ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■提供形態別
- ■料金体系別
クラウド型の動画配信システムの仕組みと提供形態
クラウド型の動画配信システムは、動画の保存から変換、配信までを、提供会社のインターネット上の基盤で行います。自社で用意するものが少ない反面、提供形態によって自由度が異なります。
保存と変換と配信を担う基盤
クラウド型では、アップロードした動画を、視聴する機器にあわせた形式や画質に変換し、保存してから配信します。この一連の処理を、提供会社の基盤が担うため、自社でエンコード用のサーバーを用意する必要がありません。
変換にかかる時間や、対応する動画の形式、画質の種類は製品によって異なります。自社で撮影する動画の形式や長さを提供会社に伝え、問題なく取り込めるかを確認しておきましょう。
CDNによる配信の分散
CDNとは、動画の複製を、複数の拠点にあるサーバーに置き、視聴者に近い拠点から配信する仕組みです。距離による遅延を抑えられ、1か所のサーバーにアクセスが集中するのを防ぎやすくなります。
クラウド型の動画配信システムには、CDNを組み込んでいる製品があります。CDNの利用が基本料金に含まれるか、配信量に応じて別途課金されるかは、製品によって異なります。
SaaS型と配信基盤を借りる型の違い
SaaS型は、提供会社が用意した管理画面から動画を登録・配信する形態です。動画の管理や視聴分析などをまとめて利用でき、配信システムを自社開発する必要がありません。製品によっては、視聴ページの作成やデザインの変更にも対応しています。
一方、APIなどで配信基盤を自社システムに組み込む方式は、既存の会員管理や認証機能と連携しやすい点が特徴です。SaaS型でもAPI連携に対応する製品があるため、両者は必ずしも別の提供形態ではありません。自社で開発・保守できる範囲を踏まえて選びましょう。
クラウドで備える動画配信システムの配信負荷
動画の配信は、視聴者が増える時間帯に負荷が集中しやすい処理です。クラウド型は能力を調整しやすい一方、調整の範囲や条件を事前に確認しておく必要があります。
ライブ配信の同時視聴数
ライブ配信では、開始時刻になると視聴者が一斉に接続するため、同時視聴数が急に増えます。オンデマンド配信より負荷の波が大きく、事前に見込んだ人数を超えると、映像が途切れる可能性があります。
製品によって、同時に視聴できる人数の上限や、上限を引き上げる方法が異なります。大きな配信を予定している場合は、見込みの視聴者数を提供会社に伝え、対応できるか、事前の申請が必要かを確認しましょう。
視聴が集中する時間帯の動作
社内研修の動画が、始業後や研修期間の初日に、一斉に再生される場合も、負荷が集中します。クラウド型は、利用が増えたときに処理の能力を自動で増やす仕組みを持つ場合がありますが、製品によって対応は異なります。
能力を増やすまでに時間がかかる場合は、再生の開始が遅れる可能性があります。過去のアクセス状況を想定し、集中する日時を事前に提供会社へ共有しておくと、備えてもらえる場合もあります。
視聴者の場所や機器の違い
視聴者が全国や海外に分かれている場合、拠点から遠い視聴者ほど、再生の開始が遅くなったり、映像の乱れが起きたりする可能性があります。CDNの拠点がどの地域にあるかは、確認したい項目です。
また、スマートフォンやパソコンなど、視聴する機器や回線の速度に応じて、画質を自動で切り替える仕組みもあります。対応しているか、切り替えの段階がいくつあるかを、試用で確かめましょう。通信が不安定な環境でも、映像が止まりにくくなる効果が期待できます。
動画配信システムの課金体系と費用の見方
クラウド型の動画配信システムは、課金の方式によって、費用の見通しやすさが変わります。視聴量が増えたときの費用の動き方を、あらかじめ試算しておきましょう。
従量課金と定額プランの違い
従量課金は、視聴時間や配信したデータ量に応じて費用が決まる方式です。視聴が少ない月は費用が抑えられますが、視聴が増えた月は想定より高くなる場合があります。
定額プランは、月額が固定されるため、予算を立てやすい方式です。ただし、保存容量や配信量に上限があり、超えた場合に追加の費用が発生する場合や、上位のプランへの変更が必要になる場合があります。
初期費用とオプション費用
クラウド型の動画配信システムでは、月額料金に加えて初期費用やスポット費用、オプション料金が発生する場合があります。独自ドメインの設定や外部システム連携、同時ライブ配信数の追加など、必要な機能によって費用が変わります。
見積もりを比べる際は、配信流量やストレージ容量の上限に加え、初期設定や保守・サポートが基本料金に含まれるかも確認しましょう。利用開始時と運用開始後の費用を分けて整理すると、総額を比較しやすくなります。
視聴量が増えたときの試算
費用は、現在の視聴量だけでなく、視聴者や動画の本数が増えた場合も見込んで試算します。例えば、視聴者が2倍になった場合に、従量課金ならどの程度の費用になるかを、提供会社に試算してもらう方法があります。
試算の前提には、動画の平均の長さと、1人あたりの視聴時間を使います。社内で利用状況を記録して、試算の根拠を持っておくと、契約の見直しの際にも役立ちます。視聴データを管理画面から出力できる製品なら、集計の手間も抑えられます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で動画配信システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
社内向け配信で見落としやすいネットワークの条件
クラウド型の動画配信システムを社内で使う場合、配信側の能力が十分でも、社内ネットワークの状態によって、再生が不安定になる場合があります。社内の条件も確認しておきましょう。
社内回線の帯域とインターネット出口
社内の複数の従業員が同じ時間に動画を再生すると、社内からインターネットへ出る回線に負荷がかかります。回線の帯域が不足すると、動画配信システム側に問題がなくても、再生が止まる場合があります。
同時に視聴する人数と、動画の画質から、必要な帯域を概算できます。回線の余裕に不安がある場合は、画質を下げて配信する、視聴する時間帯を分けるなどの対応を検討しましょう。
社内ネットワークの制限への対応
社内のファイアウォールやプロキシは、動画配信に使う通信を制限する場合があります。クラウド型の動画配信システムを利用するには、提供会社が指定する通信先を許可する設定が必要になる場合があります。
設定の変更は、情報システム部門やネットワークの管理者への依頼が必要です。変更の承認に時間がかかる企業もあるため、早めの相談が安心です。導入の検討の段階で、提供会社から必要な通信の条件を聞き、社内の担当者に早めに共有しておきましょう。
クラウド型の契約前に確認しておく事項
クラウド型は、提供会社の基盤に動画を預けるため、障害時の対応や、契約を終えるときのデータの扱いも確認が必要です。契約前に確認する項目を整理します。
障害時の対応と稼働の案内
クラウド型では、提供会社の基盤に障害が起きると、自社では復旧の作業ができません。障害の発生時にどのような方法で知らせるか、復旧の目標時間を示しているかを確認しておきましょう。
稼働率の目標値を示す提供会社もありますが、数値の算出方法や、補償の範囲は異なります。重要な配信がある場合は、障害時に代わりの配信手段を用意できるかも、あわせて検討します。
データの保管場所と契約終了時の取り出し
動画データを保管するサーバーの国や地域は、社内の規程や取引先の要件によっては、確認が必要です。保管場所を選べる製品と、選べない製品があります。
契約を終える際に、動画を元の形式でダウンロードできるか、取り出せる期間はいつまでかも確認しましょう。取り出しに別の費用がかかる場合もあるため、乗り換えを想定した条件を、契約前に確かめておくと安心です。
クラウド型動画配信システムの提供形態と特徴
クラウド型の動画配信システムを、提供形態や料金体系、配信機能の違いから比較します。配信量の増加に伴う費用や、外部システムとの連携にも注目しましょう。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| ソーシャルキャスト | 専用サーバーを企業ごとに構築。アカウント数・配信流量・保存容量による従量課金がなく、API連携にも対応 |
| ULIZA | 配信流量や同時ライブ配信数に応じたStandard・Proプランを提供。視聴分析やAPI連携にも対応 |
| ネクプロ | ライブ・疑似ライブ・オンデマンド配信を一元管理。視聴分析やCRM連携に対応するSaaS型 |
| SmartSTREAM | ライブ・オンデマンド配信に対応。用途別の2プランを用意し、30日間の無料トライアルも提供 |
| Mediapack | AzureとCDNを利用したSaaS型。API連携やマルチビットレート配信に対応し、保守・サポート費用は月額に含む |
配信負荷と料金の見え方で選ぶ製品紹介
配信基盤の安定性や料金体系、外部システムとの連携などに注目して、クラウド型動画配信システムを紹介します。
ソーシャルキャスト
- 動画ビジネスに不可欠な仕組みがこれ1つで揃う
- 収益化を可能にする動画コンテンツの課金機能
- 動画の販売・視聴分析や販売戦略の立案をフォローするAIアシスト
株式会社ストランダーが提供する「ソーシャルキャスト」は、動画販売や限定配信に強みをもつ動画配信サービス構築システムです。導入企業ごとに専用サーバーを構築するため、他社のアクセス集中の影響を受けにくい点が特徴。アカウント数や動画配信流量、データ保存容量による従量課金がなく、販売手数料も発生しません。APIによる外部システム連携や、独自ドメイン・デザインのカスタマイズにも対応しています。提供形態はオンプレミス、クラウド、SaaS、ASPから選べ、参考価格は月額36,000円からです。
ULIZA
- 動画ビジネスをサポート。豊富な実績と知見で安定配信を実現
- ビジネスを加速する動画配信に必要な機能を多数搭載
- 経験豊富な専門スタッフによるストレスのないテクニカルサポート
株式会社PLAYが提供する「ULIZA」は、大規模なライブ配信やオンデマンド配信に対応するクラウド型の動画配信プラットフォームです。Standardプランは月額50,000円からで、配信流量1,000GB/月、ストレージ容量500GB、同時ライブ配信1本に対応。Proプランは月額100,000円からで、配信流量2,000GB/月、同時ライブ配信3本まで利用できます。視聴データの分析や配信サイトの作成、アクセス制限、チャット機能も搭載。マルチWEB APIによる外部システム連携はオプションで提供しています。別途スポット費用も設定されているため、詳細は確認が必要です。
ネクプロ
- 多様な配信方法+豊富な機能で一元管理
- 視聴行動を把握し、CRMとも連携可能
- メディアサイト構築も簡単。会員制、有料制などにも対応
株式会社ネクプロが提供する「ネクプロ」は、ウェビナーや動画配信、イベント管理を一元化できるクラウド型の動画配信プラットフォームです。ライブ配信、疑似ライブ、オンデマンド配信に対応し、ブラウザベースで動作するためアプリのインストールは不要です。申込フォームやアンケート、メール配信、視聴履歴の分析なども備え、SalesforceやHubSpotなどのCRMとも連携可能。会員制・有料制のメディアサイトも構築でき、ウェビナーから継続的な情報発信まで支援します。料金は問い合わせが必要です。
SmartSTREAM (NTTスマートコネクト株式会社 )
- 動画配信に必要な機能をまとめてご提供!マルチアングルも対応
- 動画コンテンツの機密性に配慮した、セキュアな配信を実現!
- 短期利用も可能!申し込みから3営業日程度で利用開始。
Mediapack (株式会社サイト・パブリス)
- CDNを用いた大規模配信やマルチビットレート配信に対応
- APIでLMSやCMSとシームレスに連携
- コードを埋め込むだけで自動的にマルチデバイス対応
まとめ
動画配信システムをクラウドで運用するなら、提供形態、配信負荷への備え、課金体系を確認することが大切です。社内向けの配信では、社内の回線や通信の制限も影響します。契約前に障害時の対応やデータの取り出し方も確かめたうえで、自社にあう動画配信システムを資料請求で比較しましょう。

