ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■今の管理方法別
- 紙図面と台帳で管理している:AI類似図面検索、ゲンバト図面管理、ジーエン図面、図面管理システム ズメーン、楽々Document Plus、スマートF、図脳TeCA
- ファイルサーバーで管理している:Hi-PerBT Advanced 図面管理、DrawFinder、RM-Drawing Nexus、楽々Document Plus、NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム)
- ■提供形態別
紙図面の時代に生まれた図面管理の考え方
図面管理の考え方は、EDMという言葉が使われる前から存在していました。紙図面の時代にも、正しい版を探し出し、間違いなく現場へ渡すための工夫が積み重ねられてきたためです。今のEDMの機能にもつながる基本を見ていきます。
原図と台帳による管理
紙図面の時代は、設計者が描いた原図を保管庫で保管し、どの図面がどこにあるかを台帳で管理する方法がとられていました。現場や協力会社には、原図を複写した図面を配布していました。
この方法では、台帳の記入漏れがあると図面を探すのに時間がかかります。また、原図の劣化や紛失、火災や水害による損失のおそれもありました。保管場所を知る担当者に問い合わせが集中しやすい点も、紙の管理で生じやすい課題です。
図番と改訂記号による版の区別
紙図面の時代から、図面ごとに固有の番号である図番を付け、改訂のたびに改訂記号を変えて版を区別する運用が行われてきました。どの版が最新かを見分けるための基本的なルールです。
ただし、改訂した図面を配布しても、古い図面の回収が徹底されないと、旧版のまま製作が進むおそれがあります。版の区別や配布先を人の手で管理し続ける難しさが、後に図面管理をシステムで行う考え方につながりました。この版管理の考え方は、今のEDMにも受け継がれています。
CADの普及で図面管理(EDM)が求められた背景
設計にCAD(コンピューターを使って図面を作成するソフト)が使われるようになると、図面は紙から電子ファイルへ移っていきます。管理する対象が変わったことで、新しい課題も生まれました。図面管理(EDM)が求められた背景を整理します。
電子ファイルの増加と版管理の課題
CADで作った図面は複製や修正が簡単なため、同じ図面のファイルが複数の場所に保存されやすくなります。その結果、どのファイルが最新版か分からなくなるという、紙とは別の課題が生まれました。
さらに、CADデータを開くには対応するソフトが必要です。設計部門以外の人が図面を確認したいときに、閲覧用のデータを別に用意する手間もかかります。こうした課題に対応するため、図面の版や属性をまとめて管理し、閲覧用データも扱える仕組みが求められるようになりました。
ファイルサーバーでの管理に残る限界
図面の電子化が進むと、まず共有のファイルサーバーにフォルダーを作り、図面を保存する方法をとる職場もありました。追加の費用を抑えて始められる一方、フォルダーの分け方やファイル名のルールが人によって異なると、検索しにくくなります。
また、ファイルサーバーだけでは、誰がいつ図面を変更したかの履歴や、承認の状況を管理しにくい面があります。図面の数が増えるにつれてこうした限界が目立ち、版管理や承認、検索の機能を持つEDMが使われるようになりました。
PDMやPLMとの関係
EDMは、Engineering Data Management(エンジニアリングデータ管理)の略として使われることが多い言葉です。図面に加えて、部品の構成や設計変更の情報まで管理する仕組みは、PDM(製品データ管理)と呼ばれます。
さらに、企画から製造、保守、廃棄までの製品の一生にわたる情報を扱う考え方はPLM(製品ライフサイクル管理)と呼ばれます。EDMは図面と関連文書の管理に重点を置いた仕組みとして、PDMやPLMと連携したり、その一部として使われたりしています。
法制度と業界の動きが図面管理を変えた
図面管理の歴史には、法制度の整備や業界ごとのデジタル化の動きも影響しています。ここでは、書類の電子保存を認めた法律と、建設分野で進むBIM/CIMの取り組み、経済産業省のDXレポートを取り上げます。
e-文書法による電子保存の広がり
e-文書法(民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律)は、2005年4月に施行されました。法令で保存が求められる書面を、一定の条件のもとで電子データとして保存できるようにした法律です。
紙で保存していた書類を電子化する際の考え方が示されたことで、紙図面をスキャンして電子データで管理する取り組みも検討しやすくなりました。ただし、図面が対象となる書類にあたるかや、保存の要件は法令や業種によって異なります。電子化の前に、自社に適用される法令を確認しましょう。
建設分野のBIM/CIMとBIM図面審査
建設分野では、建物や構造物を3次元のモデルで表し、設計から維持管理まで情報を共有するBIM/CIMの取り組みが進んでいます。国土交通白書2025では、令和5年度から直轄の土木業務・工事に、小規模なものなどを除いてBIM/CIMを原則適用したと記されています。
建築確認では、BIMデータから書き出したPDF形式の図書で申請し、審査の参考にIFCデータ(3次元モデル)を活用する「BIM図面審査」の仕組みが整備されています。国土交通省は、この仕組みを2026年4月に開始すると案内しています。図面を単体のファイルではなく、モデルと結び付いた情報として管理する流れが広がりつつあります。
DXレポートと設計データの活用
経済産業省は2018年9月に「DXレポート」を公表し、古い既存システムが部門ごとに分かれ、データを全社で活用しにくい状況が企業の課題になると示しました。DXは、デジタル技術で業務やビジネスの仕組みを変える取り組みを指します。
図面管理でも、図面を保管するだけでなく、設計データを見積もりや製造、保守といった後工程で活用する考え方が広がっています。部門ごとに図面を別々に管理している企業では、EDMの見直しがデータ活用の土台づくりにつながる場合があります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で図面管理システム(EDM)の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
クラウドとAIで広がるEDMの今
近年のEDMは、社内のサーバーに置く形だけでなく、インターネット経由で使うクラウド型も選べるようになりました。また、AIを使った検索など新しい技術を取り入れる動きもあります。今のEDMの姿を見ていきます。
クラウド型の登場と社外との図面共有
クラウド型のEDMは、提供会社のサーバーで図面を管理し、インターネット経由で利用する形です。社内にサーバーを置かずに始められるほか、外出先や現場のタブレットから図面を確認する使い方もしやすくなります。
協力会社や取引先と図面をやり取りする場面でも、メールの添付ではなく、閲覧できる範囲を決めて共有する方法がとれます。一方で、図面は技術情報を含むため、アクセス権限や操作の記録を管理できるかを確認することが大切です。
AIを使った図面検索の広がり
図面の形や特徴をもとに、似た図面を探し出す類似図面検索など、AIを使った機能を備えたEDMも登場しています。過去の図面を探しやすくなれば、設計の流用や見積もりの参考に活用できます。
ただし、AIの検索結果は登録されている図面の量や品質に左右され、必ず目的の図面が見つかるとは限りません。また、どの機能をどこまで備えているかは製品によって異なります。導入を検討する際は、自社の図面で試せるかを提供会社に確認しましょう。
EDMの市場データを確かめる際の注意点
EDMの歴史や今後を調べると、市場規模やシェアのデータを参考にしたくなる場面があります。ただし、EDMの市場データは読み方に注意が必要です。資料を確認する際のポイントを紹介します。
EDM単独の公的統計が見つかりにくい理由
EDMは、PDMやPLM、文書管理システムと機能の範囲が重なるため、調査によって分類の仕方が異なります。そのため、EDMだけを区分して市場規模を示す公的な統計は見つかりにくいのが現状です。
調査会社の資料では、EDMがPLMやPDMの市場に含まれている場合や、設計支援ソフト全体の一部として集計されている場合があります。数値を比べる際は、同じ定義で集計されたデータかどうかを確認することが欠かせません。
調査資料を読むときの確認ポイント
市場データを参考にする際は、調査の実施主体、公表年、対象とする製品の範囲、金額の定義を確認しましょう。金額が提供会社の売上高なのか、利用企業の支出額なのかによっても数値は変わります。
また、予測値と実績値を区別して読むことも大切です。複数の資料で数値が異なる場合は、定義の違いが原因であることがあります。市場の数値だけで判断せず、自社が抱える図面の量や管理上の課題とあわせて、EDMの導入や見直しを検討するとよいでしょう。
歴史の流れで見る図面管理システムの特徴
紙の台帳からファイルサーバー、クラウドへと移ってきた図面管理の流れをふまえ、移行先として検討しやすい製品を、現在の管理方法に対応させて一覧にまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| AI類似図面検索 | AIによる2次元図面の類似形状検索に対応。スキャンした紙図面やPDFも検索でき、図面データは社内サーバーで保管 |
| Hi-PerBT Advanced 図面管理 | 図面と設計資料の一元管理、図番の採番や設計変更管理に対応。AWS上でのクラウド構築も可能 |
| ゲンバト図面管理 | 紙図面や関連書類をクラウドで一元管理。図面へのメモ共有や、オプションのAI-OCRに対応 |
| DrawFinder | 図面の版管理や差分表示、承認ワークフローを搭載。オンプレミス・クラウドの両方に対応 |
| ジーエン図面 | AI-OCRで紙・PDF・CAD図面をデータ化し、形状や寸法・材質による類似図面検索に対応 |
| 図面管理システム ズメーン | 図面と見積書・工程指示書・検査成績書をクラウドで一元管理。AI類似図面検索や版管理にも対応 |
| RM-Drawing Nexus | 図面の改訂履歴・アクセス権限を管理し、高速検索や一括出図、自動押印に対応 |
| 楽々Document Plus | CAD図面の厳格な版管理と承認ワークフローを搭載。AI-OCRによる手書き図面の検索にも対応 |
| NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム) | CADデータや関連資料を一元管理。チェックアウト・チェックイン、版管理、図面の親子関係管理に対応 |
| スマートF | 図面PDFをAIで読み取って登録でき、クラウド上で検索可能。見積・生産管理などへの機能拡張にも対応 |
| 図脳TeCA | CAD図面と紙図面を一元管理できるオンプレミス型の図面管理システム。Webブラウザからの閲覧にも対応 |
紙からクラウドへ、移行先に選ぶ図面管理システム
これまでの管理方法によって、移行先に求める機能は変わります。紙図面の電子化やファイルサーバーからの移行など、管理上の課題にあわせて検討しやすい製品を紹介します。
AI類似図面検索
- たった、3ステップでAIが過去実績から類似した図面を検索
- お客策様から頂いた図面は社内で管理!アプリは常に最新版に更新
- 検索結果を評価して追加学習でき、貴社にマッチしたAIに成長
株式会社テクノアが提供する「AI類似図面検索」は、AIの画像認識技術を活用し、過去の2次元図面から類似した形状を探し出すシステムです。紙をスキャンした画像やPDF、DXFなどのファイルを検索対象にでき、図番などの属性情報だけに頼らず図面を探せます。過去の見積金額や原価を生産管理システムと連携して参照する機能も備えています。プログラムはクラウドで管理しながら、機密性の高い図面データは社内サーバーに保管する構成です。過去図面の再利用や見積業務の効率化を重視する会社に向いています。
Hi-PerBT Advanced 図面管理
- 設計業務の図面管理に必要な機能がすべて揃っている
- プリンタやスキャナ等、どのメーカーの周辺機器でも利用可能
- 直観的なUIデザイン&操作性!画面操作がカンタンで使いやすい
株式会社日立ソリューションズ西日本が提供する「Hi-PerBT Advanced 図面管理」は、完成図書やCADデータ、設計資料、添付資料を一元管理する図面管理パッケージです。図番の採番ルールや図面属性を使った検索、設計変更情報との紐づけ、操作ログの管理などに対応しています。主要機能をWebブラウザから操作でき、図面の印刷・保存に関する権限も設定可能です。オンプレミス型に加えて、AWSを利用したクラウド環境での構築にも対応。ファイルサーバーから移行し、図面の検索性や設計変更の履歴管理を改善したい会社の候補です。
ゲンバト図面管理
- 散在している図面を一元管理し、関連データ・書類を紐づけ可能
- 図面に関する〔メモ書き〕を共有し、個人のノウハウを資産化
- 自動で図面の印刷された文字や手書きをテキストデータに変換
株式会社山善が提供する「ゲンバト図面管理」は、紙図面やパソコン内に分散する図面を、関連書類と紐づけて一元管理するクラウド型の図面管理サービスです。ミルシートや見積書、仕様書、CADデータなどを登録でき、タブレットやパソコンから検索・閲覧できます。図面へのメモ書きを共有する機能や、作業手順書・不良記録との連携にも対応。オプションのAI-OCRでは、印刷文字や手書き文字を読み取り、図面番号などをデータ化できます。紙図面の管理から移行し、現場の情報共有を進めたい会社に適しています。
DrawFinder
- データ移行を含めたリプレースを全面支援
- 誤った図面への変更を無くす
- 探していた図面に、すぐたどり着ける検索性
株式会社ハイエレコンが提供する「DrawFinder」は、CAD図面や紙図面、見積書・工程表などの関連資料を一元管理する図面管理ソフトウェアパッケージです。図面番号や名称、承認状況などの属性検索に加え、最新版を把握できる版管理や、図面を重ねて変更箇所を確認するレイヤープレビュー機能を備えています。承認ワークフローの設定や一括印刷にも対応し、CAD連携はオプションで利用可能です。オンプレミス型とクラウド型から選べ、既存システムからのデータ移行支援も用意されています。図面管理の仕組みを段階的に整えたい会社の候補です。
ジーエン図面
- 【AI図面解析】手書きやフォーマットのばらつきにも高精度AI
- 【超類似検索】”形状”・”特徴”から最適な図面を見つける
- 【AIスマート整理】全ての書類を自動で整理整頓・紐付け
営業製作所株式会社が提供する「ジーエン図面」は、紙・PDF・CAD図面をまとめて管理し、AIによる整理や検索を支援するクラウド型の図面管理システムです。AI-OCRで図面内の文字や属性情報を読み取り、形状・寸法・材質などをもとに類似図面を検索できます。検索結果には類似率が表示され、過去の設計や見積もりに使える図面を探しやすい点が特徴です。見積書や仕様書、検査成績書などの関連資料を図面に紐づける機能も備えています。紙図面のデータ化から過去の設計資産の活用まで進めたい会社に向いています。
ズメーン
- 図面管理により、図面やデータをすぐに検索!探す手間を削減
- 図面に紐付く情報を記録・共有!トラブル防止とQCD改善に貢献
- 見積依頼から納品までの流れを見える化!業務をスムーズに
株式会社FactBaseが提供する「図面管理システム ズメーン」は、図面と関連する業務データをクラウド上で一元管理するシステムです。見積書や工程指示書、検査成績書などを図面に紐づけて保存でき、図番や顧客名などの条件を使った検索やAIによる類似図面検索にも対応。図面の改訂履歴を管理できるほか、現場で発生した不具合や加工ノウハウを写真・メモとともに共有できます。スマートフォンやタブレットからの閲覧も可能です。紙やファイルサーバーに分散した情報をまとめ、製造現場での図面活用を進めたい会社の候補です。
楽々Document Plus
- AI-OCRで図面から属性情報を自動抽出、古い手書き図面も全文検索
- 図面の厳格な版管理(先祖返り防止)と承認ワークフローを標準搭載
- 図面に紐づく仕様書や見積書など(電帳法対応)も一元管理
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Document Plus」は、図面や関連文書を属性付きで一元管理できる文書管理システムです。CADデータの厳格な版管理と図面の承認ワークフローを標準搭載し、旧版への先祖返り防止に役立ちます。AI-OCRで図面の手書き文字を検索したり、属性情報を自動抽出したりする機能も備えています。オンプレミス版とクラウド版から選択でき、電子帳簿保存法に対応した見積書などの保管にも対応。紙図面の電子化と設計文書の管理をまとめて進めたい会社に向いています。
NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム)
- 7つの基本機能+アドオンで業務に合わせて柔軟に拡張可能
- ユーザ数無制限のサーバーライセンスで人数が増えてもコスト一定
- 製造業を熟知する専任チームが導入から運用定着までを伴走支援
新明和ソフトテクノロジ株式会社が提供する「NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム)」は、製造業向けの図面管理システムです。CADデータに加えて部品表や指示書、仕様書などの関連資料を一元管理でき、最新版の表示や改訂履歴の確認にも対応しています。チェックアウト・チェックインによる編集の競合防止、承認ワークフロー、図面の親子関係をたどる構成管理なども特徴です。オンプレミス型のサーバーライセンスはユーザー数無制限で、クラウド環境へのサーバー構築にも対応可能です。図面の版管理と設計変更の履歴管理を強化したい会社の候補です。
スマートF
- AIが図面データを自動で読み取り、簡単にデータ化・検索が可能
- 必要最低限の機能に絞り、低コストでシンプルな図面管理を実現
- 図面管理を起点に、見積・販売・生産・進捗・原価管理へ拡張可能
株式会社ネクスタが提供する「スマートF」は、AIを活用して図面の登録や検索を効率化する製造業向けの図面管理システムです。PDFの図面をアップロードするとAIが情報を読み取り、台帳への手入力を減らしながら登録できます。登録した図面はサムネイルで確認でき、得意先や図番、品名などで絞り込み検索が可能。見積書などの関連資料も図面に紐づけて管理できます。必要な機能に絞ってクラウドで導入でき、見積・販売・生産・原価管理などへの拡張にも対応。紙やExcelによる図面管理から段階的に移行したい会社に向いています。
図脳TeCA (株式会社フォトロン)
- CAD・紙を一元管理
- 機能構成がシンプル
- Webブラウザで閲覧が可能
まとめ
EDM(図面管理)の歴史は、紙図面を原図と台帳で管理していた時代から始まりました。CADの普及による電子ファイルの増加や、e-文書法、BIM/CIMといった制度と業界の動きを経て、今はクラウドやAIを活用する段階へ進んでいます。市場データは定義の違いに注意して読む必要があります。自社が今どの段階にあるかを確認したうえで、図面管理(EDM)の資料請求をして、次の管理方法を比べてみてください。

