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- ■導入目的別
- ■倉庫の運営形態別
WMSの目的は倉庫の「場所と数」を正しく保つこと
WMSの目的を理解するには、在庫管理システムとの違いと、倉庫で起きている課題を押さえることが近道です。ここでは、WMSが担う役割と、目的が生まれる背景を整理します。
在庫管理システムとWMSで異なる管理の単位
在庫管理システムは、主に品目ごとの在庫数や入出庫の履歴を管理し、発注や棚卸の判断に使われます。一方でWMSは、倉庫の中の棚番地(ロケーション)単位で在庫を管理し、入荷から格納、ピッキング、出荷までの作業を指示し、記録するシステムです。
つまり、WMSの目的は「いくつあるか」に加えて「どこにあり、誰がどう動かしたか」を把握することにあります。倉庫内の作業を正確に回すことに重点がある点が、在庫管理システムとの大きな違いです。在庫の数だけを把握したい場合は、在庫管理システムで足りるケースもあるため、目的を先に整理しておきましょう。
WMSの導入目的が生まれる倉庫の課題
WMSの導入を考えるきっかけには、在庫が帳簿上はあるのに棚で見つからない、似た商品の取り違えで誤出荷が起きる、ベテランしか商品の置き場所がわからない、といった課題があります。
こうした課題は、紙のリストや記憶に頼った作業、在庫の移動が記録されない運用、商品数や出荷件数の増加など、複数の要因が重なって起こるケースがあります。WMSは作業の記録と指示をシステムに集めることで、これらの要因を一つずつ減らす役割を担います。どの課題を最も解消したいかが、そのまま導入目的の優先順位につながります。
WMSの4つの目的と期待できる変化
WMSの導入目的は、大きく在庫精度の向上、出荷品質の向上、作業生産性の向上、荷主や取引先への情報提供の4つに分けられます。それぞれの目的で、倉庫の何が変わるのかを見ていきましょう。
在庫精度を高めて欠品や過剰在庫を減らす
1つ目の目的は、帳簿上の在庫数と棚にある実際の数の差を小さくすることです。WMSでは入荷や格納、移動のたびにロケーションと数量を記録するため、棚と帳簿のずれが起こりにくくなります。
在庫の数が正しくなると、販売部門は受注時に引き当て可能な数を信頼でき、購買部門も余分な発注を控えられます。賞味期限やロット番号を管理する商品では、先入れ先出しの指示が行えるかどうかも、在庫精度の目的に含めて考えるとよいでしょう。
検品の仕組みで誤出荷を防ぐ
2つ目の目的は、出荷する商品と数量の間違いを減らすことです。ハンディターミナルで商品のバーコードを読み取り、出荷指示と照合する検品方法を使えば、目で見て確認するよりも取り違えに気付きやすくなります。数量の入力誤りも、指示数との照合で見つけられます。
誤出荷は、返品や再発送の手間だけでなく、取引先からの信頼にも関わります。ただし、バーコードが付いていない商品や、ケースとバラが混在する商品では照合の方法を工夫する必要があります。自社商品の表示状態を確認したうえで、検品方法を選びましょう。ラベルを新たに貼る場合は、その作業を誰がどの工程で行うかも決めておく必要があります。
作業生産性を上げて属人化を抑える
3つ目の目的は、少ない手間で多くの出荷をこなせるようにすることです。WMSは、ピッキングの順路を考えたリストの作成や、複数の注文をまとめて集める方法の指示により、作業者の歩く距離を減らす工夫ができます。
また、商品の場所や作業手順を画面で示すため、経験の浅い作業者やスポットのスタッフでも作業に入りやすくなります。作業者ごとの処理件数を記録できれば、繁忙期の人員配置を計画する材料としても使えます。作業の標準化が進めば、手順の見直しや教育の計画も立てやすいでしょう。
目的別に確認したいWMSの機能
目的が決まると、確認すべき機能も絞り込めます。ここでは、4つ目の目的である荷主への情報提供も含め、目的ごとに資料や画面で確認したい機能を紹介します。
在庫精度と出荷品質を目的とする場合
在庫精度を重視する場合は、ロケーション管理の細かさ、在庫移動の記録方法、循環棚卸に対応しているかを確認します。循環棚卸とは、倉庫を区画に分けて少しずつ棚卸を行い、作業を止めずに在庫を点検する方法です。
出荷品質を重視する場合は、ハンディターミナルやスマートフォンでの検品に対応しているか、誤りを検知したときに警告を出す仕組みがあるかを確認しましょう。検品記録が残れば、問い合わせを受けたときに出荷時の状況をたどれます。ロット番号や賞味期限を扱う商品では、出荷先とロットをひも付けて記録できるかも確認しておくと安心です。
荷主への報告と請求を目的とする場合
4つ目の目的は、荷主や取引先へ在庫や出荷の情報を提供することです。物流事業者が複数の荷主から商品を預かる場合、荷主ごとに在庫を分けて管理し、在庫照会や出荷実績を報告する必要があります。
この目的では、複数荷主の管理に対応しているか、荷主が自分で在庫を照会できる画面があるか、保管料や作業料を計算して請求データを作れるかが確認点です。EC事業者の受託では、ネットショップの受注データを取り込めるかもあわせて確かめましょう。出荷完了の情報を荷主側のシステムへ返せるかどうかも、報告の手間を左右します。
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倉庫の運営形態で変わるWMSの目的の優先度
同じWMSでも、自社の商品を扱う倉庫と、他社の商品を預かる倉庫では、目的の優先順位が異なります。自社がどちらにあたるかを確認してから目的を整理しましょう。
自社倉庫で優先されやすい目的
メーカーや卸売業、小売業が自社の商品を保管する倉庫では、在庫精度と誤出荷防止が主な目的になる傾向があります。販売管理システムや基幹システムと在庫数をそろえ、受注から出荷までを滞りなくつなぐことが求められるためです。在庫数が基幹システムに反映される間隔も、受注の引き当てに影響するため確認しておきましょう。
自社倉庫では、出荷件数の波に応じた人員配置も課題です。WMSの作業実績を見ながら、繁忙期に人手が足りなくなる工程を把握すると、目的に「作業生産性」を加える判断材料にもなります。
3PL・物流事業者で優先されやすい目的
3PLとは、荷主企業から物流業務をまとめて請け負う事業者のことです。3PLや倉庫事業者では、複数の荷主の商品を正確に分けて管理し、荷主ごとに異なる出荷ルールに対応するのが重要です。
さらに、保管料や作業料の請求、荷主への定期報告など、倉庫の外とのやりとりもWMSの目的に入ります。荷主の追加や契約条件の変更にあわせて設定を変えられるかどうかが、運用を続けるうえでの確認点です。荷主ごとに帳票の様式が異なる場合は、出力形式を変えられるかも確かめておきましょう。
WMSの導入目的を数値目標に置き換える方法
目的を「効率化したい」のままにしておくと、導入後に効果を確かめられません。導入前の状態を測り、目的を数値の目標に置き換えておくことで、製品選びと稼働後の評価がぶれにくくなります。
導入前に現状の数値を記録する
まず、今の倉庫の状態を数値で記録します。例えば、棚卸時の在庫差異の件数や金額、誤出荷の件数、1時間あたりのピッキング行数、1日の出荷完了時刻などが挙げられます。
記録が残っていない項目は、数週間だけでも測っておくと、導入後と比べる基準として使えます。数値を集める作業自体が、どの工程に課題があるかを見つけるきっかけになります。測定方法は、導入後も同じ条件で比べられるよう記録しておきましょう。
目標と評価の時期を関係者で共有する
現状の数値をもとに、「誤出荷の件数を半年で減らす」のように、目的ごとの目標と評価の時期を決めます。目標値は、業務量の変化や季節の波も踏まえて、現場の責任者と相談しながら決めるのが大切です。
決めた目標は、物流部門だけでなく、営業や情報システム部門とも共有しましょう。稼働後、目標に届かない場合は、システムの設定だけでなく、作業手順やマスタの登録内容まで含めて原因を確認することで、改善につなげられます。
導入目的別に比べるWMS一覧
WMSは、在庫精度の向上や誤出荷防止、荷主への報告など、どの目的を重視するかで注目する機能が変わります。この記事で紹介する製品の特徴を一覧にまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| タナヨミ | ロケーション・バーコード・ロット・有効期限管理が標準で可能 |
| Air Logi | フリーロケーションで実在庫を把握。入荷から請求まで一元管理 |
| W-KEEPER | 自社倉庫・営業倉庫・物流センターに対応。複数荷主も追加費用なし |
| スマブツ | 入荷から出荷、在庫、ロット管理まで標準搭載。ハンディに対応 |
| クラウドトーマス | 入出庫・在庫・棚卸を管理。物流のプロが導入をサポート |
| W3 mimosa | 業種別テンプレートなど150以上の機能を標準搭載したSaaS型 |
| ロジザードZERO | 365日電話サポートつき。多様な現場での稼働ノウハウ |
| LogiBrain | 3温度帯・鮮度管理など食品やECの倉庫に必要な機能を網羅 |
| LOGILESS | OMSとWMSが一体のEC向けクラウド。受注から出荷指示まで自動 |
| COOOLa(クーラ) | 豊富な機能を備えたクラウドWMS。AGV・自動倉庫との連携実績 |
| W-KEEPER AX | サーバー不要の月額制クラウド型WMS |
在庫精度と出荷品質を高めるWMS
目的の達成に直結する機能が確認できる製品を、ロケーション管理、バーコード、ピッキング、荷主対応といった観点で取り上げました。自社の優先する目的にあうかを確かめる際に参考にしてください。
タナヨミ
- 【棚管理、バーコード管理を行うことで人的ミスの削減!】
- 【在庫データをリアルタイムに共有】
- 【各企業様の運用に合わせてカスタマイズが可能】
株式会社ロジ・グレスが提供する「タナヨミ」は、システム開発会社と物流・倉庫会社のノウハウを生かして提供されるWMSです。ロケーション管理、バーコード管理、ロット管理、有効期限管理が標準で可能です。棚管理とバーコード管理によって人的ミスの削減につなげられます。在庫データをリアルタイムに共有できるため、帳簿と棚のずれを減らしたい倉庫の選択肢です。
Air Logi
- 特許取得のバッチ処理でピッキング移動距離を削減
- 送状や後払い票をWMSで直接印刷し事務負担を軽減
- 物流技術管理士ら専門資格者が導入運用を支援
株式会社コマースロボティクスが提供する「Air Logi」は、物流会社やEC企業向けのクラウドWMSです。フリーロケーションで実在庫を把握し、入荷から出荷、請求までを一元管理できます。特許取得のバッチ処理によりピッキングの移動距離を削減するほか、送り状や後払い票をWMSから直接印刷できます。物流技術管理士などの専門資格者による導入運用の支援もあります。
W-KEEPER
- 複数の拠点や多様な商品への対応ができる倉庫管理システムです。
- 汎用I/Fオプションで基幹システムとの連携も簡単構築!
- 荷主数、拠点数に制限がありません。
三谷コンピュータ株式会社が提供する「W-KEEPER」は、自社倉庫、営業倉庫、物流センターの業務処理に対応した倉庫管理システムです。食品、アパレル、製造業など多様な業種に対応するマルチカテゴリ設計で、複数拠点・複数荷主も追加費用なしで利用できます。荷主数や拠点数に制限がなく、汎用I/Fオプションで基幹システムとの連携を構築しやすい点も特徴です。
スマブツ
- 複数倉庫の有効在庫を把握
- 作業予定と進捗を一目で確認
- ピッキングやハンディに対応
株式会社キザシオが提供する「スマブツ」は、倉庫管理業務を支援するWMSです。入荷から出荷、在庫やロット管理までを標準で搭載し、複数倉庫の有効在庫を把握できます。作業予定と進捗を一目で確認でき、ピッキングやハンディ端末にも対応します。オンプレミスに加えてクラウド版にも対応しているため、運用方法にあわせて選べます。
クラウドトーマス
- 【改善実績1000社以上】40年の物流ノウハウで物流改善を実現
- 【連携強化】基幹システム対応・一部システムとのAPI連携が可能
- 【90%以上のユーザーが利用】物流プロが行う本気の導入サポート
関通ホールディングス株式会社が提供する「クラウドトーマス」は、在庫管理に加えて入出庫管理と棚卸管理を行えるクラウド型のWMSです。BtoC、BtoBを問わず、物流、小売、製造、卸、アパレル、食品加工など幅広い業種業態に対応します。40年の物流ノウハウをもとに、物流の専門家が導入をサポートする点も特徴です。入出庫から棚卸までを一つのクラウドで管理したい倉庫が検討できます。
W3 mimosa
- 『高機能』業種別テンプレートをはじめ150以上の機能を標準搭載
- 『使いやすい』表計算ソフトに近いデザインを導入、使いやすいUI
- 『各種システム連携』既存システムやECカート、OMSとも連携可能
株式会社ダイアログが提供する「W3 mimosa」は、SaaS型の倉庫在庫管理システムです。業種別のテンプレートをはじめ150以上の機能を標準で搭載しており、表計算ソフトに近いデザインを採用して画面を使いやすくしています。倉庫の在庫を月額制で管理したい企業が、機能の幅と操作性を確認しながら選べる製品です。
ロジザードZERO
- 【365日電話サポート】システム担当の方がいない企業様も安心
- 【多種多様な現場で稼働】20年以上のノウハウを活かしたご提案
- 【自動連携強化中】各種システム・マテハン機器との連携実績豊富
ロジザード株式会社が提供する「ロジザードZERO」は、クラウド型のWMSで、導入支援を行うサービス会社としての姿勢を特徴としています。365日対応の電話サポートがあり、システム担当者がいない企業でも相談しやすい体制です。20年以上のノウハウを生かして、多種多様な現場の運用に沿った提案を行います。自社の人員体制に不安がある倉庫が、導入後の相談先を重視して選ぶ際に検討できます。
LogiBrain
- 卸売、食品、アパレルなど幅広い業種・業態での導入実績
- 3温度帯管理、鮮度管理など倉庫の管理・作業に必要な機能を網羅
- 現場に合わせて柔軟に対応できる高いカスタマイズ性
株式会社ジェイ・サポートが提供する「LogiBrain」は、食品、EC、アパレル、日用雑貨向けの倉庫管理システム(WMS)です。3温度帯管理や鮮度管理など、倉庫の管理と作業に必要な機能を網羅しています。導入後の保守までワンストップで対応するため、運用開始後の相談先を一本化したい企業に向きます。提供形態はオンプレミスとクラウドです。
LOGILESS
- 全国400以上の物流倉庫や自社倉庫で導入中
- OMS一体型でECの受注から自動でWMSへ出荷指示が連携。
- WMSの使用料は"0円"。もちろん、初期費用も導入費用もなし!
株式会社ロジレスが提供する「LOGILESS」は、受注管理システム(OMS)と倉庫管理システム(WMS)が一体となったEC向けのクラウドシステムです。多数のプラットフォームに対応し、受注から自動でWMSへ出荷指示が連携されます。受注・出荷・在庫管理を自動化したいEC事業者が、出荷までの流れを一本化する際の選択肢です。
COOOLa(クーラ)
- 豊富な機能と柔軟なカスタマイズに対応できるWMS
- AGV・AMR・自動倉庫など機器関連との連携実績も豊富
- 大手企業から中小企業まで700社以上にご利用いただいているWMS
株式会社ブライセンが提供する「COOOLa(クーラ)」は、豊富な機能を備えたクラウド型のWMSです。直感的に使えるデザインを追求しており、AGVやAMR、自動倉庫などの機器関連との連携実績も豊富です。大手企業から中小企業まで幅広く利用されているため、現場の規模や設備に沿って検討できます。マテハン機器を含めた運用を見据える企業が、連携の実績を確かめながら選びやすいWMSです。
W-KEEPER AX
- 倉庫管理システムを短納期・低価格で利用したい企業に最適です。
- サーバーの購入・管理は不要!月額制で始められます。
- AI機能【AI-EUC】を標準搭載してます。
三谷コンピュータ株式会社が提供する「W-KEEPER AX」は、あらゆる業種に対応するクラウド型のWMSです。20年以上の現場ノウハウを生かしており、サーバーの購入や管理が不要なため、月額制で始められます。倉庫管理システムを短納期かつ低価格で利用したい企業に向いています。自社で機材を用意せずに運用を始めたい場合に検討できます。
まとめ
WMSの目的は、倉庫の在庫を場所と数量まで正しく把握し、誤出荷を防いだうえで作業を効率化することです。具体的には、在庫精度、出荷品質、作業生産性、荷主への情報提供の4つがあり、自社倉庫か3PLかで優先度が変わります。導入前に現状を数値で記録して目標を決めておくと、必要な機能を絞り込めます。自社の目的にあう倉庫管理(WMS)を比較するために、資料請求を活用してください。

