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NPSとは?計算方法・顧客満足度との違い・活用方法をわかりやすく解説

NPSとは?計算方法・顧客満足度との違い・活用方法をわかりやすく解説

NPS(ネットプロモータースコア)は「この商品を友人や同僚に勧めたいか」という1つの質問で、顧客の推奨意向を数値化する指標です。結論からいえば、NPSは点数そのものより、回答者を3つに分けて理由を分析し、改善の優先順位を決めるために使うと効果を発揮します。本記事では、定義と計算方法から、調査設計、スコアの読み解き方、業務への活かし方までを順に解説します。

この記事は2026年9月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    NPSとは顧客の推奨意向を測る指標

    NPSは、顧客が商品やサービスを家族や友人など周囲に勧めたいと思うかを数値で測る指標です。まずは基本的な定義と生まれた背景を押さえ、よく混同される顧客満足度との違いもあわせて整理しましょう。

    NPSの定義と誕生の背景

    NPSはNet Promoter Scoreの略で、日本語ではネットプロモータースコアと呼ばれます。米国のコンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーのフレッド・ライクヘルド氏が、2003年に発表した論文で提唱しました。「この商品を親しい友人や同僚に勧める可能性はどのくらいありますか」と尋ね、0~10の11段階で答えてもらうのが基本の形です。

    この指標が注目された理由は、質問が1つで済むため回答の負担が小さく、継続的に計測しやすい点にあります。また、他者に勧めたいという気持ちは、継続利用や追加購入、口コミによる新規顧客の獲得と結びつきやすいと考えられています。そのため、将来の売上につながる顧客の心理を把握する手段として、多くの企業が経営指標の1つに取り入れています。

    顧客満足度との違い

    顧客満足度は「商品やサービスにどの程度満足したか」を尋ねる指標で、現時点での評価を測ります。一方、NPSは「他者に勧めたいか」を尋ねるため、満足を超えて自分の評判をかけてでも紹介したいかという、より強い愛着を測れる点が違いです。満足していても勧めるほどではない顧客は多いため、両者を併用すると顧客の状態を立体的に把握できます。

    使い分けとしては、顧客満足度が問い合わせ対応や購入手続きといった個別の接点の評価に向くのに対し、NPSは企業やブランド全体への信頼を継続的に追う用途に適しています。接点ごとの満足度で改善すべき工程を特定し、NPSでその改善が顧客との関係全体に表れているかを確かめる、という組み合わせ方が実務では取り入れやすい方法です。

    NPSの計算方法と3つの回答者区分

    NPSは、0~10の回答の点数で顧客を3つのグループに分け、その割合から算出します。ここでは推奨者・中立者・批判者の区分の意味と、実際の計算式を具体的な数値例とあわせて確認していきます。スコアの意味を正しく理解するための基礎です。

    推奨者・中立者・批判者の区分

    NPSでは、0~10の回答をもとに顧客を3つに分類します。9~10点をつけた人は「推奨者」で、商品を積極的に勧めてくれる熱心な顧客です。7~8点は「中立者」で、一定の満足はあるものの、他社に乗り換える可能性も残る層です。0~6点は「批判者」で、不満を抱えており、悪い評判を広めるおそれがある層とされています。

    この区分で注意したいのは、7~8点の中立者が計算上はプラスにもマイナスにも数えられない点です。一般的な5段階評価の感覚では8点は高評価に見えますが、NPSでは推奨者と見なしません。基準が厳しめに設定されているのは、本当に紹介してくれる顧客だけを抽出するためです。区分の意味を事前に社内で共有しておくと、報告の場でのスコアの誤解を防げます。

    NPSの計算式と具体例

    NPSは「推奨者の割合(%)-批判者の割合(%)」で求めます。中立者の割合は計算式に直接は登場しません。結果はマイナス100からプラス100までの範囲で表され、全員が推奨者ならプラス100、全員が批判者ならマイナス100です。単位の%はつけず、数値のみで表記するのが一般的です。

    具体例で考えてみましょう。回答者100人のうち推奨者が40人、中立者が35人、批判者が25人だった場合、推奨者の割合は40%、批判者の割合は25%です。40から25を引くと、NPSはプラス15となります。もし中立者のうち10人が推奨者に変われば、推奨者は50%となりスコアはプラス25に上がります。どの層を動かすとスコアが変わるかを把握できる点も、この計算方法の利点です。

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    NPS調査の設計と実施の手順

    信頼できるスコアを得るには、調査の目的にあわせて種類や配信のタイミング、設問を設計することが欠かせません。設計があいまいなまま始めると、比較できないデータが残ってしまいます。ここでは、調査を始める前に決めておきたいポイントを手順に沿って紹介します。

    調査の種類と実施タイミングを決める

    NPS調査は、大きく「リレーショナル調査」と「トランザクショナル調査」の2種類に分けられます。リレーショナル調査は、半年や1年など定期的に実施し、企業やブランド全体への推奨意向を測る方法です。トランザクショナル調査は、購入や問い合わせ対応などの接点の直後に実施し、個別の体験がどう評価されたかを測ります。目的によって使い分けるほか、両方を組み合わせる企業もあります。

    全体の傾向を追いたいならリレーショナル調査、改善すべき接点を特定したいならトランザクショナル調査が向いています。また、同じ顧客に短期間で何度も依頼すると回答率が下がるおそれがあるため、配信の間隔にも配慮が必要です。実施時期を毎回そろえると、季節やキャンペーンの影響を受けにくくなり、スコアの推移を正しく比較できます。

    設問と配信方法を設計する

    設問は、推奨意向を0~10で尋ねる質問と、その点数をつけた理由を自由記述で尋ねる質問の2つを基本とします。点数だけでは改善の手がかりが得られないため、理由の設問は欠かせません。さらに、価格やサポート、使いやすさなどの項目別に満足度を尋ねると、スコアに影響する要素を分析できます。ただし設問を増やしすぎると回答の負担が増えるため、数問に絞るのが無難です。

    配信方法は、メールやWebフォーム、アプリ内のポップアップなど、顧客が普段使う接点を選びます。回答者の属性や購入履歴と結びつけて分析するには、顧客IDと回答をひもづけられる仕組みが必要です。CRM(顧客関係管理システム)やアンケートツールを使うと、配信から集計までを手間をかけずに効率よく進められます。

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    NPSのスコアを正しく読み解くポイント

    NPSは数値が分かりやすい反面、見方を誤ると判断を誤る原因にもなります。スコアの高低に一喜一憂せず、改善につながる示唆を得るために押さえておきたい読み解き方を具体的に解説します。

    他社との比較より自社の推移を重視する

    NPSの目安を知るために他社や業界平均と比べたくなりますが、単純な比較には注意が必要です。業界の特性や調査対象、実施時期によってスコアは大きく変わります。また、日本では極端な点数を避けて中間の点数を選ぶ回答傾向があるといわれ、NPSがマイナスになることも珍しくありません。海外の数値と並べて評価すると、実態より低く見えてしまいます。

    そのため、まずは自社のスコアを同じ条件で定期的に計測し、推移を追うことを基本にしましょう。施策の前後や商品別、顧客層別に比較すると、どの取り組みが効果を上げたかを判断できます。回答数が少ないと数人の回答でスコアが大きく動くため、一定の回答数を確保したうえで傾向を読むことも大切です。急な変動があった場合は、同時期の出来事と照らし合わせて原因を確認します。

    自由回答と顧客属性をかけ合わせて分析する

    スコアの数値だけを見ていても、なぜその点数なのかは分かりません。理由を知るには、自由回答を推奨者・中立者・批判者の区分ごとに読み分けるのが効果的です。推奨者の回答からは自社の強みが、批判者の回答からは解消すべき不満が見えてきます。頻出する言葉を分類すると、多くの顧客に共通する課題を効率よく抽出できます。

    さらに、利用期間や契約プラン、問い合わせ履歴などの属性とかけ合わせると、分析の精度が上がります。導入初期の顧客に批判者が集中していれば、初期サポートの見直しが必要だと判断できるでしょう。反対に、特定の機能を使う顧客に推奨者が多ければ、その機能の活用を促す施策が有効です。このように、属性と理由を組み合わせることで具体的な打ち手を導けます。

    NPSをCS向上に活かす方法

    NPSは測って終わりではなく、結果を顧客対応や商品改善に反映してこそ意味があります。CS(顧客満足)の向上につなげるための具体的な活かし方と、継続的に運用するための仕組みづくりを紹介します。

    回答者の区分ごとに対応を変える

    批判者には、できるだけ早く個別にフォローの連絡を入れることが重要です。不満の内容を直接聞き取り、解決策を示すことで、解約や悪い口コミを防げる可能性があります。担当者が誠実に対応すれば、批判者が中立者や推奨者に変わることもあります。回答から一定期間内に連絡するなど、社内でルールを決めておくと対応漏れを防げます。

    推奨者には、感謝を伝えるとともに、紹介プログラムへの参加や導入事例、レビューへの協力を依頼するとよいでしょう。中立者は、あと一歩で推奨者に変わる可能性がある層のため、不足している点を聞き取って優先的に改善を図ります。このように区分ごとに対応を変えると、限られた人員でも効果の高い施策から着手でき、顧客ロイヤルティの向上にもつながります。

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    CRMで回答データを一元管理する

    NPSを継続的に活かすには、回答データを顧客情報と一緒に管理できる環境を整えることが大切です。表計算ソフトで個別に管理すると、担当部署ごとにデータが分散し、誰がどの顧客にフォローしたかが分かりにくくなります。CRMを活用すれば、スコアや自由回答を顧客ごとの履歴にひもづけて、営業やサポート、マーケティングなど複数部署で共有できます。

    CRMによっては、アンケートの配信や集計、スコアの推移をグラフで表示する機能を備えた製品もあります。批判者が回答した際に担当者へ自動で通知する設定ができれば、フォローの初動も早まるでしょう。自社で必要な機能を洗い出したうえで複数の製品を比較し、NPSの計測から改善までを1つの流れで回せる体制を整えることがポイントです。

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    NPS回答を顧客データと管理できるツール

    ここでは、アンケートの回答を顧客情報とひもづけて管理・集計できることを基準に、NPSの運用に活用しやすいツールを紹介します。

    キントーン

    サイボウズ株式会社
    《キントーン》のPOINT
    1. 自社の業務にフィットする「顧客管理」アプリをつくれる
    2. ノウハウ活用​で商談力を強化
    3. プラグイン・連携サービスを組み合わせて業務がより効率的に

    サイボウズ株式会社が提供する「kintone」は、ノーコード・ローコードで業務アプリを作成できる業務改善プラットフォームです。顧客情報や案件、活動履歴を一元管理できるほか、「満足度」「回答者」「自由記述」など必要な項目を設定してアンケートや調査を実施できます。集まった回答は集計条件を指定してグラフや集計表で可視化でき、スコアの推移や傾向の確認に役立ちます。専門的な開発知識がなくても、自社の運用に合わせてアプリを柔軟に作り変えられる点も特徴です。

    ZohoCRM (ゾーホージャパン株式会社)

    《ZohoCRM》のPOINT
    1. 月額1,680円から利用でき、大手CRM/SFAより最大80%コスト削減。
    2. ノーコード/ローコードでデザインや業務フローを自由に構築。
    3. 国内DC、高セキュリティ対策。

    まとめ

    NPSは、他者に勧めたいかを0~10で尋ね、推奨者の割合から批判者の割合を引いて求める指標です。顧客満足度よりも強い愛着を測れるため、将来の売上や解約リスクを把握する手がかりとなります。調査の種類や設問を目的にあわせて設計し、自社のスコアの推移と自由回答を分析しましょう。そのうえで区分ごとに対応を変え、CRMで回答データを管理すれば、継続的なCS向上につなげられます。

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