなく、業務内での従業員の働きを定性的な要素も含めて、もれなく評価することです。人事評価システムを活用することで、評価基準をクリアできたかという客観的な基準で絶対評価が可能になります。もし評価の手間を減らすために、相対評価を実施している場合には、システムの導入後には絶対評価も積極的に取り入れていくことをおすすめします。
相対評価について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
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人との比較評価は、社員のモチベーション低下につながるだけでなく、個人が改善点を模索することの妨げにもなります。人事評価システムによって設定された明確な評価基準を社内であらかじめ共有しておくことで、評価する側の負担も軽減し、評価される側も納得しやすくなります。
人事評価システムの導入前の課題
人事評価システムを導入する前に人事評価でありがちな課題について確認しておきましょう。
人事担当者の負荷が大きい
従来の人事評価方法では評価シートの集計や、確認作業、取りまとめ作業などの煩雑な工程が必要なため、人事担当者に大きな負荷がかかっていました。評価制度や評価項目などが更新されるたびにエクセルで作成した人事考課表を修正する手作業もあり、人材育成などほかの業務に手が回らない場合もあるようです。
誤った人事評価がなされる
人事評価を行なう際には担当者による主観的な判断がなされることが多く、正しく評価をされないことがよく見受けられます。従業員にとっては自己評価との乖離が大きくなり不満を抱えることになります。優秀な人材を評価の不透明感や不公平感などを理由とする退職で失うことは企業にとって大きな損失となります。
スキルと担当業務のミスマッチ
個々の成果や業績がなかなか適正に評価されないために、スキルと担当業務のミスマッチが起こっていました。本来の能力を発揮できないために生産性が下がるだけでなく、社員のモチベーション低下などさまざまなデメリットがあります。
選定ポイントを理解し、製品比較検討へ
人事評価システムのメリットは理解できましたでしょうか。また、導入ポイントや、課題を把握することでスムーズに導入を進められるかと思います。自社の課題を整理し、人事評価システムで解決できる場合はぜひ製品の検討を進めてみてください。
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