エクセルによる勤怠管理のメリット
勤怠管理・就業管理をエクセルで行う方法は、多くの企業がまず検討する選択肢です。ここでは代表的なメリットを3つの観点から紹介します。
追加費用をかけずに始められる
エクセルはすでに社内のパソコンに入っているケースが多く、新たなシステムを契約せずに勤怠管理を始められます。テンプレートを用意すれば、当日から出退勤時刻の記録や労働時間の集計に着手できます。
初期費用や月額料金がかからないため、従業員数が少ない企業や、勤怠管理システムの導入を迷っている段階の企業にとって、試しやすい選択肢のひとつになります。
使い慣れた操作で運用できる
多くの担当者がすでにエクセルの基本操作を経験しているため、新しいツールの操作を一から覚える負担が少なくて済みます。関数やマクロを活用すれば、労働時間の自動計算や集計の一部を効率化することも可能です。
また、社内で長年使われてきたフォーマットがある場合は、既存の運用ルールをそのまま引き継げる点も導入のハードルを下げる要因になります。
集計方法を柔軟に調整できる
エクセルは関数や表の構成を自由に設計できるため、部署ごとの勤務形態や独自の集計ルールにあわせてフォーマットを調整しやすい点も利点です。シフト制や変形労働時間制など、勤務体系が複雑な現場でも対応しやすくなります。
ただし調整には一定のエクセル知識が必要で、担当者が変わると同じ精度で運用を続けられない場合がある点には注意が必要です。
エクセルで勤怠管理を続けることで生じる課題
エクセルによる勤怠管理は手軽に始められる一方、従業員数の増加や業務の複雑化にともなって、いくつかの課題が表面化しやすくなります。ここでは代表的な課題を紹介します。
入力ミスや不正な書き換えのリスクが残る
手入力を前提とするエクセルの勤怠管理は、打刻時刻の入力漏れや転記ミスが発生する場合があります。ファイルへのアクセス権限を細かく管理していないと、勤務時間の書き換えが行われても気づきにくいという課題も残ります。
複数人が同じファイルを編集する運用では、上書き保存によるデータの消失や、変更履歴が残らないことによる確認作業の増加も起こりやすくなります。
集計や申請の手間が増える
従業員数が増えるほど、エクセルでの集計作業やファイルのやり取りにかかる工数も大きくなります。有給休暇や残業の申請を紙やメールで受け付けている場合、承認までの確認作業が担当者の負担になりやすい傾向があります。
拠点が複数にわたる企業では、ファイルの提出漏れや締め日のずれが発生しやすく、月末の集計業務が集中しがちです。
法改正への対応が遅れやすい
労働基準法などの改正に対応するには、エクセルの数式や様式を担当者自身で修正する必要があります。改正内容の把握から数式の見直しまでを社内だけで完結させるのは、担当者の負担になる場合があります。
修正が追いつかないまま運用を続けると、割増賃金の計算誤りや、労働時間の集計ミスにつながるおそれがあります。
勤怠管理・就業管理システムへの切り替えを検討したいタイミング
エクセルでの勤怠管理に限界を感じ始めたときは、勤怠管理・就業管理システムへの切り替えを検討する時期といえます。ここでは代表的な2つの場面を紹介します。
従業員数や拠点数が増えたとき
従業員数や拠点数が増えると、エクセルファイルの管理やとりまとめにかかる工数が比例して大きくなります。担当者1人での対応が難しくなり、確認漏れや集計の遅延が起こりやすくなる場合があります。
勤怠管理・就業管理システムを導入すると、複数拠点のデータを一元的に管理できるようになり、集計業務にかかる時間を削減できる可能性があります。
打刻方法や勤務形態が多様化したとき
テレワークやフレックスタイム制、直行直帰など、勤務形態が多様化すると、エクセルでの手入力管理だけでは対応が難しくなる場合があります。打刻の抜け漏れや、勤務実態との食い違いも起こりやすくなります。
ICカードやスマートフォンなど複数の打刻方法に対応した勤怠管理・就業管理システムであれば、勤務形態が混在する組織でも記録の一元管理がしやすくなります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で勤怠管理・就業管理の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
勤怠管理・就業管理システムに乗り換えるメリット
勤怠管理・就業管理システムへ乗り換えると、エクセルで発生しやすかった課題の一部を解決できる場合があります。ここでは代表的なメリットを紹介します。
集計や申請の自動化で工数を削減できる
勤怠管理・就業管理システムには、打刻データをもとに労働時間や残業時間を自動で集計する機能が用意されている場合が多くあります。有給休暇や残業の申請から承認までを画面上で完結できる製品もあり、紙やメールでのやり取りを減らせます。
集計作業にかかっていた時間を、他の業務にあてられるようになる点も、システム化を検討する理由のひとつになります。
法改正やルール変更に対応しやすくなる
勤怠管理・就業管理システムの多くは、提供会社側で法改正への対応を行う仕組みになっています。労働基準法などの改正があった場合も、自社で数式を修正する手間を減らせる可能性があります。
ただし対応の範囲や更新のタイミングは製品によって異なるため、契約前に対応範囲を確認しておくことが大切です。
データの正確性と保存の信頼性が高まる
打刻データを自動で記録するシステムでは、手入力によるミスや転記漏れを抑えやすくなります。操作履歴を残せる製品であれば、勤務時間の変更内容を確認できるため、記録の透明性を保ちやすくなります。
クラウド上でデータを保存する製品を選べば、ファイルの紛失やバックアップ漏れといったリスクを抑えられる場合があります。
勤怠管理・就業管理システムの選び方のポイント
勤怠管理・就業管理システムは製品によって機能や対応範囲が異なります。自社の運用にあう製品を選ぶために、確認しておきたい基準を紹介します。
自社の勤務形態に対応できるか確認する
シフト制やフレックスタイム制、テレワークなど、自社の勤務形態に対応した打刻方法や集計ルールを設定できるかを確認しましょう。対応範囲は製品によって異なるため、導入前に自社の運用条件を整理しておくことが大切です。
複数の勤務形態が混在する企業では、部署や雇用形態ごとに設定を分けられるかもあわせて確認しておくと安心です。
既存システムとの連携範囲を確認する
給与計算ソフトや人事管理システムとすでに連携している場合は、勤怠管理・就業管理システムがそれらと連携できるかを確認しておく必要があります。連携できる範囲は製品によって異なり、データの一部を手作業で移す必要が生じる場合もあります。
連携方法や対応するファイル形式について、契約前にベンダーへ確認しておくと、導入後の手戻りを防ぎやすくなります。
サポート体制と導入後の運用負担を確認する
導入時の初期設定や、運用開始後に困ったときの問い合わせ窓口が用意されているかを確認しましょう。マニュアルの有無や、設定方法の案内、問い合わせへの対応時間なども製品によって異なります。
操作に不安がある場合は、情報システム部門や担当ベンダーに相談しながら導入を進めると、社内への定着がしやすくなります。
勤怠管理・就業管理に関するFAQ
勤怠管理・就業管理についてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:エクセルでの勤怠管理はどこまで対応できますか?
- 従業員数が少なく、勤務形態がシンプルな企業であれば、エクセルでの勤怠管理は選択肢になります。従業員数や拠点数が増える場合や、勤務形態が多様化する場合は、システムへの切り替えを検討する時期といえます。
- ■Q2:勤怠管理・就業管理システムへの切り替えにはどのくらいの期間が必要ですか?
- 導入期間は製品や自社の勤務形態の複雑さによって異なります。打刻機器の設置が必要な場合は準備期間が長くなる傾向があり、クラウド型でシンプルな設定であれば、比較的短期間で運用を開始できる場合があります。
- ■Q3:エクセルからシステムへ移行する際、過去のデータは引き継げますか?
- 製品によって対応が異なるため、契約前にインポート機能の有無や対応するファイル形式を確認しておく必要があります。過去データの移行範囲について、ベンダーに相談しておくと安心です。
- ■Q4:小規模な企業でも勤怠管理・就業管理システムは必要ですか?
- 従業員数が少ない段階では、エクセルでの運用でも対応できる場合があります。ただし、今後の増員や勤務形態の多様化を見込んでいる場合は、早い段階でシステムを比較検討しておくと、切り替えの負担を抑えやすくなります。
エクセルからの切り替え先となる勤怠管理システム
切り替えの決め手や運用のしやすさにあわせて検討できるシステムを紹介します。
KING OF TIME 勤怠管理
- 20年以上要望に応え続けた圧倒的信頼性。細かな要望に応えます。
- 導入から運用後も。豊富なノウハウと体制万全のサポート。
- 2019年4月からの「働き方改革関連法」にもバッチリ対応。
株式会社ヒューマンテクノロジーズが提供する「KING OF TIME 勤怠管理」は、打刻から集計までをクラウド上で扱える勤怠管理システムです。多様な打刻方法に対応しており、エクセルでの手入力から移行する際の負担を抑えやすくなっています。
ジョブカン勤怠管理
- 基本プラン無料!2010年のサービス開始以来、値上げなし!
- ジョブカン給与計算や他シリーズ連携でさらに効率化!
- 導入実績100,000社以上! あらゆる業界、企業規模に対応可能!
株式会社DONUTSが提供する「ジョブカン勤怠管理」は、勤怠管理からシフト作成、給与計算との連携まで扱えるシステムです。必要な機能だけを選んで契約できる構成になっており、エクセルからの段階的な移行がしやすくなっています。
SmartHR
- 複雑な労働時間制度・雇用形態に幅広く対応
- 迷わない画面設計と便利な機能で、 毎月の締め作業がスムーズに
- 人事労務・給与計算とのシームレスなデータ連携
株式会社SmartHRが提供する「SmartHR」は、勤怠管理と人事労務手続きをあわせて扱えるクラウド型のシステムです。従業員情報と勤怠データを一元管理できる構成になっており、エクセルでの分散管理から一本化を図りたい企業に向いています。
労働時間管理システム DiSynapseII (株式会社情通)
- 労働時間を自動集計し、日・月単位でリアルタイムに把握可能。
- 違反のある運行計画に対し事前警告を表示
- 模範日報チャートで適正な運行計画の作成を支援。
有休管理システム (株式会社システムコア)
- 関数やツールで自動計算が可能です。
- 半日や時間単位の有給休暇管理に対応。
- 年10日以上有休が付与される労働者の管理簿作成は義務です。
まとめ
エクセルによる勤怠管理は、追加費用をかけずに始められる点や、自社にあわせた集計方法を設定できる点がメリットです。一方で、入力ミスや法改正対応などの課題が生じる場合もあります。従業員数や拠点数の増加、勤務形態の多様化を感じたときは、勤怠管理・就業管理システムへの切り替えを検討し、自社の運用にあう製品を比較してみてください。


