
動画配信システムの市場規模は?
動画配信システムの市場規模を見ていきましょう。
2015年度は77億円と増加傾向
ITRの調査によると、2015年の売上金額は77億円です。73億円だった前年度と比べ、6.6%の増加となりました。この市場拡大には、以下のような要因が考えられています。
- ■動画配信量拡大
- ■企業や学校での教育利用増加
- ■ビジネスでの活用増加
2020年度には100億円を超える予測
同社は、2020年度には100億円を超えると予想しています。ビジネスにおける活用の拡大傾向がその要因です。
特に製造業では、作業を動画に残してノウハウを継承しようという動きが活発化しているといいます。このような流れがあるため、今後も市場は順調に成長すると考えられます。
参照:ITR Market View:LMS・動画配信システム市場2017 | ITR
動画配信システムの市場が拡大した要因は?
動画配信システムの市場が拡大した要因を、詳しく見ていきましょう。
オンライン動画視聴者の増加
ネットで動画を視聴する人が増えたことが要因の1つです。
スマートフォンが普及し、多くの人が手軽に動画を視聴できるようになりました。特に無料の動画共有サービスは日本を含め、多くの国で利用が拡大中です。総務省の平成28年版のデータによると、動画共有サービスを今後も利用したいと答えた割合は7割に上ります。
またその流れを受け、近年ではSVOD(定額制動画配信サービス)などの有料動画サービスも普及しつつあります。その結果、動画配信事業者の売上が増加し、動画配信システム利用の増加につながりました。
参照:平成28年版 情報通信白書|ネット動画視聴の広がり|総務省
組織内での利用が拡大
組織内での利用拡大も要因の1つです。具体的には、企業では以下のような場面での活用が広がっています。
- ■製品デモンストレーション
- ■営業トークのロールプレイング
- ■作業動画マニュアル
- ■研修動画
- ■社員教育(コンプライアンス、ハラスメントなど)
動画でノウハウを共有すれば、時間や場所の制約を受けません。特に、多数の事業所や店舗を持つ企業では効果を発揮するでしょう。また、一度作成した動画は再利用できるため、その講義や実演を行うよりコストが安く済みます。
このような背景から企業での利用が拡大しつつあります。
商用での販売促進利用が拡大
販売促進利用も拡大しています。たとえば、ECサイトでの商品紹介に用いられます。オンラインショップの利用者は増加しましたが、実際に商品が見られないため躊躇する人も少なくありません。購入し、想定していたものと違った場合はトラブルに発展することもあるでしょう。
そこで、動画で商品の特徴や使い方を紹介することで、販売促進と苦情・トラブルの減少が期待できます。
市場規模が鈍化する可能性は?
動画配信システムの市場成長を妨げる要因として懸念されるのが、無償サービスの存在です。インターネットで動画を視聴する敷居を下げた点では、動画配信システム市場規模拡大に寄与しています。しかし、無償サービスの存在があまりに大きくなると逆効果です。
特に、YouTubeはネットユーザーの8割が利用しています。企業でも動画配信にYouTubeを活用することが増え、有償サービスの単価下落要因となっています。
そのため、今後の有償動画配信サービスにとって重要なのは、無償サービスとの差別化です。どのようなアドバンテージを打ち出せるかがカギとなります。
市場情報を分析して、的確な意思決定を!
動画配信システムの市場規模は2015年段階では増加傾向にあります。市場拡大には以下の要因が考えられます。
- ■オンライン動画視聴者の増加
- ■組織での利用拡大
- ■商用での販売促進利用拡大
無償サービスの利用拡大により、有償サービスの単価は下落傾向にあります。しかし、市場規模拡大自体は今後も持続すると予測されています。そのため、動画配信システムの利用を積極的に検討してみてはいかがでしょうか。
