ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■内製と組み合わせる使い方別
- 必要な機能のみのAPI提供を相談する:ビジネスナビタイム輸配送管理クラウド
- 外部連携用のAPIで自社システムとつなぐ:TCloud for SCM、ODIN リアルタイム配送システム
- スマホで動態管理を始める:ビジネスナビタイム輸配送管理クラウド、TCloud for SCM、ODIN リアルタイム配送システム、配車マスター、MOVOVista、ハコベル物流DXシステム
- 自社の業務にあわせてカスタマイズする:ロジックス
自社開発する配送管理システムの構成要素
配送管理システムを内製する場合、事務所の画面だけでなく、配車の計算や車両側のアプリ、地図のデータまで自社で用意する必要があります。まずは、どのような部品で成り立っているのかを整理しましょう。
配車計画とルートを計算する仕組み
配送管理システムの中心にあるのが、どの車両にどの荷物を割り当て、どの順番で回るかを計算する仕組みです。届け先の数が増えると組み合わせの数は急速に増えるため、すべてを試して最短の案を探す方法では計算が終わらなくなります。
そのため、実用的な時間で十分によい答えを探す数理最適化などの手法が使われます。自社で作る場合は、こうした計算手法を理解した開発者が必要です。外部の計算ライブラリを使う方法もありますが、配送業務の条件を組み込む部分は自社で作り込むことになるでしょう。
ドライバーが使うスマートフォンアプリ
ドライバーが配送先や順番を確認し、配達完了を記録するためのアプリも必要です。位置情報を送る機能や、電子サイン、写真の撮影といった現場の機能をここに持たせます。
アプリは、iOSとAndroidのどちらに対応するか、会社支給の端末だけで使うのか、協力会社の端末にも入れるのかで、開発と検証の範囲が変わります。アプリストアを通じた配布や、社内向けの配布の仕組みも整える必要があります。事務所側の画面とは別に、モバイルアプリの開発経験を持つ人材が求められる部分です。
地図と住所のデータ
配車やルートの計算には、道路の情報を含む地図データと、住所を緯度・経度に変換する仕組みが欠かせません。自社で地図データを作ることは現実的ではないため、外部の地図サービスや経路計算のサービスを契約して使う形が中心です。
この場合、利用する回数に応じた料金や、商用利用の条件が利用規約で定められていることがあります。車両の台数や計算の回数が増えたときに費用がどう変わるかを、開発を始める前に見積もっておきましょう。道路の規制や新しい道の反映は、契約する地図サービスの更新に左右されます。
配車ロジックを自社で作るときの壁
内製で特に時間がかかりやすいのが、現場で実際に使える配車ロジックの作り込みです。計算そのものよりも、条件の多さと例外への対応が壁となる場面を見ていきましょう。
現場の制約条件の洗い出し
配車ロジックは、守るべき条件をすべて登録して初めて、現場で使える計画を出せます。届け先の荷受け時間や、車両の大きさ、冷蔵・冷凍の要否、ドライバーの勤務時間など、条件は多岐にわたります。
さらに、「この店舗には同じドライバーが行く」「この道は朝に通れない」といった、記録されていない現場の知識もあります。こうした条件は、開発を始めてから次々に見つかることも少なくありません。配車担当者やドライバーへの聞き取りを複数人に対して行い、条件の一覧を作ってから設計に入ることが大切です。
計算時間と計画の質の両立
配車計画は、前日の夕方や当日の朝など、限られた時間のなかで作る必要があります。条件を増やすほど計算に時間がかかり、出発時刻までに計画を出せないおそれがあります。
計算時間を短くするために条件を省くと、今度は現場で実行できない計画が出てきます。どこまでの質を、何分以内に出せればよいのかという目標を、配車担当者と事前に決めておくことが欠かせません。物量の多い繁忙期を想定して、計算時間を検証しておくことも重要です。
急な変更や例外への対応
配送の現場では、当日の追加注文やキャンセル、車両の故障、ドライバーの欠勤といった例外が起こる場合があります。計画を作り直す機能がないと、配車担当者が手作業で調整する場面が残ります。
内製では、どの例外まで自動で再計算するのか、どこから人が判断するのかを決めて作る必要があります。すべての例外を自動化しようとすると、開発の範囲が広がり続けます。まずは頻度の高い例外から対応し、それ以外は人が修正しやすい画面にしておくという考え方が現実的です。
ドライバーアプリと動態管理を作る際の課題
車両側の仕組みは、事務所の画面と違って、屋外で動く端末と通信環境の影響を受けます。内製する場合に見落としやすい、アプリと動態管理ならではの課題を整理します。
OSの更新や端末機種の違いへの対応
スマートフォンのOSは定期的に更新され、そのたびに位置情報の取得やバックグラウンドで動く処理のルールが変わる場合があります。更新後にアプリが正しく動くかを確かめ、必要に応じて修正する作業が定期的に発生します。
また、利用する端末の機種が増えるほど、検証の手間も増えます。会社で使う端末の機種を絞り、OSを更新する時期を管理する仕組みとあわせて運用することで、検証の範囲を抑えられます。この保守の工数を、開発費とは別に見込んでおくことが大切です。
通信が途切れる場所での動作
配送ルートには、山間部や地下の駐車場、大きな建物の中など、通信が不安定になる場所があります。通信が切れた瞬間にアプリが使えなくなると、配達完了の記録ができず、ドライバーの作業が止まります。
そのため、通信が途切れている間も入力を端末に一時保存し、つながったときに送る仕組みが必要です。送信が重複したり、順番が入れ替わったりしたときの処理も設計しなければなりません。実際の配送ルートで試験を行い、圏外になった場合の動きを確かめておきましょう。
位置情報の取得間隔と電池の消費
動態管理では、車両の位置を一定の間隔で取得してサーバーに送ります。間隔を短くするほど地図上の動きを細かく追えますが、端末の電池の消費や通信量は増えます。
1日中アプリを動かすドライバーにとって、電池が途中で切れることは業務上の支障となります。どの程度の間隔で位置を送れば業務上十分かを決め、車内での充電環境とあわせて検討しましょう。位置情報はドライバー個人の行動を示すデータでもあるため、取得する時間帯や利用目的を社内で決めておくことも必要です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で配送管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
製品のAPIを使って内製の範囲を絞る方法
配送管理システムのすべてを自社で作らなくても、製品の機能を部品として使い、自社の強みとなる部分だけを内製する方法があります。代表的な組み合わせ方を3つ紹介します。
配車計算だけを製品の機能に任せる
1つ目は、配車計算の部分を、API(システム同士をつなぐ窓口)で提供されている製品の機能に任せる方法です。自社のシステムから届け先や車両の条件を送り、計算された配車計画を受け取って自社の画面に表示します。
計算手法の開発を自社で抱えずに済み、受注や請求といった自社独自の業務の作り込みに開発者の時間を使えます。ただし、登録できる条件の種類や、1回に計算できる件数の上限は製品によって異なります。自社の外せない条件を送れるかを、仕様書や検証で確認しましょう。
ドライバーアプリと動態管理は製品を使う
2つ目は、OSの更新対応が続くドライバーアプリと動態管理を製品に任せ、事務所側の業務システムを自社で作る方法です。端末側の保守を製品の提供会社が担うため、内製チームはモバイルアプリの検証から手を離せます。
この場合は、製品から配達完了や位置の情報を自社のシステムへ取り込めるかが重要です。APIで取り込めるのか、CSVファイルの出力に限られるのかによって、自社システムに反映されるまでの時間が変わります。データの項目や更新の頻度を事前に確認しておきましょう。
カスタマイズ可能な製品を土台にする
3つ目は、カスタマイズに対応した配送管理システムを土台にして、自社に必要な機能を追加してもらう方法です。運賃の計算ルールや帳票の形式など、自社に特有の部分だけを個別に開発します。
ゼロから作るよりも開発の範囲を抑えられる一方で、カスタマイズした部分は製品のバージョンアップのときに影響を受けるおそれがあります。追加した機能の保守を誰が担うのか、バージョンアップ時の費用がどうなるのかを、契約前に提供会社へ確認しておくと安心です。
内製した配送管理システムを保守し続ける体制
内製した配送管理システムは、稼働してからが長い付き合いの始まりです。業務や制度の変化にあわせて手を入れ続けられるよう、保守の体制をあらかじめ考えておきましょう。
制度改正や業務変更への追随
配送業務は、労働時間に関わる制度の影響を受けます。例えば、2024年4月からは自動車運転の業務にも時間外労働の上限規制が適用され、あわせて改正された改善基準告示の適用も始まりました。こうした制度の変更があると、配車ロジックで考慮するドライバーの勤務条件を見直す必要が生じます。
荷主の追加や配送エリアの拡大、新しい車両の導入といった業務の変化も、そのたびに改修の対象となります。改修の要望を受け付け、優先順位をつけて対応する流れを決めておくことが大切です。
担当者の異動や退職に備えた引き継ぎ
内製のシステムは、開発した担当者の頭の中にしか仕様がない状態になりやすい面があります。担当者が異動や退職をすると、配車ロジックの意図がわからず、修正できなくなるおそれがあります。
そうならないよう、仕様書や設計の判断理由を文書に残し、ソースコードの管理と変更の履歴を共有しておくことが欠かせません。開発と保守を複数人で担当し、外部の開発会社に支援を頼める体制もあわせて用意しておくと、急な交代にも対応しやすくなります。
自社開発の範囲を絞るときの製品の特徴一覧
配車計算やドライバーアプリ、動態管理のうち、どこを製品に任せられるかに着目して、この記事で紹介する配送管理システムを一覧にしました。内製の範囲を決める前の比較に使ってください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| ビジネスナビタイム輸配送管理クラウド | 必要な機能のみのAPI提供が可能。ドライバー向けナビも搭載 |
| TCloud for SCM | 車載端末不要でスマホ動態管理。外部連携用APIを標準提供 |
| ODIN リアルタイム配送システム | スマホアプリと管理システムで動態管理と配送計画を利用 |
| ロジックス | 高いカスタマイズ性があり、受注から請求まで一元管理 |
| 配車マスター | スマホとGPSで車両位置や進捗をリアルタイムに把握できる |
| MOVOVista | 配車計画から動態、請求管理までを一元管理できる |
| ハコベル物流DXシステム | スマホアプリ連携で配車計画から請求管理まで一元管理 |
APIやアプリで内製を補う配送管理製品
すべてを自社で作らず、必要な部分だけを製品で補う場合の候補を紹介します。API提供やスマートフォンアプリ、カスタマイズの可否は、検討時に資料で確認しておきましょう。
ビジネスナビタイム輸配送管理クラウド
- 経路検索技術を活かした、効率的な配送計画をかんたんに作成
- 今の車両位置だけでなく、正確な到着予想時刻もわかる動態管理
- 大型車の車格を考慮した高性能なカーナビ
株式会社ナビタイムジャパンが提供する「ビジネスナビタイム輸配送管理クラウド」は、管理者向けの配車計画や動態管理と、ドライバー向けの大型車ナビや検品をそろえた配送管理システムです。倉庫管理や受注管理、基幹システムとの連携を相談でき、必要な機能のみのAPI提供にも対応しています。自社で作る範囲を絞り、必要な機能だけをAPIで取り込む方法を検討したい企業が比較したい選択肢です。
TCloud for SCM
- 専用の車載端末など機器不要でスマホとネット環境のみで利用可能
- 長年の経験で培ったノウハウを詰め込んだ配送業務システム
- リアルタイムに位置・作業情報を送信し、配送状況を可視化
都築電気株式会社が提供する「TCloud for SCM」は、専用の車載端末が不要なクラウド型システムです。ドライバー向けのスマホアプリには作業登録や検品、メッセージ送受信の機能があり、管理者は動態管理や配送予実管理を使えます。外部システムと連携するAPIも標準サービスで提供しています。アプリの開発や保守を避けつつ、自社システムとつなぎたい企業の候補です。
ODIN リアルタイム配送システム
- 効率の良い配送ルートで無駄を省き、売上アップ!
- 配送の進捗がリアルタイムでわかる運行管理システム
- 最大年間530万円のコスト削減、配送品質向上の為の機能が豊富
株式会社オンラインコンサルタントが提供する「ODIN リアルタイム配送システム」は、ドライバーがスマートフォンにアプリを入れると、管理者が位置情報と速度をクラウド上で確認できる配送システムです。Android端末やiPhone、iPadで使え、API連携は有償プランで相談できます。端末側のアプリと動態管理の基盤を自社で作らず、既存の製品に任せたい企業の選択肢です。
ロジックス (アセンド株式会社)
- DX実現を専門家が徹底支援し定着化をサポート
- 高いカスタマイズ性で貴社独自の仕様に柔軟に対応可能
- 法改正対応で安心して利用可能
配車マスター (ネットロック株式会社)
- スマホで車両位置と進捗をリアルタイムに把握可能。
- 計画から実行・改善までを一貫管理できる仕組み
- 配送データの収集・分析により業務改善を支援
MOVOVista (株式会社Hacobu)
- 配車計画の自動作成で工数削減とコスト最適化
- 車両位置・運行状況をリアルタイムに可視化
- 輸配送の請求管理まで一元化可能
ハコベル物流DXシステム (ハコベル株式会社)
- 日野自動車グループが開発した物流DXシステム
- 配車計画・運行管理・請求管理を標準搭載
- スマホアプリ連携で情報共有を円滑化
まとめ
配送管理システムの内製では、配車計算のロジックと、ドライバーアプリの開発・保守が大きな負担となりやすい部分です。現場の制約条件の洗い出しや、OSの更新、通信が途切れる場所への対応まで見込んだうえで、自社で作る範囲を判断しましょう。製品のAPIやカスタマイズを組み合わせれば、内製の範囲を絞ることも可能です。組み合わせに使える製品を比べたい方は、配送管理システムの資料請求を活用してください。

