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- ■活用部門別
- ■導入範囲別
- 部門単位で小さく始める:スマートF
- 全社の図面資産を統合する:楽々Document Plus
図面管理システム(EDM)でAIが支える業務
図面管理システムのAIが支える業務は、図面を探す作業と、過去の設計資産を再利用する作業の2つに大別できます。どちらも図面を扱う複数の部門に関わるため、まず全体像を押さえておくと活用シーンを整理しやすくなります。
図面を探す時間を減らす
AIの最も基本的な役割は、目的の図面を探す時間を減らすことです。AIによる類似図面検索では、手元の図面や部品の画像を入力すると、形状が似た過去図面が候補として表示されます。
図番や品名が分からない図面でも、形状を手がかりに探せる点が従来の属性検索との違いです。紙図面をスキャンした画像でも、AI-OCRで表題欄の文字を読み取れば検索対象に加えられる場合があります。図面の所在を知る特定の社員に問い合わせる手間も減らせる可能性があります。
過去の設計資産を再利用する
もう一つの役割は、過去の設計資産を再利用しやすくすることです。似た図面が見つかれば、その図面に紐づく仕様書や加工実績、不具合の記録もあわせて参照できます。
過去の検討内容を踏まえて設計や見積を進められるため、同じ検討を繰り返す手間を減らせます。ただし、再利用の効果は、図面と関連情報がどれだけ紐づけて管理されているかに左右されます。図面だけが登録され、関連資料が別の場所に散らばっている状態では、AIで図面を探せても判断材料がそろわない点に注意が必要です。
人の判断が必要な場面を残す
AIが支えるのは図面を探す作業と候補を示す作業であり、図面を採用するかどうかの判断は人が担います。形状が似ていても、使用環境や強度の条件、顧客ごとの仕様が異なれば、そのまま使えないケースがあります。
そのため、AIの候補を採用する前に誰が何を確認するのかを、部門ごとに決めておくことが重要です。承認フローや版数管理など、図面管理システムがもともと備える機能とAIを組み合わせて使うと、誤った図面の流用を防ぎやすくなります。
部門別に見るEDMのAI活用シーン
同じ類似図面検索でも、使う部門によって目的と確認すべき情報が異なります。ここでは、設計部門、購買・見積部門、製造・品質部門の3つを取り上げ、図面管理システムのAIがどのような場面で役立つかを紹介します。
設計部門での流用設計
設計部門では、新しい部品を設計する前に、形状が近い既存図面がないかを確認する用途で活用されます。既存図面を流用できれば、作図の手間や試作の回数を抑えられる可能性があります。
図番が違っても形状がほぼ同じ部品が見つかれば、部品の重複登録を見直すきっかけにもなります。一方で、流用する際は寸法や公差、材質、表面処理が新しい要件を満たすかを設計者が確認する必要があります。AIが示すのは候補であり、流用の可否を決めるのは人である点を部門内で共有しておきましょう。
購買・見積部門での価格比較
購買・見積部門では、見積依頼を受けた図面と似た過去図面を探し、当時の見積額や発注先を参照する用途があります。過去の価格を根拠にできれば、見積作成にかかる時間を短縮できる場合があります。
この使い方では、図面と見積データや発注履歴が紐づいていることが前提です。図面管理システムと購買システム、生産管理システムを品番で連携できるかが活用の幅を左右します。材料費や為替の変動で過去の価格がそのまま使えないこともあるため、参考値として扱う運用が適しています。
製造・品質部門での情報共有
製造・品質部門では、不具合が起きた部品と似た形状の部品を探し、同様のリスクがないかを確認する用途が考えられます。過去の不具合報告や加工時の注意点が図面に紐づいていれば、類似部品の製造前に情報を共有できます。
現場の作業者が図面を閲覧する場合は、タブレットから検索できるか、閲覧専用の権限を設定できるかも確認したいポイントです。図面の改訂が現場に正しく伝わるよう、最新版だけを表示する版数管理の機能とあわせて運用することが重要です。
AI活用を始める前の図面データ整備
AIの検索や読み取りの精度は、登録されている図面データの状態に左右されます。AI機能を搭載した図面管理システムを導入する前に、図面の電子化や管理ルールの統一、関連情報の集約を進めておくと、導入後の効果を引き出しやすくなります。
紙図面やスキャンデータの電子化
紙の図面が残っている場合は、まず電子化の範囲を決めます。すべての紙図面を一度に電子化するのは負担が大きいため、利用頻度の高い製品や現行品の図面から優先的に進める方法が現実的です。
スキャンの際は、文字や細い線が読み取れる解像度を確保し、傾きや汚れを補正しておくとAIの認識精度に良い影響を与えます。大量の紙図面を短期間で電子化したい場合は、スキャン代行サービスの利用も選択肢です。費用と納期、図面の持ち出しに関する機密保持の条件を確認しておきましょう。
図番や版数のルール統一
図番や版数の付け方が部門や年代ごとに異なると、AIで似た図面を見つけても、どれが最新版なのか判断できない場合があります。AI活用の前に、図番の採番ルールや版数の表記方法を統一しておくことが重要です。
過去図面のすべてを新ルールで付け直すのが難しい場合は、旧図番と新図番の対応表を作り、属性情報として登録する方法もあります。ルールは文書化して共有し、担当者が交代しても同じ方法で登録できる状態にしておくと、データの品質を保ちやすくなります。
過去図面に紐づく情報の集約
図面をAIで探せても、関連する仕様書や見積、不具合の記録が別の場所にあれば、判断材料を集めるのに時間がかかります。部門別の活用を見据えるなら、図面に紐づけて管理したい情報を事前に洗い出しておきましょう。
例えば、設計部門なら仕様書と変更履歴、購買部門なら見積書と発注先、品質部門なら不具合報告書が候補です。すべてを一度に集める必要はなく、最初に導入する部門で使う情報から順に紐づけていくと、作業負担を分散できます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で図面管理(EDM)の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
AI搭載の図面管理システムのAIを運用するコツ
AI機能を備えた図面管理システムは、全社に一斉導入するよりも、対象を絞って効果を確かめながら広げる進め方が適しています。ここでは、目的の設定から試験導入、全社展開までの流れを3つの段階に分けて解説します。
対象部門と目的を絞る
最初に、どの部門のどの業務でAIを使うかを決めます。「設計部門の流用設計で図面を探す時間を減らす」のように、部門と目的を具体的に定めると、製品に求める機能を明確にできます。
目的が決まったら、現状で図面を探すのに何分かかっているか、月に何件の検索が発生しているかといった数値を記録しておきましょう。導入前の状態を把握しておくと、試験導入の結果と比べて効果を判断できます。
試験導入で効果を確かめる
対象部門が決まったら、自社の図面を使って試験導入を行います。古いスキャン図面や手書きの修正が入った図面など、実務で扱う状態の図面を含めると、本番に近い結果を確認できます。
検索結果が期待どおりかを利用者に評価してもらい、使いにくい点や不足している情報を洗い出します。試験導入の条件やデータの扱いは製品ごとに異なるため、ベンダーに事前に確認しておきましょう。複数製品を同じ図面で試すと、違いを比べやすくなります。
運用ルールを整えて展開する
試験導入で効果を確認できたら、運用ルールを整えたうえで他部門へ展開します。決めておきたいのは、図面の登録手順や閲覧権限、AIの候補を採用する際の確認手順、問い合わせ窓口などです。
ルールは文書にまとめ、複数の担当者で運用状況を把握できる体制にしておくと、特定の社員への依存を避けられます。展開後も検索の成功率や利用者の声を定期的に確認し、登録ルールや権限設定を見直していくことが重要です。
AI搭載の図面管理システムを比較するポイント
図面管理システムのAIは、検索の方式や対象とする図面、判断材料の見せ方が製品ごとに異なります。部門別の活用シーンに照らして、次の3点を比較しましょう。
AIの検索方式と対象図面の種類
AIによる図面検索には、形状が似た図面を探す方式や、表題欄の文字を読み取って探す方式などがあります。自社で探したい図面が2D図面か3Dモデルか、紙をスキャンした画像かによって、使える方式は異なります。
図面の形式や対応するCADデータの種類を整理し、手元の図面で試せるかを資料や相談で確認しておきましょう。部門ごとに探したい図面が違う場合は、それぞれの用途で検索結果を確かめると、導入後の食い違いを減らせます。
候補の根拠と関連情報の参照しやすさ
AIが示すのはあくまで候補であり、採用の判断は人が行います。そのため、なぜその図面が候補になったのかを確認できるかが比較の観点です。類似度の表示や、形状以外の条件で候補を絞り込める機能があるかを見ておきましょう。
あわせて、候補に紐づく仕様書や加工実績、不具合の記録まで一つの画面で参照できるかも確認します。設計や見積の担当者が判断材料をそろえやすいかどうかで、現場での使い勝手は変わります。
権限設定・データの扱い・費用の発生条件
図面は自社の技術情報にあたるため、閲覧権限を部門や取引先ごとに分けられるかを確認します。AIの学習や分析に図面データがどう使われるのか、保管場所や提供会社側での取り扱いも、資料や相談で確かめたい点です。
費用では、AI機能が標準で含まれるのかオプションなのか、登録する図面の件数や利用者数で変わるのかを確認します。試験導入の範囲に収まる条件かどうかも、あわせて見ておくと比較しやすくなります。
AI機能搭載の図面管理システム一覧
この記事で紹介する図面管理システムのうち、製品ページでAI機能を確認できる製品を一覧にまとめました。AIが担う範囲や機能の違いを比較してください。
| 製品名 | 主に活用できる部門 | 特徴 |
|---|---|---|
| AI類似図面検索 | 見積・設計・製造 | 形状から過去の2D図面をAIで検索。生産管理システムと連携すれば過去の見積金額や原価も参照できる |
| ジーエン図面 | 設計・見積・品質 | AI OCRと類似図面検索を搭載。見積書や検査成績書、基幹システムのデータを図面に自動で紐付けられる |
| ズメーン | 製造・品質・営業 | AI類似図面検索に対応。不具合の写真を図面に紐付けて保存でき、見積依頼から納品までを案件単位で管理できる |
| ゲンバト図面管理 | 製造・品質 | 図面に関するメモを共有でき、作業手順書や不良記録の製品とも連携。AI OCRや類似図面検索はオプション |
| スマートF | 設計・製造 | AI-OCRで図面PDFを読み取り登録。必要最低限の機能に絞っており、図面管理を小さく始めたい場合に向く |
| 楽々Document Plus | 全社 | AI-OCRとAI-Chatを搭載した文書管理システム。図面から技術資料、見積書などの国税関係書類までまとめて管理できる |
| SellBOT | 見積・調達 | 製造業特化のAIシステム。AIによる類似図面検索と見積作成のサポート、調達クラウド機能を備える |
| blooplinter | 設計・生産技術 | 3D形状認識AIで類似部品を検索でき、3Dモデルの差分抽出や要件の自動チェックを支援 |
| 図面バンク | 設計・生産 | ブラウザで利用できるクラウド図面管理システム。AI類似形状検索で該当図面を探し、関連ファイルも一括管理できる |
AI機能搭載の図面管理システムの紹介
ここでは、AI機能を備えた図面管理システムを紹介します。AIが担う範囲と、対応する業務や機能を確認し、自社の課題にあう製品を選びましょう。
AI類似図面検索
- たった、3ステップでAIが過去実績から類似した図面を検索
- お客策様から頂いた図面は社内で管理!アプリは常に最新版に更新
- 検索結果を評価して追加学習でき、貴社にマッチしたAIに成長
株式会社テクノアが提供する「AI類似図面検索」は、簡単な操作で過去の図面から形状が似たものをAIが探す製品です。新規図面か既存図面かを検索で判断でき、過去の似た図面を参考にすることで見積の精度とスピードの向上を支援します。基幹システムと連携すれば、蓄積された材料費や加工費などの情報も参照できます。設計時の過去図面の流用や、製造時の加工手順・使用工具の共有にも活用できるため、見積部門を起点に複数部門へ広げたい企業に適しています。
ジーエン図面
- 【AI図面解析】手書きやフォーマットのばらつきにも高精度AI
- 【超類似検索】”形状”・”特徴”から最適な図面を見つける
- 【AIスマート整理】全ての書類を自動で整理整頓・紐付け
営業製作所株式会社が提供する「ジーエン図面」は、図面や書類の整理と検索を支援する製造業向けクラウドです。AI OCRでデータ化した情報や形状、寸法、材質などから類似図面を探せ、類似率が%で表示されます。アップロードした図面を中心に、見積書や仕様書、検査成績書、生産・購買・品質・原価といった基幹システムのデータを自動で紐付けられます。部門・役割単位でアクセス権限を設定できるため、設計と見積、品質の各部門で同じ図面情報を共有したい場合に役立ちます。
ズメーン
- 図面管理により、図面やデータをすぐに検索!探す手間を削減
- 図面に紐付く情報を記録・共有!トラブル防止とQCD改善に貢献
- 見積依頼から納品までの流れを見える化!業務をスムーズに
株式会社FactBaseが提供する「ズメーン」は、工場内の図面と関連データを紐付けて管理するクラウド型の図面管理システムです。AIによる類似図面の検知に対応しています。加工ノウハウや梱包方法、価格情報なども図面に紐付けて記録・共有が可能です。現場で発生した不具合は写真で記録して図面に紐付けられるため、品質部門での再発防止に活用できます。スマートフォンやタブレットからも利用でき、案件管理機能で見積依頼から納品までの進捗も把握できます。
ゲンバト図面管理
- 散在している図面を一元管理し、関連データ・書類を紐づけ可能
- 図面に関する〔メモ書き〕を共有し、個人のノウハウを資産化
- 自動で図面の印刷された文字や手書きをテキストデータに変換
株式会社山善が提供する「ゲンバト図面管理」は、図面と関連書類を一元管理し、タブレットやパソコンから閲覧・検索できるツールです。紙図面の書き込みのように図面に関するメモを残して社内で共有でき、『ゲンバト作業手順書』や『ゲンバト不良記録』と連携すれば過去の不良も確認できます。オプションのAI機能を追加すると、AI OCRによる文字の読み取りや類似図面検索も利用できます。製造現場のノウハウ共有から始めたい企業に向いています。
スマートF
- AIが図面データを自動で読み取り、簡単にデータ化・検索が可能
- 必要最低限の機能に絞り、低コストでシンプルな図面管理を実現
- 図面管理を起点に、見積・販売・生産・進捗・原価管理へ拡張可能
株式会社ネクスタが提供する「スマートF」は、低コストでのスモールスタートを想定した図面管理システムです。図面データ(PDF)をアップロードすると、AI-OCRが情報を自動で読み取り、登録作業を効率化します。登録した図面はサムネイル表示で探せるほか、関連資料の紐付けにも対応。必要な機能に絞って導入し、将来的に見積管理や生産管理などへ拡張できるため、段階的に図面管理の効率化を進めたい企業に適しています。
楽々Document Plus
- AI-OCRで図面から属性情報を自動抽出、古い手書き図面も全文検索
- 図面の厳格な版管理(先祖返り防止)と承認ワークフローを標準搭載
- 図面に紐づく仕様書や見積書など(電帳法対応)も一元管理
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Document Plus」は、図面や技術資料の管理から全社のペーパーレス化までを支える文書管理システムです。AI-OCRで手書きの古い図面も全文検索の対象にでき、AI-Chatでは過去のトラブル報告書からのノウハウ抽出や仕様書の要約を対話形式で行えます。図面に紐づく仕様書や見積書などの国税関係書類も電子帳簿保存法に対応した形で保管できるため、全社の図面資産を1つのシステムに統合したい企業に適しています。
SellBOT (株式会社REVOX)
- AIによる類似図面検索と迅速見積もり作成サポート
- AIが請求書等のテキストを抽出しデータ化。
- 丸紅との提携で強固な調達網
blooplinter (株式会社LIGHTz)
- 形状検索で類似モデルやナレッジを即座に検索し、手戻りを削減。
- 3Dモデル差分自動抽出で設計変更確認時間を約8割削減。
- ナレッジを一元化し、部門横断で知見が循環する組織体制を構築。
図面バンク (株式会社New Innovations)
- ブラウザ利用可能、ソフト不要のクラウド基盤。
- AI検索で類似図面を5秒で発見できる高速レスポンス。
- 関連ファイルを一括管理し、資料の探し直しを防ぐ。
まとめ
図面管理システムのAIは、設計部門の流用設計、購買・見積部門の価格比較、製造・品質部門の情報共有など、部門ごとに異なる場面で活用できます。効果を引き出すには、紙図面の電子化や図番ルールの統一、関連情報の集約といったデータ整備が欠かせません。対象部門を絞った試験導入から始め、運用ルールを整えて展開しましょう。資料請求で複数のEDM製品を比較し、自社の活用シーンにあう製品を選んでください。

