人事評価システムとは
人事評価システムとは、従業員の評価・給与に紐づく目標や実績を管理することができます。また、個人の目標や実績管理だけでなく、経営戦略に沿った人材を育成していくためのデータ分析・教育施策の施行していく際に役立ちます。そして、コンピテンシー評価、MBO評価、360度評価など、あらゆる人事評価方式にも対応した製品もあります。日々の目標管理から人材育成まで幅広く活用できるシステムであるといえます。
人事評価システムの主な機能
人事評価システムには、以下の3つの代表的な機能があります。
目標管理・進捗管理機能
従業員本人と評価を行う上司、また人事部との間で行われる目標設定をシートなどで共有し、部門と個人とに設定された目標の進捗状況、またフィードバックなど進捗を把握することができます。目標達成に至るプロセスを登録したり、アクションプランとして行動計画を共有することにより、目標達成の可能性をより高めることが期待できます。
人事部側からも状況の把握が容易になるだけではなく、表形式での集計などデータとして管理・分析することも可能になります。
業務目標(MBO)評価機能
個人に対する評価そのものよりも、企業・組織が掲げるビジョンを従業員一人ひとりに浸透させ、全体として共有することで成果を上げるという観点を持つ評価手法がMBO評価(業務目標評価)です。人事評価システムの製品・サービスの多くが、MBO評価をサポートしています。
ソーシャルおよび多面的(360度)評価機能
人間の評価にはどうしても主観が加わってしまいます。それを防ぐために、対象者を囲む複数の評価者によって評価を行うが方法が360度評価です。上司、部下、同僚がお互いを評価し合うことで一部の個人の主観の影響を平準化することがメリットです。
評価する人数が多いため、作業は煩雑で膨大になりますが、人事管理システムにはこうした作業を大幅に自動化し、人事担当者の負荷を軽減します。
人事評価システムの提供形態 - クラウド型 / オンプレミス型 -
人事評価システムは、提供形態別にクラウド型とオンプレミス型の2つに分けられます。
クラウド型の人事評価システムとは
クラウド型の人事評価システムは、一からシステムを構築する必要が無い上に、インストールも不要なため初期投資や複雑な作業を行わなくとも導入が実現できます。また、データをクラウド上に保存しておくことで、バックアップも自動で行うことができます。マルチデバイスに対応しているシステムも多いため、評価結果の共有をよりスムーズに行うことも可能となります。
評価結果のデータを共有しやすくすることで、評価の透明性を高め、評価される従業員と評価する担当者の双方が納得する形で評価を進めることができます。
オンプレミス型の人事評価システムとは
オンプレミス型の人事評価システムは、自社に合わせた仕様でシステムを設計できるため、複雑な評価基準や、独自の評価方法に対応できることが特徴です。システム構築を行う必要があるため、初期投資が必要で、導入までの期間が長期になることがあります。従業員規模が数百名以上など、大企業にとってメリットがある可能性の高い仕組みといえます。
人事評価システム導入のメリット
「人事評価システム」は科学的な指標で人事評価を支援するシステムです。合理的で客観的に判断できる上に、人事部の業務も効率化できるとして、規模の大小を問わず導入する企業が増加しています。
導入のメリットを大きく3つにまとめました。
明確な評価設定を実現
人事評価システムを導入することで、評価項目を詳細に設定することができます。また、詳細で具体的な評価項目は、緻密で正確な評価を実現します。
これによって、従来では実現が難しかった公正で平等な評価を下すことができるようになりました。ハロー効果などの人的エラーを防ぐだけでなく、業績の良いハイパフォーマーとの相対評価を防ぐことで、従業員により良いインセンティブを与えることができます。
パフォーマンスのマネジメント業務を効率化
人事評価システムを導入することで、目標の設定や共有、管理を一括して行えます。自社のビジョンを明確化して共有し、ビジョンを実現するためのミッションを評価データに基づいて設定することが可能となるのです。
プロジェクトの終了後も、各従業員の成果・業績を適正に評価することで、次へ向けた改善点を洗い出すことができます。成果主義による絶対評価だけでなく、成果のプロセスや取り組む姿勢を評価項目へ取り入れることで、より平等で納得のいく評価を下せます。
複雑な人事評価業務を自動化
正確で実用的な考課シートの作成には、多大な労力と時間を要しますが、人事評価システムを導入することで、多岐にわたる評価項目の設定から集計、分析までを容易に実現することができます。また、人事評価システムによって作成された考課シートは従来の人によるものよりも精度を高めることもできるため、従業員のステータスをより正確に視覚化させることが可能となります。
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- ①現在の人事評価の課題を整理する
- ②導入の目的を明確にし、予算と必要な機能の特定をする
- ③導入携帯は、クラウド型か、オンプレミス型か選択する
- ④具体的に複数製品を比較する
- ⑤導入する人事評価システムの決定
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人事評価システムの4つの選定ポイント
次に人事評価システムを具体的に検討する際にポイントをまとめます。
高い操作性
まず、人事評価システムを選ぶ際のポイントは、膨大な項目を簡単に設定できる操作性があるかどうかです。人事考課表の作成には、詳細で多岐にわたる評価項目が必要不可欠です。標準的な人事考課表をテンプレートとして標準で実装している場合は、ひな形を参考にして自社に合った人事考課表を作成することもできます。
大量の情報を扱う人事評価システムには、見やすいインターフェイスも必要です。多くの情報を整理して把握することができるシンプルなインターフェイスを選択の基準としてみるのも一つでしょう。評価項目や評価基準の変更などに柔軟に対応できるシステムが望ましいでしょう。
他のシステムとの連携
これから新たに人事評価システムの導入を検討する際には、他のシステムとの連携もポイントとなるでしょう。勤怠管理、残業管理、日報管理、会計システムなどと連携してデータをやり取りすることで、シームレスに管理業務を行うことができます。
また、給与計算や休暇管理と連動させることで、人事に関する業務を人事評価システムによって一元で行うことができます。ドキュメント管理機能を備えたシステムの場合は、人事に関する書類の管理とバックアップも1つのプラットフォームで簡単に管理できます。
部署の統廃合や人事異動に対応できるか
従業員のデータを人事評価システムへ登録し、部署の統廃合や人事異動の際にデータを素早く移動させられるかが3つ目のポイントです。異動先で、新たに従業員のデータを登録する手間が省けるだけでなく、これまで蓄積されてきたデータを移行して活用することができるのです。
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人事評価システム導入後に注意すべきポイント
最後に、導入した人事評価システムを最大限に活用するために、導入後に気をつける点をご紹介します。
導入の前後で評価に大幅な変化がないか
人事評価システムは、人事的な評価エラーを防いだり、評価の工数を減らすことが可能なシステムですが、システムを優先しすぎることで、従業員から不満があがる可能性があります。失敗例としては、導入以前の評価方法を考慮せず、システムを優先して人事評価を行った結果、システム導入の前後で評価に明らかな差が出てしまうケースなどです。
導入後は、個人単位の評価に大きな差がないか確認することも重要です。評価の差が大きく現れた従業員に対しては、具体的な検証と説明を行い誤解が生まれないようにしましょう。
評価結果をデータとして活用する
明確で透明性のある評価基準を報酬や人事評価制度に活用することで、人事評価システムを最大限に活用することができます。データとして蓄積された従業員の評価データは、従業員の業績不振の原因を把握するのにも大いに役立ちます。
これまで好調だった社員の業績が突然悪化した場合にも、長年蓄積してきた評価データを基に分析し、客観的に原因を把握しやすくなります。従業員のあらゆる情報をデータとして蓄積し、視覚化することで、様々な視点から従業員を分析することができるのです。
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以上、人事評価システムについて、概要から導入のポイントをまとめました。人事評価制度は、業績や従業員満足も左右しかねない大事な制度だからこそ、納得のいく人事評価システムを導入し、業務の改善をしていくことがおすすめです。
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