動画マニュアルとは
動画マニュアルとは、業務手順や操作方法などを動画で解説したものを指します。従来、業務マニュアルや製品マニュアルには文章を用いるのが一般的でした。しかし、最近ではパソコンやタブレットを使用して動画マニュアルを見せる形式が増えています。
動画マニュアルの特徴は、内容を視覚的に伝えられることです。文章や画像だけではわかりにくい、細かな動きやニュアンスなども伝えられます。また、音声やテロップなどを用いることで短時間で効率よく情報を伝えられるため、近年多くの企業から注目を集めています。
動画マニュアルの種類
ここでは、動画マニュアルの種類について紹介します。
- ■業務手順マニュアル
- 新しく入社する社員やアルバイトに、仕事の流れや作業手順、仕事の全体像などを効率よく説明するために作成する。
- ■研修マニュアル
- 名刺の渡し方や顧客対応の仕方など、実際の動作を見ることでより再現しやすくするために作成する。
- ■営業マニュアル
- 新人営業マンや営業チームのスキル向上を目的に、トップ営業マンの話し方や表情、リアクションなど、細かい動きやニュアンスを伝えるために作成する。
- ■製品のチュートリアル
- 製品やサービスの基本的な使い方や組み立て方、操作方法などをわかりやすく解説するために作成する。
動画マニュアルを作成するメリット
動画マニュアルは、従来の文章マニュアルと比較して以下のようなメリットがあります。
- ●技術や手順を正確に伝えられる
- ●学習履歴を確認できる
- ●コストを削減できる
- ●場所や時間を問わず視聴できる
- ●言語の壁を乗り越えられる
技術や手順を正確に伝えられる
「紙やPDFのマニュアルに従って作業したが、うまくいかなかった」という経験をしたことがある方は多いでしょう。文章による表現では細かい動きやイメージを伝えるのが難しく、マニュアルを見ても理解できない場合があります。
一方、動画マニュアルは作業に伴うすべての動きを伝えることが可能です。作業者が無意識に行っている動きさえも漏れなく伝えられるため、見た人の理解度が高まります。さらに、反復学習しやすいのもメリットの一つです。文章を何度も読み返すよりも、動画をみるほうが気軽に復習でき、習熟度が高まりやすいでしょう。
学習履歴を確認できる
紙やPDFのマニュアルでは、学習状況を管理するのが難しく、本人に意欲がなければ、ほとんど読まれずじまいになるかもしれません。
一方、動画マニュアルであれば再生履歴が可視化されるため、学習者が学習したのかどうかを把握できます。適切に学習が進んでいないようなら、リマインドメールなどによる催促も可能です。一人ひとりの学習状況を管理し、適切にフォローすることで、理解度や習得度にバラつきが少なくなり、職場全体の業務標準化や品質維持につながります。
コストを削減できる
紙のマニュアルを印刷して製本する場合、人数分の印刷費用がかかります。 また、場合によっては遠隔地にいる学習者への郵送が必要となり、郵送費が発生します。一方、動画マニュアルの場合は動画データを共有するだけで完結するため、保管場所も必要とせず、印刷費用や郵送費の削減が可能です。
さらに、チェーン展開している店舗で共通の研修内容を動画化すると、基本的な仕事の流れや注意すべきポイントなどを新人に教える時間が削減され、研修コストの削減にもつながります。
場所や時間を問わず視聴できる
動画マニュアルはオンライン上のサーバーやクラウドに保存されるケースが多いため、PCやダブレット、スマートフォンさえあれば時間や場所を問わず、マニュアルを視聴できます。また、マニュアル動画は繰り返し再生して納得ができるまで何度も見直せるため、自分のペースで学習できるのもメリットです。
言語の壁を乗り越えられる
近年、外国人労働者を雇用する機会が増えています。しかし、外国人労働者への教育では言葉の壁があり、微妙なニュアンスを伝えきれない、マナーが説明しにくいなどといった問題が発生します。そこで、動画マニュアルを視聴してもらえば、文字をほとんど使わなくても情報を視覚的に伝えられるため、言葉の壁を越えた教育が可能です。また、マニュアルを利用する外国人労働者にとっても、実際の動作を見たほうが業務内容を理解しやすいでしょう。
動画マニュアルを活用するデメリット
優れた特徴をもつ動画マニュアルも、メリットばかりではありません。ここでは、動画マニュアルのデメリットを紹介します。
- ●検索性に優れない
- ●詳細情報を伝えにくい
- ●機器を使いこなせない人にとって学習しにくい
検索性に優れない
文章によるマニュアルは検索性が非常に優れています。マニュアル中に出てくる言葉にもとづいて検索をすれば、すぐに目的の情報へたどり着けるでしょう。一方、動画マニュアルはタグ付けやタイトル設定を適切にしておかなければ、目的の動画が探しにくくなります。
また、文章ならば目次などをもとに検索すればよいですが、動画ではどのタイミングで何が解説されているのか把握できません。「▲分△秒~◆分◇秒までは機能Bの解説」のようにメモを残しておく必要があります。
詳細情報を伝えにくい
動画コンテンツは、視聴者に視覚的イメージを伝えることを目的としているため、細かい情報は省略して作られるケースがあります。詳細まで漏れなく盛り込もうとすれば、動画の時間は非常に長くなるでしょう。
視覚的イメージの把握と詳細の理解を両立させたいのであれば、動画マニュアルの情報を文章で補完するのが有効です。また、全体像を伝える動画と、補足・詳細を解説する動画に分けて用意しておき、必要に応じて視聴できるコンテンツを準備するのもよいでしょう。
機器を使いこなせない人にとって学習しにくい
動画コンテンツに親しみがある若年層にとっては、文章よりも動画マニュアルのほうが扱いやすいでしょう。しかし、電子機器を使い慣れていない人にとっては、機器を使うこと自体がハードルとなり、学習の意欲が損なわれるかもしれません。
また、「動画を再生できない」「目的の動画が見つからない」など、導入後にトラブルが生じ、対処に時間がかかる可能性もあります。
理想的なのは、学習者がそれぞれに適したスタイルで学習できる環境です。動画マニュアルも整備しつつ、従来の紙によるマニュアルも使えるようにしておけば、誰もがスムーズに学べるでしょう。
動画マニュアルの活用場面
ここでは、動画マニュアルのメリットを積極的に活かせる場面を紹介します。
- ■採用活動
- 採用活動では自社の魅力を求職者にアピールする必要がある。動画マニュアルなら、視覚的に魅力を伝えられるため、興味を惹きつけられる。
- ■販促
- 自社の製品の魅力を伝えるには、まずは興味を持ってもらうことが大切。興味を惹きやすく、イメージを伝えやすい動画マニュアルが適している。
- ■顧客サポート
- 動画を用意しておけば、顧客は自分で問題を解決しやすくなる。結果的に問い合わせが減り、対応負担が軽減する。
動画マニュアルを配信するには動画配信システムがおすすめ
制作した動画マニュアルを活用するには、動画の配信環境を構築する必要があります。YouTubeなどの無料で動画を配信できるサービスもありますが、ビジネスで利用する際には、セキュリティに優れた「動画配信システム」の活用をおすすめします。
動画配信システムとは、インターネットを利用して社内外に動画を配信するためのシステムです。無料の動画配信サービスが不特定多数の視聴者への情報伝達を目的としているのに対し、動画配信システムはセキュアな環境で安定した高品質の動画を配信することに特化しています。また、動画配信機能だけでなく視聴状況を確認できる機能や動画ポータルサイトの構築機能、動画制作機能などが搭載された製品もあり、動画マニュアルの効果的な活用に役立つでしょう。
なお、おすすめの動画配信システムについては、以下の記事で価格や特徴を比較しています。選び方についても紹介しているのでぜひ参考にしてください。
必要に応じて動画マニュアルを活用しよう
動画マニュアルには、「短時間で効率よく情報を伝えられる」「細かな動きやニュアンスを的確に伝えられる」などのメリットがあります。ただし、動画マニュアルには向き不向きもあるため、紙のマニュアルとの併用も考えながら動画マニュアルのメリットを最大限に活かせる方法を検討しましょう。
また、動画マニュアルを配信するには、セキュリティに優れた「動画配信システム」がおすすめです。以下のボタンより動画配信システムの一括資料請求が可能なため、ご興味のある方はぜひご利用ください。