ファイル転送サービスとは
ファイル転送サービスとは、ネットワークを通じてファイルの転送を行うサービスです。メール送信時にはファイルではなく、共有ストレージのURLを添付します。またメールでは送信不可な大容量ファイルを扱ったり、機密情報を暗号化したりする機能をもち、現在多くの企業で活用されています。
ファイル転送サービスは、USBやCD-ROMを郵送したり、FTPが活用されたりすることが主流だった従来に比べ、郵送の手間やコストがかかりません。また機密情報を扱う場合は紛失などの心配もなく、承認機能や誤送信防止機能、SSLでの暗号化機能などをもって、十分なセキュリティ対策が取られています。
ITトレンドでは、さまざまなセキュリティ対策を施したファイル転送サービスを取り扱っています。導入製品にお悩みで、まずは最新の人気製品から検討してみたい、という方はこちらのランキングも参考にしてください。
ファイル転送サービスのセキュリティ機能は?
ファイル転送サービスのセキュリティ機能について、具体的に紹介します。
ファイル・ログイン暗号化
ファイルを暗号化すれば、第三者に中身を閲覧されることはありません。よって万が一データが流出しても、その被害を最小限に抑えられるでしょう。
具体的な手順としては、ファイル転送サービスを使ってクラウドにアップロードする前に暗号化します。次に転送先にメールなどで復号パスワードを伝えることで、転送中の安全性を確保できます。
また、専用画面のログインが暗号化されたものを選びましょう。通信がSSL化されたものであれば、入力したログイン情報のやり取りを保護できます。
ダウンロード制限
クラウドにアップロードしたファイルを、無制限にダウンロード可能にしておくのは望ましくありません。具体的には、以下のような制限を加えましょう。
- ■回数制限
- 一定回数しかダウンロードできない
- ■期間制限
- 一定期間を経過するとダウンロードできない
- ■ダウンロード制限
- 閲覧のみ可能でダウンロードできない
- ■アカウントロック
- 一定回数ログインに失敗すると、ロックがかかりログインできない
- ■アクセス制限
- IPアドレスをもとに許可したユーザー以外は、ログインできない
ログ管理
ログ管理は、送信者のクラウドへのアップロードや受信者のクラウドからのダウンロード履歴を残す機能です。ログを残すことで、トラブル発生時にその原因を究明できるメリットがあります。
いつ誰が操作したのかなどの情報を、細かく記録できるものがよいでしょう。これらのログは、同じトラブルの発生予防や、内部統制を行ううえでも役立ちます。
権限付与
適切に権限を設定することで、人為的ミスを防止できます。例えば、上長の許可がなければデータを送信できない承認機能や、送信先として指定できる宛先を制限するなどの機能があります。これにより機密情報の送信や、誤送信による情報流出を予防できるでしょう。
無料ファイル転送サービスのセキュリティは安全?
最近は無料ファイル転送サービスでも、大容量の転送ができるため、利用する企業は多いでしょう。
しかし、無料サービスにはリスクが伴います。セキュリティレベルを自社で管理できず、データの安全性はすべてベンダーに委ねられるためです。無料サービスのベンダーは、有料サービスほど強固なセキュリティ対策を施していない可能性もあります。
実際に、近年とある無料ファイル転送サービスで約480万件もの情報が流出する事件が発生しました。サーバの脆弱性を攻撃されたのが原因です。
このようにログを自社で管理できない場合、情報漏えい時に何がどのくらい流出したのかが把握できません。またベンダーによっては、詳しい調査を実施しないケースもあるため、無料製品を利用する場合は、セキュリティ機能や実績などを考慮し、慎重に選ぶ必要があります。
無料のファイル転送サービスについて、以下の記事で解説しています。
関連記事
watch_later
2021.05.13
【無料&オープンソース】ファイル転送サービス比較!危険性も解説
続きを読む ≫
おすすめのファイル転送サービスを紹介
ITトレンドの最新ランキングより、おすすめのファイル転送サービスをピックアップしました。製品はすべて無料で資料請求できるので、比較のうえ自社にあうものを検討してください。
《EASY FILE EXPRESS》のPOINT
- 万全のセキュリティと直感的操作。教育・利用者のQAなしを実現。
- 2GB超の大容量データも送受信可能。 サービス料 ,000/5人/月~
- 2GB超File・上限サイズ設定も可。各種個別カスタマイズ対応可。
2021年ITトレンド年間資料請求数ランキング第1位
トーテックアメニティ株式会社が提供する「EASY FILE EXPRESS」は、2GB超えの大容量ファイルを5ファイルまで同時に送受信できるファイル転送システムです。取引先には、パスワードとIDを送信するだけで簡単にやり取りできます。SSL/TLSによる通信経路の暗号化と送受信ログの確認機能により、セキュリティ対策も十分でしょう。
《WEB-CABINET》のPOINT
- 大容量ファイル送受信を低コストで実現
- 万全のセキュリティ機能を実装※PPAP対策にも効果
- 簡単に利用できる分かりやすい操作性
2021年ITトレンド年間資料請求数ランキング第2位
株式会社石川コンピュータ・センターの「WEB-CABINET」は、大容量ファイルの送受信を低価格で利用できるオンラインストレージサービスです。月額5,000円/5GBからID数に制限なく利用でき、30日間の無料トライアルも実施しています。ワンタイムパスワード・アクセス制限機能・SSL暗号化通信・ウィルスチェックなどセキュリティ機能も充実しており、自社データセンターでの運用も安心のポイントです。
《SPACE PORTER》のPOINT
- 【何人でも同額】 利用者数無制限で抜群のコストパフォーマンス
- 【100GB超も送受信可】 ファイルサイズ無制限で送付受取が可能
- 【特許認定済】 独自暗号化転送方式で安全にファイル送受信可能
2021年ITトレンド年間資料請求数ランキング第3位
三菱スペース・ソフトウエア株式会社が提供する「SPACE PORTER」は、大容量・ユーザー数無制限なファイル転送サービスです。ファイル本体だけでなく通信経路も自動暗号化し、元のファイルを一切記録しない方式のため、安全性も高いでしょう。
《クリプト便》のPOINT
- 取引先と安全にファイルのやり取りを行いたい企業
- メールでは送れない大容量のファイルを送付したい企業
- Webブラウザとインターネット環境だけでファイル送受信が可能
2021年ITトレンド年間資料請求数ランキング第4位
NRIセキュアテクノロジーズ株式会社が提供する「クリプト便」は、国内最高水準のセキュリティレベルを誇るファイル転送サービスです。銀行・証券・保険などの金融業界においても、多く導入されています。月額20,000円から利用規模にあわせてプランを選択でき、必要に応じて機能を拡張できます。
《GigaCC OKURN(オクルン)》のPOINT
- ファイル転送に最適な機能のみを標準搭載
- 利便性とセキュリティを両立
- 想定外の超過料金発生なし
2021年ITトレンド年間資料請求数ランキング第5位
日本ワムネット株式会社の「GigaCC OKURN(オクルン)」は、ファイル転送のみをシンプルに利用したい企業向けのファイル転送特化型サービスです。定額のID課金のため、大容量ファイルの転送時などで超過料金が発生することはありません。またURL無効化などの人的ミスを防止する機能やセキュリティ・トレース対策機能を搭載しているうえに、国内データセンターでの運用のため、高い安全性が期待できます。
ファイル送信時と受信時の注意点は?
ファイル送信時と受信時には、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
【送信時】メールアドレスを徹底確認する
送信先を誤り、情報を流出させるケースは多々あります。上長承認機能や宛先制限機能を活用しても、ミスの可能性が完全になくなるわけではありません。特に重要な情報を送信する際は、多重チェックを心がけましょう。
またファイルを暗号化しておけば、たとえファイルの送信先を誤っても、復号するためのパスワードをを送らなければ情報流出を防止できます。このように、何層ものミス対策を施し、安全性を高めましょう。
【受信時】メールとデータを入念にチェックする
受信時は、特にウイルス感染する可能性が高いため、データが悪意ある者からの送信でないかよく確認しましょう。その際にチェックすべき項目は以下の3つです。
- 送信者のメールアドレスは正しいか
- 標的型攻撃メールによる被害が多くなっています。本当に正規の送信者から送られたものか、よく確認しましょう。
- 件名やファイルに違和感はないか
- 送信者側が乗っ取られている可能性もあります。メールの内容とファイルの整合性に不審な点があれば、ファイルを開くのを止めましょう。
- ファイルの拡張子は危険性の低いものか
- ファイルの拡張子の中には、展開した瞬間にプログラムが実行されるものがあります。「.EXE」「.BAT」「.JS」などがその代表です。リスクが高い形式であるため要注意です。
安全性の高いファイル転送サービスで、業務をスムーズに!
ファイル転送サービスには情報流出のリスクがあります。そのため、ファイル・ログイン暗号化機能やダウンロード制限、ログ管理などの機能が搭載されている高い安全性のサービスを選択しましょう。さらに機能だけに頼るのではなく、送信時と受信時にも安全な運用が行えるように、確認フローを徹底することが大切です。これらを踏まえて高セキュアなファイル転送サービスを活用し、業務を円滑化してみてはいかがでしょうか。