ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■構築方式・運用の担い方別
- VPN専用装置を設置するタイプ:株式会社USEN ICT SolutionsのビジネスVPN、IIJマネージドVPN PROサービス、ヤマハ ギガアクセスVPNルーター RTXシリーズ、Meraki MX
- サーバーにソフトウェアを導入するタイプ:SoftEther VPN、PacketiXVPN4.0
- 構築や保守の支援が付くタイプ:株式会社USEN ICT SolutionsのビジネスVPN、IIJマネージドVPN PROサービス
- クラウド型と併用できるタイプ:Meraki MX、GlobalProtect
オンプレミス型VPNで自社が担う作業
オンプレミス型のVPNは、機器やソフトウェアを自社の管理下に置いて運用する形態です。クラウド型とちがい、運用の多くの作業を自社が受け持ちます。
装置の設置と接続設定
最初に必要なのは、VPN装置やサーバーの設置場所の確保と、ネットワーク構成への組み込みです。外部からの接続を受けるため、ファイアウォールの設定や、公開するアドレスの設計も欠かせません。
設定を誤ると、接続できないだけでなく、意図しない通信を許してしまう場合もあります。設計の段階で、ネットワークに詳しい担当者や構築の支援事業者に確認しておきましょう。設定後は、社外から接続して実際に動作を確かめる試験も欠かせません。
利用者や権限の管理
利用者の追加や削除、アクセスできる範囲の設定も、自社で継続して行う作業です。入社や退職、部署の異動のたびに更新が必要で、漏れがあると不要なアカウントが残ってしまいます。
社内のID管理の仕組みと連携できれば、更新の手間を減らせます。連携できる認証基盤の種類は製品ごとに異なるため、事前の確認が欠かせません。
保守と更新の対応
装置のファームウェアやソフトウェアは、不具合や脆弱性の修正のために更新が必要です。更新の情報を自社で収集し、業務への影響を見ながら適用する時期を決めなければなりません。
保守契約の範囲も確認しておきましょう。故障時の機器交換にかかる日数や、問い合わせの受付時間は、契約内容によって異なります。
VPNをオンプレミスで構築する方式の違い
オンプレミス型VPNの構築方式には、いくつかの種類があります。接続の形態や管理の手間が方式ごとに異なるため、自社の運用体制にあうものを選びましょう。
専用装置を設置する方式
専用装置を設置する方式は、VPNの機能をまとめて持つ機器をネットワークの出入口に置く形態です。暗号化の処理を専用の機器で行うため、利用者が多い環境でも処理能力を見込みやすい特徴があります。
機器の購入費に加え、保守費用や更新の費用も発生します。耐用年数に応じた入れ替えの計画も、あわせて立てておきましょう。保守の提供期限が切れる時期は、購入前に確認できます。
サーバーにソフトウェアを導入する方式
既存のサーバーにVPNのソフトウェアを導入する方式は、専用の機器を買わずに始められる点が特徴です。仮想環境上に構築すれば、機器の設置場所も不要です。
反対に、サーバーのOSやソフトウェアの更新も自社で管理する必要があります。処理能力が足りなくならないよう、利用者数の見込みも確認しておきましょう。
拠点間をルーターで結ぶ方式
本社と支社を常時つなぐ拠点間VPNには、各拠点のルーターで通信を暗号化する方式があります。拠点ごとに機器を置くため、拠点が増えるたびに設定と保守の対象も増えます。
個人の端末から接続するリモートアクセスと、拠点同士を結ぶ接続とでは必要な機能が異なります。どちらの用途を重視するかを先に整理しましょう。
オンプレミスのVPNが向いている条件
オンプレミス型には手間がかかりますが、条件によっては有力な選択肢です。自社の事情にあてはまるかを順に確認しましょう。
データを社外のサービスに置きたくない場合
取引先との契約や社内規程で、通信の記録を社外のサービスに置けない場合があります。オンプレミス型なら、構成によっては接続ログや設定情報を自社環境内で管理できます。
ただし、ログの保管や閲覧の権限管理は自社の責任です。保管の期間や保存先の容量も、あらかじめ決めておく必要があります。
既存の認証基盤やネットワークと密に連携したい場合
社内に独自の認証基盤や、細かく分けたネットワークがある場合、自社で構成を決められる点は利点です。部署ごとにアクセスできるシステムを分ける設定も、柔軟に組みやすくなります。
反面、連携の設計や検証に時間がかかります。変更のたびに影響範囲を確認する運用が必要です。
通信の経路を自社で制御したい場合
通信がどの経路を通るかを細かく決めたい場合も、オンプレミスが向きます。例えば、特定の拠点からの通信だけを専用の回線に流す、国内のデータセンターを経由させるといった設計が可能です。
ただし、経路の設計や変更も自社の作業です。変更履歴を残し、誰が見ても構成を把握できる状態を保ちましょう。構成図と設定内容を最新の状態で保管しておくと、担当者が交代した際にも引き継ぎやすくなります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でVPNの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
オンプレミス型VPNの運用で生じる負担
導入後の負担は、費用の見積もりに表れにくい部分です。事前に想定しておくと、運用が始まってから困る場面を減らせます。
脆弱性への対応を継続する
VPN装置はインターネットから接続を受ける性質上、脆弱性が見つかった場合の対応が重要です。情報の収集、更新の検証、適用の作業を、担当者が不在でも進められる体制が求められます。
更新の作業中は一時的に接続できなくなる場合があります。事前に手順書を作り、元の状態に戻す方法も確認しておくと安心です。業務への影響が少ない時間帯を選び、利用者への周知もあわせて行いましょう。
障害に備えて冗長化を検討する
VPN装置が1台だけの構成では、故障した際に在宅勤務や拠点間の通信が止まります。予備機を用意する、複数台で負荷を分けるなどの冗長化を検討しましょう。
冗長化は費用と設定の手間が増えます。止まった場合の業務への影響と照らして、どこまで備えるかを決めてください。
同時接続の上限を見込む
装置やライセンスには、同時に接続できる人数の上限があります。災害時や感染症の流行時など、在宅勤務が一斉に増える場面を想定して、余裕を持たせた数を見積もりましょう。
上限を超えると新しい接続ができなくなります。追加の手続きにかかる期間も事前に確認しておくと安心です。ライセンスの追加が即日で反映されるのかも、確認項目の一つです。
オンプレミス型VPNで確認したい費用と契約
オンプレミス型は初期費用が目立ちますが、運用にかかる費用も長期では無視できません。見積もりの段階で確認したい項目を整理します。
初期費用と継続費用の内訳
初期費用には、機器やソフトウェアの購入費、設置や設定の作業費が含まれます。継続費用としては、保守契約、ライセンスの更新、将来の機器更新に備えた費用などが考えられます。
見積もりを比べる際は、数年間の合計で考えましょう。保守費用の対象範囲が製品によって異なるため、含まれる内容を一覧にして確認すると判断しやすくなります。
保守契約とサポートの範囲
保守契約では、故障時の機器交換、更新の提供、問い合わせ窓口の受付時間などが論点です。機器交換が先出しか引き取り後かといった条件も、復旧にかかる日数に影響します。
設定の相談や作業の代行がどこまで含まれるかは、契約ごとに異なります。範囲があいまいなまま進めず、書面で確認しておきましょう。
クラウド型との併用と見直しの目安
オンプレミスとクラウドは、どちらかに決める必要はありません。業務や拠点ごとに使い分ける考え方もあります。
用途ごとに使い分ける
機密性の高い社内システムへの接続はオンプレミス、出張者や委託先の一時的な利用はクラウド型、といった使い分けが考えられます。接続の入口が複数になるため、利用者の管理が分散しないよう注意が必要です。
認証の仕組みを共通にできるかを、選定の段階で確認しておきましょう。方式が混在しても、利用者の操作が大きく変わらない構成が望ましいといえます。
見直しを検討するきっかけを決めておく
機器の保守期限が近づいたときや、利用者が大きく増えたときは、方式を見直す好機です。運用の負担が担当者の許容を超えていないかも、定期的に点検しましょう。
見直しの際は、現在の運用にかかっている工数も含めて比較します。費用だけでなく、担当者の時間も判断材料にしてください。移行する場合は、並行運用の期間も計画に含めておくと安全です。
オンプレミス型VPNの構成別一覧
専用装置、ソフトウェア、構築・保守の支援といった観点で、オンプレミスでの運用を検討しやすい製品を一覧にしました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| 株式会社USEN ICT SolutionsのビジネスVPN | VPN機器をレンタルまたは買取で提供し、導入から運用まで一括対応 |
| IIJマネージドVPN PROサービス | オンプレミス提供。構築から障害対応まで任せられるフルマネージド型 |
| ヤマハ ギガアクセスVPNルーター RTXシリーズ | 小規模拠点向けから大規模センター向けまで選べるVPNルーター |
| Meraki MX | VPNを含む総合セキュリティのアプライアンスをクラウドで管理 |
| SoftEther VPN | Windows・Linuxなどに対応するオープンソースのVPNソフト |
| PacketiXVPN4.0 | SSL/HTTPSベースで、拠点間・リモート・クラウドに対応するソフト |
| GlobalProtect | オンプレミスとクラウドに対応し、通信の可視化とポリシー適用を支援 |
オンプレミス運用で選びたいVPN製品
自社で装置やソフトを管理する前提で、装置型、ソフトウェア型、運用の支援が付く型の順に紹介します。
株式会社USEN ICT SolutionsのビジネスVPN
- 複数キャリアの回線・機器をワンストップでご提供
- 小規模からエンタープライズの幅広い構成
- リモートVPN・回線冗長・機器冗長・クラウド接続等のオプション
「株式会社USEN ICT SolutionsのビジネスVPN」は、VPN機器の選定から運用までを任せられるサービスです。機器はレンタルまたは買取で提供され、スター型やフルメッシュ型の構成、機器の集中管理システムにも対応します。セキュリティポリシー作成の支援を含む導入前のコンサルティング、初期設定、運用、監視、障害対応を一括で依頼できるため、自社に専任の担当者を置きにくい場合の装置運用を支えます。
IIJマネージドVPN PROサービス (株式会社インターネットイニシアティブ)
- 構築、運用、監視、障害対応のすべてをサービス
- かけるコストと求める可用性に即した柔軟な設計が可能
- 特定通信事業者に依存せずに自由に通信網を設計
ヤマハ ギガアクセスVPNルーター RTXシリーズ (ヤマハ株式会社)
- VPN接続で低コスト・ハイパフォーマンスを実現!
- 小規模から大規模向けまでニーズに合わせた製品選択が可能!
- セキュリティ対策にも最適
Meraki MX (シスコシステムズ合同会社)
- 単一ダッシュボードによる一元管理
- ほんの数クリックでVPN環境を構築
- SD-WANによりコストパフォーマンスを最大化
SoftEther VPN (ソフトイーサ株式会社)
- HTTPSベースの強固なVPNトンネルが構築可能!
- ハードウェアベンダーのVPN製品よりも安全なセキュリティ性!
- ソフトのインストールと導入後の管理が簡単!
PacketiXVPN4.0 (ソフトイーサ株式会社)
- VPN over HTTPS/DNS/ICMPでNAT越えを実現。
- スマホやルータなど多様な環境に対応し互換性高い。
- 仮想LAN/HUBで拠点間・リモート・クラウドに柔軟対応。
GlobalProtect (パロアルトネットワークス株式会社)
- 端末・場所を問わず次世代ファイアウォールの保護を拡大
- アプリ・通信を可視化し、リモートアクセスの盲点を解消
- ハイブリッド勤務やBYODなど多様な環境でゼロトラスト制御を実現
まとめ
VPNをオンプレミスで運用する場合は、設置、権限管理、保守の作業を自社で担うため、脆弱性への対応や冗長化、同時接続の上限まで見込んで計画しましょう。クラウド型との併用も選択肢です。自社の体制にあう方式を探す際は、一括資料請求で複数の製品を比べてみてください。

