企業が動画をユーザーに配信する方法
企業がPCやiPhoneから動画を配信するにはどうすればよいのでしょうか。
ダウンロード配信
ダウンロード配信は、古くから用いられてきた方法です。HTTPサーバから動画ファイルを完全に端末へダウンロードしてから再生します。一度ダウンロードしてしまえばオフラインでも視聴できるのが魅力です。
ただし、ダウンロードが終わってからでないと再生できないため、待ち時間が長いのが弱点です。さらに、ダウンロードされたデータはそのまま端末に保存されます。そのため、二次利用や再配布のリスクがあり、セキュリティ面で劣っているといえます。
プログレッシブダウンロード配信
プログレッシブダウンロード配信は、ファイルをダウンロードしながら再生する方式です。通常のダウンロード配信のように、ダウンロードの完了を待つ必要がないのが魅力です。コストもあまりかからないので、多くの動画配信サイトで利用されてきました。
ただし、端末にデータが保存される点は変わりません。また、ライブ配信のようなリアルタイム性のある動画配信に不向きである点も同じです。
ストリーミング配信
ストリーミング配信は、ストリーミングサーバと呼ばれる専用サーバを用いて動画を配信する方式です。プログレッシブダウンロード配信と同じくダウンロードと同時に再生できますが、端末にデータが残りません。そのため、セキュリティ面で優れている方式といえます。
また、ストリーミング配信は、リアルタイム配信とオンデマンド配信に大別されます。
リアルタイム配信
リアルタイム配信とは、その名の通りリアルタイムで動画や音声を配信することです。結婚式やコンサートのライブ映像などに用いられる方式です。生放送であるため、早送りや巻き戻しといった操作はできません。
オンデマンド配信
オンデマンド配信とは、すでに録画された映像をストリーミング配信することです。ユーザーが望んだ時に視聴でき、巻き戻しなどの操作も可能です。配信側は動画ファイルをサーバにアップロードしておき、ユーザーはそこにアクセスすることで視聴できます。
企業が動画を配信する対象
企業が動画を配信する際、どのような対象が考えられるのでしょうか。
一般向け(パブリック)
一般向けに配信することをパブリック配信と呼びます。パブリック配信では不特定多数の視聴者に動画を公開することになります。企業の広報PRや製品紹介向きの方法です。
ただし、パブリック配信されたものは意図しない形で利用されたり、著作権に抵触したりと、いくつかの問題が考えられます。公開する内容には充分注意しなければなりません。
企業内向け(クローズド)
従業員教育マニュアル動画や製品情報など、企業内部でのみ視聴する動画もあります。以下のような方法で動画を共有できます。
- ■指定のIPからしかアクセスできないサイトに配置する
- ■企業内部ネットワークで共有する
- ■IDとパスワードで制限する
いずれにしても、外部に情報が流出しないよう注意が必要です。外部の人間がアクセスできないのはもちろんのこと、視聴した従業員が簡単に再配布できないことも大切です。
外部へ情報を発信!おすすめの動画配信サービス3製品
パブリック配信を行う際の、おすすめ動画配信サービスを3つ紹介します。(4月17日時点)
YouTube Live(リアルタイム・ストリーミング)
YouTubeではリアルタイムのストリーミング配信も可能です。利用料金が無料でありながら、画質や音質に制限がありません。さらに、求められる作業がシンプルで、アプリから直接動画を投稿できる手軽さも人気の理由です。
ツイキャス
正式にはTwitCastingと呼ばれるサービスです。ビデオカメラやマイクが不要で、スマートフォンから直接投稿できるのが魅力です。また、気軽にコメントできるため、ユーザー・リスナー間でのコミュニケーションが活発です。
ニコニコ生放送
ニコニコ生放送では、30分間の生放送が可能です。無料会員ではできないため、月額540円の有料会員になる必要があります。アンケートなど、リスナーとコミュニケーションをとるツールが多彩なのが魅力です。
企業内で情報伝達!おすすめの動画配信システム6製品
おすすめの動画配信システムを6つ紹介します。(4月17日時点)
IPアドレスや地域を指定した動画の限定公開や配信時間の設定が可能なため、社員研修などに適しています。視聴者数や視聴時間、離脱ポイントなどのデータも取得できるため、特に動画マニュアルの効果把握などに役立つでしょう。
necfru Media Cloud の比較ポイント
- AWSパートナーが提供する動画配信ソリューション
- 想定されているほぼ全ての動画サービスが可能(資料参照)
- 配信〜コンテンツ管理まで、動画関連の仕組みは何でも構築可能
ユーザーの状態に適したシステムを構築するサービスです。すでに利用しているCMSと連携して動画投稿をスムーズにするなど、柔軟性が高いのが魅力です。オンデマンドだけでなく、リアルタイム配信にも対応しています。
アップロードした動画ファイルを簡単に管理・編集できます。IDやパスワードにより、視聴者だけでなく管理者や編集者の権限も設定できるのが特徴です。さらに、映像・ユーザーごとに視聴履歴を分析する機能も備えています。
C-stream の比較ポイント
- 月額料金5,000円からの超低価格
- 動画投稿からエンコード、ログ出力まで管理サイトから簡単に可能
- 動画配信用会員サイト(E-learningASP)も+5,000円/月で利用可能
スマートフォンやタブレットに対応し、配信方式が自動で切り替わるため、時間や場所を選ばず動画を視聴できます。また、関連リンク・SNS動画共有機能により、動画の視聴を促進することも可能です。
さらに、タグ配置サイトのホスト制限もできるため、不正な配信の防止につながります。
MP4やMPEG動画、ビデオ、PowerPoint、PC画面などの配信が可能です。視聴者の画面は自由にカスタマイズできます。また、視聴者が入力した質問に回答し、全員に公開する機能も備えています。社内研修などで役立つでしょう。
プレイヤーが作動するサイトを指定できるため、不正なサイトで動画が配信されるのを防げます。また、IPアドレスによって視聴者を制限することも可能です。さらに権限はアカウントごとに細かく設定できるため、セキュリティに優れているといえるでしょう。
動画配信の目的や対象を明確にして、適切な情報伝達を!
動画配信には以下の3種類があります。
- ■ダウンロード配信
- ■プログレッシブダウンロード配信
- ■ストリーミング配信(リアルタイム・オンデマンド)
企業が動画を配信する対象は、パブリックとクローズドの2種類に大別されます。それぞれどのような配信方法が適しているかは異なるため、配信目的・対象を意識して検討しましょう。ぜひ参考にして、適切な情報伝達を実現してください。