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在庫管理システムは内製できる?判断の目安
在庫管理システムを内製できるかどうかは、扱う品目数と拠点数、入出庫の頻度でおおよそ判断できます。規模が小さいうちは内製で始めやすく、規模が大きくなるほど製品の利点が増していきます。2つのケースで考え方を整理しましょう。
小規模かつ単一拠点なら内製で始めやすい
品目数が限られ、倉庫や店舗が1か所の場合は、内製で在庫管理を始めやすいといえます。入庫と出庫、現在の在庫数を記録するだけであれば、仕組みが単純だからです。
例えば、Excelの表に入出庫を記録し、関数で在庫数を自動計算するだけでも、紙の台帳より集計の手間を減らせます。まずは自社で作って運用し、必要な機能を見極めてから製品を検討する進め方も有効です。
出荷量や拠点が増えると負担が大きくなる
1日の出荷件数が増えたり、倉庫を複数持ったりすると、内製の仕組みでは対応が難しくなる場合があります。拠点間の在庫移動や、ロット番号、賞味期限の管理が必要になるためです。
こうした機能を自社で作るには、プログラムの知識と開発時間が必要です。また、ECサイトや販売管理システムとの連携まで求められると、開発と保守の負担はさらに増えます。規模の拡大が見込まれる場合は、早い段階で製品導入も比較しておくと安心です。
在庫管理を内製する3つの方法
在庫管理を内製する方法は、主にExcelなどの表計算ソフトの改良、ノーコードツールでのアプリ作成、プログラミングによるスクラッチ開発の3つです。必要な機能と社内のスキルにあわせて選びましょう。
Excelやスプレッドシートの改良
最も手軽な方法は、Excelやクラウド型の表計算ソフトで在庫表を作り込むことです。入出庫の記録シートと在庫一覧を分け、関数やマクロで集計を自動化します。マクロとは、繰り返しの操作を自動で実行する仕組みです。
費用をほとんどかけずに始められる一方で、複数人での同時入力や、データ量が増えたときの動作には限界があります。マクロを作った人しか直せない状態になりやすい点にも注意しましょう。
ノーコードツールでのアプリ作成
ノーコードツールは、プログラムを書かずに画面操作で業務アプリを作れるサービスです。入出庫の入力画面や在庫一覧を作り、スマートフォンから入力する運用もできます。
表計算ソフトより複数人での利用に向いており、権限設定や変更履歴の確認ができるツールもあります。ただし、利用人数に応じた月額費用がかかる場合があります。複雑な引当てや自動発注の計算を作り込むと、設定が入り組み、保守が難しくなる点にも気をつけましょう。
プログラミングによるスクラッチ開発
スクラッチ開発は、プログラミングで一から在庫管理システムを作る方法です。自社の業務にあわせて自由に設計でき、独自の発注ルールや特殊な単位換算も組み込めます。
一方で、開発者の確保と開発期間が必要で、稼働後もサーバの管理や不具合の修正を自社で担います。外部の開発会社に依頼する場合も、仕様をまとめる担当者は社内に必要です。費用と体制の両方を見積もったうえで選びましょう。
在庫管理システムを内製する手順
内製を進める際は、管理のルールを先に決め、記録の方法を整え、実際の在庫と照らして検証する順に進めます。ルールが曖昧なまま作り始めると、作り直しが発生しやすくなります。3つのステップで確認しましょう。
1. 管理する品目と単位を決める
最初に、どの品目を管理対象にするかと、在庫を数える単位を決めます。同じ商品でも、ケース単位とバラ単位が混在すると数値が合わなくなるためです。
あわせて、品目コードの付け方や保管場所の呼び方も統一しましょう。棚番号を決めておくと、どこに何があるかをシステム上で把握できます。この段階で現場の担当者と認識をそろえることが、後の手戻りを減らすポイントです。
2. 入出庫の記録方法を整える
次に、入庫と出庫を誰が、いつ、どの方法で記録するかを決めます。手入力のみだと入力漏れや打ち間違いが起こる可能性があるため、バーコードの活用も検討しましょう。
市販のバーコードリーダーとノーコードツールを組み合わせ、読み取った値を入力欄に反映させる方法もあります。記録のタイミングを「入荷したらすぐ」「出荷前に必ず」のように決めておくと、システム上の在庫と実在庫のずれを抑えられます。
3. 棚卸で数値を検証する
運用を始めたら、定期的に棚卸を行い、システム上の在庫数と実際の数を比べます。差が出た場合は、入力漏れか、単位の誤りか、記録のタイミングのずれかを確認しましょう。
最初の数か月は、従来の管理方法と並行して運用すると、内製の仕組みの誤りに気づきやすくなります。差異の原因と対応を記録に残しておけば、仕組みの改善や担当者の引き継ぎにも役立ちます。
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内製した在庫管理で起こり得る課題
内製の在庫管理は、運用を続けるうちに課題が表面化する場合があります。データの増加や利用者の増加、担当者の交代は、企業規模を問わず起こり得る変化です。事前に対策を考えておきましょう。
データ量の増加による動作の遅れ
入出庫の記録が蓄積すると、表計算ソフトやノーコードツールでは、ファイルの読み込みや集計に時間がかかる場合があります。動作が遅くなると、現場で入力を後回しにする原因にもなります。
対策として、過去のデータを年度ごとに分けて保管し、日常の集計対象を絞る方法があります。それでも改善しない場合は、データベースを使う仕組みへの移行や、製品の導入を検討する時期といえます。
同時編集による数値の食い違い
複数の担当者が同じファイルを同時に編集すると、一方の更新が反映されなかったり、在庫数が二重に減ったりする可能性があります。特に、共有フォルダに置いたExcelファイルで起こるケースがあります。
入力する人と画面を分ける、更新の履歴を残すといった対策が有効です。複数人で入力する運用が前提であれば、同時利用を想定して作られたツールや製品を選ぶほうが、数値の信頼性を保ちやすくなります。
担当者の交代時の引き継ぎ
内製の仕組みは、作った担当者しか構造を把握していない状態になりがちです。担当者が異動すると、修正や不具合の対応が止まる場合があります。
シートの構成や関数の意味、運用ルールを文書にまとめ、複数人で内容を確認しておきましょう。改修した内容と日付を記録しておくと、後任者が状況を把握しやすくなります。引き継ぎの負担が大きいと感じたら、製品への移行を考える目安の一つです。
製品導入へ切り替える目安と併用の方法
内製の仕組みで運用が回らなくなった場合は、在庫管理システムの導入を検討しましょう。全面的に切り替えるだけでなく、内製の仕組みを一部残して製品と併用する方法もあります。判断の目安と併用の例を紹介します。
切り替えを検討したいサイン
切り替えを考える目安は、棚卸のたびに大きな差異が出る、入力作業に時間がかかり残業が増えている、担当者以外が仕組みを直せないといった状態です。
また、拠点の追加やECサイトの開設など、事業の変化が予定されている場合も検討の時期です。製品を選ぶ際は、内製の仕組みから品目や在庫のデータを取り込めるかを確認しましょう。CSV形式での一括取り込みに対応しているかが、移行の手間を左右します。
販売管理やECとの連携による補完
在庫の記録は製品に任せ、自社独自の集計表や分析用のシートは内製で残す方法もあります。製品からCSV出力やAPI連携でデータを取り出せれば、慣れた形式の帳票を使い続けられます。APIとはシステム同士がデータをやり取りする窓口です。
販売管理システムやECサイトと在庫数を連携させると、受注と在庫の二重入力を減らせます。連携先の対応状況と、連携エラー時の通知や再送の仕組みもあわせて確認しましょう。
内製から切り替えやすい在庫管理システム一覧
Excelや自作ツールでの在庫管理から移行する際の候補を、入力方法や連携先の違いがわかるように整理しました。内製部分を残すか置き換えるかを考える材料として比べてみてください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| zaico | Excelや紙の在庫管理をPCで一元化。現場はスマホでQR・バーコードを読み取り、入出庫や棚卸を記録できる |
| キントーン | ノーコード・ローコードで自社の業務にあわせた在庫管理アプリをつくれる業務改善プラットフォーム |
| スマートF | 製造業向け。在庫管理など必要な機能から小さく始め、後から機能を追加できる。バーコード管理にも対応 |
| タナヨミ | ロケーション・バーコード・ロット・有効期限の管理を標準で備え、運用にあわせたカスタマイズにも対応 |
| アラジンオフィス | 見積・受注・売上から発注・仕入、在庫までを標準機能で管理できるパッケージ。必要な機能のカスタマイズも可能 |
| ネクストエンジン | 受注・在庫管理・商品登録・倉庫連携などを一元管理するEC運営向けのバックヤードシステム |
| らくらく在庫 | ネットショップの複数モール・カート間の在庫数を自動で連動させ、売り越しを防ぐ |
| StockManager | 複数拠点・複数倉庫の在庫を一元管理。バーコード・QRコードでの入出荷検品やロット管理に対応 |
| eee CLOUD | 在庫・受発注・入出荷を一元管理するクラウド型。複数拠点からリアルタイムに利用できる |
| SokoLight | スマホで入出庫や在庫調整ができる在庫管理アプリ。データのインポート・エクスポートで移行を進めやすい |
自作ツールからの移行や併用に向く在庫管理システム
内製した在庫管理の限界を感じたときに、置き換えや併用の候補になる製品を集めました。スマホ入力やノーコード開発、外部サービスとの連携など、自社の残したい仕組みにあうかを確認しながら選びましょう。
zaico
- PCで在庫データを一元管理、現場はスマホでスキャンするだけ
- QR・バーコードとAI読取で、手入力と記入ミスの両方を削減
- クラウド共有で拠点をまたいで最新在庫を確認、属人化を解消
株式会社ZAICOが提供する「zaico」は、Excelや紙で行っていた在庫管理をPCで一元化できるクラウド在庫管理システムです。現場の担当者はスマホでQRコードやバーコードを読み取るだけで入出庫や棚卸を記録でき、転記ミスを減らせます。拠点ごとに権限を設定して複数拠点の在庫をまとめて確認できます。ネクストエンジンなどの外部サービスとの連携や、APIを使った自社システムとの在庫データ連携にも対応しており、使える範囲はプランによって異なります。
キントーン
- AIとノーコードで自社にフィットする在庫管理がつくれる
- 在庫管理以外も様々な業務課題を解決できる
- プラグイン・連携サービスを組み合わせて業務がより効率的に
サイボウズ株式会社が提供する「キントーン」は、ノーコード・ローコードで現場の業務にあわせた業務アプリをつくれる業務改善プラットフォームです。在庫管理向けのアプリでは、在庫数をグラフや集計表で確認したり、製品情報と入出庫履歴を1画面で確認したりできます。プラグインや連携サービスを組み合わせて機能を広げられるため、自社でゼロから開発せずに、自社の管理項目にあわせた在庫管理の仕組みを整えたい企業に向いています。
スマートF
- 在庫管理や工程管理など、必要な機能からスモールスタート可能
- 導入コンサルつきのトライアル可能、既存システムにも柔軟に連携
- バーコード管理やタブレット活用でペーパーレスIoTを実現
株式会社ネクスタが提供する「スマートF」は、製造業向けの在庫管理システムです。在庫管理や工程管理など必要な機能を選んで導入し、後から徐々に機能を追加できるため、手書きやExcelの管理から段階的に移行する進め方に適しています。バーコード管理やタブレットの活用で現場の記録をペーパーレス化でき、導入コンサルつきのトライアルで運用を確かめてから本格導入を検討できます。
タナヨミ
- 【棚管理、バーコード管理を行うことで人的ミスの削減!】
- 【在庫データをリアルタイムに共有】
- 【各企業様の運用に合わせてカスタマイズが可能】
株式会社ロジ・グレスが提供する「タナヨミ」は、システム開発と物流・倉庫業のノウハウを生かして開発された倉庫・在庫管理システムです。ロケーション管理、バーコード管理、ロット管理、有効期限管理を標準で備え、入荷・出荷検品や棚卸の作業に対応します。各企業の運用にあわせたカスタマイズも可能で、導入時には機器の購入から使用環境の整備までサポートを受けられます。
アラジンオフィス
- お客さまの声を反映した完成度の高いパッケージ
- さまざまな業種・業態に対応!5000社を超える導入実績
- 販売・在庫管理だけでなく、豊富なオプション機能をご用意
株式会社アイルが提供する「アラジンオフィス」は、在庫管理に必要な機能を標準搭載したパッケージソフトです。見積・受注・売上・請求といった販売管理の機能と、発注・仕入・在庫管理の機能をひとつのシステムで扱えるため、販売と在庫を別々の仕組みでつないでいる企業の整理に役立ちます。必要な機能はカスタマイズでき、ハンディターミナル連携や会計連携などのオプションも用意されています。
ネクストエンジン (NE株式会社)
- 対応モール・カートが50以上と業界最多
- 6,000社以上の導入実績と5万店以上の支援ノウハウ
- EC運営システムと連携可能
らくらく在庫 (グリニッジ株式会社)
- 複数ECの在庫を最短1分で自動更新し、売り越しを防ぐ。
- CSV一括商品登録で複数店舗の商品登録を効率化。
- 在庫・操作ログ、レポートで管理・分析に活用可。
StockManager (GMOインターネットグループ株式会社)
- 複数拠点・複数倉庫の在庫を一元管理
- ロット・シリアル番号管理に対応
- バーコード・QRコードで入出荷検品
eee CLOUD (テックポート株式会社)
- 受発注・在庫管理をシステムで一元管理
- クラウド型で複数拠点からリアルタイムに利用可能
- シンプルな画面設計とカスタマイズで運用を支援
SokoLight (株式会社TSUNAGU)
- バーコード読み取りで商品登録や在庫管理が可能。
- 入出庫や在庫調整の処理をスムーズに行えます。
- データのインポート・エクスポート機能で移行を円滑に。
まとめ
在庫管理システムの内製は、品目数や拠点が限られる段階であれば、Excelの改良やノーコードツールで始められます。一方で、出荷量や拠点が増えると、動作の遅れや同時編集、引き継ぎの課題が出てくる可能性があります。内製で必要な機能を見極めたうえで、製品導入や併用へ切り替える時期を判断しましょう。自社にあう在庫管理システムを探す際は、複数の製品を資料請求して比較してみてください。

