ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■システム構成別
- 年末調整の申告部分をクラウドで運用:XOLOGY年末調整、S-PAYCIAL with 電子年調申告、マネーフォワード クラウド年末調整
- 給与とあわせてクラウドへ移行:ジンジャー給与、弥生給与 Next
- ■給与システムとの連携方法別
- 同じシリーズの給与計算と連携:ジョブカン労務HR、SmartHR
- 他社の給与システム向けにデータを作成:XOLOGY年末調整、S-PAYCIAL with 電子年調申告
オンプレミスで動く年末調整支援システムの仕組み
オンプレミスの年末調整支援システムは、社内のサーバーにシステムを置き、従業員が社内ネットワークからブラウザなどで申告する形が基本です。まずは、どのような機器と通信で成り立っているかを押さえておきましょう。
社内サーバーと従業員の申告画面
オンプレミスの構成では、社内のサーバーにアプリケーションとデータベースを置きます。従業員は会社のパソコンからブラウザで申告画面にアクセスし、扶養親族や保険料の情報を入力します。担当者は同じサーバーで申告内容を確認し、税額の計算に進む流れです。
製品によっては、サーバーにはデータだけを置き、担当者のパソコンに専用のソフトを入れて使う形もあります。どの機器に何を入れるかで必要なサーバーの台数や性能が変わるため、提供会社に構成図を出してもらうと全体像をつかみやすくなります。
サーバー側で必要な準備
サーバーを用意する際は、提供会社が示すOSやデータベースの対応バージョン、必要なメモリやディスク容量を確認します。既存の給与システムのサーバーに同居させられるか、別のサーバーが必要かも、早めに確かめておきたい点です。
年末調整の申告は11月から12月に集中するため、その時期の同時アクセス数を見込んで性能を決めます。従業員数や申告期間の長さを提供会社に伝え、推奨される構成を確認しておくと、本番期間中に処理が遅くなるおそれを減らせます。
給与システムがオンプレミスなら選べる3つの構成
給与システムをオンプレミスで運用している場合でも、年末調整支援システムの置き方には複数の選択肢があります。データの置き場所と連携の手間を比べながら、自社にあう構成を考えましょう。
給与と年末調整をともにオンプレミスで動かす
給与システムと年末調整支援システムを同じ社内環境で運用する構成です。従業員情報や支給額のデータを社内で受け渡せるため、データを社外に出さない方針の会社でも採用できます。
そのかわり、サーバーの保守や改正対応の更新作業は自社で行います。社外から申告を受け付けたい場合は、ネットワークの設計も自社で考える必要があります。サーバーの管理や更新作業を担える人員が社内にいる会社に向いた構成といえます。
申告の受け付けだけをクラウドで行う
従業員の申告の受け付けと回収をクラウドの年末調整支援システムで行い、計算は社内の給与システムで行う構成です。従業員は自宅のスマートフォンからも申告でき、担当者は回収したデータをファイルで給与システムに取り込みます。
この構成では、扶養親族や保険料などの申告データがクラウドに保存されます。社内規程上それが認められるかを確認したうえで、データの受け渡しにかかる手間と、取り込み時の不整合への対処方法を事前に決めておくことが大切です。
給与とあわせて全面的にクラウドへ移す
給与システムの更新時期が近い場合は、給与と年末調整をまとめてクラウドに移す選択肢もあります。サーバーの保守や改正対応の更新作業を提供会社に任せられるため、社内の運用負担を減らせる可能性があります。
ただし、給与データの移行や給与計算のテストに時間がかかるため、年末調整の時期に移行作業が重ならないよう計画します。年末調整だけを先にクラウドへ移し、給与は次の更新時期に移すという段階的な進め方も考えられます。どの順序で移すかは、給与システムの保守期限や契約の更新時期をもとに決めるとよいでしょう。
オンプレミス構成で確認したいデータ連携
年末調整支援システムは、給与システムから従業員情報と1年間の支給額を受け取り、計算結果を給与システムに戻して精算します。オンプレミス構成では、この受け渡しを社内でどう実現するかが運用のしやすさを左右します。
従業員マスタと支給額の受け渡し
年末調整には、従業員の氏名や住所、扶養親族の情報に加え、1年間の給与や賞与の支給額、社会保険料の控除額が必要です。給与システムからこれらをどの形式で出力し、年末調整支援システムに取り込むかを決めます。
同じ提供会社のシリーズ製品であれば、データベースを共有したり、画面操作で連携したりできる場合があります。他社の給与システムと組み合わせる場合は、CSVファイルの項目の並びをそろえる設定が必要な場合があるため、テスト用のデータで試しておきましょう。
過不足税額の精算と扶養情報の戻し
年末調整で計算した過不足税額は、年末調整を行う月の給与などで精算します。計算結果を給与システムに戻す方法と、その時期を決めておく必要があります。
年末調整で更新された扶養親族や住所の情報を、給与システムや人事システムに反映するかどうかも決めておきます。反映しないと、翌年の源泉徴収税額の計算に古い扶養情報が使われるおそれがあります。どちらのシステムを正しい情報の元とするかを決め、更新の手順をそろえておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で年末調整支援システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討しましょう。
年末調整支援システムを社外から使うネットワーク
在宅勤務の従業員や、会社のパソコンを持たない従業員がいる場合、オンプレミスの年末調整支援システムに社外から接続できる仕組みが必要です。通信経路と本人確認の方法を、情報システム部門と一緒に検討しましょう。
VPN接続と公開サーバーの違い
社外から接続させる方法には、VPNで社内ネットワークに入ってもらう方法と、申告用のサーバーをインターネットに公開する方法があります。VPNは会社が端末や利用者を管理しやすい一方、私用のスマートフォンからの利用には向かない場合があります。
サーバーを公開する場合は、社内ネットワークと分けた区画に置くなどの設計と、通信の暗号化が欠かせません。公開に伴う攻撃への対策や監視も必要になるため、自社で対応できる範囲かを見極めて選びましょう。どちらの方法でも、接続の記録を残し、不審なアクセスに気づける体制を整えておくことが大切です。
ログイン認証とアクセス制限
社外からの接続を受け付ける場合は、IDとパスワードだけでなく、追加の確認を組み合わせる多要素認証が使えるかを確認します。社内のアカウントとまとめて管理できるシングルサインオンに対応しているかも、管理の手間に影響します。
申告期間外は社外からの接続を止める、接続できる地域や端末を絞るといった運用も検討できます。どの設定がシステム側で可能かは製品やネットワーク機器によって異なるため、提供会社と情報システム部門で確認しておきましょう。
令和8年分の改正に向けたサーバー側の準備
オンプレミスの年末調整支援システムでは、改正に対応した更新プログラムを社内のサーバーに適用します。令和8年分は計算や申告項目に関わる改正があるため、更新のスケジュールを早めに固めておきましょう。
令和8年分で変わる控除と申告項目
国税庁の「令和8年分 年末調整のしかた」では、基礎控除の本則が58万円から62万円に、給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円に引き上げられたことが示されています。扶養親族等の所得要件の改正や、年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例も設けられました。
これらの改正は原則として令和8年12月1日に施行され、12月の年末調整で反映されます。申告画面の項目も変わる可能性があるため、従業員への申告開始前に更新を終えておくことが大切です。
更新プログラムの適用と連携先の確認
更新プログラムを適用する前に、データベースのバックアップを取ります。検証用のサーバーがあれば先に適用し、前年のデータで試算して計算結果や帳票を確認してから本番に反映すると安心です。
給与システムと別の製品を使っている場合は、両方が改正に対応した版になっているかを確かめます。片方だけが更新されていると、受け渡すデータの項目が合わずに取り込みが止まる場合があるため、連携のテストまで行っておきましょう。テストで見つかった問題と対処を記録しておくと、翌年の更新作業にも生かせます。
給与システムの構成別に見る年末調整システム一覧
申告の受け付けだけをクラウドに切り出す構成と、給与とあわせてクラウドへ移す構成のそれぞれで検討できる年末調整支援システムを、ランキング順に一覧にしました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| ジョブカン労務HR | ジョブカン給与計算と連携し、過不足額をワンクリックで給与に反映 |
| SmartHR | 給与計算機能と併用すると、年末調整のデータを入力なしで給与計算に活用 |
| XOLOGY年末調整 | どの給与システムとも連携でき、CSVの取込み・出力レイアウトを設定可能 |
| S-PAYCIAL with 電子年調申告 | Web申告を単体で申し込め、給与ソフト連携用のデータを作成できる |
| ジンジャー給与 | ジンジャー人事労務の従業員データと給与情報から年末調整を自動計算 |
| マネーフォワード クラウド年末調整 | 給与計算ソフトを変えずに使え、法定調書の作成やe-Tax・eLTax提出に対応 |
| 弥生給与 Next | 勤怠・給与・年末調整・労務のデータをつなげ、二重入力を抑えられる |
申告の受け付けだけをクラウドで行う製品
社内の給与システムは残したまま、従業員の申告の回収をクラウドで行う構成に向く製品です。
XOLOGY年末調整
- デザイン性に優れ、画面の質問に応えるだけで手軽に申告
- 従業員、人事ご担当者の業務が削減する便利機能が充実
- 人事給与分野での約50年の実績を踏まえた安心サポート
さくら情報システム株式会社が提供する「XOLOGY年末調整」は、社内の給与システムとファイルでデータを受け渡す構成にあわせやすい年末調整サービスです。給与システムの仕様にあわせてCSVの取込み・出力のレイアウトを設定でき、使う給与システムを選びません。従業員はスマートフォンやパソコンから申告し、担当者は申告状況をリアルタイムに確認できます。ISMS認証を取得したサービスで、対象は従業員500名以上の企業です。
S-PAYCIAL with 電子年調申告
- 2025年度の税制改正にも対応!
- 保険料控除証明書データの取込みが可能
- 従業員の操作性と人事担当者のチェック機能にこだわった設計
鈴与シンワート株式会社が提供する「S-PAYCIAL with 電子年調申告」は、計算は社内の給与ソフトで続け、申告データの収集だけを外部のサービスに任せたい会社に向く製品です。電子給与明細のオプションとしてだけでなく、単体でも申し込めます。従業員はスマートフォン・タブレット・PCから扶養控除や保険料控除などを申告し、担当者はシステム上で事前準備から回収、給与ソフト連携用データの作成まで進められます。対応言語は日本語と英語です。
マネーフォワード クラウド年末調整
- 他社給与計算ソフトを使っていてもご利用可能
- ペーパーレスで書類の準備がかんたん
- 回収状況が確認できる管理画面
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド年末調整」は、社内の給与システムはそのままに、申告書の配布と回収をクラウドへ切り出す構成で検討しやすいサービスです。他社の給与計算ソフトを使っていても利用でき、従業員はスマートフォンやパソコンからアンケートビューで回答します。登録された従業員情報から年末調整の対象者を自動で判別でき、源泉徴収票や給与支払報告書の作成、e-Tax・eLTaxによる電子報告まで扱えます。
給与とあわせてクラウドへ移す場合の製品
給与システムの更新を機に、給与計算と年末調整をまとめてクラウドで運用したい場合に比べたい製品です。
ジョブカン労務HR
- 「はい」「いいえ」のアンケート形式で従業員もかんたん対応!
- らくらく控除申告書自動作成!
- 過不足税額の集計・反映から役所提出用書類までワンクリック!
株式会社DONUTSが提供する「ジョブカン労務HR」は、給与もクラウドへ移す際に、同じシリーズの給与計算と組み合わせて使える労務管理システムです。従業員は「はい」「いいえ」のアンケートに答えて控除申告書を作成し、過不足税額はシステムが自動で精算します。ジョブカン給与計算と連携すれば過不足額をワンクリックで給与に反映でき、年末調整で更新されたデータを労務HRや給与計算に戻すことも可能です。
SmartHR
- 最短3分のアンケート形式で、従業員が迷わずカンタン回答
- スマホへのプッシュ通知で、期日通りの回答収集を強力にサポート
- 問い合わせ対応もシステム上で完結、やりとりを大幅に効率化!
株式会社SmartHRが提供する「SmartHR」は、人事データと給与計算を同じサービスでそろえ、年末調整の結果を受け渡す作業をなくしたい会社が検討しやすいクラウドサービスです。給与計算機能と併用すると、収集した年末調整のデータをそのまま給与計算に使え、源泉徴収票の作成・配付まで続けて行えます。従業員はアンケート形式で回答し、提出依頼や差し戻しはスマホアプリのプッシュ通知で伝えられます。
ジンジャー給与
- 給与計算の手間を大幅に削減!
- ウェブ明細発行までをスムーズに!
- 人事や勤怠とカンタン情報連携!
jinjer株式会社が提供する「ジンジャー給与」は、給与計算をクラウドに移し、年末調整の計算結果を給与へそのまま戻したい会社に向く給与計算システムです。「ジンジャー人事労務」の従業員データと1年間の給与情報をもとに、年末調整を自動で計算します。過不足税額を給与と賞与のどちらで精算するかは従業員ごとに設定でき、源泉徴収票はWeb明細やPDFで発行できます。対象は従業員10名以上の企業です。
弥生給与 Next
- 勤怠・給与・労務をシームレスにつなげて一元管理
- Web明細や申告書回収で給与業務をペーパーレス化
- eGov連携で社会保険や労働保険の電子申請が可能
弥生株式会社が提供する「弥生給与 Next」は、給与システムの更新時期にあわせて、給与と年末調整をまとめてクラウドへ移したい中小企業向けのサービスです。勤怠・給与・年末調整・労務・会計のデータをつなげ、二重入力や転記の負担を抑えられます。年末調整では各種控除申告書をアンケート形式でWeb回収し、年税額の自動計算から源泉徴収票・給与支払報告書の作成まで進められます。法令改正には自動で対応します。
まとめ
給与システムがオンプレミスの会社でも、年末調整支援システムは全体をオンプレミスにする構成、申告の受け付けだけをクラウドにする構成、全面的にクラウドへ移す構成から選べます。給与データとの連携方法と、社外からの申告の必要性をもとに判断しましょう。令和8年分の改正に向けた更新の準備も含めて、自社の構成にあう製品を資料請求で比較してみてください。

