ストリーミングサーバとは
ストリーミングサーバとは、動画ファイルをダウンロードしながら同時に再生するストリーミング配信で利用されるサーバのことです。ストリーミング配信では、専用のサーバであるストリーミングサーバを使い、動画ファイルをパケット単位で細分化し、端末のメモリに蓄積して動画を再生します。視聴後はメモリからパケットは削除されるので、端末に動画は残りません。
プログレッシブ配信という方法でも動画をダウンロードしながら再生できますが、ストリーミングサーバは使用しません。プログレッシブ配信にはWebサーバが用いられ、動画ファイルをダウンロードして端末に保存しながら動画を再生します。端末に動画が残るので、動画を複製される恐れがあるなどセキュリティ面でやや劣るでしょう。
リアルタイムのライブ通信で使われることが多い
端末にデータを残さずに動画配信ができるストリーミング配信ですが、「ライブ配信」と「オンデマンド配信」に分けられます。ライブ配信は生放送で動画を配信する方式で、ウェビナーなどで活用されています。対してオンデマンド配信は録画した動画を配信する方式で、eラーニングなどに役立つでしょう。
特にライブ配信においては、アクセスが集中しても動画を再生できることが求められ、負荷に耐えられるサーバが必要です。ストリーミングサーバは、通信速度を自動的に調整し、スムーズに通信を行うのでライブ配信する際には欠かせません。
動画配信システムの多くは、ストリーミングサーバが使えるようになっており、サーバの管理をベンダーに任せられることが多いです。本記事ではストリーミング配信ができる動画配信システムを紹介しています。▼ストリーミング配信可能!動画配信システム比較もぜひご覧ください。
ストリーミングサーバとWebサーバの違い
ストリーミングサーバとWebサーバの最大の違いは、時間軸の情報の有無です。Webサーバは、ブラウザからのアクセスに応じてデータを返すことで、Webサイトの閲覧を実現します。この方式でやり取りできるのは静的データであり、時間的な概念はありません。
一方、ストリーミングサーバでは、動画の早送りや巻き戻しなど、時間軸の情報を要する動的なやり取りが可能です。そのほか、ストリーミングサーバではデータ通信に無駄が生じにくく、PC内にキャッシュが残らないといった特徴があります。
LinuxやWindowsを使ったストリーミングサーバの構築方法
個人や小規模組織でストリーミング配信を行う際には、LinuxやWindowsでストリーミングサーバを構築すると経済的です。その方法を見ていきましょう。
Linux:nginxで構築する
まず、nginxをインストールしましょう。
nginxをインストールするためのツールとRTMPモジュール、nginxのソースをダウンロードしビルドします。続いて、配信側の設定を行います。RTMPで配信できるソフトウェアであればなんでも構いません。URLとストリームキーを設定し、配信開始できます。
最後に配信確認を行いましょう。設定したURLとストリームキーでストリームを開き、動画を再生します。
Windows:Raspberry Piとカメラモジュールで構築する
WindowsではRaspberry Pi(ラズパイ)とカメラモジュールを利用して構築するのが一般的です。
まず、ラズパイ上で動画配信サイトを構築し、パソコンで閲覧できるようにしておきます。続いて、カメラをラズパイに取り付け、SSH接続で認識させましょう。その後、ラズパイOSに再度SSH接続し、カメラの映像が正しく出力できるか確認しましょう。
最後に、mjpeg-streamerをインストールして起動し、動画を配信します。配信サイトにアクセスし、正しく動画が配信されているか確認しましょう。
ストリーミング配信可能!動画配信システム比較
小規模であればセルフでサーバ構築しても良いですが、大規模な場合はストリーミング動画配信システムを利用したほうがよいでしょう。そこで、おすすめの動画配信システムを比較しやすいように紹介します。
necfru Media Cloud の比較ポイント
- 従来の⾼すぎる動画配信事業コストを⼤幅ダウン
- 想定されているほぼ全ての動画サービスが可能(資料参照)
- 既にシステムをお持ちでも組み込み可能
特徴 |
価格 |
無料トライアル |
拡張性が高く、サポートも充実 |
別途お問い合わせ |
ー |
株式会社ネクフルの「necfru Media Cloud」は、AWSサーバを利用した動画オンデマンド/ライブ配信ソリューションです。AWSとは、Amazonが提供するクラウドサービスのことで、クラウドを介してサーバを利用するので低コストになります。加えて、AWSサーバに障害が発生した場合は復旧対応を任せられます。そのほか、大規模動画配信サイトでの配信やライブチャットとECサイトの融合などができ、拡張性の高さも魅力でしょう。
Kaltura の比較ポイント
- ライブ・VOD配信等、急増するオンライン業務にも安心の定額制!
- KALTURAは最高水準の強固なセキュリティ+安定配信+高品質
- たった1分で誰でも簡単に「伝わる」「学べる」動画を作成!
特徴 |
価格 |
無料トライアル |
動画作成や視聴数などの分析を行える |
4,380,000円~ |
ー |
「Kaltura」は、アシストマイクロ株式会社が提供する統合動画プラットフォームです。動画の配信のほか、作成や編集、視聴数などの分析を行えます。カテゴリ分類やプレイリストにより、動画を分かりやすい形で管理し、メディアタイプや日付などの項目を基に検索できるため目的の動画を見つけるのが簡単です。さらに、地域やIPアドレスを指定した、限定的な動画配信も可能です。
viaPlatz(ビアプラッツ) の比較ポイント
- 社内のノウハウや技術映像、説明会などの動画を社員に配信
- 配信するグループ(組織や役職など)の設定がコンテンツ毎に可能
- いつでも、どこでも、簡単に利用可能
特徴 |
価格 |
無料トライアル |
クローズド配信向け |
別途お問い合わせ |
ー |
NTTテクノクロス株式会社が提供する「viaPlatz(ビアプラッツ)」は、社内研修やセミナーでの活用に適した動画配信システム・映像配信サービスです。動画と資料の連動表示や切り替え、月単位の視聴ログの取得などの機能を搭載しています。また、コンテンツごとに視聴できる人の設定が可能で、セキュリティ対策も行えます。
メガDOGA の比較ポイント
- 低価格かつ最短1営業日以内に利用開始できる動画配信システム。
- 研修や教育、セミナー、動画販売など幅広く活用が可能。
- 様々な目的の動画配信に対応できる機能が標準搭載。
特徴 |
価格 |
無料トライアル |
最短1営業日以内に導入できる |
30,000円~100,000円 |
◯ |
株式会社カテノイドが提供する「メガDOGA」は、2週間のフリーコースが用意されているVOD動画配信プラットフォームサービスです。フリーコースは無料のトライアルとして使えます。また、導入は最短1営業日以内で完了し、最低利用期間は1ヶ月からなので手軽に利用できるでしょう。なお、動画配信のほか動画販売も可能で、アクセスIP制限やSSL通信などのセキュリティ対策も万全です。
フレッツ・キャスト の比較ポイント
- 大容量の4K映像データ等がスムーズに配信可能な高スループット
- 社内重要情報も閉域接続でセキュアな通信が可能!
- 東日本エリアのフレッツ光契約の方へ一斉配信ができます!
特徴 |
価格 |
無料トライアル |
フレッツ光を契約しているユーザー向け |
440,000円~ |
ー |
東日本電信電話株式会社が提供する「フレッツ・キャスト」は、NTT東日本エリアの「フレッツ光」を契約しているユーザーに映像などの大容量コンテンツを配信できるネットワークサービスです。NGN網という閉鎖的なネットワークを通じて、データを配信するので、セキュリティが高いという特徴があります。なお、配信エリアを全国に広げたい場合はオプションとなり、4Kコンテンツの配信や独自ドメイン管理なども柔軟に対応してくれます。
ソーシャルキャスト の比較ポイント
- 採用実績250サイト以上!様々なケースでご採用いただいています
- 様々な販売方法や視聴制限に対応!動画販売・限定公開が行えます
- デザイン変更が自由!オリジナルの動画サイトが作れます
特徴 |
価格 |
無料トライアル |
自社仕様の動画サイトを構築できる |
別途お問い合わせ |
ー |
「ソーシャルキャスト」は、株式会社ストランダーが提供する動画サービス構築システムです。250サイト以上での導入実績があり、動画の限定公開や販売などを行えるサイトを構築できます。独自ドメインでのサイト運営やサイトデザインのカスタマイズが可能で、自社仕様のサイトをつくれるでしょう。なお、動画販売は、1本売りやセット販売、サブスクリプションなどさまざまな方法に対応しており、会員管理機能も充実しています。
C-stream の比較ポイント
- 月額料金5,000円からの超低価格
- 動画投稿からエンコード、ログ出力まで管理サイトから簡単に可能
- 動画配信用会員サイト(E-learningASP)も+5,000円/月で利用可能
特徴 |
価格 |
無料トライアル |
配信データ量に応じた料金プラン |
月5,000円~ |
ー |
「C-stream」は、株式会社大宮商会が提供するストリーミング配信サービスです。ひと月に10GBの動画を配信する場合、5,000円という低コストで利用できるうえ、同時配信数や配信動画容量に制限はありません。動画の配信方法も簡単で、HTMLタグのプレイヤーを出力し、それを動画配信サイトに貼り付けるだけです。タグ配置サイトのホスト制限機能があるため、不正も防げるでしょう。また、SNSでの動画共有など便利な機能も備えています。
「02 STREAM」は株式会社 USEN ICT Solutionsが提供する動画配信システムです。登録した動画情報を取り出すAPIやプレイヤー動作を制御するAPIに対応しています。そのため、動画をシステムに追加するとページにも自動で反映させられます。また、iOSで撮影した動画をそのままスマートフォンからアップロードできるアプリがあるのも特徴です。
特徴 |
価格 |
無料トライアル |
手軽に利用したい企業向け |
別途お問い合わせ |
◯ |
プレミアコンファレンシング株式会社が提供する「GlobalMeet® ウェブキャスト」は、使い勝手の優れたユーザーインターフェースにより、技術者がいなくても利用できる動画配信サービスです。ブラウザで視聴と配信ができ、視聴制限も可能なのでセキュリティ面も安心でしょう。また、視聴者に向けたリマインダーメールやアンケート調査など、便利な機能が充実しているのも特徴です。無料トライアルでぜひお試しください。
「MediaPack」は株式会社サイト・パブリスが提供する動画配信システムです。わかりやすく直感的なUIが特長で、複雑な配信設定も不要。動画を登録すれば、システムが配信ワークフローを自動化してくれます。また高度なアナリティクス機能が搭載されており、動画の平均再生時間などを計測できるのも魅力です。
まだまだある!人気の動画配信システム比較
そのほかの動画配信システムも紹介します。
ハルシステム
初期費用0円で動画のストリーミング配信を始められます。申し込み後即日でストリーミング配信できるため、すぐに効果を実感できるのが特徴です。さらに、24時間のメールサポートにも対応しており、専門知識がなくても利用できます。
SmartSTREAM ストリーミングサーバーレンタル(ライブ配信)
大規模なライブ配信に適したサービスです。信頼性の高いデータセンターにシステムを設置し、大容量・高速通信に対応できるのが魅力です。また、プランが複数用意されているため、必要な機能だけを使えてコスパが良いといえるでしょう。
動画配信システムを導入してストリーミング配信を行おう
ストリーミングサーバは、ストリーミング配信に利用するサーバで、ライブ配信には欠かせません。Webサーバとの最大の違いは、時間軸の制御が可能であることです。
小規模の動画配信を行うのであれば、LinuxやWindowsでストリーミングサーバを構築することもできます。しかし、大規模で利用する場合はストリーミング配信対応の動画配信システムの導入がおすすめです。適したストリーミングサーバを導入してストリーミング配信を行いましょう。