ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■守りたい場面別
- 部門や役職ごとに閲覧範囲を分けたい:DrawFinder、ジーエン図面、まいく郎 WEB
- 印刷・出図した図面を追跡したい:楽々Document Plus、DrawFinder、Hi-PerBT Advanced 図面管理、まいく郎 WEB
- 改訂中の図面の誤使用を防ぎたい:NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム)、楽々Document Plus、図脳TeCA
- ■提供形態別
EDM(図面管理)のセキュリティが守るもの
EDMのセキュリティは、外部への情報漏えいを防ぐだけのものではありません。図面には製品の寸法や材質、加工方法といった設計ノウハウが含まれ、誤った版が使われると製造品質にも影響します。守る対象を3つに分けて整理します。
図面に含まれる機密情報
図面には、製品の形状や寸法、公差、材質、表面処理などの設計情報が詳細に記載されています。競合他社に渡れば類似製品の開発に使われるおそれがあり、取引先から預かった図面であれば秘密保持契約の違反にもつながります。
そのため、EDMでは「誰がどの図面を見られるか」を制御する機能が基本です。社内であっても、全社員がすべての図面を閲覧できる状態は、誤送信や持ち出しのリスクを広げる要因になる場合があります。
正しい版で製造するための完全性
セキュリティには、情報が正しい状態に保たれていること、つまり完全性も含まれます。図面の場合、承認前の図面や改訂前の旧版が製造現場で使われると、仕様と異なる部品が作られる可能性があります。
EDMでは、版番号の管理や承認状態の表示によって、どれが正式な最新版かを判別できるようにします。意図しない上書きや誤った編集を防ぐことも、図面を守るセキュリティ対策の一部と考えるとよいでしょう。
消失を防ぐ可用性
必要なときに図面を取り出せることも、セキュリティの要素です。サーバーの故障や誤削除、ランサムウェアと呼ばれる身代金要求型のウイルスによる暗号化などで図面が失われると、設計や製造、保守対応が止まるおそれがあります。
対策としては、定期的なバックアップの取得と、削除した図面を復元できる仕組みの確認が挙げられます。バックアップの保存先を本番データとは別の場所にしておくと、障害の影響を受けにくくなります。
閲覧と出図を制御するEDMの権限設計
EDMのセキュリティの土台は、アクセス権限の設計です。製品によって、権限を設定できる単位や制御できる操作の種類が異なります。どの単位で、どの操作まで制限できるかを理解しておくと、自社の運用にあう製品を見極めやすくなります。
ユーザーやグループ単位の権限
EDMでは、利用者をグループにまとめ、グループごとに閲覧や登録、編集の権限を割り当てる方法があります。例えば、設計部門には編集権限、製造部門や営業部門には閲覧権限だけを付与するといった設定です。
個人単位で権限を設定すると、異動や退職のたびに作業が増え、設定漏れも起こりやすくなります。部署や役職にあわせたグループを先に設計し、利用者をグループに所属させる運用にすると、権限の見直しを効率的に進められます。
図面の属性や状態による制御
フォルダ単位だけでなく、図面の属性や承認状態によってアクセスを制御できる製品もあります。例えば、特定の顧客の図面は担当チームだけが閲覧できるようにしたり、承認前の図面は作成者と承認者だけに見せたりする設定です。
顧客別や機密区分別に図面を管理したい場合は、こうした制御が可能かを確認しましょう。設定できる条件の種類や組み合わせ方は製品によって異なるため、自社の管理ルールを伝えたうえでデモで確かめておくと、導入後のずれを防げます。
印刷やダウンロードの個別制御
閲覧はできても、印刷やダウンロード、CADデータの取り出しは制限したいという場面があります。EDMによっては、閲覧と印刷、ダウンロードの権限を個別に設定できます。
例えば、製造現場では画面上での閲覧だけを許可し、印刷は出図担当者に限定する運用が考えられます。ただし、制限を厳しくしすぎると業務が滞り、別の手段で図面をやり取りする原因にもなりかねません。業務の流れにあわせて制御の強さを決めることが重要です。
出図した図面を追跡するEDMの透かしとログ
図面は製造や外注、見積のために社外へ渡す場面があり、一度出図した図面の流出を完全に防ぐことは困難です。そこでEDMでは、透かしや操作ログによって「いつ、誰が出したか」を追跡できるようにし、不正な利用を抑止します。
透かしやスタンプの合成
出図や印刷の際に、図面へ文字や印影を自動で重ねる機能があります。代表的なのは「社外秘」「参考図」といったスタンプや、出図日時と出図者の名前を合成する透かしです。
図面に出所が記録されるため、第三者への転送や無断複製をためらわせる抑止効果が期待できます。また、「承認済」「旧版」などの表示を重ねることで、受け取った側が図面の状態を判別しやすくなります。合成できる情報の種類や位置の指定方法は製品ごとに確認しましょう。
操作ログの記録と保存
操作ログとは、誰がいつどの図面を閲覧・印刷・ダウンロード・変更したかを記録した履歴です。図面の流出が疑われた場合に、関係する操作を特定する手がかりとなります。
確認したいのは、記録される操作の種類、ログの保存期間、ログを検索や出力できるかという点です。ログが記録されていても、必要なときに絞り込んで確認できなければ調査に時間がかかります。ログ自体を一般の利用者が変更できない仕組みかも確かめておきましょう。
ログを生かす定期点検
ログは記録するだけでは抑止につながりにくく、定期的に確認する運用とあわせて効果を発揮します。例えば、月に1度、大量のダウンロードや業務時間外の操作がないかを確認するといったルールが考えられます。
点検を特定の担当者1人に任せると、不在時に確認が止まるため、複数人で手順を共有しておくと安心です。異常な操作を検知して管理者に通知する機能がある製品もあるため、点検の負担を減らしたい場合は確認するとよいでしょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で図面管理(EDM)の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
版管理と承認で図面の改ざんを防ぐ
図面の誤った上書きや承認を経ていない変更は、品質トラブルにつながる可能性があります。EDMの版管理と承認ワークフローは、業務効率化の機能であると同時に、図面の正しさを守るセキュリティ機能としても働きます。
チェックアウトによる同時編集の防止
チェックアウトとは、図面を編集する人がシステム上で図面を「貸出中」にし、ほかの人が同時に編集できないようにする仕組みです。編集が終わると、チェックインして新しい版として登録します。
この仕組みがないと、2人が同じ図面を別々に修正し、片方の変更が上書きで失われるおそれがあります。誰が編集中かを画面で確認できるため、作業の重複も避けやすくなります。編集中のまま放置された図面の貸出を、管理者が解除できるかも確認しましょう。
承認ワークフローによる正式版の確定
承認ワークフローは、改訂した図面を上長や品質保証部門が確認し、承認されてはじめて正式版として公開する仕組みです。承認者や承認日時が記録されるため、誰の判断で図面が変わったかを後から確認できます。
承認前の図面を閲覧できる範囲を限定すれば、確定前の図面が現場に出回ることも防げます。承認ルートを図面の種類や重要度に応じて分けられるか、差し戻し時の履歴が残るかも、製品比較の材料として確認しておきましょう。
旧版の参照制限と保管
改訂後も旧版は削除せず、履歴として保管するのが基本です。過去に納入した製品の不具合調査や保守対応では、当時の版の図面が必要となる場面があるためです。
一方で、旧版が誤って製造に使われないよう、閲覧時に「旧版」と表示したり、出図できる利用者を限定したりする設定が有効です。旧版を開いた際に最新版の存在を知らせる機能を備えた製品もあります。保管期間と閲覧ルールを社内で決めておきましょう。
提供形態で変わるEDMのセキュリティ分担
EDMのセキュリティ対策は、システムの機能だけでなく、サーバーやネットワークの管理を誰が担うかによっても変わります。クラウド型とオンプレミス型では、自社とベンダーの責任範囲が異なるため、それぞれ確認する項目を整理します。
クラウド型で確認する項目
クラウド型では、サーバーの運用や物理的な保護はベンダーが担います。自社で確認したいのは、通信と保存データの暗号化、二要素認証やIPアドレス制限への対応、データセンターの所在地、バックアップの取得方法です。
第三者認証の取得状況や、障害時の連絡体制も比較の材料となります。取引先との秘密保持契約で社外のサーバーへの保存が制限されていないかも、導入前に確認しておく必要があります。判断に迷う場合は法務部門へ相談しましょう。
オンプレミス型で自社が担う対策
オンプレミス型は、自社のサーバーでEDMを運用する形態です。図面を社内ネットワークに置けるため、社外保存の制限がある場合に選ばれることがあります。
一方で、OSやデータベースのセキュリティ更新、ウイルス対策、バックアップ、サーバー室の入退室管理などは自社の責任で行います。こうした運用を担える体制があるかが判断材料です。社内で対応が難しい場合は、保守サービスの範囲をベンダーに確認するか、情報システム部門と相談して進めましょう。
セキュリティ機能で比べる図面管理システム一覧
この記事で紹介する図面管理(EDM)システムを、権限・ログ・版管理といったセキュリティ機能の観点で一覧にまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| 楽々Document Plus | 印刷・ダウンロード禁止やPDFへの透かし挿入、アクセスログで図面の持ち出しを管理 |
| DrawFinder | 担当者や部門ごとに印刷・コピーなどの権限を設定でき、操作ログも取得できる |
| Hi-PerBT Advanced 図面管理 | 図面の印刷・保存不可などの権限制御と、ユーザー操作のログ管理に対応 |
| NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム) | チェックアウト/チェックインと版管理で、編集の競合や旧版の誤用を抑える |
| ジーエン図面 | 部門・役割単位でアクセス権限を設定できる製造業向けクラウド |
| まいく郎 WEB | 利用者・組織・チームごとのアクセス権限設定と、操作ログの保存に対応 |
| 図脳TeCA | オンプレミス型。編集中のチェックアウト処理で図面の誤編集を防ぐ |
持ち出し対策と版管理を備える図面管理システム
閲覧や印刷の権限設定、操作ログ、チェックアウトや版管理など、図面を守る機能を備えた製品を紹介します。
楽々Document Plus
- AI-OCRで図面から属性情報を自動抽出、古い手書き図面も全文検索
- 図面の厳格な版管理(先祖返り防止)と承認ワークフローを標準搭載
- 図面に紐づく仕様書や見積書など(電帳法対応)も一元管理
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Document Plus」は、図面の正しさと機密の両方を守りたい企業に適した文書管理システムです。CADデータの版数を厳格に管理して先祖返りを防ぎ、申請から承認・回覧までのワークフローを標準で搭載しています。作成者や関係者に閲覧を限定する設定や、印刷・ダウンロードの禁止、PDFへの透かし挿入にも対応。アクセスログも管理できるため、出図後の追跡にも役立ちます。オンプレミス版とクラウド版から選べます。
DrawFinder
- データ移行を含めたリプレースを全面支援
- 誤った図面への変更を無くす
- 探していた図面に、すぐたどり着ける検索性
株式会社ハイエレコンが提供する「DrawFinder」は、図面ごとの操作権限を細かく分けたい企業に適した図面管理ソフトウェアパッケージです。登録・承認・参照・印刷・コピーといった権限を担当者や部門ごとに設定でき、図面へのアクセスや印刷の操作ログも取得します。版管理機能では変更履歴を色付けして管理し、最新の図面と旧バージョンを見分けやすくしています。承認のワークフローは自由に設定でき、組織変更時も柔軟な対応が可能です。提供形態はオンプレミスとクラウドがあります。
Hi-PerBT Advanced 図面管理
- 設計業務の図面管理に必要な機能がすべて揃っている
- プリンタやスキャナ等、どのメーカーの周辺機器でも利用可能
- 直観的なUIデザイン&操作性!画面操作がカンタンで使いやすい
株式会社日立ソリューションズ西日本が提供する「Hi-PerBT Advanced 図面管理」は、出図まで含めて図面の扱いを管理したい企業向けの図面管理パッケージです。ユーザー別に図面の操作権限を設定でき、印刷や保存を不可にする制御も可能です。ユーザー操作のログ管理に対応しているため、誰がどの図面を扱ったかを確認できます。設計変更の内容・理由の登録や、図番ごとの改訂情報の履歴管理、電子データでの照査・承認ワークフローも搭載。主要な機能はWebブラウザから操作できます。
NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム)
- 7つの基本機能+アドオンで業務に合わせて柔軟に拡張可能
- ユーザ数無制限のサーバーライセンスで人数が増えてもコスト一定
- 製造業を熟知する専任チームが導入から運用定着までを伴走支援
新明和ソフトテクノロジ株式会社が提供する「NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム)」は、図面の完全性を守る仕組みを重視する企業に向く図面管理システムです。チェックアウト/チェックイン機能で編集中の図面をロックし、複数人の同時編集による競合を防ぎます。版管理で常に最新版を参照でき、改訂履歴から過去の図面をたどることも可能です。参照・編集のアクセス権限をユーザーごとに設定でき、操作や更新の履歴も残ります。オンプレミスでの構築に加え、クラウド環境にも対応可能です。
ジーエン図面
- 【AI図面解析】手書きやフォーマットのばらつきにも高精度AI
- 【超類似検索】”形状”・”特徴”から最適な図面を見つける
- 【AIスマート整理】全ての書類を自動で整理整頓・紐付け
営業製作所株式会社が提供する「ジーエン図面」は、クラウド上での図面共有と閲覧範囲の管理を両立したい製造業に向くサービスです。部門や役割の単位でアクセス権限を設定できるため、関係者だけに図面を見せる運用がしやすくなります。セキュリティ認証はISO/IEC 27001を取得しています。AI OCRで紙・PDF・CADの図面をデータ化し、形状や寸法、材質をもとにした類似図面検索も可能です。見積書や仕様書など関連書類の自動紐付けにも対応しています。
まいく郎 WEB (株式会社FMシステム)
- 2種類の検索機能で大量のデータから目的のデータを素早く検索!
- チームや利用者ごとにアクセス権を設定可能!
- 社内のネットワークを介してどこにいてもデータの管理ができる!
図脳TeCA (株式会社フォトロン)
- CAD・紙を一元管理
- 機能構成がシンプル
- Webブラウザで閲覧が可能
まとめ
EDM(図面管理)のセキュリティは、アクセス権限による閲覧・出図の制御、透かしと操作ログによる追跡、版管理と承認による改ざん防止を組み合わせて図面を守ります。ただし、機能を備えていても、権限設計やログ点検の運用が伴わなければ効果は限られます。提供形態によって自社が担う対策も変わります。資料請求で複数の図面管理システムを比較し、自社の図面の扱い方にあうセキュリティ機能を見極めてください。

