ストレスチェックサービスとは
ストレスチェックサービスとは、企業に代わって従業員のストレス度数を調査する外部サービスや、ストレスチェックのスムーズな進行をサポートするツールを指します。
厚生労働省が令和3年に実施した調査によると、メンタル不調を起因として退職もしくは1か月以上の休業を行った労働者が在籍している事業者の割合は、前年比約1%増の10.1%でした。このうち1か月以上休業した労働者がいた事業者の割合は8.8%、退職した労働者がいた事業所の割合は4.1%と、どちらも前年より微増しています。
ストレスなどによる精神障害の労災請求件数の増加を背景として、平成27年12月の労働安全衛生法改正により、企業における従業員のストレスチェックが義務化されました。常時50人以上の労働者を雇用している事業所は、年1回必ずストレスチェックを実施し、その結果を労働基準監督署に報告しなければなりません。報告を怠ると、最大50万円以下の罰金が課されるため注意が必要です。
参考:令和3年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況|厚生労働省
参考:改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について|厚生労働省労働基準局安全衛生部 労働衛生課産業保健支援室
企業におけるメンタルヘルス対策の課題や対策方法については、以下の記事からご覧いただけます。
ストレスチェックサービスを委託するメリット
ストレスチェックサービスを活用するメリットについて解説します。
法に準拠した運用ができる
ストレスチェック制度の実施には、厚生労働省が推奨する57問の「職業性ストレス簡易調査票」や専用のマニュアルが用意されています。また、実施後の労働基準監督署への報告書の提出も欠かせません。
専門の外部サービスやツールを活用することで、改正労働安全衛生法や厚生労働省が定めるマニュアルに準拠したストレスチェックの運用が可能となるでしょう。
結果分析が効果的に行える
義務化によりストレスチェックは実施しているものの、知識やノウハウがなく分析にまで手をつけられないという企業も多いようです。
ストレスチェックサービスでは、分析機能やサービスを搭載したものもあります。ストレスチェックのデータを活用して分析を行えれば、労働者のメンタルヘルス改善に限らず社内の労働環境をはじめとした社内改善にもつなげられるでしょう。
社内の負担を軽減できる
ストレスチェックでは、定期的に従業員とミーティングを開催したり、精神的なサポートを行ったりするなど、さまざまな業務を実施しなければなりません。厚生労働省が指定する研修を受けた医師や保健師などがいない場合は、別途採用活動も必要になるでしょう。しかしストレスチェックの経験やノウハウのない企業が、ストレスチェック後のケアを行ったり、必要な人材を確保したりするのは簡単ではありません。
ストレスチェックサービスを用いれば、社内の担当者の業務負担を軽減できます。また、中には各種レポートの配布や医師による面接指導などを代行しているところも多くあるため、ストレスチェック後のケアも任せられるでしょう。
従業員が安心して受検できる
社内でストレスチェックを実施すると、意図的に回答を調整したり、受検そのものを断念したりする従業員もでてきます。これは、結果を上司や同僚に知られるのではないかと不安に思うことが原因です。ストレスチェックは、多くの従業員に正確な回答をしてもらわなければ意味がないため、安心して受検できる環境づくりは非常に重要です。
外部委託では自社とは関係ない第三者企業がストレスチェックを行います。したがって、結果が社内に漏えいする心配がありません。人事権をもつ者にストレスチェックの結果を秘匿できるため、立場の弱い従業員も安心して受検できます。
以下のボタンから、ストレスチェックサービスにおける最新の月間ランキングが確認できます。あわせてご覧ください。
ストレスチェックサービスの選び方
ストレスチェックサービスを利用する際、自社に合ったストレスチェックサービスを選定するポイントについて解説します。
受検方法は選べるか
対象者が多ければ多いほど、専用の用紙またはWeb上と、受験方法が選べることが重要です。またWeb受検の場合、パソコンやスマホなどの端末を問わず受検できるとよりよいでしょう。パソコン操作に不慣れな従業員が多い企業などは、従業員ごとに選べるサービスを選択することをおすすめします。
そのほか外国人労働者の多い企業であれば、複数言語から選択できると便利でしょう。
代行可能な範囲はどの程度か
担当者の負担軽減や受験者数の拡大など、導入目的によってどのようなストレスチェックサービスが自社に適しているのかは異なります。そのため、ストレスチェックサービスに対して求める要件を導入前に洗い出しておきましょう。
例えば従業員自身のセルフケア対策を重視している企業は、メンタルヘルスケアやハラスメントケア、職場改善などの教育制度が充実しているサービスが適しているでしょう。また、自社の負担軽減が目的であれば、代表実施者と実施事務従事者のどちらも代行可能か、従業員からの問い合わせ窓口の有無などは確認しておきたいところです。
高ストレス者へのフォロー体制は整っているか
ストレスチェックの結果「高ストレス状態」にあると判定された労働者から申し出があった場合、産業医や医師による面接指導の実施が義務づけられています。症状によっては慎重なフォローが必要となり、担当者の負担はより大きいでしょう。
そこで高ストレス者へのフォロー体制が整ったサービスなら安心です。面接指導受付から面接の手配や結果の報告まで、どこまでを委託できるか確認しておきましょう。
セキュリティが確保されているか
受検者と実施事務従事者のみが結果にアクセスできるようになっているかも重要です。ストレスチェックの結果は個人情報が多く含まれるので、外部に漏えいしないよう配慮する必要があります。
最低でも5年間安全に受検者の個人情報やストレスチェックの結果を保存してくれるところを選びましょう。一定の個人情報保護レベルが認証されている「Pマーク」を取得しているサービスがおすすめです。
おすすめのストレスチェックシステムを比較
ここからは、自社で実施するストレスチェックのサポートとして役立つツールを紹介します。
《Geppo》のPOINT
- 課題を可視化!個人のパルスサーベイと組織診断を低コストで
- リクルートとサイバーエージェントの社内サーベイをベースに開発
- 継続率98%!さまざまな業界・組織で価値を実感されています
「Geppo」は株式会社リクルートが提供しており、個人のパルスサーベイに加え組織診断も可能な点が特徴です。毎月3問の設問に応えるだけで従業員のコンディションを把握できます。
高ストレス者判定の従業員には、訪問やオンラインで産業医が対応します。そのほか、衛生委員会への必要書類の作成や日程調整なども看護師によるサポートが可能です。
対象従業員規模 |
すべての規模に対応 |
対象売上規模 |
すべての規模に対応 |
対応エリア |
全国 |
参考価格 |
基本プラン:初期費用50,000円、月額30,000円~ |
おすすめのストレスチェック委託サービスを比較
ここからは、ストレスチェックの実施を外部に委託できるサービスを紹介します。
《ストレスチェック》のPOINT
- 事務局業務全て”まるごと” アウトソーシングできる「楽ちん感」
- 「57項目」「80項目」どちらの診断方法にも対応
- web診断以外のマークシート等紙媒体にも対応(web+紙の併用可)
株式会社ジェーピークリエイトの「ストレスチェックサービス」は、実施者の選定からストレスチェックの実施、集団分析まで一括したサポートを提供しています。事業者専用の電話回線を設置したり、事業所・受検者・実施者の窓口を代行したりすることも可能です。
外部企業の窓口を利用するため、自らの意思で面接指導の申し出を行いづらいという人でも、安心して医師や保健師のサポートを受けられます。
対象従業員規模 |
すべての規模に対応 |
対象売上規模 |
すべての規模に対応 |
対応エリア |
全国 |
参考価格 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《リモート産業保健》のPOINT
- 業界最安値水準月額3万円から
- WEB版ストレスチェック無料
- 産業看護師付き充実のメンタルケアサポート
株式会社エス・エム・エスの「リモート産業保健」は、メンタルケア対策が充実しているストレスチェックサービスです。産業医と産業看護職の2名体制となっているため、メンタル不調を自覚していない従業員の精神的なリスクも早期に発見できます。従業員のメンタルケア対策を充実させ、休職者や退職者を減らしたい企業におすすめです。
また、小規模の拠点が各地に点在している場合でも、オンラインと訪問カウンセリングをうまく組み合わせて、従業員のメンタル不調を防止できます
対象従業員規模 |
すべての規模に対応 |
対象売上規模 |
すべての規模に対応 |
対応エリア |
全国 |
参考価格 |
初期費用50,000円、月額30,000円~ |
自社に適したストレスチェックサービスを比較・導入しよう
ストレスチェックサービスは、ストレスチェックの実施や結果通知、集団分析などを効率化する機能が豊富に搭載されています。実施者や関係者の負担を大幅に軽減できるため、社内にストレスチェックのノウハウがない企業や、実施者となる人材がいない企業は積極的に活用しましょう。
ベンダーごとに費用や内容を比較・検討して、自社に適したストレスチェックサービスを導入してください。