給与計算を社内で行うときの難しさ
給与計算は、期限が決まっていて、間違いが許されにくい業務です。まずは、どこに難しさがあるのかを整理しましょう。
期限が動かせず、やり直しがきかない
支給日は決まっており、遅らせることはできません。その前に、勤怠の締め、計算、確認、振込の手続きを終える必要があります。作業できる日数は限られており、途中で担当者が休むと影響が大きくなります。
金額を誤って支給すると、社員の生活に直接関わります。過不足の精算や説明の対応も生じます。誤りを防ぐには確認の時間が必要ですが、その時間を確保しにくい点が難しさです。振込の手続きにも締め切りがあり、余裕はさらに狭まります。
制度の改正に対応し続ける必要がある
社会保険料の料率や、所得税に関する決まりは改定されることがあります。年に一度、標準となる報酬額を見直す手続きもあります。これらを把握せずに計算すると、控除額が正しくならない恐れがあります。
雇用の形が多様な会社ほど、確認する項目も増えます。時給制、月給制、日雇い、時短勤務など、それぞれで計算の考え方が違います。判断に迷う場合は、社会保険労務士に確認する流れを決めておきましょう。
給与額を知る人を限る必要がある
給与の情報は、社内でも扱いに配慮が必要です。担当者が同じ職場の同僚の金額を見ることになるため、心理的な負担を感じる場合もあります。人数の少ない会社ほど、この点は難しくなります。
だからといって担当を1人に絞ると、その人が休んだときに誰も対応できません。見られる人を限ることと、代わりを用意することの両立が課題です。運用のルールを文書にして残しておくことが重要です。誰がどの情報にいつ触れたかを確かめられる形にしておきましょう。
給与計算代行を利用するメリット
外部に任せる利点は、作業が減ることだけではありません。情報の扱いや、確認の質にも関わります。3つの角度から整理します。
期限に追われる作業を任せられる
計算と明細の作成を委託すれば、社内はデータを渡す作業と、結果を確認する作業に集中できます。担当者が休んでも、計算そのものは進みます。支給日の前に業務が集中する状態を和らげられます。
年末調整や、賞与の計算といった時期限定の作業も含められる場合があります。範囲は契約によって変わるため、どこまで任せられるかを確かめましょう。忙しい時期だけを任せる形が可能かも、聞いてみる価値があります。年末調整の時期だけ委託する会社もあります。
社内で給与額を見る人を絞れる
計算を外部に任せると、社内で個別の金額を扱う人を減らせます。担当者の心理的な負担も軽くなります。誰が見られるかを明確にできる点は、情報の管理という面でも意味があります。
ただし、確認や承認を行う人は社内に必要です。誰がどこまで見るのかを決めたうえで、その範囲を文書にしておきましょう。委託先での情報の扱いについても、契約書で確かめることが重要です。
制度の改正への対応を任せられる
料率や計算方法の変更は、委託先が対応する形になります。自社で情報を追い続ける負担が減ります。判断に迷う処理について相談できる場合もあります。
ただし、対応できる範囲は契約によって決まります。社会保険の手続きや年末調整まで含むのか、計算だけなのかを確かめましょう。税務や労務に関する相談には、税理士や社会保険労務士でなければ行えない業務もあります。委託先の体制を確認しておきましょう。
委託する前に確かめたい注意点
任せれば安心というわけではありません。次の点を押さえたうえで検討しましょう。
費用の決まり方を確かめる
料金は、対象になる社員の人数で決まる形が多くあります。基本料金と、1人あたりの単価を組み合わせた料金体系が採られています。賞与の計算や年末調整は、別料金となることもあります。
今かかっている人件費と比べる際は、社内に残る作業の時間も見込みましょう。勤怠データの準備や、結果の確認は自社で行うことになります。年間の総額で判断することが重要です。
勤怠データの準備が必要になる
委託先が計算するには、その月の勤務時間や残業、休暇の情報が必要です。この集計は社内で行うことになります。勤怠の管理が紙や手入力のままだと、この準備に時間がかかります。
渡す形式や期限も決めておく必要があります。締め切りに間に合わないと、支給日に影響します。勤怠管理の仕組みからそのまま出力できる形にできるかを、委託先と相談しておきましょう。手作業での加工が残ると、そこが誤りの入り口になります。
社内での確認を省けない
計算結果をそのまま支給するのではなく、社内で確認する工程は残ります。入社や退職があった人、手当が変わった人など、変更のあった社員を中心に見ましょう。委託先は渡された情報だけで計算するため、元の情報が誤っていれば結果も誤ります。
確認の担当と手順を決めておきましょう。前月との差が大きい人を抽出できる資料をもらえるかも、確認の効率に関わります。担当を1人に固定せず、複数人で確かめられる体制にしておくことが重要です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で給与アウトソーシングの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
委託先を選ぶときの確認項目
対応できる範囲は会社によって違います。任せたい業務と、情報の扱い、問い合わせ対応という3つの点から確認しましょう。
任せたい業務の範囲を決める
計算だけを任せるのか、明細の配布や振込のデータ作成まで含めるのかを決めましょう。社会保険の手続きや年末調整を含めたい場合は、それを行える体制があるかを確かめる必要があります。
自社の雇用の形に対応できるかも確認します。時給制や日雇い、複数の勤務地をまたぐ社員がいる場合は、その計算に対応した実績があるかを尋ねましょう。就業規則の内容を伝えたうえで、対応の可否を確かめることが重要です。独自の手当がある場合は、その計算方法も共有しましょう。
明細の渡し方と情報の守り方を確かめる
明細を紙で受け取るか、画面で社員が確認できる形にするかを確かめましょう。画面で見られる形なら、配布の手間がなくなります。過去の明細を社員自身が見返せるかも、問い合わせを減らす点で関わります。
情報の管理についても確認が必要です。誰がどこまで見られるのか、再委託される場合があるのかを契約書で確かめます。データの受け渡し方法が安全な形かも、情報システムの担当者に相談して判断しましょう。
社員からの問い合わせ対応を確かめる
控除額や支給額について、社員から質問が入ることがあります。その対応を委託先が行うのか、社内で受けるのかを決めておきましょう。社内で受ける場合、回答に必要な資料をもらえるかを確かめる必要があります。
回答までにかかる時間の目安も聞いておきたい点です。給与日の直後は問い合わせが集まりやすくなります。よくある質問をまとめた資料を用意してもらえるかも、確認しておくと社内での対応が楽になります。
給与計算業務を任せられるアウトソーシングサービス
社会保険の手続きまで含めて依頼したい場合に候補となる、給与計算代行のサービスを紹介します。
ラクラス人事BPOサービス
- 自社ニーズに合わせて調整できる柔軟な設計
- 直感的なUIとシステム管理負担の軽減
- 人事労務業務を幅広くカバー
ラクラス株式会社が提供する「ラクラス人事BPOサービス」は、給与計算に加えて社会保険の手続きや人事関連の事務を扱う代行サービスです。企業の規模や業務量にあわせた対応が可能で、繁忙期の負担を抑える目的でも利用されます。クラウドの仕組みを活用した情報のやり取りに対応しています。
株式会社ぺイロールの給与アウトソーシング
- 導入企業260社・112万人(2024年3月末現在)の豊富な実績
- 幅広く対応。お客様の業務負荷を大幅に軽減することが可能です
- お客様の業務改善(BPR)を実現
株式会社ペイロールが提供する「株式会社ぺイロールの給与アウトソーシング」は、給与計算業務を専門に扱う代行サービスです。計算の正確さと機密情報の管理体制を重視した運用が行われており、長年にわたり給与業務を委託している企業も多くあります。委託する範囲は企業の状況にあわせて相談できます。
給与計算代行に関するよくある質問
委託を考えるときによく寄せられる疑問をまとめました。社内で話し合う際の参考にしてください。
- Q1: 社員数が少なくても委託できますか?
- 少人数から受けている会社もあります。ただし基本料金があるため、1人あたりの負担は割高になることがあります。人数を伝えて見積もりを取り、社内で行う場合の時間と比べて判断しましょう。
- Q2: 給与計算ソフトを導入するのとどちらがよいですか?
- 目的によって変わります。社内に担当者を置けるならソフトの導入で対応できます。担当者の確保が難しい場合や、制度への対応まで任せたい場合は委託が候補です。両方を組み合わせる形もあります。
- Q3: 委託を始めるまでにどのくらいかかりますか?
- 社員情報の登録と、勤怠データの受け渡し方法を決める作業で変わります。数か月を見込む例があります。並行して計算し、結果が一致するかを確かめる期間も設けましょう。
- Q4: 計算に誤りがあった場合はどうなりますか?
- 原因が委託先の処理にあるのか、渡した情報にあるのかで対応は変わります。誤りが見つかったときの手順と、責任の分かれ目を契約書で確かめておきましょう。訂正にかかる費用の扱いも確認が必要です。
まとめ
給与計算代行には、期限に追われる作業を任せられること、社内で給与額を見る人を絞れること、制度の改正への対応を任せられることというメリットがあります。一方で、費用の決まり方や勤怠データの準備、社内での確認が残る点も押さえておく必要があります。まずは任せたい範囲と社員数を整理しましょう。資料請求を活用して比べてみてください。


