ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■申告データの受け取り方別
- 控除証明書の電子データを取り込める:S-PAYCIAL with 電子年調申告、KING OF TIME 給与
- 控除証明書の画像を添付してAIが入力:freee人事労務 年末調整
- ■提出状況の管理方法別
- 提出状況を画面で一覧できる:XOLOGY年末調整、マネーフォワード クラウド年末調整、freeeペーパーレス年末調整
- 未提出者への催促を自動化・一括化:SmartHR、XOLOGY年末調整、KING OF TIME 給与
インストール型は誰の端末に入れるのか
インストール型の年末調整支援システムには、担当者が使う管理用のソフトと、従業員が申告に使うソフトの2種類があります。どの端末に何を入れるかを決めることが、運用設計の出発点です。
担当者のパソコンだけに入れる形
担当者のパソコンに年末調整支援システムを入れ、従業員からは紙の申告書や電子データで申告内容を受け取る形です。従業員の端末には何も入れないため、配布や操作説明の手間がかかりません。
そのかわり、紙で回収した場合は担当者の入力作業が残ります。従業員数が少ない会社や、申告内容の変更が少ない会社では、この形でも運用できる場合があります。従業員数が増えてきたら、申告内容を電子データで受け取る方法を検討するとよいでしょう。紙で回収する場合も、記入例を添えて配付すると記入漏れを減らせます。
従業員の端末にも申告用ソフトを入れる形
従業員が自分のパソコンやスマートフォンに申告用のソフトを入れ、申告書のデータを作成して提出する形です。申告用ソフトとしては、製品が用意する従業員向けのソフトや、国税庁の年調ソフトがあります。
国税庁の年調ソフトは、各ストアで入手するか、Windows版とmacOS版を国税庁のサイトから入手できます。従業員の入力内容をデータで受け取れるため、担当者の転記を減らせます。ただし、従業員ごとに端末の環境が異なるため、配布と問い合わせ対応の準備が必要です。
従業員の端末に配布する前の準備
申告用ソフトを従業員に使ってもらう場合は、配布の方法、会社のルールとの整合、操作説明の3点を事前に整えます。申告書の提出期限から逆算し、10月から11月の早い段階で準備を終えておくと安心です。
会社の端末ルールとの確認
会社が貸与するパソコンにソフトを入れる場合、管理者権限が必要になったり、社内規程でソフトの導入自体が制限されていたりすることがあります。情報システム部門に、インストールの可否と配布方法を相談しておきましょう。
個人のスマートフォンを使ってもらう場合は、私用端末で申告データを扱うことを社内ルール上認めるかを決めておく必要があります。端末を持たない従業員には、共用のパソコンを用意するか、紙での提出も受け付けるかを決めておきます。
従業員向けの手順書と問い合わせ窓口
配布するソフトの入手方法、入力の流れ、データの提出先を1枚の手順書にまとめておくと、問い合わせの数を抑えやすくなります。国税庁は年調ソフトの操作マニュアルやよくある質問を公開しているため、手順書からリンクしておくのも一つの方法です。
あわせて、社内の問い合わせ窓口と受付期間を決めておきます。担当者1人に問い合わせが集まらないよう、よくある質問と回答を共有し、複数人で対応できる体制にしておくとよいでしょう。
申告データの回収と年末調整支援システムへの取り込み
従業員が作成した申告データは、担当者側の年末調整支援システムに取り込んで計算に使います。データの形式と受け渡しの経路、取り込み後の確認方法を決めておくことで、回収から計算までを滞りなく進められます。
申告書データの形式と受け渡し
国税庁は、年調ソフトで作成する控除申告書データについてXML定義書を公開しています。担当者側のインストール型ソフトがこの形式の取り込みに対応していれば、従業員が作成したデータをそのまま読み込めます。
データの受け渡しには、社内の共有フォルダーやメール添付、製品が用意する提出機能などがあります。マイナンバーや家族の情報を含むため、送付先の誤りや第三者の閲覧を防げる経路を選び、受け取ったデータの保存場所も決めておきましょう。提出の締切日と、締切後の扱いも事前に周知しておきます。
控除証明書の電子データとマイナポータル連携
保険会社などが発行する控除証明書は、電子データで受け取って年調ソフトに読み込める場合があります。国税庁は、マイナポータルと連携して控除証明書のデータを一括で取得する仕組みを案内しており、対応する保険会社などの一覧も公開しています。
この仕組みを使うには、従業員側でマイナンバーカードやマイナポータルの準備が必要です。全員がすぐに使えるとは限らないため、紙の控除証明書を添付する方法と併用する前提で案内するとよいでしょう。
取り込み後の不備確認と差し戻し
データで受け取った申告内容も、取り込んだあとに担当者が確認する必要があります。扶養親族の所得の見積額や、控除証明書の金額と申告額の一致など、計算に影響する項目から優先して確認します。
不備があった場合の差し戻し方法も決めておきましょう。差し戻しの理由を本人に具体的に伝えると、再提出までの時間を短くできます。修正したデータを再提出してもらうのか、担当者が修正して本人に確認するのかで、記録の残し方が変わります。誰がいつ修正したかを残せるかは、製品の資料で確かめておくと安心です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で年末調整支援システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
令和8年分の正式版に入れ替える際の注意点
インストール型では、毎年その年分に対応した版を入れる必要があります。令和8年分は税制改正の項目が多いため、担当者側のソフトと従業員側のソフトの両方で、年分を取り違えないように案内することが大切です。
令和8年分の年調ソフト公開と前年版の扱い
国税庁は、令和8年分の年調ソフトの正式版を令和8年10月1日に公開しています。令和8年分のソフトは、令和8年12月1日以後に行う令和8年分の年末調整に対応したものです。
国税庁の案内では、Windows版で前年のソフトをインストールしている場合、インストール時に作られたツールを削除しないと新しい版を入れられないことがあるとされています。従業員向けの手順書には、前年版が入っている場合の対応も書いておきましょう。
改正内容にあわせた入力の案内
令和8年分は、基礎控除の引上げに伴い、扶養親族などの所得要件が改正されました。扶養親族の合計所得金額の要件は62万円以下となり、収入が給与だけの場合の目安は136万円以下と示されています。
年齢23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除の特例も新たに設けられました。従業員が前年の感覚で申告すると対象の親族を書き漏らすおそれがあるため、変わった点を手順書の冒頭で案内しておくと効果的です。担当者側のソフトも改正後の要件で判定できる版になっているか、取り込み前に確認しておきましょう。
年末調整支援システムを配る運用のつまずき
従業員の端末にソフトを配る運用では、端末の環境や、操作に慣れているかどうかの差が問題として表れやすくなります。事前に想定しておけば、多くは手順書や回収方法の工夫で対応できます。
端末の環境によってソフトが動かない
従業員の端末はOSのバージョンや設定がそろっていないため、インストールできない、起動しないといった問い合わせが寄せられることがあります。原因は端末の設定やセキュリティソフト、古いバージョンの残存など複数考えられます。
すべてを担当者が個別に解決するのは負担が大きいため、動作しない場合は共用パソコンでの入力や紙での提出に切り替えられるよう、代わりの手段を用意しておくと安心です。
問い合わせの内容と対処を記録しておけば、翌年の手順書に反映できます。動作確認済みの環境を手順書に明記しておくと、従業員が事前に自分の端末で使えるかを判断する材料にもなります。
提出状況が把握しにくい
データをメールや共有フォルダーで集める場合、提出済みの従業員を担当者が別に管理する必要があります。提出済みの一覧を表計算ソフトで作るなどして、未提出者に早めに声をかけられるようにしておきましょう。部署ごとの取りまとめ役を決め、提出状況を共有する方法もあります。
従業員数が多い会社では、この管理だけで手間がかかります。提出状況を一覧で確認できる仕組みを持つ製品もあるため、インストール型にこだわるか、申告部分だけクラウドの仕組みを使うかも含めて比較するとよいでしょう。
申告の回収を支える年末調整システムの特徴一覧
従業員の端末にソフトを配る方法と比べられるよう、申告データの回収や提出状況の管理に役立つ年末調整支援システムを一覧にしました。紹介する製品はいずれもクラウドで提供されています。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| freee人事労務 年末調整 | 一問一答で申告でき、控除証明書の画像からAIが自動入力・不備チェック |
| SmartHR | アンケート形式で回答でき、スマホアプリのプッシュ通知で提出を依頼 |
| XOLOGY年末調整 | 申告状況をリアルタイムに把握でき、未申告者へ督促メールを一括送信 |
| S-PAYCIAL with 電子年調申告 | スマホやPCから申告でき、マイナポータルの控除証明書データも取り込める |
| KING OF TIME 給与 | 電子的控除証明書(XML)の取り込みと、未提出者への自動リマインドに対応 |
| マネーフォワード クラウド年末調整 | 申告書をメールで配布し、提出・未提出を進捗確認画面で把握できる |
| freeeペーパーレス年末調整 | 従業員はスマホで入力し、担当者は進捗管理画面で督促・修正依頼を行える |
申告データの回収に強い年末調整支援システム
ソフトを配布せずに申告データを集められる製品を紹介します。いずれもクラウドで提供されているため、インストール型にこだわる場合は、資料で提供形態を確認しましょう。
freee人事労務 年末調整
- AIのチカラで従業員が“間違えない”!
- 転記がないからミスがゼロに!
- “シンプル操作”で初めてでも使いやすい
フリー株式会社が提供する「freee人事労務 年末調整」は、取り込み後の不備確認と差し戻しにかかる時間を減らしたい会社に向く年末調整ソフトです。従業員は一問一答のアンケートに答えて申告し、スマートフォンからも提出できる仕組みです。控除証明書は画像を添付すると、AIが自動で入力し不備をチェックします。入力状況はリアルタイムにグラフで確認でき、税額計算から法定調書の電子申告までをひと続きで行えます。
SmartHR
- 最短3分のアンケート形式で、従業員が迷わずカンタン回答
- スマホへのプッシュ通知で、期日通りの回答収集を強力にサポート
- 問い合わせ対応もシステム上で完結、やりとりを大幅に効率化!
株式会社SmartHRが提供する「SmartHR」は、手順書の配布や個別の催促に追われがちな担当者の負担を軽くしたい会社に適した人事・労務システムです。年末調整では、従業員が「はい」「いいえ」などを選ぶアンケート形式で回答します。開始の連絡やマニュアルはお知らせ機能やスマホアプリで一斉に届けられ、提出依頼や差し戻しはプッシュ通知で伝えられます。記載内容の不備は、メッセージ機能で本人と直接やりとりできます。
XOLOGY年末調整
- デザイン性に優れ、画面の質問に応えるだけで手軽に申告
- 従業員、人事ご担当者の業務が削減する便利機能が充実
- 人事給与分野での約50年の実績を踏まえた安心サポート
さくら情報システム株式会社が提供する「XOLOGY年末調整」は、従業員数が多く、配布や問い合わせ対応の負担が大きい500名以上の企業を対象とした年末調整サービスです。従業員は一問一答形式の画面とAIチャットボットの案内に沿って、スマートフォンやパソコンから申告します。担当者は申告状況をリアルタイムに把握し、未申告者へ督促メールを一括で送れます。給与システムにあわせて、CSVの取込み・出力のレイアウトを設定できる点も特徴です。
S-PAYCIAL with 電子年調申告
- 2025年度の税制改正にも対応!
- 保険料控除証明書データの取込みが可能
- 従業員の操作性と人事担当者のチェック機能にこだわった設計
鈴与シンワート株式会社が提供する「S-PAYCIAL with 電子年調申告」は、ソフトを配布せずに申告書のデータを集めたい会社が検討しやすいWeb申告サービスです。扶養控除や保険料控除、住宅取得控除などの申告を、スマートフォン・タブレット・PCからいつでも行えます。マイナポータルからダウンロードした保険料控除証明書などのデータを取り込めるほか、担当者は給与ソフト連携用のデータを作成できます。電子給与明細とは別に、単体での申し込みも可能です。
KING OF TIME 給与
- 簡単操作で誰でも迷わずご利用いただけます。
- 年末調整も自動読み取りで手間や負担を削減。
- 勤怠管理・人事労務とのデータ連携でミスなく一元管理。
株式会社ヒューマンテクノロジーズが提供する「KING OF TIME 給与」は、従業員から集める控除証明書のデータを、手入力せずに取り込みたい会社に向く給与計算システムです。年末調整では電子的控除証明書(XMLファイル)に対応し、自動文字読み取り(AI-OCR)の機能も備えています。未提出の従業員へのリマインドメールは自動で送信できるため、担当者が一人ずつ連絡する手間を省けます。給与計算や賞与計算とあわせて、勤怠・人事データとの連携も可能です。
マネーフォワード クラウド年末調整
- 他社給与計算ソフトを使っていてもご利用可能
- ペーパーレスで書類の準備がかんたん
- 回収状況が確認できる管理画面
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド年末調整」は、提出済みの従業員を表計算ソフトで別に管理している会社が、回収状況をひと目で把握したいときの選択肢です。申告書はメールで配布し、従業員はスマートフォンやパソコンからアンケートビューで回答します。提出・未提出は進捗確認画面で視覚的に確かめられ、入力内容の訂正や再提出もオンライン上で完結します。他社の給与計算ソフトを使っていても利用できます。
freeeペーパーレス年末調整 (フリー株式会社)
- 従業員スマホ入力、労務担当者の印刷・回収不要
- 一問一答形式で入力ミス・記入漏れを削減
- 進捗管理画面で督促・修正依頼をスムーズ化
まとめ
インストール型の年末調整支援システムは、担当者のパソコンだけで使うか、従業員の端末にも申告用ソフトを配るかで運用が変わります。配布する場合は、社内ルールの確認と手順書の準備、申告データの受け渡し経路を事前に決めておきましょう。令和8年分は改正点が多いため、正式版への入れ替えと従業員への案内も欠かせません。自社の運用にあう製品を、資料請求で比較してみてください。

