連携性がタレントマネジメントで重要な理由
まず、なぜ連携が大切なのかを押さえましょう。人材にまつわるデータは、さまざまなシステムに分かれて存在しています。それらがつながらないと何が起こるのか、二つの側面から見ていきます。
人材データが各システムに散らばる
社員の基本情報は人事労務、勤務実績は勤怠、研修の受講歴はeラーニングと、データは複数のシステムに分かれて管理されているのが一般的です。これらが個別のままだと、社員の全体像を把握するのに手間がかかり、施策の判断が遅れます。
タレントマネジメントシステムに情報を集約できれば、評価や配置の検討に必要なデータを一か所で扱えます。散らばった情報を横断して見られる状態は、人事の意思決定を支える土台です。まずは自社のどのデータをつなぎたいかを洗い出すとよいでしょう。
二重入力とデータのずれが起こる
連携がないと、同じ社員情報を人事労務とタレントマネジメントの両方に入力する、といった二重作業が発生します。手作業が増えるほど、入力ミスや更新漏れが起こりやすく、システム間でデータがずれる原因になります。
入社や異動のたびに複数のシステムを手で直すのは、担当者にとって大きな負担です。連携でデータを自動的にそろえられれば、こうした重複作業を減らせます。どの情報を自動で同期したいかを整理しておくと、必要な連携の範囲が明確になります。
つなぎたい主なシステムと連携の効果
タレントマネジメントシステムと組み合わせたい相手は複数あります。ここでは代表的なシステムを取り上げ、連携によって何ができるようになるかを具体的に見ていきましょう。自社が使うシステムに当てはめて読んでください。
人事労務システム(SmartHRなど)との連携
人事労務システムは、入退社の手続きや社員情報の管理を担うシステムです。SmartHRをはじめとする製品と連携できると、社員の基本情報を自動で取り込み、常に最新の状態に保てます。人事異動があっても、情報を二度手間で直す必要がなくなります。
基本情報が正確にそろっていることは、評価や配置の前提になります。連携によって土台のデータが整うため、タレントマネジメント側の分析も信頼できるものになります。自社が使う人事労務システムが連携対象かを、まず確認しましょう。
勤怠管理システムとの連携で状態を分析する
勤怠管理システムとつながると、残業時間や休暇の取得状況といった働き方のデータを人材情報と組み合わせられます。例えば、残業時間と評価の関係を分析すれば、負荷が偏っていないか、頑張りが正しく評価されているかを検証できます。
働き方と成果を並べて見られると、離職やモチベーション低下の兆しを早めにつかめるでしょう。感覚ではなくデータに基づいて組織の状態を判断できるのが利点です。どの勤怠システムと連携できるかを、分析したい観点とあわせて確かめましょう。
LMS・採用管理(ATS)との連携
LMSはeラーニングなどの学習管理システム、ATSは採用管理システムを指します。LMSと連携すれば研修の受講履歴を人材情報に統合でき、育成の状況を一元的に追えたり、ATSと連携すれば、採用時に蓄えた候補者データを入社後もシームレスに引き継げます。
採用から育成、評価までのデータが一本の線でつながると、社員のキャリアを長い目で支援できるでしょう。入社前後で情報が途切れないことは、オンボーディングの質にも影響します。連携したいシステムを洗い出し、対応状況を製品ごとに比べてみてください。
連携方式とデータ出力の柔軟さ
どのシステムとつなぐかに加えて、どうつなぐかも重要です。連携の方式やデータの出しやすさによって、運用の手間が変わります。ここではAPI連携とCSV出力の観点を整理します。
API連携でリアルタイムにつなぐ
APIとは、システム同士がデータをやり取りするための決まりごとです。API連携に対応した製品なら、情報が更新された時点で自動的に他システムと同期でき、手作業を挟まずに最新の状態を保つことが可能です。連携の頻度が高い運用ほど、この自動化が効いてきます。
ただし、つなぐ相手のシステムも対応している必要があります。標準で用意された連携メニューの範囲や、個別開発が必要かどうかを事前に確認しましょう。開発を伴う場合は費用と期間もかかるため、見積もりに含めて検討することが大切です。
CSV出力・エクスポートの自由度
API連携が使えない相手とは、CSVでのデータのやり取りが現実的な手段です。CSVは項目をカンマで区切った汎用の形式で、多くのシステムが読み書きできます。出力する項目や形式を柔軟に設定できる製品なら、取り込み先の仕様に合わせやすいでしょう。
データを自由に取り出せることは、分析や報告の場面でも役立ちます。必要な情報を必要な形で書き出せると、表計算ソフトでの加工もはかどります。エクスポートの自由度は地味ですが、日々の運用を左右する確認ポイントです。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でタレントマネジメントの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
連携性の高い製品を選ぶ確認事項
連携の考え方がわかったら、選定でどこを見るかに落とし込みます。ここでは、比較検討の段階で確かめたい具体的な項目を整理しました。資料請求や商談での質問リストとしても使えます。
標準連携の対象を確認する
最初に見たいのは、自社が使うシステムが標準連携の対象に含まれているかです。同じ人事労務や勤怠システムとの連携が用意されていれば、追加開発なしでつなげる可能性が高まります。連携済みサービスの一覧を資料で確かめましょう。
対象外のシステムとつなぐ場合は、APIやCSVでの個別対応になり、手間と費用が変わります。自社の環境を伝えたうえで、どこまで標準でつながるかを聞くのが確実です。対応範囲を早めに把握しておくと、導入後のギャップを避けることが可能です。
連携実績とサポートを確かめる
連携がうたわれていても、実際の運用でつまずくことはあります。自社と近い規模やシステム構成での連携実績があるかを尋ねると、導入後のイメージがつかめます。設定を支援してもらえるサポートの有無も確認したいところです。
連携の設定は専門知識を要する場面もあるため、サポート体制は重要です。導入時にどこまで手伝ってもらえるか、運用開始後の問い合わせ窓口はあるかを確かめましょう。連携の裏づけとサポートの両面から、安心して任せられる製品を選んでください。
- ■標準連携の対象
- 自社の人事労務・勤怠・LMS・ATSが連携メニューに含まれるか
- ■連携方式
- API連携に対応しているか、CSV出力の項目を柔軟に設定できるか
- ■連携実績
- 自社と近い構成での導入・連携の事例があるか
- ■サポート
- 連携設定の支援や運用開始後の問い合わせ窓口があるか
他システムとのデータ連携に対応したタレントマネジメントシステム
ここでは、人事労務や勤怠、採用といった他システムのデータを活かしやすいタレントマネジメントシステムを紹介します。自社が使うシステムとつなげられるか、資料で連携メニューを確かめてみてください。
SmartHR
- 自然に蓄積したデータを戦略人事に活用し組織改善をサポート
- 人事評価や配置シミュレーションなど、豊富な機能群
- 直感的なUIで、従業員の入力負担を軽減し、高い回収率を実現
「SmartHR」は、株式会社SmartHRが提供するタレントマネジメントシステムです。人事労務の手続きを通じて、最新かつ正確な従業員データが自然に蓄積される基盤を持ちます。集まったデータをそのまま人事評価や従業員サーベイ、スキル管理、配置シミュレーションに活用可能です。パソコンでもスマートフォンでも使え、ITに不慣れな従業員でも扱いやすい設計です。労務データを土台に、人材活用まで一気通貫で進めたい企業に向いています。
HRMOSタレントマネジメント
- シリーズ累計100,000社導入!
- 社員情報の管理、評価、サーベイの情報をまるっと管理!
- 初めてでも安心!専任サポートと上限なしでMTG可能
「HRMOSタレントマネジメント」は、株式会社ビズリーチが提供する人材活用クラウドです。人材・組織データの一元管理を軸に、採用から育成、評価までを見える化します。同社のHRMOSシリーズと組み合わせれば、採用時に蓄えた情報を入社後の人材データとして活用しやすいです。目標設定・評価やサーベイ、1on1支援に加え、AIを用いたマッチングで人材配置を支援する機能も備えています。採用から配置まで人材データをつなげて活用したい企業に適しています。
カオナビ
- タレントマネジメントシステム「シェアNo.1」
- 人事・労務業務の効率化から戦略人事の実現まで
- 直感的に使えるUIで人事から現場まで定着
「カオナビ」は、株式会社カオナビが提供するタレントマネジメントシステムです。顔写真を起点に人材情報を一元管理できます。基本情報や評価、スキル、経歴などをまとめて蓄積し、他システムから取り込んだデータもあわせて活用可能です。柔軟なアクセス権限設定により、経営層から現場のマネージャーまで必要な範囲で情報を扱えます。散らばりがちな人材データを集約し、見える化から始めたい企業に向いた製品です。
HRBrain
- スキルや特徴を可視化・分析、データに基づく抜擢・配置を実現
- 評価シートの作成から集計まで煩雑な業務をワンストップで効率化
- 「使いこなせない…」の心配はご無用!充実したサポート体制
「HRBrain」は、株式会社HRBrainが提供するクラウドサービスです。人材データの一元管理と可視化を軸に、人事評価やタレントマネジメント、労務管理を統合的に支援します。人材データベースや評価、組織図ツリー、配置シミュレーションなどの機能を備え、集めたデータを横断して活用可能です。現場社員も扱いやすい設計で、初期設定から運用までのサポート体制も整っており、人材データを一元化し、評価や配置に活かしたい企業に向いています。
タレントマネジメントの連携に関するFAQ
タレントマネジメントシステムの連携についてよく寄せられる質問と回答をまとめました。
- Q1:SmartHRと連携できる製品はありますか?
- 人事労務システムとの標準連携をうたうタレントマネジメント製品は複数あります。自社が使う製品が連携対象に含まれるかを、連携済みサービスの一覧で確認するのが確実です。対象外の場合はAPIやCSVでの対応になります。
- Q2:残業時間と評価の関係は分析できますか?
- 勤怠管理システムと連携できる製品なら、残業などの働き方のデータと評価を組み合わせて分析できます。どの勤怠システムと連携できるか、どんな分析ができるかを、確認したい観点にあわせて比べてみてください。
- Q3:API連携とCSV出力はどちらが必要ですか?
- リアルタイムに自動で同期したいならAPI連携が適します。相手システムがAPI未対応の場合や、必要なときに手動でデータをやり取りしたい場合はCSV出力が役立ちます。両方に対応した製品なら状況に応じて使い分けられます。
- Q4:採用データを入社後も引き継げますか?
- 採用管理システム(ATS)と連携できる製品では、採用時の候補者データを入社後の人材情報として引き継げます。採用から育成までデータを途切れさせたくない場合は、ATS連携への対応を確認するとよいでしょう。
まとめ
タレントマネジメントシステムの連携性は、人事労務や勤怠、LMS、採用管理といったシステムとどうつなぐかで決まります。連携が整えば、二重入力を減らし、働き方と評価を組み合わせた分析まで可能になります。確認したいのは、自社のシステムが標準連携の対象か、API連携やCSV出力に柔軟に対応するか、連携実績とサポートは十分かという点です。つなぎたいシステムを書き出したうえで、資料請求から各製品の連携メニューを見比べてみてください。


