リファレンスチェックの必要性とは
採用活動では、求職者の能力や人柄を慎重に見極め、優秀な人材を選定することが求められます。しかし、面接や提出される履歴書といった限られた接点から、求職者の本当の姿を把握するのは、非常に困難といわざるを得ません。入社後になって求職者の思いもよらぬ欠点が浮き彫りになっても、それを理由に退職させるのもまた困難です。
少しでも採用前に求職者を見極める方法として、従来は前職調査が行われていました。前職の人事担当者に問い合わせ、当該人物に問題がないか確認するという調査です。しかし、個人情報保護の観点から、有効性は徐々に薄れています。
そこで、近年注目されているのがリファレンスチェックです。前職の上司や同僚に問い合わせ、本人のコミュニケーション能力や人間性、業務遂行能力などを確認します。中途採用ではもちろん、新卒採用でもリファレンスチェックが行われるケースが増えています。
リファレンスチェックサービスを導入する目的
リファレンスチェックを行うには、専用サービスの利用が便利です。リファレンスチェックサービスの導入目的としては、以下の4つが挙げられます。
採用のリスクヘッジ
採用した人材が自社でトラブルを起こせば、それは自社の企業イメージを下げるばかりか、大きな経済的損失を招く可能性があります。リスクを低減するために、人間性に問題のない人材を採用したいものです。リファレンスチェックサービスを導入すれば、求職者に倫理的な違反行為や犯罪歴がないかを調べられます。
ミスマッチの軽減
人間性や能力に問題がなくても、単に企業と人材の相性が悪いがために、期待した働きが得られない可能性があります。自社が求める人物像に合致しているかどうか、長所や短所は何かなどを事前に把握し、ミスマッチを防ぐことはとても重要です。リファレンスチェックサービスを活用すれば、面接でより踏み込んだ質問を行えるため、ミスマッチのリスクを低減できます。
早期退職の防止
採用プロセスには、多くの時間や労力がかかります。せっかく採用した人材がすぐに辞めてしまったのでは、コストに見合った成果が得られません。早期離職の最大の原因は、価値観の相違だといわれています。求職者も自身の価値観に適合する企業で働きたいと考えていますが、入社前に見極められず、入社後にミスマッチを痛感して早期離職を決めるのです。
こうしたリスクの低減にも、リファレンスチェックサービスは役立ちます。前職の退職理由やトラブルの有無が明らかになれば、自社との相性を事前に把握できるでしょう。
いち早い戦力化
採用プロセスで得られた情報は、求職者の選定だけでなく、採用後の教育にも役立てられます。本人の能力や適性を踏まえて教育を行えば、いち早い戦力化が実現するでしょう。リファレンスチェックで本人の価値観や能力を詳細に把握できれば、その情報を基に育成・マネジメントのプランを立てられます。
【候補者を深く知る】リファレンスチェックサービス4選!
リファレンスチェックサービスは、その特徴によって3種類に大別されます。最初に紹介するのは、候補者を深く知るためのリファレンスチェックサービスです。レポート機能やサポート体制に優れ、ミスマッチの予防とオンボーディングの効率化が期待できます。では、候補者を深く知るためのリファレンスチェックサービスを3つ見ていきましょう。
back check
株式会社ROXXが提供する「back check」は、90%以上の高い回答率が特徴のサービスです。スキルや実績の確認、第三者の意見から行う性格診断、企業がもつカルチャーへの適合性チェック、活躍条件の確認、コンプライアンスチェックが提供されています。常時SSL化やデータベースの冗長化など、強固なセキュリティ体制が整っているため安心して導入できます。
価格 |
要問い合わせ |
無料トライアル |
なし |
サポート体制 |
キックオフMTG、定期MTG、チャットサポート |
ASHIATO
エン・ジャパン株式会社が提供 する「ASHIATO」は、約15万社もの採用活動を支援してきた、実績豊富なベンダーによるサービスです。独自のノウハウに基づいてアンケートを実施し、候補者を多角的に診断します。採用プロセスだけでなく、入社後の活躍・定着まで支援を受けられます。
価格 |
月額費用30,000円~/人、初期費用0円 |
無料トライアル |
なし |
サポート体制 |
導入コンサルティング、運用サポート、ミーティングなど |
Parame Recruit
株式会社Parameが提供する「Parame Recruit」は、独自のアルゴリズムにより、候補者の性格傾向を診断します。採用コンサルタントから、フィードバック付き推薦結果レポートが提供され、面談や採用可否の判断に活用可能です。回答取得後も推薦者とチャットでやり取りできるため、候補者の人物像を深堀できます。
価格 |
15,000円~/回、初期費用0円 |
無料トライアル |
あり |
サポート体制 |
初回導入コンサルティング、チャットサポート、専属カスタマースタッフ対応、定期ミーティングなど |
ミキワメ
株式会社リーディングマークが提供する「MiKiWaMe」は、。自社の社風を分析し、それに沿った採用基準を作成することでミスマッチを防止します。作った採用基準と照合し、候補者が自社で活躍できそうかどうかを、S~Eまでの14段階で定量化可能。従業員であれば、無料で受けられるのも特徴です。
価格 |
500円/回、初期費用0円 |
無料トライアル |
なし |
サポート体制 |
専属コンサルタントによるサポート |
【質問設計がしやすい】リファレンスチェックサービス3選!
質問の内容や質によって、得られる情報や、それに基づいた採用可否の判断が左右されます。できる限り効果的な質問を設計し、価値のある情報を収集したいものです。リファレンスチェックサービスには、質問設計に優れたものもあります。3つのサービスを見ていきましょう。
ネンタメ
株式会社KUROKOが提供する「ネンタメ」は、リファレンスチェックとバックグラウンドチェック、反社・コンプラチェックを提供するサービスです。スキルや価値観、詐欺や詐称の有無を確認し、採用後に後悔するリスクを低減します。候補者とともに働いたことがある前職の同僚・上司に問い合わせ、人間性や仕事ぶりを客観的に評価します。
価格 |
月額費用10,000円、初期費用0円 |
無料トライアル |
あり |
サポート体制 |
導入・運用サポート |
oxalis
LIF株式会社が提供する「oxalis」は、英語・中国語に対応し、グローバル人材の採用に活用できるサービスです。現地を訪れたり、電話をかけたりする必要はなく、候補者に対する海外企業の評価を取得できます。質問事項はベンダーが用意したもののほか、独自に設定することも可能です。
価格 |
30,000円/回、初期費用0円 |
無料トライアル |
なし |
サポート体制 |
要問い合わせ |
MiKiWaMe Point
株式会社HRRTが提供する「MiKiWaMe Point」は、450社との契約実績と、10,200件以上の評価人数、インタビュー回答率90%もの実績を誇ります。A~E判定で候補者を評価する独自の選択式質問に加え、業種・職種にあわせて独自の質問を設定可能です。反社チェックサービスや分析機能も提供されています。
価格 |
月額費用11,880円~、初期費用0円 |
無料トライアル |
あり(10日間) |
サポート体制 |
カスタマーサポート、入社後サポート、面接官アドバイスなど |
【リスクヘッジが目的】リファレンスチェックサービス3選!
リファレンスチェックで確認したいのは、求職者の長所だけではありません。ネガティブな情報も事前に取得し、リスクの高い採用は避けたいものです。そこで、リファレンスチェックサービスでは、SNSやWeb調査を通じて、候補者の欠点を探し出すサービスが提供されていることもあります。リスクヘッジに有効なサービスを、3つ見ていきましょう。
RoboRoboリファレンスチェック
オープンアソシエイツ株式会社が提供する「RoboRoboリファレンスチェック」は、法令や企業倫理、社会規範への違反状況を確認するサービスです。候補者の氏名とキーワードを入力するだけで、簡単にチェックを実行できます。ネガティブ情報は3段階でわかりやすく提示され、候補者の定量的な評価が実現します。
価格 |
月額費用100円~、初期費用0円 |
無料トライアル |
あり |
サポート体制 |
専門スタッフによるメール・電話・Webサポート
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ネットの履歴書
ソルナ株式会社が提供する「ネットの履歴書」は、犯罪歴や経歴詐称、反社会的勢力との関連性を調査するサービスです。SNSや個人ブログ、ニュースサイト、新聞などの情報から、候補者に問題がないか調べます。調査結果はレポートで数値化され、客観的に候補者を評価できます。
価格 |
15,000円/回、初期費用200,000円 |
無料トライアル |
なし |
サポート体制 |
要問い合わせ |
MiKiWaMe
株式会社HRRTが提供する「MiKiWaMe」は、候補者の犯罪歴やトラブル歴などを、WebやSNSをとおしてチェックするサービスです。弁護士の指導のもとに、Web風評被害対策の専門チームが対応します。個人情報保護の観点から、これまで興信所などでは取得しづらかった情報を、Webの専門知識や専用ツールを使用することで見つけ出します。
価格 |
20,000円/回、初期費用0円 |
無料トライアル |
なし |
サポート体制 |
要問い合わせ |
リファレンスチェックサービスの選定ポイント
一口にリファレンスチェックサービスといっても、具体的なサービス内容はベンダーによってさまざまです。自社に最適なサービスを導入するために、3つの比較ポイントを意識しましょう。
質問テンプレートが自社にあっているか
基本的に、リファレンスチェックサービスでは質問テンプレートが用意されています。そのテンプレートにしたがって質問することで、求職者の人柄や能力をあぶりだしていくのです。
質問内容によって得られる情報は異なるため、目的にあわせて適切な質問をしなければなりません。自社の業界・業種に適したテンプレートを用意しているサービスや、豊富な質問テンプレートが提供されているサービスを選ぶとよいでしょう。
バックグラウンドチェックに対応しているか
リファレンスチェックは、求職者の人柄や能力を判断する方法です。一方、求職者の社会的信用の程度を判断する方法として、バックグラウンドチェックという方法があります。犯罪歴や反社会的傾向の有無を調査することで、当該人物が信頼に足るかどうかを判断するのです。
リファレンスチェックサービスには、バックグラウンドチェックを提供しているものもあります。併用することで、より詳細に求職者の本当の姿を把握できるでしょう。
業務の負荷を軽減できる機能はあるか
リファレンスチェックの実施は、採用担当者にとって大きな負担となることがあります。ただでさえ人手が不足している状態で、業務ばかりが増えるのは、好ましい状態とはいえません。
そこで、リファレンスチェックサービスでは、採用プロセスの効率化サービスが提供されていることもあります。ほかのツールと連携して作業負担を軽減したり、自動通知機能によって進捗を知らせてくれたりと、具体的なサービス内容はさまざまです。有効活用することで、採用業務の質向上と負担軽減を両立できるでしょう。
リファレンスチェックを実施して採用のミスマッチを防止!
リファレンスチェックを実施すれば、求職者の人柄や業務遂行能力、コミュニケーション能力などを把握できます。職務経歴書や面談だけから判断するよりも、より高精度な見極めが実現するでしょう。
リファレンスチェックサービスを導入すれば、業務の負担を軽減しつつ、採用の質を高められます。自社が求める人物像などを踏まえ、サービスを比較・検討しましょう。