オンプレミス型人事評価システムとは
オンプレミス型人事評価システムとは、社内に専用サーバを導入し、自社でシステムを構築・運用する導入形態の製品を指します。パッケージ型やクラウド型の製品よりもカスタマイズが容易なため、自社の業務や雇用形態に則したシステムが作れるのが一番の魅力です。
オンプレミス型は「クライアント・サーバ型」や「自社運用型」とも呼ばれます。サーバやネットワーク機器を購入(またはリース契約)し、自社内に設置し、そのサーバにソフトウェアをインストールしてシステムを管理・運用する形式であるためです。そのほか回線も自前で用意する必要があり、他の導入形態と比べて初期費用は高額になるでしょう。
オンプレミス型人事評価システムのメリット
オンプレミス型製品は、カスタマイズ性や処理速度、セキュリティ面において強みをもちます。自社の課題解決やシステム導入の目的にマッチするかも考えながら、導入形態を選ぶ参考にしてください。
カスタマイズが容易
オンプレミス型のシステムは、自前でサーバなどを用意しシステムを構築するため、自社で使いやすいようカスタマイズできます。独自の評価項目の追加や変更だけでなく、勤務形態や業務にあわせた多数の評価シートの作成も容易でしょう。評価基準が独特でシステム導入だけでは現状の人事評価制度に対応できない、といった課題を抱える企業におすすめです。
処理速度が速い
オンプレミス型システムは、社内のローカルネットワークを使って通信します。このため通信速度が速く、社内に設置されているサーバ機器に素早くアクセスできます。社内のネットワークにインターネット回線を利用していた場合、なんらかの理由でインターネットにつながらなくなる恐れがありますが、オンプレミス型であれば、リスクがなく安心でしょう。
セキュリティの充実
社内にサーバを設置しているため、第三者への情報漏えいや外部からの不正アクセスなどのリスク軽減が期待できます。また、セキュリティ対策を自社のポリシー(方針)にあわせて構築すれば、安全面の確保も見込めます。
オンプレミス型人事評価システムのデメリット
一方、オンプレミス型システムにもデメリットはあります。導入に時間を要しコストがかかる点が最大の懸念点であり、管理運用の手間などもあげられるでしょう。以下で詳しく解説します。
システム構築に時間がかかる
オンプレミス型システムは関連機器の調達からシステム構築まですべて自社で実施するため、導入までにかなりの時間を要します。システムの導入にスピード感を求める場合には適していないといえるでしょう。
初期費用が高い
システム構築に伴い、初期費用が高額になりがちなのも敬遠される原因の一つです。日常的なメンテナンスのコストをはじめ、業務変化や法改正の対応などに伴う、ソフトウェアのバージョンアップのコスト、ハードウェアが故障した時の対応コストなどが運用コストとしてあげられます。
メンテナンス担当が必要
社内でシステムを運用するため、ハードウェアやシステムの運用・保守を行う担当者が必要です。同時にメンテナンス業務の時間や工数がかかることも念頭に入れておきましょう。
災害・障害リスク
災害などで社内のサーバが破損すると、重要なデータを紛失する恐れがあります。また、ハードウェアに障害が起きてしまった場合には、メンテナンス担当が自身で復旧させなければいけません。多くの時間やリソースが取られてしまいます。
オンプレミス型人事評価システムのおすすめを紹介
数ある人事評価システムのなかから、オンプレミスでの提供が可能な製品をピックアップしました。クラウドでの導入に対応可能な場合もあるので、迷った場合はぜひ資料請求(無料)や無料トライアルなどを活用して、自社にあった提供形態・製品を選びましょう。導入ユーザーの口コミに記載された、機能や操作感、サポートについての感想もぜひ参考にしてください。
《スマカン》のPOINT
- 多面評価や能力評価、1on1など、さまざまな評価を同時に実行可能
- 自由に設計できる評価シートで、自社に合わせた人事評価を実現
- 柔軟なワークフロー設計で、組織に合わせた承認ルートを設定
スマカン株式会社が提供する「スマカン」は、670社以上の導入実績をもつタレントマネジメントシステムです。業種や企業規模を問わず利用できます。2段階認証やIPアドレス制限、第三者機関による脆弱性診断などを取り入れ、セキュリティ対策にも注力。安心して運用できるでしょう。
対象従業員規模 |
すべての規模に対応 |
参考価格 |
ー |
対応機能 |
コンピテンシー評価/MBO(業績目標)評価/360度(多面)評価 |
無料トライアル |
◯ |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
スマカンのいい点 |
★ ★ ★ ★ ★ 5 |
年間の個人目標やそれに対する評価を主に利用しています。
個人の目標やその目標の難易度、ウエイトを設定でき、具体的な目標に向かって業務に取り組むことができます。
上司からのコメントや評価などもシステムを通じてやりとりできて使いやすい評価システムだと思います。 |
スマカンの改善してほしい点 |
★ ★ ★ ☆ ☆ 3 |
パソコンやタブレットで使用することは出来るが、スマートフォン用のサイトが無いため、スマートフォンで作業することが困難なので改善してほしい。 |
製品・サービスのPOINT
- 10年のノウハウで、御社独自の評価制度をシステムに反映できます
- クラウドにもオンプレにも柔軟にご対応可能です
- 各種考課機能及びスキル管理機能とチャット機能で人事DXを実現
株式会社くじらシステム開発が提供する「人財成長支援システム モノドン」は、低コストかつカスタマイズを前提とした人事評価システムです。自社の人事制度にあわせたセミオーダーの人事評価システムを構築できます。既存システムとの連携にも対応できるため、業務効率の向上にも役立てられるでしょう。
対象従業員規模 |
すべての規模に対応 |
参考価格 |
パッケージ150万+初期設定費・システム保守費+カスタマイズ費※ |
対応機能 |
コンピテンシー評価/MBO(業績目標)評価/360度(多面)評価 |
無料トライアル |
◯ |
※カスタマイズ費はご要望により大きく増減します。
※買取ライセンス型のため、社員数の増減による金額の変動はありません。
より多くの製品を比較検討したい方や、最近の人気傾向を掴みたい方には、以下のページもおすすめです。オンプレミス・クラウド・パッケージなど製品ごとの提供形態や特長がひと目で把握できます。
クラウド型人事評価システムとは
クラウド型人事評価システムとは、インターネット上でベンダーが用意したサーバを用いてシステムを利用する製品です。編集データはローカルPCではなくクラウドサービスのサーバ上に保存されます。社外から利用できる点や、社内ネットワークのトラブルや災害時にもすぐに復旧できる点が魅力です。また月額制のサブスクリプションの場合が多く、初期費用を抑えて利用できることも人気の理由でしょう。
クラウド型人事評価システムのメリット
オンプレミス型人事評価システムと違い、クラウド型は導入期間やコスト面においてメリットがあります。管理運用の手間が少ない点もクラウドならではの長所でしょう。以下で詳しく解説します。
短期間で導入できる
クラウド型システムならサーバやソフトウェアを準備する必要がなく、サービス契約後比較的早く利用できます。導入準備にリソースを割きたくない方やシステム導入の希望期日が迫っている方におすすめです。
導入コストが抑えられる
クラウド型は初期費用無料の製品も多く、機材やサーバの準備も不要なため安価に導入できます。また、運用・保守などのメンテナンスにかかる費用は月額費用に含まれるため、導入提案時に予算が想定しやすく、承認がスムーズに進む可能性もあるでしょう。
データの共有がしやすい
クラウド上でデータを管理するため、評価シートや人事情報などのデータを共有しやすい点もメリットです。従業員がいつでも確認できる環境にすれば、評価の透明性が高まり納得を得やすいでしょう。
データのバックアップや更新が自動で行われる
クラウド上にデータが保存されるため、バックアップは自動で実施されます。社内のPCなど端末が故障してもすぐに復旧できるので安心でしょう。また、自社でのメンテナンスが不要なため、常に最新のバージョンを利用できるのも魅力のひとつです。
クラウド型人事評価システムのデメリット
一方、カスタマイズの柔軟性に欠けることや、ネットワーク障害に弱いことがクラウド型システムのデメリットとしてあげられます。また、セキュリティ面のリスクが気になる人も少なくないでしょう。
細かいカスタマイズが難しい
クラウド型のシステムは基本的にパッケージ化されたシステムで提供されるため、自社の要望に合わせたカスタマイズはあまり期待できません。独特な評価基準をもつ場合や評価項目を自社仕様にしたい場合、クラウド型システムは不向きといえるでしょう。
ネットワーク障害があると利用できない
インターネット経由で利用するため、インターネット環境がない場所にいるときや、サービスの提供会社とのネットワークに障害が発生した場合などはシステムを利用できません。また、サービスによってはメンテナンスの際に一時的に利用できなくなる恐れもあります。
セキュリティー面のリスク
クラウド型システムは、インターネット上にさまざまな機密データや個人情報を保存しています。そのため、ネットワークを介してのハッキングの攻撃対象となりやすく、重要なデータが流出するリスクがあります。ベンダーのセキュリティ機能について事前に調べましょう。
以下の記事では、さまざまな提供形態の人事評価システムを比較紹介しています。クラウド人事評価システムも多数紹介しているので、興味のある方は、ぜひ一読ください。対応機能や価格、口コミなどもチェックできます。
関連記事
オンプレミスとクラウドの違いとは
オンプレミス型とクラウド型製品の特徴を知ったところで、それぞれの違いを一覧にまとめました。どちらを導入すべきかお悩みの方は参考にしてください。
|
オンプレミス |
クラウド |
導入までの期間 |
長い |
短い |
初期コスト |
高い |
安い |
カスタマイズ性 |
高い |
低い |
メンテナンス |
自社で行う |
ベンダー側が行う |
障害リスク |
災害などで社内のサーバが失われる可能性がある |
ネットワーク障害やシステムメンテナンス時は利用できない |
それぞれの提供形態ごとに適した企業の特徴は以下のとおりです。
このような企業にはオンプレミス型がおすすめ!
- ●自社にサーバメンテナンスができるエンジニアが在籍している
- ●ランニングコストを抑えたい
- ●雇用形態や組織体系が複雑なため、ある程度カスタマイズして使いたい
- ●従業員数が多く、クラウド型の製品だと月額費用が高くなりがち
このような企業にはクラウド型がおすすめ!
- ●導入や運用に手間をかけたくない
- ●イニシャルコストを抑えたい
- ●導入を急いでいる
- ●テレワークでも人事業務に活用したい
- ●労働関係法の改正にすぐに対応したい
提供形態にかかわらず、必要としている機能や、どのような課題があって導入したのかを重視して製品選びを行いましょう。例えば人事部の人手が足りない場合は、労務管理や給与計算などの機能が豊富なオールインワンタイプのシステムを選ぶのがおすすめです。人材育成に力を入れたい場合は、eラーニング機能や研修管理に特化したものやタレントマネジメント機能を搭載したものも適しています。
提供形態の違いを知って自社に最適な製品を導入しよう
人事評価システムを導入することで、人事評価の業務を効率化するだけではなく、蓄積された評価や能力のデータを活用し、社員一人ひとりに合った適材適所の配置をするなど、組織のパワーを最大化するのに役立ちます。
一方で、いざシステムを利用するとなれば「どのような形でを導入するか」を考えなければいけません。システムの提供形態での長所・短所を把握し吟味する必要があります。また、導入だけではなく、どのような人が利用するのか、その後の運用などを想定することも大切です。無料トライアルやデモを活用し、自社のニーズにあう製品を導入しましょう。