ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■サーバーの設置場所別
- 自社のサーバーに設置する(オンプレミス型):eTransporter、EASY FILE EXPRESS、e・パーセル電子宅配便、kiteworks、HULFT10
- 専用のアプライアンス機器を設置する:FileZen
- 提供事業者のサーバーを使う(クラウド型):クリプト便、オフィス宅ふぁいる便、eTransporter、EASY FILE EXPRESS
- ■転送の方法別
- Webブラウザで送受信する:クリプト便、eTransporter、FileZen
- APIや自動転送で定期的に送る:クリプト便、オフィス宅ふぁいる便、HULFT10
- ■自社サーバーで運用する際の構成・機能別
- Webサーバーとデータベースを分ける構成:eTransporter
- ウイルスチェック:eTransporter、EASY FILE EXPRESS、FileZen
- 冗長化:FileZen
ファイル転送のサーバー設置型とクラウド型の違い
ファイル転送システムには、自社のサーバーにソフトウェアを入れて使う設置型と、提供事業者のサーバーを使うクラウド型があります。サーバーを誰が用意し、管理するかの違いが、必要な準備や運用の負担を左右します。
自社サーバーに入れる設置型
設置型は、ファイル転送のソフトウェアを自社で用意したサーバーにインストールして使う形態です。社内のサーバールームやデータセンターに置く方法のほか、自社で契約したクラウド基盤の仮想サーバーに入れる方法もあります。
ファイルの保存先や接続を許可する相手、ログの保存期間などを自社の規程にあわせて決められる点がメリットです。一方で、サーバーの調達や構築、OSの更新、障害時の対応は自社で担う必要があります。情報システム部門の体制や、委託できる保守サービスの有無を確認したうえで検討しましょう。
事業者のサーバーを使うクラウド型
クラウド型は、提供事業者が用意したサーバーを、インターネット経由で利用する形態です。自社でサーバーを用意する必要がなく、申し込み後すぐに使い始められる製品もあります。
サーバーの保守や容量の増設は提供事業者が担うため、社内の運用負担を抑えられます。ただし、ファイルが社外のサーバーに保存されるため、取引先との契約や社内規程で保存場所に条件がある場合は、データセンターの所在地や保存期間の設定方法を確認しておきましょう。
FTPサーバーとの違い
ファイルのやり取りには、以前からFTPサーバーが使われてきました。FTPはファイル転送の通信方式の1つですが、通信内容が暗号化されないため、IDやパスワード、ファイルの中身が通信経路で読み取られるおそれがあります。
ファイル転送システムは、暗号化した通信に加えて、送信の承認やダウンロード期限の設定、送受信の記録といった管理の仕組みを備えている点が異なります。既存のFTPサーバーを置き換える場合は、取引先が使っている送受信の方法を確認し、移行の案内を早めに行うことが大切です。
自社サーバーで動かす場合のサーバー構成
ファイル転送システムを自社サーバーで動かす場合、1台のサーバーにすべての役割をまとめる構成と、役割ごとにサーバーを分ける構成があります。いずれの場合も、必要となる主な要素は次の3つです。
アプリケーションとデータベース
中心となるのは、利用者がWebブラウザでアクセスする画面を提供するWebサーバーと、送受信の処理を行うアプリケーションです。利用者の情報や送受信の履歴は、データベースに保存されます。
製品ごとに、対応するOSやデータベース、必要なCPUやメモリの量といった動作要件が決まっています。要件を満たさない環境では動作が保証されない場合があるため、導入前に提供事業者の資料で確認しましょう。OSやデータベースのサポート期限も、サーバー更改の計画に影響するため把握しておくことが大切です。
ファイルを保存するストレージ
送受信されたファイルは、相手がダウンロードするまでサーバー上のストレージに保存されます。サーバー本体のディスクを使う構成のほか、社内のファイルサーバーや共有ストレージを保存先に指定できる製品もあります。
保存先を分ける場合は、ストレージへの通信経路やアクセス権限もあわせて設計する必要があります。ストレージの空き容量が不足すると、ファイルのアップロードができなくなる可能性があるため、容量の監視と通知の設定も行っておきましょう。
通知メールを送るためのメールサーバー連携
ファイル転送システムでは、ファイルを送ったことを相手に知らせる通知メールや、承認を依頼するメールが送信されます。自社サーバーで運用する場合、これらのメールを社内のメールサーバーやメール配信サービス経由で送る設定が必要です。
設定が不十分な場合、通知メールが相手の迷惑メールフォルダに振り分けられたり、届かなかったりするケースがあります。原因は送信元の設定や受信側の判定など複数考えられるため、SPFやDKIMなどの送信ドメイン認証の設定状況を確認し、複数のメールサービスで受信テストを行いましょう。
ファイル転送サーバーを置く場所とネットワーク
自社サーバーで運用するファイル転送システムは、社外の取引先からアクセスされることを前提に配置を考える必要があります。社内ネットワークを守りながら社外とやり取りするための考え方を3つ紹介します。
社外と通信するサーバーのDMZへの配置
社外の相手がファイルをダウンロードする場合、ファイル転送のサーバーはインターネットからアクセスできる必要があります。このとき、社内ネットワークに直接置くと、サーバーが攻撃を受けた際に社内の他の機器へ被害が広がるおそれがあります。
そのため、社内ネットワークとインターネットの間に設けるDMZ(非武装地帯と呼ばれる緩衝用のネットワーク)に配置する構成が検討されます。社外向けの画面だけをDMZに置き、データベースやストレージを社内側に置く構成をとる製品もあるため、推奨構成を提供事業者に確認しましょう。
通信の暗号化と開くポート
インターネットとの通信は、HTTPS(暗号化されたWeb通信)を使うのが基本です。そのために、サーバー証明書を取得してサーバーに設定し、有効期限が切れる前に更新する運用が必要です。
取引先とSFTP(SSHで暗号化したファイル転送)やFTPS(FTPの通信を暗号化したもの)でやり取りする場合は、その通信方式に必要なポートもファイアウォールで開けます。開けるポートは必要なものだけに絞り、接続を許可する相手のIPアドレスを限定できる場合は設定しておくと、不正なアクセスの機会を減らせます。
ウイルス対策とファイルの無害化
社外から受け取るファイルには、ウイルスなどの不正なプログラムが含まれている可能性があります。ファイル転送のサーバーでウイルス対策ソフトによる検査を行い、問題のあるファイルを社内に取り込まない仕組みを用意しておきましょう。
より慎重に扱いたい場合は、ファイルから不正なプログラムが潜みやすい部分を取り除く無害化の仕組みと組み合わせる方法もあります。検査や無害化を製品の機能で行うか、別の製品と連携させるかは製品によって異なるため、構成を決める段階で確認が必要です。検査で問題が見つかった際の通知先も決めておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でファイル転送の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
ファイル転送サーバーの容量と性能の見積もり方
自社サーバーで運用する場合、ストレージの容量や処理能力を自社で見積もる必要があります。見積もりが小さすぎると運用開始後に不足し、大きすぎると費用が無駄になるため、利用状況をもとに考えましょう。
保存期間と送信量から容量を見積もる
ストレージの容量は、1日あたりに送受信されるファイルの合計サイズと、ファイルをサーバーに残しておく保存期間をかけあわせて見積もります。例えば、ダウンロード期限を過ぎたファイルを自動で削除する設定にすれば、必要な容量を抑えられます。
見積もりには、現在メールやFTPでやり取りしているファイルの量を調べるのが有効です。設計データや動画など大きなファイルを扱う部署がある場合は、その部署の利用量を個別に確認しておきましょう。将来の利用者の増加も見込んで、余裕をもった容量を確保しておくと安心です。
同時接続数と回線の帯域
多くの利用者が同時にファイルを送受信すると、サーバーの処理やインターネット回線の帯域が不足し、転送に時間がかかる場合があります。転送速度は、サーバーの性能だけでなく、自社や相手先の回線が混み合っているかどうかなど、複数の要因に左右されます。
利用者数と、同時に使われそうな時間帯を把握したうえで、サーバーの性能と回線の帯域を検討しましょう。製品によっては、同時接続数や利用者数に応じてライセンスの費用が変わる場合もあるため、あわせて確認しておくことが大切です。
バックアップと冗長化
サーバーが故障すると、ファイルの送受信が止まり、取引先とのやり取りに影響が出る可能性があります。業務への影響の大きさに応じて、サーバーを2台で運用する冗長化や、別の場所へのバックアップを検討しましょう。
バックアップの対象には、保存中のファイルだけでなく、利用者の情報や送受信の記録、設定内容も含めます。復旧の手順を手順書にまとめ、実際に戻せるかを定期的に試しておくと、障害時に慌てずに対応できます。手順は複数の担当者で共有し、特定の担当者に依存しない体制を整えておきましょう。
設置場所で比べるファイル転送システム一覧
自社サーバーへの設置に対応する製品と、提供事業者のサーバーを使うクラウド型の製品を、提供形態と特徴で一覧にしました。運用体制にあう形態を見極める際の参考にしてください。
| 製品名 | 提供形態 | 特徴 |
|---|---|---|
| クリプト便 | クラウド/SaaS/ASP/サービス | ブラウザとインターネット環境だけで送受信できる。業務システムと連動した自動送受信も可能 |
| オフィス宅ふぁいる便 | クラウド/SaaS | 最大10GBのファイルを送付できる。APIでファイル送信を自動化でき、Outlookアドインも使える |
| eTransporter | オンプレミス/クラウド/パッケージソフト/SaaS | オンプレミス版とクラウド版を用意。Webサーバーとデータベースを分ける構成にも対応 |
| EASY FILE EXPRESS | オンプレミス/クラウド/パッケージソフト/SaaS/サービス | 数GBクラスのファイルを1度に5ファイルまで送受信できる。上長承認やAPI連携にも対応 |
| FileZen | アプライアンス | Webブラウザで操作するアプライアンス型。ウイルスチェックや冗長化などの機能を備える |
| e・パーセル電子宅配便 | オンプレミス/パッケージソフト/SaaS/ASP | ソフトウェア版とWebブラウザ版を用意。通信状況に応じた中断・自動再開の機能を備える |
| kiteworks | オンプレミス/サービス | オンプレミスで提供されるファイル転送システム。メールアドレス認証や二段階認証に対応 |
| HULFT10 | オンプレミス/パッケージソフト/サービス | 異なるシステム間のファイル連携を自動化するミドルウェア。REST APIでの運用管理に対応 |
自社サーバーでの運用も検討できるファイル転送システム
オンプレミスでの提供やサーバー構成の情報、自動転送の機能を確認できる製品を中心に紹介します。クラウド型の製品もあわせて、運用負担とデータの保管場所の観点から比べてみてください。
クリプト便
- 脱PPAP等、取引先と安全にファイルのやり取りを行いたい企業
- USB運用を廃止、大容量ファイルの受け渡しをサービス上で実現
- Webブラウザとインターネット環境だけでファイル送受信が可能
NRIセキュアテクノロジーズ株式会社が提供する「クリプト便」は、自社でサーバーを構築せずに使えるクラウド型のファイル転送サービスです。必要なのはWebブラウザとインターネット接続だけで、ファイアウォールや侵入検知の仕組みを自社で用意する必要はありません。通信経路とファイルの暗号化、送信先制限、ログ管理を備え、業務システムが出力したファイルを自動で送受信するオートパイロットもオプションで選べます。サーバー運用の負担を抑えたい場合に、自社設置型と比べておきたい製品です。
オフィス宅ふぁいる便
- メール添付の代替手段!豊富な機能で情報漏洩対策が可能
- ブラウザを利用せず、Outlookアドインでのファイル送信ができる
- APIでシステムと連携し、ファイル送信の自動化が実現
株式会社オージス総研が提供する「オフィス宅ふぁいる便」は、サーバーの保守を提供事業者に任せながら、送受信の管理を自社で行える法人向けのファイル転送サービスです。最大10GBまでのファイルを送付でき、アップロードURLを発行して取引先から受け取ることもできます。提供されているAPIを使えば、システムから出力したファイルの送信を自動化できます。管理画面で利用ログの参照や出力、IPアドレス制限、送信許可ドメインの管理ができるため、運用ルールを自社で決めたい企業の選択肢です。
eTransporter
- 登録ユーザー数無制限!送受信ファイル容量無制限!
- 充実したセキュリティ機能!送信後でも取消し可能な誤送信対策!
- メール連係オプションで普段のメール送信でファイル転送を実現!
株式会社NSDが提供する「eTransporter」は、オンプレミス版とクラウド版を選べる企業向けのファイル転送システムです。オンプレミス版は、Webサーバーとデータベースサーバーを分ける構成のほか、両方を1台にまとめる構成にも対応しています。アップロード時のファイル自動暗号化や監査ログ、宛先制限、送信後の取り消しに対応し、ウイルスチェックや承認ワークフローも利用できます。登録ユーザー数と送受信ファイル容量に上限がないため、利用者の多い企業でサーバー構成を検討する際の候補です。
EASY FILE EXPRESS
- 数GBクラスの大容量ファイルを1度に5ファイルまで送受信できる
- 誰でも使いやすい操作性で導入後の社内教育やマニュアルは不要
- Outlookアドインによるファイル転送を実現
トーテックアメニティ株式会社が提供する「EASY FILE EXPRESS」は、オンプレミスとクラウドのどちらでも提供されているファイル転送サービスです。パッケージ版の動作環境はRed Hat Enterprise Linux 8です。構築時は、Apache、Tomcat、PostgreSQLなどのソフトウェア環境と、メールを送受信するSMTPサーバーを別途用意します。通信経路の暗号化やIPアドレス制限、ウイルスチェック、上長承認、操作ログの期間無制限保存に対応しています。プランによってはAPI連携やカスタマイズも可能なため、自社サーバーで運用したい企業が検討しやすい製品です。
FileZen (株式会社ソリトンシステムズ)
- メールアドレス1つでファイルを転送「めるあど便」
- グループでファイルを共有できる「プロジェクト」機能
- SSL通信対応やPDF保護などセキュリティ機能も充実
e・パーセル電子宅配便 (イーパーセル株式会社)
- ファイル転送専門ベンダーとして1996年創業以来の膨大な実績
- クライアント認証や暗号化などセキュリティが充実
- 多様な局面におけるリプレイス経験も豊富
kiteworks (株式会社理経)
- オンプレミスで提供しておりセキュリティ性が高い!
- Office365やクラウドストレージとの連携が可能!
- ユーザ数で料金が変動するためスモールスタートが可能!
HULFT10 (株式会社セゾンテクノロジー)
- 異なるOSやクラウド環境間のファイル連携に対応。
- 暗号化やアクセス制御などのセキュリティ機能を搭載。
- REST APIによる運用管理やファイル転送の自動化に対応。
まとめ
ファイル転送システムを自社サーバーで運用するには、アプリケーションとデータベース、ストレージ、通知メールの送信経路を用意する必要があります。あわせて、DMZへの配置や通信の暗号化、ウイルス対策まで含めて構成を考えましょう。
容量は送信量と保存期間から見積もり、バックアップと復旧の手順も整えておきましょう。運用の負担を抑えたい場合はクラウド型も選択肢です。自社にあうファイル転送の提供形態を比べるために、複数の製品の資料請求をしてみてください。

