クラウド請求書発行システムとは
請求書の発行から送付まで一連の業務は、膨大な手間がかかります。請求書発行ソフト(請求書作成ソフト)や請求書作成サービスを利用していれば、印刷を代行したり送付までを自動化したりできます。しかし、エクセルで請求書を作成している場合、自社で紙媒体に印刷し、封をして郵送しなければなりません。顧客数に比例して作業量も増大するでしょう。
そこで、請求書業務の負担削減や業務効率化におすすめなのが、クラウド請求書発行システム(クラウド請求書サービス)です。クラウド請求書発行システムとは、クラウド請求書ソフトやWeb請求書とも呼ばれ、請求書の作成や送付ができるクラウドサービスです。
ほかシステムと連携すれば金額を参照し請求書の自動作成も可能で、送付作業も電子化あるいは郵送代行サービスにより一連のプロセスを効率化できます。ペーパーレス化やリモートワークなど多様な働き方に対応するために、クラウド請求書発行システムにも注目が集まっています。
無料で利用できるクラウド請求書発行システムの選び方
無料で利用可能なクラウド請求書発行システムの選び方を紹介します。自社の請求書数や取引先への送付方法などを踏まえ、場合によっては有料版の導入も検討しましょう。
機能や発行枚数が自社の利用に適しているか
無料プランのあるクラウド請求書発行システムの多くが、機能や請求書の受領・発行枚数に制限を設けています。自社がクラウド請求書発行システムを導入する目的に適った製品か、まずは利用可能な機能を確認しましょう。また、請求書の発行枚数に上限があると、大幅な業務効率化は期待できません。自社の毎月の請求書発行数を確認し、許容範囲内に収まるかの確認も必要です。
業務フローに組み込みやすいか
既存の業務フローに、請求書発行システムを組み込めるかも検討しましょう。請求書の発行フローは、企業によってさまざまです。上長の承認がなければ発行できないケースもあれば、取引先によって電子と紙を使い分ける場合もあります。さらに、会計システムや基幹システムと連携させたい場合は、対応したクラウド請求書発行システムを選ぶ必要があるでしょう。
なお、無料で利用できるクラウド請求書発行システムの場合、システム連携を利用できないこともあるため注意が必要です。
電子帳簿保存法へ対応しているか
請求書を電子化するには電子帳簿保存法へ対応しなければなりません。2023年に施行予定のインボイス制度への対応も必要です。現在の要件に対応していることはもちろん、今後の改正にも速やかに応じてくれるか、事前に確認しましょう。
無料版にはどうしても制限がともなうため、業務効率化やコスト削減、セキュリティの強化などを望むのであれば、有料製品の導入を検討するのが得策です。自社にあうクラウド請求書発行システムを知りたい方は、製品ごとの特徴を比較している以下のページをご覧ください。
【比較表】無料で利用できるクラウド請求書発行システム
無料で利用できるクラウド請求書発行システムのおすすめ製品を比較表にまとめました。各種システムの基本情報を確認できるので、請求書発行システム選びの参考にしてください。
無料プランのあるクラウド請求書発行システム
無料プランのあるクラウド請求書発行システムは、一定の条件を満たしていれば基本的に利用期間に限りはありません。以下の比較表では、基本情報に加え無料プランの条件も比較しています。
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製品名 |
無料プラン条件 |
郵送代行 |
レビュー評価 |
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MakeLeaps |
送付通数の上限なし、取引先の上限は3社、機能制限あり |
◯ |
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freee請求書 |
帳票の発行・帳票の変換・定期請求自動作成(1件まで)が無料 |
◯ |
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見積RICH |
見積書作成50件まで 取引先とサービス・商品の登録は1,000件まで、機能制限あり |
ー |
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※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
無料トライアルのあるクラウド請求書発行システム
無料トライアルでは、有料版のシステムを期間限定で使用可能です。以下の比較表では、基本情報に加えトライアル終了後の参考価格なども比較しています。
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
気になるクラウド請求書発行システムがある方は、以下のボタンより資料請求(無料)をおすすめします。
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無料プランを提供しているクラウド請求書発行システム
無料プランが提供されているクラウド請求書発行システムを紹介します。無料プランの条件や、有料版の料金プランなど製品ごとの基本情報に加え対応機能も紹介しているので、自社にあうクラウド請求発行システム選びに役立ててください。
「Bill One powered by Sansan」は、Sansan株式会社が提供する請求書の受領サービスです。メールで送付されるPDFファイルや郵送される紙媒体など、多種多様な形式の請求書をオンラインで一元的に管理します。電子帳簿保存法やインボイス制度で求められる要件は製品側で全面的に対応するため、ユーザーが実施する作業はありません。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
対応機能 |
システム連携、電子請求書発行 |
参考価格 |
請求書受領件数が100件まで無料 101件以上は、請求枚数に応じてお見積もり |
《MakeLeaps》のPOINT
- 見積書から請求書・納品書までクラウドでかんたんに作成&共有
- 請求書や納品書を電子化してワンクリックでかんたん送付
- 電子帳簿保存法やインボイス制度といった最新法令に対応
リコージャパン株式会社が提供する「MakeLeaps」は、請求業務を一元管理できるシステムです。インターネット環境があれば、どこからでも請求や入金情報の確認ができます。外貨やバイリンガルに対応しているため、グローバル企業でも利用しやすいでしょう。直感的に利用できるシンプルなインターフェースで、誰でも操作が可能です。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
対応機能 |
システム連携、電子請求書発行 |
参考価格 |
取引3社、1ユーザーまで無料 個人プラン:月額600円/~3ユーザー 法人プラン:月額1,000円~※取引社数やユーザー数従量課金制 エンタープライズ:月額30,000円~※取引社数無制限、ユーザー数無制限 |
《freee請求書》のPOINT
- 紙の請求書の見た目をそのまま送付。フォーマットが変わらない
- 入金明細の取得・消込・仕訳作成まで自動化。
- 送付単価は95円/件~!追加コストなく紙から移行できる
「freee請求書」は、freee株式会社が提供する電子請求書発行サービスです。使用している請求書をそのままデータ化し、発行や送付、入金消込まで自動化します。基幹システムや販売システムから出力したPDFまたはCSVデータをインポートすることで、メールや郵送など送付方法の自動振り分けも可能です。大量の請求書も1クリックで一括自動発送ができるため、大幅な業務効率化につながるでしょう。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
対応機能 |
システム連携、電子請求書発行、請求書配信 |
参考価格 |
定期請求自動作成1件まで、3ユーザーまで無料 有料プラン:初期費用無料、基本料金月額1,980円~、メール送信95円/通 |
《見積RICH》のPOINT
- 1,300社超の導入実績!スピーディーな見積書の作成を実現
- 赤字見積を提出させない!原価をとらえた見積作成機能
- 営業案件の一元管理!CRM的な活用も実現
株式会社コネクティボが提供する「見積RICH」は、、見積書をはじめ、請求書や納品書を発行するシステムです。各帳票の作成、申請と承認、発行までをすべてシステムで完結します。見積書作成時のデータを利用して請求書や領収書を作成できるため、ミスや改ざんの防止につながるでしょう。また、電子データだけではなくPDFを出力して印刷も可能です。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
対応機能 |
電子請求書発行 |
参考価格 |
1ユーザー、見積作成50件まで無料 複数ユーザープラン:月額5,000円~ クラウドプロプラン:初期費用200,000円、月額59,900円~ エンタープライズプラン:1,000,000円~※買い切り |
無料トライアルを実施しているクラウド請求書発行システム
無料トライアルが提供されているクラウド請求書発行システムを紹介します。一定期間の無料トライアルで使用感などを試したあと、本格的な導入が可能です。対応機能も紹介するので、製品選びの参考にしてください。
《楽楽明細》のPOINT
- 郵便料金値上げ対策にも◎請求書発行にかかる手間・コストを削減
- 電帳法・インボイス制度に対応!平均1.5か月で運用スタート!
- システムとの連携実績が豊富なので、スムーズに導入可能!
株式会社ラクスが提供する「楽楽明細」は、帳票をWebで発行するクラウド型のシステムです。請求データをシステムに取り込み、発行日を予約するだけで請求書の発行や送信ができるため、請求業務の削減につながるでしょう。請求書はもちろん納品書や支払明細、給与明細などにも対応しており、さまざまな書類作成業務の効率化が可能です。郵送代行機能も搭載しています。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
対応機能 |
システム連携、電子請求書発行、請求書配信 |
参考価格 |
初期費用100,000円~、月額25,000円~ |
改善してほしい点 その他 750名以上 1,000名未満
《ジョブカン見積/請求書》のPOINT
- 誰でもかんたん!クラウド上で請求書の作成が可能
- 一括作成機能を活用することで、大幅な工数削減が実現
- 取引先ごとにレポート作成可能!自動集計でミスや工数も削減
株式会社DONUTSが提供する「ジョブカン見積/請求書」は、簡単に請求書を作成できるシステムです。豊富なテンプレートが備わっており、テキストや画像を変更するだけで請求書の作成が可能です。タイムスタンプ付与や検索といった管理機能が充実し、電子帳簿保存法の要件を満たしています。また、インボイス制度にも対応しています。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
対応機能 |
システム連携、電子請求書発行、請求書配信 |
参考価格 |
初期費用無料、月額500円 / ユーザー ※月額最低利用料金2,000円(ジョブカン会計と併用の場合1,500円) |
改善してほしい点 機械、重電 100名以上 250名未満
《freee経理》のPOINT
- 有料ユーザー企業数※38万超「freee会計」の経理機能が使える
- 見積書・請求書発行を電子で完結。請求書郵送は1通150円
- 売掛金の管理・消込、記帳までも一気通貫で効率化
「freee経理」は、freee株式会社が提供する請求書発行をオンラインで解決できるソフトです。導入実績が多い「freee会計」の仕組みで試算表等を取り除いた製品です。請求書類のオンライン作成や送信はもちろん、郵送も1通150円で対応できます。Salesforceやkintoneなどと連携ができるため、部署や部門をまたいで請求業務の効率化ができるでしょう。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
対応機能 |
システム連携、電子請求書発行、請求書配信 |
参考価格 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
製品・サービスのPOINT
- 請求書・見積書・納品書をテンプレートで作成
- 見積書→納品書→請求書→領収書の流れで書類をカンタン変換
- 郵送やメール送付が2ステップで完了
「マネーフォワードクラウド債務支払」は、株式会社マネーフォワードが提供する煩雑な書類をペーパーレス管理するクラウド請求ソフトです。支払状況のグラフ化に対応しており、分析も可能です。作成はもちろん、受け取る請求書を開封し保管するサービスもあります。支払時には、システムからワンクリックで振込指示も可能なため、効率化はもちろん内部統制にも効果があるでしょう。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
対応機能 |
システム連携 |
参考価格 |
基本料金、各サービスの従量課金、オプション料金の合計から利用料金を算出 |
いい点 コンサル・会計・法律関連 10名以上 50名未満
改善してほしい点 人材サービス 10名以上 50名未満
《invoiceAgent》のPOINT
- 請求書発行・受取にかかる作業時間や郵送等のコストを大幅削減。
- いつものPDF請求書をセットするだけ。大きな運用変更は不要。
- 保管もクラウド上で。電子帳簿保存法・インボイス制度に対応。
ウイングアーク1st株式会社が提供する「invoiceAgent」は、請求書だけでなく、納品書や検収書などの各種帳票を一元管理できるシステムです。配信のみならず受領にも対応しています。自社と取引先が単一のプラットフォームでやり取りするため、双方ともに帳票管理の負担を軽減できるでしょう。オンボーディングなど、カスタマーサポートが充実しているのも特徴です。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
対応機能 |
システム連携、電子請求書発行、請求書配信 |
参考価格 |
小規模利用:初期費用無料、月額15,000円~/200通 最小プラン:初期費用200,000円~、月額45,000円~/700通 ※700通以上は従量課金制 |
改善してほしい点 卸売・小売業・商業(商社含む) 50名以上 100名未満
《board》のPOINT
- 導入4,400社・継続率99%の圧倒的な満足度!
- 案件ごとに書類管理!案件単位の損益情報もキャッチできる!
- デザイナーがデザインした洗練された美しい書類!
「board」はヴェルク株式会社が提供しており、請求書の作成や送付など、中小企業や個人事業主のバックオフィス業務を効率化します。同一請求期間内に、同じ取引先と複数の取引があった場合、合算した請求書の作成も可能です。請求後の書類は変更ができない設定など、自動データロックにも対応しており、セキュリティの強化にも役立つでしょう。無料トライアルは30日です。
対象企業規模 |
従業員50名未満 |
対応機能 |
システム連携、電子請求書発行、請求書配信 |
参考価格 |
Personalプラン:月額980円/ユーザー Basicプラン:月額1,980円/~3ユーザー Standardプラン:月額3,980円/~15ユーザー Premiumプラン:月額5,980円/~50ユーザー |
改善してほしい点 人材サービス 100名以上 250名未満
《プリントクリエイター》のPOINT
- 普段使っている帳票類をアップロードして利用可能
- kintoneアプリ上の出力ボタンをワンクリックするだけ
- 複数レコードの一括出力で手間を大幅に削減
トヨクモ株式会社が提供する「プリントクリエイター」は、kintoneに追加する帳票発行機能です。顧客管理をするkintoneのデータを活用して請求書や見積書を作成できます。一つのデータで請求書はもちろん、見積書や発注書などさまざまな帳票を選択して発行可能です。A4やB5、はがきサイズのほかに、1ミリ単位で大きさを変えられるため、さまざまな帳票を作成できるでしょう。無料トライアルは30日間利用できます。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
対応機能 |
システム連携 |
参考価格 |
ライト:月額6,000円、年額68,400円 スタンダード:月額9,000円、年額102,600円 プレミアム:月額14,000円、年額159,600円 |
改善してほしい点 電気、電子機器 10名以上 50名未満
まずは、人気のクラウド型請求書発行システムを知りたい方は、以下のボタンより最新の資料請求ランキングが確認できます。
クラウド請求書発行システム導入のメリット
クラウド請求書発行システムを導入すると、どのような効果を得られるのでしょうか。代表的なメリットを3つ紹介します。
ミスの軽減・業務効率の向上
請求書の管理業務は、手作業だと入力・計算ミスなどの可能性が高まります。しかし、クラウド請求書発行システムを導入すれば、請求書作成作業の多くを自動化できるため、人為的ミスのリスクを減らせます。例えば会計ソフトと連携すれば、データが自動的に入力されるため、転記ミスを防止できるでしょう。また、配信予約機能を使用すれば毎月同じタイミングで請求書が自動作成・送付されるため、発送漏れが防げます。
さらに、クラウド型の請求書発行システムなら時間や場所を問わず請求書の発行が可能なため、業務効率も向上します。商談の際に早急に請求書が必要になった場合などに役立つでしょう。
管理しやすい・セキュリティ強化
クラウド請求書発行システムを利用しなくても、メールにPDFを添付するなどして請求書データのやり取りは可能です。しかし、メールで請求書を送付するのはセキュリティ面に不安が残ります。
メール送信時に宛先を間違えて情報が流出する可能性や、第三者の侵入により情報を盗み見られる可能性もあります。さらに、誰に送付したかを管理しなければいけませんが、時間が経ってからの確認は困難といえるでしょう。クラウド請求書発行システムは、通信の暗号化や権限設定など、セキュリティ機能が充実しています。請求書に関するすべての情報が一元化されており、管理も容易です。
ペーパーレス・コスト削減
紙媒体で請求書を発行する場合、紙やインク、封筒や切手など費用がかかります。長期的に発生し続けると考えれば、無視できない金額になるでしょう。
クラウド請求書発行システムは、基本的にオンラインで作業が完結しペーパレス化を実現するため、コスト削減にもつながります。クラウド請求書発行システムの使用料金とペーパーレス化した際のコストカット分を比較しましょう。
クラウド請求書発行システム導入のデメリット
クラウド請求書発行システムを導入した場合には、デメリットもあります。デメリットと対策を紹介するので参考にしてください。
取引先の協力が必要になる
クラウド請求書発行システムは、システム上で送受信するため、取引先にも利用について同意してもらう必要があります。ITツールに不慣れで紙の請求書にこだわる企業が相手の場合、導入が難航する恐れもあるでしょう。請求書のデータ送付に同意する企業とはクラウド上でやり取りし、導入しない企業には紙で対応するなど、柔軟な体制が求められます。システム導入の際には、取引先への手厚いサポートサービスがある提供会社を選びましょう。
コストがかかる
クラウド請求書発行システムでは、初期費用や月額料金などが発生します。長期にわたってランニングコストが生じることを忘れてはいけません。導入前に、クラウド請求書の導入・運用コストと、システム導入によりカットできるコストを比較しておきましょう。毎月発行・受領する請求書の数を明確にし、発生する費用の計算をしましょう。
システム導入前に理解を深めておきたいのが、電子請求書(Web請求書)のメリット・デメリットです。以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしてください。
無料のクラウド請求書発行システムでコスト削減につなげよう
クラウド請求書発行システムを導入すると、業務が効率化しミスの軽減につながります。さらに、コスト削減やセキュリティ強化も可能です。
クラウド請求書発行システムには無料で利用できる製品があります。条件を満たせば期間の定めがなく無料で利用できる製品もあれば、トライアルとして期間限定で無償提供される製品もあります。
ただし機能制限や請求書枚数に上限があることが多いため、自社で希望する使い方ができるとは限りません。まずは無料で試して、本格的な導入を決断したら有料プランへの移行も検討するのがよいでしょう。有料製品も選択肢にある方は、ぜひ資料請求も活用ください。