会議はペーパーレスへ
現在、社内のあらゆる分野で進む「ペーパーレス化」。従来の、データや資料を紙に印刷して閲覧したり共有したりしてきた流れから、業務効率化やコスト削減のために、紙をできるだけ減らしていこうとする動きです。
その流れの一つとして、会議もペーパーレス化されるようになりました。会議資料を印刷する際のコスト削減や手間の軽減はもちろん、セキュリティの強化などさまざまなメリットがあります。ペーパーレス化により、効率化した会議を実現するシステムが「ペーパーレス会議システム」です。
クラウド型のペーパーレス会議システム
多くの企業に導入されペーパーレス化を推し進めたのが、クラウド型のペーパーレス会議システムです。
クラウド型では、サービス提供事業者がデータセンターにシステムを構築し、それを自社で利用することが可能です。既存のシステムを利用するため、初期投資の削減ができ、その上極めて短期間で構築できます。
保守はサービス事業者が行いますので、自社での運用負荷はほとんどありません。バージョンアップする度に、サービス事業者が共同プログラムを更新するため、常に最新の機能を利用できます。
2010年代には、企業がタブレット端末を業務に広く活用するようになります。クラウド型のペーパーレス会議システムのタブレット端末との連携機能により、オフィスのパソコンにとらわれることなく資料の確認が可能になりました。タブレット端末の普及は、ペーパーレス会議システムと相まって、ペーパーレス化の原動力となったのです。
ペーパーレス会議のメリット
続いて、ペーパーレス会議のメリットについて、ご紹介します。
メリット1.経費削減
会議資料はサーバ登録することで、従来の紙資料でかさんでいた用紙代や電気代などの印刷コストを大幅に削減できます。ペーパーレス化により、紙の使用量を削減できることで、CO2排出量削減にもつながります。
メリット2.準備工数の削減
ペーパーレス会議は、手間や時間の削減の面にも大いに貢献します。例えば、資料を印刷してホッチキスでまとめて配布する必要がなくなるので、業務効率化につながります。
メリット3.セキュリティ面で安心
会議資料といえば、機密情報が多いものです。資料を保存する期間が定められていたり、高度なセキュリティ認証による閲覧制限をかけられたりと、紙資料よりもセキュリティ面で安心です。
メリット4.遠隔会議が可能
会議資料はクラウド上でも共有できるため、音声会議システムやテレビ会議システムと連携させることで遠隔会議も実現可能に。拠点間の会議などに便利です。結果的に出張コストが削減されるメリットもあります。
※ペーパーレス会議のメリットに関しては、以下の記事にて詳しく解説しています。
意外と知らない、ペーパーレス会議でできること
ペーパーレス会議システムの4つの検討ポイント
経費削減・業務効率化を目的にペーパーレス会議システムを導入したにも関わらず、かえって会議の進行を妨げてしまうという状況になっては取り返しがつきません。以下の4つのポイントを参考に事前にしっかりと自社にマッチしたシステムを選びましょう。
- 直感的に操作できるシステムを優先的に選ぶこと
- 幅広いデバイスに対応するシステムを選ぶこと
- セキュリティ面についてヒアリングを行うこと
- サポート環境を確認しておくこと
【ポイント1:使いやすさ】 直感的な操作性
導入時に、機能・コスト面を重視してペーパーレス会議システムを導入したため、操作に慣れないというケースがみられます。会議中に操作がスムーズに行われず、経費削減目的でシステムを導入したにも関わらず、紙媒体にメモをしながら会議を進める企業も少なくはありません。
導入時に失敗しないポイントは、「使いやすさ」でシステムを選ぶことです。ペーパーレス会議を行うといっても、会議の流れは当然変わりません。運用面で無理があり、業務効率が悪くなってしまっては本末転倒です。今まで通りの流れで会議が進行できる「誰もが直感的に操作できるシステム」を優先的に選んでいくべきでしょう。
導入前に一度そのシステムを使ってペーパーレス会議を行うことで、自社のニーズに合った操作性の良いシステムを選ぶことができます。
【ポイント2:対応デバイス】 将来の拡張性は?
企業の成長とともに、機器もめざましく進化していきます。導入時は、PCでのみ会議をすすめていたものの、タブレットPCやスマートフォンがデバイスの中心となることは珍しくありません。いざ、自社でタブレットPCを導入したときに、肝心のシステム自体が対応していなければ意味がありません。
現状、どのデバイスで会議を行うかではなく「長期の目線」を持つことが大切です。特にiPadに代表されるタブレット端末は、近年ビジネス利用が急速に拡大しています。ペーパーレス会議との相性も非常に良いため、現在利用していなくても近い将来、利用することが当たり前になっているかもしれません。導入検討時には、幅広いデバイスに対応するシステムを選びましょう。
【ポイント3:セキュリティ】 コストとの兼ね合い
ペーパーレス会議システムには、大きく分けて2つの導入形態があります。
コスト面を重視する場合、多くのシステムがクラウド型のシステムになります。それに対し、多少コストはかかってもよりセキュリティ面がしっかりした、非クラウド型のシステムを導入しなければならないケースもあるでしょう。
ペーパーレス会議を導入する多くの企業は「コスト削減」と「業務効率化」を目的としているため、どうしてもコスト面を重視する傾向にあり、安易にクラウド型のシステムを導入してしまうケースが多いのです。
会議は企業単位、さらに言えば企業内の会議のレベルによっても重視しなければならないポイントは異なります。情報漏洩やデータ損失などのリスクを最小限に抑えなければならない会議の場合、導入前にセキュリティ面についてヒアリングを行ってから、システム選定しましょう。
【ポイント4:サポート環境】 緊急時の対応が重要
サポート体制の整っていないシステムを導入してしまい、会議の進行に支障をきたすことがあります。大事な会議中、システム障害によってシステムが使えない。サポートデスクにようやく電話が繋がったと思ったら、修理は3日後などというケースになってしまっては取り返しがつきません。
会議のために集まったのにシステムの不具合で会議を実施できない時、会議に参加している人の人件費を時間あたりに換算して考えると思っている以上にトラブルによる損失は大きいものです。このようなリスクを防ぐためにトラブルや疑問点が生じたときに、すぐに対応してもらえるサポート環境が整っているかを導入前にきちんと確認しておく必要があります。
※ペーパーレス会議の選び方に関しては、以下の記事にて詳しく解説しています。
ペーパーレス会議導入を失敗しないためのポイント
まとめ ~ 検討ポイントの比較は無料トライアルで ~
ペーパーレス会議はコスト削減やCO2削減、業務効率化など多くのメリットがあります。しかし、自社の環境や目的にあったシステムを検討しないと実際に利用した際に何かと不都合が生まれてしまうかもしれません。
そのため、ここで紹介したポイントを検討する際は、導入前にお試しで利用することをおすすめします。多くの場合、一定期間、無料でトライアルサービスが利用できます。特にクラウド型のサービスであれば、特別な準備は必要なく、トライアルの申し込みをしてすぐに利用できます。
既にタブレット端末を利用している場合、各デバイスのハードウェアの違いによる細かい操作性などを比較するためにも複数のサービスを利用してみましょう。
また、比較検討に迷った際は、人気ランキングを参考にしてみてください。自社の環境や目的にあったシステムを導入し、ペーパーレス会議の恩恵をしっかり受けれるようにしていきたいですね。
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