【無料・有料】勤怠管理エクセルテンプレート
エクセルでの勤怠管理を導入する際、一番簡単な方法がテンプレートを活用することです。無料でダウンロードできるものから有料のものまでさまざまあり、自社の用途にあったものが見つかるでしょう。ここではテンプレートの配布サイトを紹介します。
bizocean(ビズオーシャン)
「bizocean(ビズオーシャン)」は、トライベック株式会社が運営するビジネス書式サイトです。28,000点以上の書式・テンプレートが用意されています。勤怠管理表・出勤簿・勤務実績表などがダウンロード可能です。
Officeテンプレート
Microsoft社のサイトでは、2,000点以上の無料テンプレートを配布しています。タイムシート(勤務記録表)・欠勤管理表・従業員タイムカードなどがダウンロードできます。費用をかけずにすぐ導入したい場合におすすめです。
エクセル関数で勤怠管理表を自作する方法
自社の勤務形態や就業規則にあわせた勤怠管理表が必要な場合、エクセルで自作するのもひとつの手です。ここからは、エクセルの関数を用いた勤怠管理表の作成手順を紹介します。
1.一日の勤務時間を自動計算する
まず日付・出勤時間・退勤時間・休憩時間・1日の合計勤務時間の欄を作成します。そして、勤務時間のセルにSUM関数を入力します。上の図では「=D2-C2-E2」と入力すれば一日の勤務時間が算出可能です。
勤務時間の表示がうまくいかない場合は、セルの書式設定画面で「時間」を選択してください。セルを下にドラッグしていけば、すべての日付で計算式が反映されます。
2.1か月の合計勤務時間を集計する
次に、1か月の合計勤務時間を計算します。ここで使用するのはSUM関数です。合計勤務時間のセルに合計したいセルの範囲を指定すれば、すべての勤務時間の合計が表示されます。
上の図では合計時間のセルに「=SUM(F2:F29)」と入力します。このとき、セルの書式設定を変えないと24時間以上の表記に対応せず、表示に不具合が生じるため注意してください。セルの書式設定から「ユーザー定義」を選び、「[h]:mm:ss」または「[h]:mm」を入力しましょう。
3.給与を自動起算する
時給制の雇用形態であれば、エクセル上で給与計算が可能です。1か月に支払うべき給与を計算してみましょう。
まず、時給と1日あたりの交通費をあらかじめ入力しておきます。また、交通費を計算するにあたって出勤日数を計算します。ここで用いるのは、指定した範囲内で数値が入っているセルの数を数えるCOUNTA関数です。今回は出勤時間のセルを選択してみます。出勤日数のセルに「=COUNTA(C2:C29)」と入力すると月内の出勤日数が計算されます。
つぎに、給与の合計額を計算しましょう。給与は「時給×合計勤務時間」と「交通費×出勤日数」の合計で算出できます。ただし、エクセルでは24時間を1として認識しているため、そのまま計算しても正しい数値が表示されません。そこで計算式に「×24」を追加する必要があります。つまり、以下の計算式になるよう支払総額のセルに入力します。
支払総額=「時給×合計勤務時間×24」+「交通費×出勤日数」
上の図では、「=SUM(F31*F33*24,F34*F32)」と入力すれば給与額が算出可能です。
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エクセルで勤怠管理する注意点
エクセルでの勤怠管理はコストがかからず手軽な反面、以下の点に注意が必要です。それぞれ詳しく解説します。
- ●勤務実績を改ざんされるリスクがある
- ●自己申告制の勤怠管理だけでは法的に認められない
- ●計算・入力ミスの可能性がある
- ●法改正に対応しなくてはならない
勤務実績を改ざんされるリスクがある
エクセルは誰でも簡単にデータの書き換えが可能です。そのため、タイムカードや勤怠管理システムによる打刻に比べると、勤怠情報の改ざんリスクが高いといえます。例えば、遅刻をごまかすために従業員が出勤時間を改ざんすることは容易です。
自己申告制の勤怠管理だけでは法的に認められない
厚生労働省のガイドラインでは、労働時間の管理方法として「使用者が自ら現認すること」「客観的な記録を基礎として適正に記録すること」を求めています。また、エクセルの勤怠管理表による自己申告制を導入する場合は、パソコンの使用時間や入退室記録と比較して大きな乖離がないか実態調査を行うよう記されています。つまり、エクセルでの勤怠管理だけでは適正な労働時間を把握できていると認められません。かえって手間がかかる可能性もあるでしょう。
参考:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン|厚生労働省
計算・入力ミスの可能性がある
シフト制やフレックスタイム制で従業員全員が同じ時間で勤務しない場合は、計算が複雑になるので関数のミスがないかよく確認しなければなりません。また、日をまたいだ勤務が発生する場合も注意が必要です。
エクセルは一度関数を入力すれば自動で計算・集計が可能になる点が便利です。しかし、関数が一つでも間違っていれば大きな誤差へとつながります。自作する際は特に気をつけましょう。また、従業員が入力時に誤って計算式を消してしまうなどのトラブルも想定されるため、セルのロックを活用するのがおすすめです。
法改正に対応しなくてはならない
深夜残業や休日出勤の計算などは、法律の改正により変更になる可能性があります。エクセル関数を入力しておけば給与計算を自動化できますが、法改正によって割増率が変更になれば計算式の修正が必要です。
例えば、2023年4月からは中小企業においても、月60時間を超える時間外労働の法定割増賃金率が25%から50%以上に引き上げられることになりました。正しい知識とスキルをもって、こうした変更に対応しなければなりません。自作した勤怠管理表やテンプレートは常に最新の制度に対応できるよう、その都度見直しが必要です。
参考:しっかりマスター 労働基準法 割増賃金編|東京労働局
【早見表】エクセルと勤怠管理システムどちらが適しているか
ここでは、エクセルと勤怠管理システムのどちらを導入すべきか迷っている方に向けて、メリット・デメリットや適した企業を表にまとめました。
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エクセル |
勤怠管理システム |
メリット |
●費用をかけずに導入できる |
●勤怠管理から給与計算・給与明細配布まで自動化できる ●担当者の業務負担を減らせる ●最新の法改正にも迅速に対応できる |
デメリット |
●エクセルの専門知識が必要 ●虚偽申告・改ざんを防げない ●法改正に対応するのが大変 |
●エクセル運用に比べて費用が高い ●導入にあたりルールや体制の変更・周知が必要 |
向いている企業 |
●数十名規模の小規模事業者 ●時給制の従業員が多い企業 ●エクセルの知識が豊富な従業員がいる企業 |
●従業員が多く勤怠管理に手間を感じている企業 ●月給制の従業員が多い企業 ●バックオフィスの業務効率化を考えている企業 |
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自社に適した勤怠管理をしよう
関数やマクロなどの知識があれば、エクセルで勤怠管理表を作成できます。また、すでに完成された勤怠管理表テンプレートも複数公開されているので、それを活用すれば初心者でも問題ないでしょう。
しかし、自己申告制による勤怠管理表だけでは法的要件を満たせず、かえって勤怠管理業務の手間が増えてしまうかもしれません。予算や自社にあった勤怠管理システムの導入も、ぜひ検討してみましょう。