評価基準別の人事考課のコメント例と注意点
人事考課を行う上司(評価者)は人事考課の目的を把握するだけでなく、適切な評価を行い効果的なコメントをすることが求められます。人事考課の評価項目には大きく分けて「成果評価」「能力評価」「情意評価」の3つがあります。この評価項目に合ったコメントをすることが重要です。
ここからは人事考課のコメント例と注意点を紹介していきます。
成果評価のコメント例と注意点
評価項目の中の「成果評価」は、評価期間中に被評価者が出した成果・業績を評価することです。注意点は具体的な評価する根拠となる数値を明確にすることです。
成果評価のコメントは具体的にどのように行えば良いでしょうか。
数字を基準にコメントすること
成果評価で重要になるポイントは数字です。数字を基準にコメントします。
「目標に対して150%の業務を行った。この数字は直近5年間の中でもトップの数字であり、他の手本となる数字である。結果の原因を明確にし、部署に共有して全体のパフォーマンスを底上げして欲しい。」
部下が目標を達成した場合のコメント例は評価を具体的に数値化し、その数値がどれくらい基準を上回っているかを伝えることです。自分の評価が具体的にイメージできればモチベーションに繋がります。
目標に対して未達であった場合は、「何故未達だったのか」と原因を明確に伝え、改善できるように共有することが重要です。営業部門であれば売上達成率など数値化しやすいですが、部署によって数値化しにくいこともあるため注意が必要です。
能力評価のコメント例と注意点
評価項目の中の「能力評価」は被評価者の業務を行う「企画力」「実行力」「改善力」の能力を評価するものです。評価期間内において能力を自分の業務にどれだけ活かせたのか、点数をつけるなど客観的な数値を用いて評価を行うことが注意点です。
この能力評価はどのようなコメントをすれば良いか説明していきます。
数値化しづらいため、基準をあらかじめ定めること
能力評価は、測定する試験がない限り数値化しづらいため、公平な評価が難しいです。公平な評価を行うためには評価基準をあらかじめ定め共有する必要があります。
「評価期間中に10回の企画会議があり、その中で5回有効な企画を立案した。この企画により全社の売上も向上し、会社に貢献した。」
能力評価は固定した評価基準を用いるのではなく、評価期間に対応する基準を設定して共有することが重要です。
情意評価のコメント例と注意点
評価項目の中の「情意評価」は、業務に対する勤務態度や姿勢を評価します。具体的な内容は「責任感」「協調性」「積極性」になり、客観的な評価が重要です。この評価は数値化することが難しいため、普段からどのような姿勢で勤務しているかチェックすることが重要です。
日々の行動を細かくチェックしなければならない
管理者が部下一人ひとりの行動を全て把握することは難しいため、情意評価は日々の行動だけでなくコミュニケーションを積極的に行う必要があります。勤怠だけでなく、積極的に業務に取り組んでいるかも重要です。
コメント例は「勤怠は問題なく、業務に対しても自分から進んで取り組む姿勢は他の手本となるところである。業務の進め方も部署内のスタッフに相談して確実に進めているため、評価できる。」などです。業務を行う姿勢は部署内で話を聞くことで把握できます。
人事考課のコメントで避けるべき点
人事考課を適切に行うためには、コメントにも慎重になる必要があります。人事考課に相応しくないコメントをすると、人事考課の目的を達成できないだけでなく、部下の信頼を失うことにも繋がります。ここからは人事考課のコメントで避けるべき点を説明していきます。
人格を否定するようなコメント
人事考課で評価する対象は「業務」です。もちろん「情意項目」があるため勤務態度や姿勢も重要になりますが、注意するときも慎重にコメントをする必要があり、被評価者の人格を否定するコメントはいけません。
他者と比較するようなコメント
よくあるケースは優秀な同期や、優秀な先輩社員と比較するようなコメントです。この比較は優秀な社員をお手本にしたり、アドバイスを聞くように促すことであれば問題ありません。しかし、比較して貶めるコメントは避けるべきです。
職種別!人事考課のコメント記入例
人事考課は基本的に業務に対しての評価になるため、当然ですが業務内容が異なれば評価する方法や項目、コメントも変わってきます。ここからは職業別の人事考課のコメント例を紹介していきます。
営業職の人事考課コメント
営業職の人事考課は、他の業務よりも結果が数字で表れるため、客観的に評価しやすいです。人事考課を行うときは業績による数字以外にも、外的要因や状況を把握することが重要です。
営業職のコメント例は「個人の営業目標を120%達成した。その結果、営業部全体の目標達成に大きく貢献してくれた。今回の結果の要因を明確にして、自己記録を更新できるように業務に取り組んで欲しい。」などです。
看護師・介護系の人事考課コメント
看護師・介護系の職業であれば、基本的に毎日同じ業務を行いますが、突発的にイレギュラーな事態が発生することが多いです。そのため、不測の事態にも迅速かつ柔軟に対応できる能力が必要になります。
「日々の業務は1つ1つ丁寧に正確に行っているため評価できる。緊急時の対応も冷静でありながら、周囲に適切な指示を出すことで無事解決できた。これからもより良い対応ができるように業務を行って欲しい。」
数値化しにくい業務は、具体的な行動を評価することが大切です。
人事評価のコメントも人事評価システムが便利
人事評価のコメントを行っていくにあたっても人事評価システムを使用すると工数を減らす事ができます。当サイトでは、人事評価システムのランキングを行っております。人事評価システムをご検討の方は、一括資料請求で比較検討されてはいかがでしょうか。
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人事考課のコメントは公平性が重要
人事考課は業務や業績を数値化して評価するだけでなく、従業員のモチベーションに大きく関係します。そのため、有効な人事考課のコメントは企業にとってプラスになるケースもあれば、マイナスの影響を及ぼす可能性もあります。評価者は部下が納得する公平なコメントで評価しましょう。