Webサイト構築の選択肢
進め方を見る前に、どのような構築の方法があるのかを押さえておきましょう。
構築の方法による違い
Webサイトを作る方法には、ページごとにファイルを作成して公開する形、あらかじめ用意された型を使って作る形、CMSと呼ばれる仕組みを使って内容を管理する形があります。
ページ数が少なく、更新もほとんど発生しないサイトであれば、ファイルを作成する形でも運用できます。ただし、更新のたびに制作を依頼する必要があり、費用と時間がかかります。更新の頻度が高いサイトほど、内容を自分たちで管理できる構成の利点が大きくなります。
CMSを使う構成の位置づけ
CMSとは、Webサイトの内容を管理する仕組みを指します。文章や画像を管理画面から登録すると、あらかじめ設定した見た目に沿ってページが表示されます。専門的な知識がなくても更新を進められる点が特徴です。
提供の形態には、自社のサーバに導入する形と、事業者が提供する環境を利用する形があります。広く使われている製品もありますが、利用者が多いことは自社に適することを意味しません。サイトの規模と運用の体制に照らして判断することが求められます。
構築の進め方
公開までの流れを、三つの段階に分けて確認します。
目的と対象の整理
最初に、何のためにサイトを作るのかを具体化します。会社の情報を伝えるためなのか、問い合わせを増やすためなのか、採用の応募を集めるためなのかによって、必要なページも設計も変わります。
あわせて、誰に見てもらいたいかを整理しましょう。想定する相手によって、掲載すべき内容も表現も変わります。ここが曖昧なまま制作に入ると、後から要望が追加され、期間と費用が膨らむ要因になります。関係する部署の意見を先に集めておくことが望まれます。掲載したい内容と、その更新を誰が担うのかも、この段階で確認しておきましょう。
構成と設計の検討
目的が定まったら、どのようなページを用意し、どうたどれるようにするかを設計します。見てほしい情報にたどり着ける経路になっているかを、想定する相手の立場で確認しましょう。
この段階で、更新の頻度が高いページと、ほとんど変わらないページを分けておくと、後の運用設計に活きます。頻繁に更新する部分をCMSで管理できるようにしておけば、担当者が自分で対応できます。スマートフォンでの表示をどう扱うかも、設計に含めておく必要があります。
制作から公開までの流れ
設計にもとづいて見た目を作り、内容を登録し、動作を確認したうえで公開します。内容の準備には想定より時間がかかることが多く、原稿や画像の用意を誰が担うのかを早めに決めておきましょう。
公開の前には、複数の端末やブラウザで表示を確認します。既存のサイトから切り替える場合は、これまでのページの扱いも整理が必要です。アドレスが変わる場合は、以前のアドレスからの案内をどうするかを設計に含めておきましょう。
公開後の運用を支える機能
構築して終わりではなく、更新を続けられる状態にすることが重要です。二つの観点から確認します。
更新と権限の管理
誰がどのページを更新できるかを設定できる機能です。部署ごとに担当するページを分ける、公開の前に責任者の承認を挟むといった運用を組めます。
更新の履歴が残る構成であれば、いつ誰が何を変更したかを確認できます。誤った内容を公開してしまった場合に、以前の状態へ戻せるかも確認点です。複数の担当者が関わるサイトほど、この部分が運用の安定に関わります。
安全性を保つための仕組み
Webサイトは外部に公開されているため、不正な接続を試みられる対象になります。管理画面への接続を制限する設定や、認証を強くする仕組みが備わっているかを確認しましょう。
あわせて、CMS本体や追加した機能の更新プログラムを適用し続ける必要があります。更新が滞ると、弱点が残ったままの状態になります。誰がその作業を担うのかを決め、事業者が提供する環境を利用する場合は、どこまで対応してもらえるかを確かめておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でCMSの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
構築を進める前に確認したい点
制作に入る前に、社内で整理しておきたい事項を二つ挙げます。
体制と役割の整理
誰が内容を用意し、誰が更新を担い、誰が公開の判断をするのかを決めておきます。制作を外部に依頼する場合でも、社内で判断する立場の人は必要です。
公開後の更新を担う担当者が決まっていないと、情報が古いまま残る状態になります。他の業務と兼任する場合は、割ける時間も見積もっておきましょう。担当者一人に集中する体制は、異動の際に更新が止まる要因になります。
費用の考え方と期間
費用は制作費だけでは決まりません。CMSの利用料、サーバの費用、ドメインの維持、公開後の保守や更新の作業が加わります。数年単位の総額で捉えると、判断しやすくなります。
期間についても、内容の準備にかかる時間を見込んでおきましょう。原稿や写真の用意、社内の確認と修正の往復が想定より長引くことは珍しくありません。公開の希望時期がある場合は、そこから逆算して各工程の締め切りを決めておくことをおすすめします。
CMSの選び方
ここまでの内容を踏まえ、製品を選ぶ際の確認事項を整理します。
サイトの規模と更新の頻度
最初に、想定するページ数と、更新がどのくらいの頻度で発生するかを整理します。数十ページで月に数回の更新と、数千ページを複数部署で更新する構成では、必要な機能が大きく変わります。
あわせて、更新を担う人数とその習熟度も整理しましょう。専門的な知識を持たない担当者が更新する前提であれば、操作の分かりやすさが定着を左右します。試用の機会があれば、実際に担当する人に触ってもらうことをおすすめします。
必要な機能と外部との連携
問い合わせフォーム、検索、多言語での表示、アクセス状況の把握といった機能のうち、必要なものを整理します。すべてを備えた製品は費用も上がるため、実際に使う機能に絞って比較しましょう。
既存のシステムとの連携も確認点です。問い合わせの内容を顧客管理の仕組みへ渡したい、商品情報を基幹システムから取り込みたいといった要望がある場合は、対応の可否を確かめておきましょう。
費用とサポート範囲の確認
料金は、利用料が発生しない構成、月額制、初期費用とライセンスの組み合わせなど、製品によって考え方が異なります。利用料がかからない構成でも、構築や保守の費用は別に発生します。
サポートについては、どこまで対応してもらえるのかを具体的に確かめます。操作方法の案内にとどまるのか、更新プログラムの適用や不具合への対応まで含まれるのかは製品ごとに差があります。公開後の運用を誰が担うかとあわせて検討しましょう。
CMSを使ったWebサイト構築に対応した製品
更新のしやすさや公開後の運用にあわせて検討できるCMSを紹介します。
SITEMANAGE(サイトマネージ)
- 外部との連携やハイレベルなカスタマイズも可能
- フェーズと合わせて、段階的に様々なサイト構築が可能
- 使いやすさにこだわった直感的に使える管理画面
株式会社シフトが提供する「SITEMANAGE(サイトマネージ)」は、法人サイト向けのCMSです。専門知識がなくてもページの更新作業を行える管理画面を備えており、公開後の運用を担当部門内で完結させたい企業に向いています。テンプレートを使ったサイト構築に対応しています。
Studio
- 極力専門性を排除し、「構築しやすさ」と「運用しやすさ」を両立
- Webサイト制作の構築から運用まで、すべてがノーコードで完結
- Webサイト制作が短縮することで、マーケティング施策が高速化
Studio株式会社が提供する「Studio」は、ノーコードでWebサイトを構築できるツールです。デザインの作成から公開までを一つの画面で完結できる構成になっており、コーディングの知識がなくてもサイト構築を進めやすくなっています。企業規模を問わず幅広い業種のサイト制作で利用されています。
SITE PUBLIS
- 見たまま編集とブロック構成で専門知識が無くても編集が可能
- 思い通りの権限や承認フローの設定が可能
- 会員機能など多彩な機能とフルオーダーも可能な拡張性
株式会社サイト・パブリスが提供する「SITE PUBLIS」は、大規模サイト向けのCMSです。複数の部門やグループ会社で共通のCMS基盤を使う構成に対応しており、サイトごとに異なる更新権限を設定できる機能を備えています。
ALAYA (彼方株式会社)
- 2002年開始の国産CMSでウェブ運用DXを加速。
- ガバメントクラウド・コンテナ利用のシステム構築に対応
- セキュリティ対策と多要素認証でセキュアなシステムを構築。
WebコアCMS (株式会社ジー・サーチ)
- 2001年提供開始、長年の実績と顧客要望による進化
- 官公庁導入実績が豊富でLGWANに対応
- JIS X 8341-3:2016準拠のアクセシビリティチェック機能
Webサイト構築に関するよくある質問
検討を進める担当者から寄せられることの多い質問と回答をまとめました。
- Q1: CMSを使わない構成でも問題ありませんか?
- ページ数が少なく更新もほとんど発生しないサイトであれば、対応できる場合があります。ただし更新のたびに依頼が必要になるため、費用と時間がかかります。更新の頻度と担う体制を踏まえて判断しましょう。
- Q2: 利用者の多いCMSを選べば安心ですか?
- 情報が見つけやすい、対応できる制作会社が多いといった利点はあります。一方で、広く使われている分だけ攻撃の対象にもなりやすく、更新プログラムの適用を続ける体制が求められます。運用の担い手とあわせて判断しましょう。
- Q3: 既存のサイトから移行できますか?
- 内容を移す作業は可能ですが、ページ数が多い場合は相当の工数がかかります。この機会に不要なページを整理する進め方も検討できます。アドレスが変わる場合の扱いもあわせて設計しておきましょう。
- Q4: 構築までにどのくらいの期間がかかりますか?
- ページ数や設計の範囲、内容の準備状況によって幅があります。制作の作業より、原稿や画像の用意と社内の確認に時間がかかることが多くあります。公開の希望時期から逆算し、各工程の締め切りを決めて進めましょう。
まとめ
Webサイトの構築では、目的と対象を整理し、構成を設計したうえで制作へ進む流れが基本です。公開後に内容を更新し続けられるかが重要であり、権限の管理や更新履歴、安全性を保つ仕組みまで含めて検討する必要があります。体制と役割を先に決め、費用は保守まで含めた総額で捉えましょう。サイトの規模と更新の頻度を踏まえ、必要な機能とサポート範囲を比べてCMSを選ぶことをおすすめします。


