ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■業務にあわせる方法別
- 設定や項目の追加で対応する:zaico、Convi.BASE(コンビベース)、キントーン
- API連携で他システムとつなぐ:zaico、アラジンオフィス、Convi.BASE(コンビベース)、キントーン
- 個別の改修や開発に対応する:アラジンオフィス、タナヨミ、eeeCLOUD、在庫管理パッケージIWMS
- ■費用の始め方別
オープンソースの在庫管理システムとは
オープンソースは、プログラムの設計図にあたるソースコードを公開し、一定の条件のもとで誰でも利用や改修、再配布ができるようにしたソフトを指します。在庫管理の分野にも、いくつかの形でオープンソースのソフトがあります。
ソースコードが公開されたソフトの意味
オープンソースのソフトは、ライセンスと呼ばれる利用条件の範囲で、無償で入手して使えるものが中心です。中身のプログラムを読めるため、自社のエンジニアが動作を確かめたり、必要な機能を書き加えたりできます。
ただし、無償で使えても、手間がかからないとは限りません。サーバーの用意や初期設定、品目データの登録、トラブル時の調査は利用者が行うのが基本です。提供会社の窓口がある市販の製品とは、前提となる体制が異なる点を理解しておきましょう。
在庫管理専用のソフトとERPの在庫機能
オープンソースの在庫管理には、部品や商品の在庫管理に特化したソフトと、販売や購買、会計まで含むERPの一部として在庫機能を備えたソフトがあります。ERPとは、企業の基幹業務をまとめて管理するシステムのことです。
在庫だけを管理したい場合は専用ソフトのほうが設定項目を絞れますが、受注や発注と在庫を連動させたい場合はERP型が検討対象となります。どちらを選ぶかで、必要な構築作業や運用の負担も変わります。
オープンソースで在庫管理を行うメリット
オープンソースの在庫管理システムには、費用や改修の自由度、データの扱いの面でメリットがあります。ただし、いずれも自社に一定の技術力があることが前提です。ここでは主なメリットを3つ紹介します。
ライセンス費用をかけずに導入できる場合がある
オープンソースの在庫管理ソフトは、ソフト自体の利用料がかからないものが中心です。利用者数や拠点数が増えても、ソフトの利用料が増えない点はメリットといえます。
一方で、サーバーの費用や構築作業の人件費、外部の事業者に支援を依頼する場合の費用は別にかかります。また、無償版とは別に有償の版や商用サポートを用意しているソフトもあります。ソフトの利用料だけでなく、構築と運用まで含めた総額で市販の製品と比べることが大切です。
自社の業務にあわせて改修できる
ソースコードを変更できるため、自社独自の品目の分類や帳票、入出庫の手順にあわせて機能を追加できます。市販の製品では対応が難しい細かな要件にも、技術力があれば手を加えられる点がオープンソースの特徴です。
ただし、改修した部分は自社で保守を続ける必要があります。元のソフトが新しい版を公開した際、改修部分と衝突して更新が難しくなる場合もあります。改修はプラグインと呼ばれる追加部品の形で行うなど、更新への影響を抑える工夫が求められます。
在庫データを自社の環境で管理できる
オープンソースのソフトは自社のサーバーやクラウド上の自社環境に構築できるため、在庫データの保管場所やバックアップの方法を自社で決められます。データベースに直接アクセスして、独自の集計や分析に使える点もメリットです。
その反面、アクセス権限の設定や通信の暗号化、バックアップの運用も自社の責任で行います。データを自由に扱える分、管理のルールを社内で定めておくことが欠かせません。
オープンソースのライセンスで確認したいこと
オープンソースは無償で使える場合でも、ライセンスの条件を守る必要があります。特に、改修したソフトを社外に提供する場合や、自社の製品に組み込む場合は注意が必要です。ここでは代表的なライセンスの考え方を説明します。
GPL系とMIT・Apache系の違い
オープンソースのライセンスは、大きく2つの考え方に分けられます。GPL系のライセンスは、改修したソフトを配布する際に、同じライセンスを適用し、受け取った相手がソースコードを入手できるようにすることを求めるものです。
これに対してMITライセンスやApacheライセンスは、著作権表示などの条件を守れば、改修したソフトのソースコードを公開せずに配布することも認めています。在庫管理ソフトを選ぶ際は、採用されているライセンスの種類を公式サイトやソースコードに含まれるライセンス文書で確認しましょう。
改修してサービスとして提供する場合の注意
社内だけで使う場合と、改修した在庫管理システムを取引先やグループ会社に提供する場合とでは、守るべき条件が異なることがあります。例えばAGPLと呼ばれるライセンスでは、改修したソフトをネットワーク経由で他者に使わせる場合にも、ソースコードの提供が求められます。
ライセンスの解釈には専門的な判断が必要な場面もあります。社外への提供を予定している場合は、法務部門や専門家に確認したうえで進めると安心です。
有償版や商用サポートとの関係
オープンソースのソフトの中には、無償で使えるコミュニティ版と、機能や保守を加えた有償版を分けて提供しているものがあります。有償版では、ライセンスの条件や使える機能が無償版と異なる場合があります。
無償版で検証を始め、本番運用で有償版や開発元の商用サポートに切り替える方法も考えられます。どの機能が無償版に含まれ、どこから有償になるのかを、公式サイトの情報で事前に確かめておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で在庫管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
オープンソースの保守とセキュリティ更新の担い手
オープンソースの在庫管理システムを長く使うには、誰が保守とセキュリティ更新を担うのかを決めておく必要があります。開発元の窓口がない場合もあるため、自社と外部の支援をどう組み合わせるかを考えます。
脆弱性への対応とアップデート
在庫管理システムに脆弱性と呼ばれるセキュリティ上の弱点が見つかると、修正版が公開されます。オープンソースでは、修正版の公開を自社で確認し、検証したうえで適用する作業が必要です。
ソフト本体だけでなく、動作に使っているプログラム言語の実行環境やデータベース、ライブラリと呼ばれる部品も更新の対象です。更新情報を確認する担当と頻度を決め、検証用の環境で動作を試してから本番に反映する手順を整えておきましょう。
開発コミュニティの活動状況
オープンソースのソフトは、開発者のコミュニティによって改良が続けられます。活動が止まると、不具合や脆弱性が修正されないまま残る可能性があるため、採用前に開発の状況を確かめておくことが大切です。
確認する方法として、ソースコードの公開サイトで最終更新日や新しい版の公開頻度、不具合報告への対応状況を見ることが挙げられます。利用者向けの文書やフォーラムが整っているかも、運用中の調べものに役立ちます。
日本語対応と国内の支援事業者
海外で開発されたオープンソースの在庫管理ソフトでは、画面や帳票の日本語表示、日本の商習慣にあわせた設定が十分でない場合があります。翻訳の状況や、税や日付の表記を調整できるかを検証時に確認しましょう。
社内に技術者が少ない場合は、構築や保守を支援する国内の事業者に依頼する方法もあります。ただし、支援の範囲は事業者ごとに異なります。初期構築だけなのか、障害対応や更新作業まで含むのかを契約前に確かめておきましょう。
オープンソースと市販の在庫管理システムの使い分け
オープンソースと市販の在庫管理システムのどちらがよいかは、自社の技術力や求める改修の範囲、運用にかけられる人員によって変わります。ここでは、それぞれが向いているケースを整理します。
オープンソースが向いているケース
オープンソースが向いているのは、社内にサーバーやプログラムを扱えるエンジニアがいて、構築から保守までを継続して担える企業です。市販の製品では対応しにくい独自の要件があり、自社で機能を作り込みたい場合にも検討対象となります。
まず小さな範囲で試験導入し、品目登録や入出庫の操作、更新作業の負担を確かめてから対象を広げる進め方が考えられます。保守を特定の担当者だけに任せず、手順を文書にして複数人で共有しておくことも大切です。
市販の在庫管理システムが向いているケース
システムの保守に人員を割けない企業や、短期間で在庫管理を始めたい企業には、市販の在庫管理システムが選択肢となります。製品によっては、項目の追加といった設定変更やAPI連携、個別の改修で自社の業務にあわせられる場合があります。
費用を抑えたい場合は、無料プランや無料の試用期間がある製品、月額制で利用者数に応じて契約できるクラウド型の製品も比較対象です。保守やセキュリティ更新を提供会社が担う範囲を確認し、オープンソースで自社が負う作業と比べてみましょう。
オープンソースと比べたい在庫管理システム一覧
オープンソースの在庫管理システムと、比較対象となる市販の在庫管理システムを一覧にしました。設定や連携、改修で業務にあわせる方法の違いを確かめる際に役立ててください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| zaico | 独自項目の追加やzaico APIでの連携に対応。現場はスマホのバーコード読み取りで入出庫を記録 |
| アラジンオフィス | 標準機能に加え、導入企業ごとのカスタマイズとAPI連携に対応する販売・在庫管理パッケージ |
| Convi.BASE(コンビベース) | 管理項目を自由に設定できる台帳機能が中心。必要な機能をオプションで組み合わせられる |
| キントーン | ノーコードで在庫管理アプリをつくれる業務改善プラットフォーム。プラグインで機能を拡張できる |
| タナヨミ | ロケーション・ロット・有効期限管理を標準搭載。企業の運用にあわせたカスタマイズにも対応 |
| eeeCLOUD | データ登録数無制限のクラウド型在庫管理システム。カスタマイズやハンディターミナル連携に対応 |
| 在庫管理パッケージIWMS | 受発注から棚卸まで対応する在庫管理パッケージ。企業ごとに機能を追加・変更しやすい |
| SASO | オープンソースの無償在庫管理システム。バーコードや棚番での数量管理、ラベル印刷に対応 |
オープンソースとあわせて検討したい在庫管理システム
保守やセキュリティ更新を提供会社に任せられる市販の在庫管理システムを中心に、オープンソースの在庫管理システムもあわせて紹介します。自社で担う作業の範囲を比べながら検討してみてください。
zaico
- PCで在庫データを一元管理、現場はスマホでスキャンするだけ
- QR・バーコードとAI読取で、手入力と記入ミスの両方を削減
- クラウド共有で拠点をまたいで最新在庫を確認、属人化を解消
株式会社ZAICOが提供する「zaico」は、サーバーの構築や専用機器の購入をせずに使い始められるクラウド型の在庫管理システムです。在庫データはPCで一元管理し、現場ではスマートフォンでQR・バーコードを読み取って入出庫や棚卸を記録します。ロット番号や消費期限などの独自項目を追加でき、zaico APIを使って基幹システムや自社システムと連携することも可能です。製品ページの参考価格はスタータープランの月額8,980円(税込9,878円)からで、有料プランの機能を無料で試せる期間も設けられています。ソフトの保守を自社で抱えずに小さく始めたい企業の比較対象です。
アラジンオフィス
- お客さまの声を反映した完成度の高いパッケージ
- さまざまな業種・業態に対応!5000社を超える導入実績
- 販売・在庫管理だけでなく、豊富なオプション機能をご用意
株式会社アイルが提供する「アラジンオフィス」は、在庫管理に必要な機能を標準で備えた販売・在庫管理パッケージです。製品ページでは導入企業ごとのカスタマイズとAPI連携がいずれも「可」とされており、標準機能で足りない部分を提供会社による改修で補う進め方を検討できます。輸入管理や生産管理、会計連携などのオプションも用意され、操作方法などの問い合わせはサポートセンターが受け付けています。改修部分の保守を自社だけで続けることが難しい場合の比較対象です。対象地域は関東・関西・東海です。
Convi.BASE(コンビベース)
- スマートフォンを利用して入出庫・棚卸しの効率化を実現
- メールアラート機能で発注漏れ・期限切れを防止
- 管理項目は完全自由!柔軟な台帳機能で様々なモノの管理に対応
株式会社コンビベースが提供する「Convi.BASE(コンビベース)」は、備品や貯蔵品、部品、防災備蓄品など、社内のさまざまな物品を管理できるクラウドサービスです。管理項目を自由に設定できる台帳機能を中心に、管理用バーコードラベルの発行やメールアラート、購入・移動・棚卸しなどの履歴管理を備えています。入出庫や棚卸しの管理はオプションとして追加でき、必要な機能を組み合わせて導入できます。プログラムを改修せず、項目の設定で自社の管理対象にあわせたい企業の候補です。
キントーン
- AIとノーコードで自社にフィットする在庫管理がつくれる
- 在庫管理以外も様々な業務課題を解決できる
- プラグイン・連携サービスを組み合わせて業務がより効率的に
サイボウズ株式会社が提供する「キントーン」は、AIとノーコード・ローコードで業務アプリをつくれる業務改善プラットフォームです。在庫管理では、製品マスタと入出庫の記録をアプリで管理し、在庫数をグラフや集計表で確認する使い方ができます。プラグインや連携サービスを組み合わせて機能を広げられるため、プログラミングなしで自社の項目や手順を反映したい企業に向いています。ソースコードを改修するオープンソースと比べる際は、作り込める範囲と、保守にかかる負担を確かめるとよいでしょう。
タナヨミ
- 【棚管理、バーコード管理を行うことで人的ミスの削減!】
- 【在庫データをリアルタイムに共有】
- 【各企業様の運用に合わせてカスタマイズが可能】
株式会社ロジ・グレスが提供する「タナヨミ」は、システム開発会社と物流・倉庫会社のノウハウを生かした倉庫・在庫管理システムです。ロケーション管理やバーコード管理、ロット管理、有効期限管理を標準で備え、在庫データをリアルタイムに共有できます。企業ごとの運用にあわせたカスタマイズにも対応しており、機器の購入から利用環境を整えるまでの導入支援や、運用開始後のサポートも受けられます。改修と保守を外部に任せたい企業の候補です。
eeeCLOUD (テービーテック株式会社)
- データ登録数無制限、月額2万円から利用可能。
- キャンペーン参加で初期費用が0円になります。
- ハンディターミナル連携でリアルタイム入力・誤出荷防止
在庫管理パッケージIWMS (インディビジュアルシステムズ株式会社)
- 受発注から在庫まで管理し在庫金額も確認可能
- マルチデバイス対応で現場リアルタイム更新が可能。
- 企業ごとに機能追加・変更が容易なパッケージ。
SASO (日本標準機構)
- 導入コストを抑えた、無料で使える在庫管理システム
- バーコード等で在庫や棚番を管理し、現状把握を容易にする。
- 入出庫管理で現場の在庫を正確に把握し、業務を支援する。
まとめ
オープンソースの在庫管理システムは、ソフトの利用料をかけずに導入できる場合があり、自社にあわせて改修できる点が魅力です。一方で、ライセンスの条件の確認や、保守とセキュリティ更新の体制づくりは自社で担います。社内の技術力や運用の人員を踏まえ、市販の在庫管理システムとも比べたうえで判断しましょう。保守を任せられる製品も検討したい方は、資料請求で複数の製品を比較してみてください。

