マルチパートメールとは
マルチパートメールの概要を説明します。
受信者の環境に合わせたメール配信のこと
マルチパートメールとは、HTMLメールとテキストメールをひとまとめにして送信できるメールのことです。
近年活用する人が多いHTMLメールは、受信者の環境によって届かない場合があります。マルチパートメールは、このようなケースでテキストメールを表示できるようにした技術です。「HTMLメールを受信できない場合はテキストメールを表示させる」など、受信環境ごとにメールを最適化することが可能です。
通常のメールとは構造が異なる
マルチパートメールの特徴は以下の2点です。
- ●メールヘッダ部分の「Content-type」が「multipart/alternative」
- ●テキストメールとHTMLメールを一緒に記載するため、
「boundary」でそれぞれの境界を指定している
受信側のメールソフトでは、「boundary」で指定された箇所をもとに、テキストメールとHTMLメールのどちらを表示するか決めます。ちなみにテキストメールでは、「Content-type」が「text/plain」となっており、「boundary」で境界を指定しません。

マルチパートメールのメリット
マルチパートメールを配信するメリットを紹介します。
HTMLメールを拒否している人にも送れる
マルチパートメールは、HTMLメールを拒否している人・受信できない人にも、同一内容のテキストメールを表示できます。従来のように「HTMLメールを受信できない人にはメールが届かない」ということもありません。したがって、すべての人に商品のメリットや自社の情報を伝えられます。
メルマガは受信者が求める内容のメールを送れて初めて運用する意味があります。受信環境がネックになっている状態では、顧客に対し満足のいくアプローチができません。よってマルチパートメールのように、どんな環境にも対応できる配信手法が重要となるのです。
受信ブロックや迷惑メール判定を減らせる
HTMLのみのメールは、悪意のあるプログラムを仕込みやすいので、受信ブロックや迷惑メール判定を受ける可能性があります。一方テキストメールは、悪意のあるプログラムを仕込む隙がなく、セキュリティ的に安心です。
したがって、両者を組み合わせて配信できるマルチパートメールを導入すれば、受信ブロックや迷惑メール判定を最大限減らせます。
開封率を調べられる
マルチパートメールのHTMLメールは、開封解析用のオブジェクトを埋め込めるため、メールの開封率を調べられます。件名や本文がユーザーの興味関心に合ったものだったかどうか知りたいときにおすすめです。そのほか、メールの反応率がよいタイミングを分析するのにも活用できます。
マルチパートメールの作成方法
マルチパートメールは、メール配信システムで作成するのが一般的です。
一般的なメールソフトは、ソースの編集に対応しておらず、マルチパートメールの作成ができません。また、誤送信や個人情報の流出対策に関する機能がないため、メルマガを安全に配信するのも困難です。
メール配信システムなら、メールのソース情報を編集し、マルチパートメールを柔軟に作成することが可能です。誤送信や個人情報の流出に関する対策も万全なので、異なるアドレスのユーザーに対し、メールを一斉送信できます。また、グループ別の配信やメールアドレスのリスト化など、各種機能も豊富です。
メリットの多いマルチパートメールを作成・配信しよう
マルチパートメールは、HTMLメールとテキストメールを同時に配信できます。以下のようなメリットを得たい場合に、導入を検討してください。
- ■HTMLメールを拒否している人にも送りたい
- ■受信ブロッや迷惑メール判定を減らしたい
- ■メールの開封率を調べたい
マルチパートメールの特徴を理解して、効率的に配信しましょう。
