
会計とは?
会計とは、具体的にどういう意味なのでしょうか。
事業で生み出した利益を管理すること
会計とは、事業で生み出した利益を管理するために、お金の流れを記録することです。日々発生する売上から経費を差し引き、過去生み出した事業利益を算出します。計算した利益は、経営分析におけるひとつの指標となります。
管理会計と財務会計の2種類に分かれる
管理会計と財務会計は、どちらも一般的な会計手法です。
財務会計は、事業活動で発生したお金の流れや利益を、「株主や投資家向け」に発表します。株主や投資家が、適切に投資判断できるようにするのが目的です。財務会計で作成する書類は法律できめられています。
一方管理会計は、お金の流れや利益を、「経営者向け」に発表します。得られたデータを経営分析に使うのが目的であり、作成ルールなどもありません。企業の裁量で、独自にルールを策定できます。お金の管理だけでなく、「運用」も視野にいれた会計手法です。
ファイナンスとは?
ファイナンスとは、具体的にどういう意味なのでしょうか。
資金の調達・運用に関わる意思決定を行うこと
ファイナンスとは、企業の財務状態をもとに、資金の調達・運用に関わる意思決定を行うことです。日本語では「調達」「原資」と訳されますが、M&Aの業界では「取引相手を説得し、巨額な資金の流れを発生させるスキル」などとも表現されています。お金の運用に加え、資金調達も含まれるため、管理会計より広い概念です。
いずれにせよ、モノの価値を適切に見極める専門知識やスキルが必要だと言われています。
投資・資金調達・分配の意思決定に役立つ
ファイナンスでは、現在の財務状況から、最適な投資先や資金調達・分配手段を分析します。具体的なメリットは、以下のとおりです。
- 投資
- 第三者企業の価値を分析・把握し、投資先に値するのか正確に評価する
- 資金調達
- 金融機関や株式・社債など、一番最適な資金調達の手段や方法を決める
- 分配
- 株主還元や再投資など、配当利益の使用先を適切に決める
会計とファイナンスの違いは?
会計とファイナンスは、具体的にどのように違うのでしょうか。
1.利益か、現金か
会計は、「事業活動にプラスになるかどうか」を重視するため、現金が手元にない状態でも収益として捉えます。一方ファイナンスは、「結果的に現金が増加するのか」を重視するため、現金が手元になければ収益とみなしません。
会計とファイナンスは両方とも重要で、どちらが欠けても経営に支障をきたします。なぜなら会社経営は、利益を出すのが最重要である一方、手元に現金がなければ続けることすら困難だからです。赤字が続いても手元に現金さえあれば、倒産せずに済みます。
2.過去か、未来か
会計は、過去発生した事業利益を計算します。損益計算書や貸借対照表にも、過去の日付が刻印されているはずです。
一方ファイナンスは、将来的な現金の増やし方を考えます。過去の情報よりも、会社が将来的に存続するための方法を模索するのです。
つまり会計とファイナンスは、「過去」と「未来」に時間軸が分かれています。具体的には、過去発生した利益を書類やデータにまとめるのが「会計」、将来的に現金を増やす方法を分析・実行するのが「ファイナンス」となります。ファイナンスの方が不確定要素が多いため、高い技量と知識が必要です。
会計やファイナンスを理解する重要性は?
かつては損益計算書などの財務諸表が読めない経営者は多くいました。しかし現在は「財務諸表が読めない=現代の危機に対応できない」と言われるほど、会計やファイナンスへの理解が重要になっています。なぜなら現代の企業価値は、将来的なキャッシュフローを生み出す能力が重視されるからです。
このような現状で、将来的なキャッシュフローを分析するファイナンスや、それの元となる会計を理解できないのは不勉強というほかありません。最近はグローバル化が進み、市場の変化も顕著になっています。会計やファイナンスをきちんと理解することが、不透明な時代を生き抜くポイントになるでしょう。
また、経営者であれば株主や支援者から「どのくらい稼げるのか?」という質問をされることもあります。会計やファイナンスの概観でも理解すれば、日々流動するお金の流れから、具体的な対策案を説明できるでしょう。
会計とファイナンスの違いを理解し、事業に活かそう!
会計は、事業で生み出した利益を管理することです。財務会計と管理会計に分かれます。
ファイナンスは、資金の調達・運用に関わる意思決定を行うことです。適切な投資・資金調達・分配を決定します。会計は「過去の利益」を、ファイナンスは「未来の現金」を扱うのが特徴です。
会計やファイナンスを理解すると、経営上のさまざまな問題を解決できます。会計とファイナンスの違いを理解して、事業に活かしましょう。
