そもそも固定資産管理とは?
固定資産管理はその名のとおり、有形固定資産や無形固定資産などを管理します。適切に固定資産が使われていることを確認し、減価償却費や固定資産税の算出を正確に行うことが目的です。
一般的には固定資産管理台帳をエクセルなどで作成し、年に1~2回棚卸を行って管理が徹底されているか確認します。しかし、固定資産の数や種類が多いほど管理は困難になり、現物と固定資産管理台帳の内容にズレが生じることも少なくありません。
そこで役立つのが固定資産管理システムです。固定資産管理をシステム化することで、ヒューマンエラーが減り、管理効率が上がります。

固定資産管理システム導入による5つのメリット
固定資産管理システムの、具体的なメリット5つを紹介します。
1.所有するすべての固定資産が一目でわかる
固定資産管理システムでは、固定資産情報を一元管理します。クラウド型固定資産管理システムなら物理的な距離を気にせず、固定資産管理を行うことが可能です。拠点ごとに固定資産が散在していても情報を集約し、すべての固定資産を把握しやすくなります。
固定資産管理システムで管理できる情報は、各固定資産の取得年月日や取得価額、耐用年数、償却率、コンディション、修繕歴など多岐にわたり、管理項目を自由にカスタマイズできます。固定資産管理台帳をエクセルで管理するよりも、リアルタイムでの更新や検索がしやすくなり、管理効率が上がるはずです。
2.リース資産の管理も容易になる
購入せずにリース契約した固定資産もあるでしょう。リース資産は通常の固定資産とは少々異なり、固定資産管理台帳ではなくリース資産管理台帳に情報を集約していきます。
固定資産管理システムはリース資産の管理機能を搭載している場合がほとんどで、リース期間や料金などの契約内容や更新時期、リース資産区分などの把握が可能です。更新時期が近づくと、アラートで知らせてくれる機能を搭載したシステムもあります。
3.必要な投資の判断がしやすくなる
ずさんな固定資産管理では、固定資産があるにも関わらず新たに取得してしまったり、使っていない固定資産をそのままにしていたり、といった状態になります。無駄なコストが発生し、適切な経営を行えません。
固定資産管理システムでは、固定資産やリース資産の取得から除去・廃棄までの現状が一目でわかります。新たに取得すべきなのか、それとも廃棄すべきなのか、あるいはリース資産なら契約を更新すべきなのか、といった判断をサポートしてくれるでしょう。
4.正確に減価償却できる
固定資産を減価償却する際、税法で決められた耐用年数や償却率をもとに、減価償却費を算出します。固定資産の種類ごとに耐用年数や償却率が異なり、償却方法もさまざまです。また、リース資産は、オペレーティングリースとファイナンスリースの契約形態によって減価償却費の計算が異なるので、より複雑化するでしょう。
固定資産管理システムは定率法・定額法・均等法・増加償却・特別償却など、複数の償却方法に対応し、減価償却費を自動計算する機能を搭載しています。人為ミスが減り、正確な減価償却が可能です。会計ソフトと連携すれば、償却資産税申告書や法人税申告書の作成も効率化します。
5.IFRSへの対応がスムーズになる
日本企業は独自の会計基準にもとづいて会計処理を行っていましたが、最近は国際会計基準であるIFRSを採用するケースが増えてきました。IFRSに準拠すると税務と会計別に固定資産管理台帳を作成・管理し、減価償却しなければなりません。
固定資産管理システムであれば、複数の台帳を管理することができ、資産除去債務やコンポーネントアカウント、減損損失の戻し入れなどにも対応しています。特に、IFRSの対応に難航している企業にはおすすめです。
固定資産管理システムを比較して導入検討を!
所有するすべての固定資産を管理しなければなりませんが、固定資産の数が増えればそれだけ管理が大変になります。そんなときに役立つのが固定資産管理システムです。固定資産管理システムを導入することで、以下のようなメリットを得られます。
- ■所有するすべての固定資産が一目でわかる
- ■リース資産の管理も容易になる
- ■必要な投資の判断がしやすくなる
- ■正確に減価償却できる
- ■IFRSへの対応がスムーズになる
これを機に、ぜひ固定資産管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
