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Web請求書を内製する前に|自作で求められる法対応と必要機能

Web請求書を内製する前に|自作で求められる法対応と必要機能

Web請求書の内製は可能ですが、請求書のPDFを作って送るだけでは足りません。インボイス制度の記載事項や電子帳簿保存法の保存要件を満たし、制度改正のたびに改修を続ける必要があります。そのため、請求データの作成は自社システムで行い、発行や送付、保存はWeb請求書サービスに任せる組み合わせも有力です。この記事では、Web請求書を内製する際に求められる法対応と必要機能、費用の考え方を解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■送付方法別
    ■自社システムとの連携方式別

    Web請求書は内製できる?結論と前提

    Web請求書とは、請求書を紙で郵送する代わりに、PDFなどの電子データでWeb上やメールを通じて届ける仕組みです。技術的には内製できますが、作るべき範囲は想像より広くなります。まず内製できる範囲と、内製が現実的なケースを整理します。

    内製で作れる範囲

    自社で作れる範囲は、請求データの集計から請求書PDFの生成、メール送付やWeb上での公開、送付履歴の管理までです。販売管理や基幹システムをすでに内製している企業であれば、請求データの作成部分は既存の仕組みを活かせます。

    ただし、Web請求書として運用するには、法令に沿った記載や保存の仕組み、取引先が受け取ったかを確認する機能、誤送付を防ぐ仕組みなども必要です。PDFを作る部分だけを見て内製を判断すると、後から必要な機能が次々に見つかる場合があります。

    内製が現実的なケース

    内製が現実的なのは、自社の会員サイトやWebサービスのなかで請求書を表示したい場合や、請求の計算方法が特殊で外部サービスの標準機能では表現しにくい場合です。社内に開発と保守を続けられる担当者がいることも前提です。

    反対に、請求書の形式が標準的で、月の発行件数もそれほど多くない場合は、Web請求書サービスを使うほうが早く始めやすくなります。内製するかどうかは、自社独自の要件がどれだけあるかで判断しましょう。

    関連記事 Web請求書発行システム4つの選定ポイントとは? 製品比較し、自社に合った製品導入を

    Web請求書の内製で満たすべき法対応

    Web請求書を内製する場合、もっとも注意したいのが法令への対応です。インボイス制度と電子帳簿保存法の両方に対応し、改正にも追従する必要があります。ここでは内製時に押さえておきたい法対応のポイントを解説します。

    インボイス制度の記載事項

    適格請求書、いわゆるインボイスを電子データで交付する場合も、紙と同じ記載事項が求められます。主な記載事項は、発行事業者の名称と登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとに区分した対価の合計額と適用税率、税率ごとの消費税額、交付先の名称です。

    内製の場合は、これらの項目を漏れなく出力できるようにするほか、消費税額の端数処理のルールにも注意が必要です。端数処理は1つの請求書につき税率ごとに1回とされているため、明細ごとに端数を処理する計算になっていないかを確認しましょう。詳しくは国税庁の公表資料で確かめてください。

    電子帳簿保存法の保存要件

    Web請求書は電子取引にあたるため、発行した側も、送付した請求書の控えを電子データのまま保存する必要があります。保存の際には、改ざんを防ぐ真実性の要件と、必要なときに確認できる可視性の要件を満たさなければなりません。

    真実性の要件には、タイムスタンプの付与や訂正削除の履歴が残る仕組みの利用、事務処理規程の整備などの方法があります。可視性の要件では、取引年月日や取引金額、取引先で検索できることなどが求められます。内製の場合は、どの方法で要件を満たすかを設計段階で決めておきましょう。

    関連記事 電子帳簿保存法の導入手順を5つのステップで解説!導入事例も紹介

    制度改正への追従

    請求書に関わる制度は、これまでも改正が重ねられてきました。内製の場合は、改正の内容を自社で調べ、出力項目や保存の仕組みを改修する体制が求められます。

    Web請求書サービスでは、制度の変更にあわせた機能更新が提供される場合があります。一方、内製では改修の工数が毎回発生し、対応が遅れると取引先に正しい請求書を届けられないおそれがあります。経理部門と開発担当者が、制度の情報を共有する仕組みを作っておくことが大切です。

    内製するWeb請求書に必要な機能と体制

    法対応のほかにも、Web請求書を安定して運用するには複数の機能が必要です。正常に送れたときだけでなく、送付の失敗や誤りが起きたときに対応できるかが重要です。ここでは内製時に用意したい機能と体制を紹介します。

    発行と送付の機能

    基本となるのは、請求データから請求書PDFを作り、取引先ごとに決められた方法で送る機能です。メールで送る場合は、送信の成否を記録し、届かなかった場合に担当者へ通知する仕組みが必要です。

    取引先によっては紙での郵送を希望するケースもあるため、Webとは別の送付方法をどう扱うかも決めておきましょう。郵送分だけ手作業で残すと、送付漏れや二重送付が起こる場合があります。送付方法を取引先のマスタで管理しておくと、処理の抜けを防ぎやすくなります。

    受取確認と再発行の機能

    取引先が請求書を確認したかどうかが分からないと、支払いの遅れが起きたときに原因を確かめられません。Webで公開する場合は、閲覧やダウンロードの履歴を記録しておくと便利です。

    金額の誤りなどで請求書を発行し直す場面にも備えておきましょう。元の請求書を取り消す処理や、再発行した請求書との関係を記録する仕組みが必要です。修正前のデータを残さずに上書きすると、電子帳簿保存法の真実性の要件を満たせなくなるおそれがあります。

    関連記事 Web請求書システムの7つの機能を紹介!何が出来るのか丸わかり!

    セキュリティと運用体制

    請求書には取引金額や取引先の情報が含まれるため、誤送付や不正アクセスへの対策が欠かせません。ログイン認証やダウンロード期限の設定、送付先メールアドレスの登録時の確認手順などを用意しましょう。

    運用面では、システムの監視や障害時の対応を誰が担うかを決めておく必要があります。請求の締め日に障害が起きると、取引先への送付が遅れてしまいます。担当者を1人に限定せず、手順書を整えて複数人で対応できる体制を作ることが大切です。

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    Web請求書を内製した場合の費用の考え方

    内製の費用は、開発時だけでなく稼働後も継続して発生します。Web請求書サービスの利用料と比べる際は、見えにくい社内の工数まで含めて試算することが重要です。費用を開発と保守の2つに分けて整理します。

    開発にかかる費用

    開発費の中心は、要件定義から設計、開発、テストまでの人件費です。社内の担当者が開発する場合も、その時間を人件費として換算して見積もりましょう。外部の開発会社に依頼する場合は、委託費が加わります。

    テストでは、通常の請求だけでなく、値引きや返品、税率が混在する請求、再発行などの例外的なケースも確認する必要があります。法対応の確認には経理部門の協力も欠かせません。こうした確認作業の工数も、開発費に含めて考えることが大切です。

    保守と運用にかかる費用

    稼働後は、サーバの運用費やメール配信の費用、障害対応や問い合わせ対応の工数が継続して発生します。制度改正にあわせた改修も、保守費用の一部として見込んでおきましょう。

    Web請求書サービスと比較する際は、利用料と内製の開発費だけを比べるのではなく、5年程度の期間で保守や改修まで含めた総額で比べることが重要です。発行件数が増えたときに費用がどう変わるかも、あわせて試算しておくと判断の材料として役立ちます。

    関連記事 Web請求書/電子請求書のメリットとデメリットとは

    内製とWeb請求書サービスを組み合わせる方法

    すべてを内製するのではなく、自社システムとWeb請求書サービスで役割を分ける方法もあります。請求データの作成は社内で行い、発行や送付、保存をサービスに任せる形です。組み合わせ方の例を紹介します。

    請求データだけを自社で作る

    販売管理や基幹システムで請求データを作り、CSVやAPIでWeb請求書サービスに渡す方法です。APIとは、システム同士がデータをやり取りするための窓口のことです。請求の計算など自社独自の部分は既存の仕組みを活かし、法対応が求められる発行や保存はサービスに任せられます。

    この方法を選ぶ場合は、サービスが受け取れるデータの形式や、連携に失敗したときの通知と再送の方法を確認しましょう。連携の設定をどこまで支援してもらえるかも、比較の際の確認点です。

    段階的に切り替える

    すでに内製したWeb請求書を使っている場合は、一度にすべてを置き換えず、段階的に切り替える方法もあります。例えば、まず保存の部分だけをサービスに移し、次に送付、最後に発行という順で範囲を広げていきます。

    段階的に進めることで、取引先への影響や社内の負担を抑えながら移行できます。切り替えの途中は、どちらのシステムで発行した請求書かを区別できるよう、請求番号の付け方を決めておくことが大切です。

    関連記事 請求処理を自動化する方法とは?請求書発行システム5選や選び方を紹介!

    内製と組み合わせやすいWeb請求書の一覧

    請求データは自社で作り、送付や配信を外部サービスに任せる場合に候補となるWeb請求書サービスを、一覧で比べられるようにしました。

    製品名特徴
    @Tovasシステム連携(API)による自動配信に対応し、請求書や注文書などの帳票配信を効率化する
    eco Deliver Express帳票をWeb・メール・郵送・FAXで配信でき、PDFを自動分割して取引先ごとに振り分けられる
    楽楽明細既存システムを変えずに導入でき、請求書の作成・送付から入金消込までを効率化する
    バクラク請求書発行帳票の作成から稟議・送付・保存までをデジタルで一本化し、取引先にあわせた方法で一括送付する
    invox発行請求書郵送でもメールでもインボイス制度に対応した請求書を発行でき、売上計上や入金消込も自動化する
    マネーフォワード クラウド請求書テンプレートで請求書を作成でき、郵送やメールでの送付を2ステップで完了できる
    BtoBプラットフォーム 請求書デジタル・紙・PDF・Peppolなど形式を問わず、請求書の発行と受取を1つの基盤で行える
    LA-cPROWEB請求書CSVアップロードで請求書を一括発行し、取引先はブラウザで閲覧・ダウンロードできる
    P-VAS請求書電子化サービスCSVやPDFの帳票データをそのままアップロードし、Webやメールで発行・配信できる
    SMARTINVOICE請求収納管理から郵送・封入代行まで対応し、標準機能外のカスタマイズも可能

    請求データを活かせるWeb請求書サービス

    自社システムで作った請求データを取り込み、送付や法対応の部分を任せられるサービスを紹介します。

    @Tovas

    コクヨ株式会社
    《@Tovas》のPOINT
    1. 「システム連携(API)」で簡単&シンプルに自動配信を実現
    2. 「セキュリティ・情報トレーサビリティ」で重要帳票も安心安全に
    3. 「マルチアウトプット」で配信業務の効率化とコスト削減を実現

    コクヨ株式会社が提供する「@Tovas」は、請求書や注文書などの帳票配信を効率化するクラウドサービスです。システム連携(API)による自動配信に対応しているため、自社の基幹システムで作成した帳票を手作業なしで配信する仕組みを組み立てられます。セキュリティや情報トレーサビリティにも配慮しており、マルチアウトプットによる配信業務の効率化とコスト削減も特徴です。

    eco Deliver Express

    インフォコム株式会社
    《eco Deliver Express》のPOINT
    1. 5通りの送信方法で取引先の受取環境に対応
    2. PDFを自動分割し取引先ごとに振分・登録
    3. 閲覧状況の可視化と自動リマインドで回収を促進

    インフォコム株式会社が提供する「eco Deliver Express」は、請求書や納品書など各種帳票をクラウドで電子化して配信するサービスです。Web・メール・郵送・FAXなど5通りの送信方法から、取引先の受取環境にあわせて選べます。自社システムから出力したPDFを取り込むと自動で分割し、取引先ごとに振り分けて登録できるため、請求書の作成は内製のまま送付だけを切り替えたい企業に向いています。

    楽楽明細

    株式会社ラクス
    《楽楽明細》のPOINT
    1. 請求書作成から送付、入金消込まで効率化!会計ソフト連携も可能
    2. 郵便料金値上げ対策にも◎請求書発行にかかる手間・コストを削減
    3. 業務フローそのまま、経理部だけで導入できる!連携実績も豊富

    株式会社ラクスが提供する「楽楽明細」は、請求書の作成・送付から入金消込までを効率化する電子請求書発行システムです。既存システムを変えずに導入でき、経理部門だけで導入を進められる点が特徴です。会計ソフトとの連携にも対応しています。自社で開発した請求システムを残しつつ、発行と送付の工程を置き換えたい場合の選択肢として検討できます。

    バクラク請求書発行

    株式会社LayerX
    《バクラク請求書発行》のPOINT
    1. 帳票の個別作成や複数帳票の一括作成も自由自在に簡単作成
    2. 帳票作成~保存まで、デジタルで一本化でき手間を軽減
    3. 帳票に合わせ柔軟に項目やレイアウトのカスタマイズが可能

    株式会社LayerXが提供する「バクラク請求書発行」は、帳票の作成から稟議、送付、保存までの一連の作業をデジタルで一本化するサービスです。取引先にあわせた方法で一括送付ができ、送付ミスの防止と手間の軽減につながります。帳票にあわせて項目やレイアウトを柔軟にカスタマイズできるため、内製の請求書で使っていた書式を引き継ぎたい場合にも検討できます。

    invox発行請求書

    株式会社invox
    《invox発行請求書》のPOINT
    1. 郵送でもメールでも、インボイス制度に対応した請求書を発行可能
    2. 請求書だけでなくさまざまな書類を自由なレイアウトで発行できる
    3. 月契約で業界最安水準、使った分だけのムダのない料金

    株式会社invoxが提供する「invox発行請求書」は、紙でも電子でもインボイス制度に対応した請求書を発行できるサービスです。郵送とメールのどちらにも対応し、売上計上や入金消込までを自動化します。請求書のほかに見積書や納品書など、さまざまな書類を自由なレイアウトで発行できるため、内製で対応していた帳票をまとめて移したい場合に候補となります。

    マネーフォワード クラウド請求書

    株式会社マネーフォワード
    製品・サービスのPOINT
    1. 請求書・見積書・納品書をテンプレートで作成
    2. 見積書→納品書→請求書→領収書の流れで書類をカンタン変換
    3. 郵送やメール送付が2ステップで完了

    株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド請求書」は、請求書の作成・送付・受取をまとめて管理できるクラウド請求書ソフトです。テンプレートを選び、登録した取引先と品目を選ぶだけで書類を作成できます。郵送やメールでの送付は2ステップで完了し、見積書から納品書、請求書、領収書への変換にも対応しています。

    BtoBプラットフォーム 請求書

    株式会社インフォマート
    製品・サービスのPOINT
    1. 請求書の発行も受取も完結!最大90%の業務時間削減
    2. 紙・PDFなど、形式を問わずあらゆる請求書の受領を委託可能!
    3. 法改正への対応と万全のセキュリティ対策

    株式会社インフォマートが提供する「BtoBプラットフォーム 請求書」は、請求書の発行と受取の両方を1つのプラットフォームで行えるクラウド請求書システムです。デジタル・紙・PDF・Peppolなど、形式を問わず請求書の発行と受取に対応しています。法改正への対応とセキュリティ対策を重視しているため、制度改正への追従を内製で続ける負担を減らしたい企業に向いています。

    LA-cPROWEB請求書 (リード株式会社)

    《LA-cPROWEB請求書》のPOINT
    1. CSVアップロードで請求書一括発行、手作業を大幅削減。
    2. デバイス問わずブラウザで閲覧・DL可、インストール不要。
    3. PDF/CSV形式で請求書を提供、保存や外部システム連携に対応。

    P-VAS請求書電子化サービス (ピー・シー・エー株式会社)

    《P-VAS請求書電子化サービス》のPOINT
    1. 各種帳票のWeb発行・配信が可能。
    2. CSVとPDF帳票データをそのままアップロード可能。
    3. 国内データセンター設置のセキュリティ機能搭載。

    SMARTINVOICE (スマートインボイス株式会社)

    《SMARTINVOICE》のPOINT
    1. ISMS認証(ISO27001)取得済みで情報セキュリティも万全
    2. 標準機能外もカスタマイズ可能、最短1ヶ月で導入
    3. デジタル化できない領域をBPOと郵送・封入代行で対応。

    まとめ

    Web請求書の内製は可能ですが、インボイス制度の記載事項や電子帳簿保存法の保存要件を満たし、制度改正にも追従し続ける必要があります。発行や送付、再発行、セキュリティなどの機能と、保守を続ける体制も欠かせません。請求データの作成は自社で行い、発行や保存はサービスに任せる組み合わせも検討しましょう。送付方法や連携方式は製品ごとに異なるため、資料請求で比較してみてください。

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