ビジネスチャットの5つのデメリット
ビジネスチャットにより社内のコミュニケーションを活発化できます。一方で、デメリットも存在します。ここでは、ビジネスチャットツールの主なデメリットを5つ紹介し、それぞれのデメリットへの解決方法を解説していきます。
1.社内教育コストの発生
ビジネスチャットツールは、人によっては使いこなすのに時間がかかります。
導入後、社員がツールに慣れるまでには、それなりの時間が必要です。この段階がうまくいかないと、特定の人物しかツールを利用せずに導入が失敗に終わるリスクにもなります。また、インターフェースが使いにくいツールでは、社員が使わなくなってしまいます。
社員のサポート体制を事前に準備して解決
ビジネスチャットをスムーズに導入するうえで、ツールを活用するためにかかる社員の教育コストを最低限に抑えることは重要です。このためには、ツールを直感的に使える人とそうでない人がいることをあらかじめ想定し、説明会や質問の受付などのサポートや教育の準備をしておく必要があるでしょう。
2.既存ツールとの競合
すでに様々なコミュニケーションツールが十分整備されている組織へのビジネスチャットツールの導入は、既存のツールと競合してしまい、逆に業務効率が悪化する恐れが生じます。
具体的には、新しいツールを増やすことで現場が目的に応じてツールを使い分ける手間が増え、ツールの利用と業務が停滞してしまうのです。また、複数のツール利用は情報の分散を引き起こすリスクも想定されます。
ツールの使い分けを明確にして解決
もし既存ツールとの併用を考えるのであれば、様々なシーンにおいてどのツールを使うかという判断の必要をなくすために、ツールの使い分け方を明確にしましょう。例えば、業務内容ごとで「これまでの案件は既存ツールを利用する」「新規案件のみ新しいツールを利用する」といったルールを設けることが重要です。
3.対面コミュニケーションの減少
仕事上でのコミュニケーションを、何でも社内SNSやビジネスチャットツールで済ましてしまうと、社内の人と対面でのコミュニケーションが減少する可能性があります。
また、文字だけでのやり取りだけでは、メッセージの内容について解釈の違いが起きてしまうことも考えられます。
ビデオ通話機能を利用して解決
多くのビジネスチャットにはビデオ通話機能が搭載されているので、文字や絵のみでの伝達が困難な時でも情報を迅速かつ正確に伝えることが可能です。 さらに、自分が参考にした画像や映像は、そのURLを送れば相手も確認することができます。
また、業務上での重要なやり取りをする時には、口頭でのやり取りも交えて確認するようにすればよいでしょう。
4.無駄なコミュニケーションの増加
2つのツールをそれぞれの目的や運用方法を明確に決めずに導入した場合、業務報告とプライベートの垣根がないコミュニケーションツールになる可能性があります。導入当初は、少なかったプライベートの呼びかけやメッセージが、やがて業務連絡をしのぐ勢いになるケースもあるでしょう。
業務とプライベートの区別が必要
このような状況を防ぐためには、導入前段階で社員にビジネスチャットツールの利用目的が業務におけるコミュニケーションの活性化にあるということを理解してもらう必要があります。メッセージの内容の管理は難しいため、導入には社員が業務とプライベートをきちんと切り分けられる自律した組織であることが前提です。
5.過度なコミュニケーションの横行
ビジネスチャットツールを利用すると、いつでも簡単に連絡を取ることができるようになります。これは便利な一方で、帰宅後や、有給休暇中などでも連絡が来る可能性があることを意味します。人によっては、無用な精神的プレッシャーを感じ精神的・身体的な疲れが発生する可能性があります。
また、ビジネスチャットツールは手軽にコミュニケーションが取れる分、コミュニケーションの量が必然的に多くなります。そのため頻繁に送られてくるメッセージに気が向いてしまい、仕事への集中力が低下するなど、生産性の低下を招く恐れもあるのです。この点も注意しなければならないでしょう。
通知制限機能を活用して解決
しかし、そもそもこのような問題はビジネスチャットツールに限らず、携帯電話や電子メールにもあったものです。
ビジネスチャットツールであれば、連絡の通知を制限する機能があるため、集中できる環境を作ることができます。
Slackであれば「おやすみモード」、Chatworkであれば「プッシュ通知オフ設定」を活用しましょう。
ビジネスチャットの3つのメリット
これまでビジネスチャット導入のデメリットとその対策方法を紹介しましたが、ここではビジネスチャットを導入するとどのようなメリットがあるのかを簡単に解説します。
1.場所・時間を問わず会議をできる
ビジネスチャットはその性質上、目的別のページに多くの人が参加し同時に会話をすることができます。チャットに参加している全てのメンバーが会話の内容を確認できるので、いつでもどこででも会議ができるのとほぼ同じ状況を実現します。
2.情報共有をスムーズにできる
プロジェクトの進行において、緊急の対応が求められるシーンは必ずあります。ビジネスチャットであれば各管理者がプロジェクトの進捗を報告した際にチャットメンバー全員が確認できるので、誰が何に対応しなければならないのかを明確にすることができます。
3.コミュニケーションが楽になる
ビジネスチャットでのやり取りでは、メールのやり取りにおいて必ず必要になる冒頭の定型文がいらないことに加え、自分の送信したテキストの修正・消去を行うことができるので、気軽に利用することができます。
ビジネスチャットのデメリットを理解して、より効果的な活用を
ビジネスチャットツールを効果的に利用するためにはデメリットを理解し、対策することが重要です。「何のためにビジネスチャットを導入するのか?」「導入した結果どうなりたいのか?」などの目的意識を持つことで、ムダのない必要な情報が飛び交い業務の効率化にも貢献するツールとして活用されるでしょう。