ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■提供形態別
- クラウド型:imatome、エマージェンシーコール、AcronisDisasterRecoveryCloud、EMERGENCYMAIL
- パッケージソフト型:エマージェンシーコール
- オンプレミスとクラウドの併用:AcronisDisasterRecoveryCloud、R-Cloud バックアップサービス
- ■対策の種類別
- データバックアップ・災害復旧(DR):AcronisDisasterRecoveryCloud、R-Cloud バックアップサービス
- 安否確認・緊急連絡:エマージェンシーコール、imatome
- メール・通信の継続:EMERGENCYMAIL
BCP対策ソリューションをオンプレミスで持つ理由
オンプレミスとは、サーバーやソフトウェアを自社の設備に置いて運用する形態です。BCP対策ソリューションでも、自社の事情からオンプレミス型を選ぶ企業があります。まずはその理由と、クラウド型との違いを整理します。
社内規程や閉域網の要件に対応するため
オンプレミス型が選ばれる理由の一つは、データを社外のサービスに預けられない社内規程や取引先との契約があることです。金融機関や公共団体、製造業の一部では、インターネットから切り離した閉域網の中でシステムを動かす方針をとっている場合があります。
このような環境では、BCP対策ソリューションもオンプレミスで運用するほうが社内の承認を得やすい場合があります。既存の基幹システムやファイルサーバーと同じ設備内でバックアップを管理したいという理由で選ぶケースもあります。
クラウド型との運用責任の違い
オンプレミス型とクラウド型の大きな違いは、サーバーや設備の運用責任をどちらが担うかです。クラウド型では、データセンターの電源や冗長化、ソフトウェアの更新は提供事業者が担います。
オンプレミス型では、これらを自社で用意し、維持する必要があります。設定や保管場所を自社で決められる自由度がある一方、災害時にサーバーが止まった場合の復旧も自社で進めなければなりません。どちらが自社にあうかは、管理できる人員や設備の状況によって異なります。
オンプレミスのBCP対策で弱点になりやすい点
オンプレミスでBCP対策の仕組みを持つ場合、守るべきシステムと守る仕組みが同じ場所にあることが弱点になり得ます。運用前に把握しておきたい点を3つ挙げます。
サーバーと本社が同時に被災する
オンプレミスのサーバーを本社のサーバールームに置いている場合、地震や水害で本社が被災すると、BCP対策の仕組みも同時に使えなくなる可能性があります。安否確認やバックアップの仕組みが、肝心の災害時に止まってしまうおそれがあるのです。
そのため、サーバーの設置場所が自治体のハザードマップでどのような地域にあたるか、建物の耐震性や浸水対策はどうかを確認しておくことが大切です。設置場所の工夫だけでは対策が難しい場合は、別の地域に予備環境を置く方法を検討します。
停電や通信回線の断絶に左右される
オンプレミスのサーバーは、建物の電源と通信回線に依存して動いています。停電が長引いたり、通信事業者の回線が使えなくなったりすると、社外にいる従業員が仕組みにアクセスできなくなります。
対策として、無停電電源装置(UPS)や非常用発電機の用意、複数の通信事業者の回線を引く冗長化が考えられます。ただし、発電機の燃料をどの程度備蓄するか、どこまで冗長化するかは費用とのバランスで決める必要があります。
運用を担う担当者が出社できない
オンプレミスでは、サーバーの再起動や復旧作業を社内の担当者が行う場面があります。災害時に交通機関が止まり、担当者が出社できないと、復旧作業そのものが始められない可能性があります。
リモートからサーバーを操作できる環境を整えるとともに、復旧手順を文書にして複数の担当者が対応できるようにしておきましょう。保守ベンダーに現地対応を依頼できる契約になっているかも確認しておくと安心です。
オンプレミスでも被災時に止めないための構成
オンプレミスのBCP対策ソリューションを有事にも使えるようにするには、一か所に頼らない構成を組むことが重要です。ここでは代表的な3つの方法を紹介します。
遠隔地へのバックアップと災害復旧サイト
災害復旧(DR)とは、システムが止まったときに別の場所で業務を再開するための仕組みです。オンプレミスでは、本社から離れた地域に予備のサーバーを置き、データを定期的に複製しておく方法がとられます。
どの程度の間隔で複製するかは、どの時点までのデータを取り戻したいかという目標によって変わります。毎日の複製で足りる業務もあれば、より短い間隔が求められる業務もあります。業務ごとに許容できるデータの損失範囲を決めてから構成を考えましょう。
サーバーの冗長化と電源の確保
冗長化とは、同じ役割の機器を複数用意し、一方が故障してももう一方で動き続けられるようにすることです。サーバーやネットワーク機器、ストレージを二重化すると、機器の故障による停止を防ぎやすくなります。
ただし、同じ建物の中で二重化しても、建物ごと被災した場合には両方が止まる可能性があります。機器の冗長化は故障への備え、遠隔地のバックアップは災害への備えと分けて考え、組み合わせて用意することが大切です。
クラウドとの併用による予備環境
すべてをオンプレミスで持つのではなく、予備の環境やバックアップの保管先にクラウドサービスを使う方法もあります。自社で遠隔地にサーバーを置くより、設備の準備にかかる手間を抑えられる場合があります。
一方で、クラウドにデータを置くことが社内規程で認められているかは事前に確認が必要です。暗号化してから保管する、個人情報を含むデータは対象から外すなど、規程の範囲で併用する方法を情報システム部門と検討しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でBCP対策ソリューションの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
オンプレミスを自社で運用する体制と費用
オンプレミスのBCP対策ソリューションは、導入して終わりではなく、日々の運用と定期的な更新が続きます。自社で担う作業と、それにかかる費用の種類を把握しておきましょう。
運用担当者と復旧手順書の整備
オンプレミスでは、バックアップが正常に取れているかの確認や、ソフトウェアの更新、障害時の対応を自社で行います。こうした作業を一人の担当者に任せきりにすると、その人が不在のときに対応が止まります。
作業手順と復旧手順を文書にまとめ、複数の担当者で分担できる体制を整えましょう。年に一度は、バックアップからの復元を実際に試し、手順どおりに元に戻せるかを確かめておくことが重要です。
保守契約と機器更新の費用
オンプレミスでは、初期のサーバー購入費やソフトウェアのライセンス費に加え、保守契約の費用、数年ごとの機器更新の費用が発生します。遠隔地に予備のサーバーを置く場合は、その設置場所の費用や回線費用もかかります。
導入時の見積もりだけで判断すると、数年後の更新時期に想定外の出費が生じるおそれがあります。保守期間や更新の目安をベンダーに確認し、5年程度の期間で総額を見積もっておくと、予算を立てやすくなります。
脆弱性への対応と更新作業
オンプレミスのサーバーやソフトウェアには、セキュリティ上の弱点である脆弱性が見つかることがあります。脆弱性を放置すると、ランサムウェアなどのサイバー攻撃でバックアップデータまで被害を受けるおそれがあります。
提供元からの更新プログラムを適用する手順や、適用前に検証する環境を用意しておきましょう。バックアップデータを通常のネットワークから切り離して保管する方法も、サイバー攻撃への備えとして有効です。
オンプレミス型かクラウド型かを決める判断材料
BCP対策ソリューションの提供形態は、自社の規程や設備、人員の状況によって向き不向きが分かれます。最後に、オンプレミス型とクラウド型を決める際の判断材料を整理します。
データの保管場所に関する社内規程
最初に確認したいのは、BCPで扱うデータを社外に置けるかどうかです。従業員の個人情報や重要業務の復旧手順、顧客データのバックアップなど、扱うデータの種類によって規程が異なる場合があります。
社外に置けないデータが多い場合はオンプレミス型、置けるデータが中心であればクラウド型や併用が候補に挙がります。安否確認はクラウド型、基幹データのバックアップはオンプレミス型というように、対策の種類ごとに分けて考える方法もあります。
拠点の配置と復旧にかけられる時間
次に、自社の拠点がどこにあり、どの程度の時間で業務を再開したいかを確認します。本社とは別の地域に拠点やデータセンターを持っていれば、オンプレミスでも遠隔地にバックアップを置きやすくなります。
反対に、拠点が一か所に集中している場合は、遠隔地の環境をクラウドで用意するほうが現実的なこともあります。復旧にかけられる時間と、運用を担える人員の数をあわせて検討し、提供形態を決めましょう。
オンプレ運用で検討したいBCP製品の違い
オンプレミスで運用する企業が比べやすいよう、提供形態と対策の種類がわかる形で製品を並べました。
| 製品名 | 提供形態 | 特徴 |
|---|---|---|
| エマージェンシーコール | クラウド/パッケージソフトなど | 最大10件の連絡先へ繰り返し連絡し、国内2拠点のデータセンターで稼働 |
| imatome | クラウド/SaaS | 安否確認や拠点確認、災害情報をクラウド上で一元的に把握できる |
| AcronisDisasterRecoveryCloud | クラウド/SaaS/サービス | 物理・仮想環境のワークロードを災害時にクラウドへ切り替えて復旧 |
| R-Cloud バックアップサービス | サービス | データセンターへ遠隔でバックアップし、NASを使った構成にも対応 |
| EMERGENCYMAIL | クラウド | Microsoft 365やGoogle Workspaceの障害時にメールを切り替えて継続 |
自社運用の補完に使えるBCP対策製品
オンプレミスで運用する場合は、被災時に自社サーバーが使えなくなる前提で、遠隔地のバックアップやクラウド側の代替手段を用意しておく必要があります。提供形態や自社環境への対応は製品ごとに異なるため、資料で確認してください。
エマージェンシーコール
- 【その時、何千人を守れるか】99%超回答の企業も。選ばれる理由
- 【ツール提供で、終わらない】BCP策定〜復旧まで全フェーズ伴走
- 【業界が違えば、危機対応も違う】業界特有の制約・実務を熟知
インフォコム株式会社が提供する「エマージェンシーコール」は、クラウドやパッケージソフトなどの形態で提供されている安否確認システムです。関東と関西の2拠点のデータセンターが24時間365日同時に稼働しており、片方が止まっても、もう片方で稼働を続けます。自社の基幹システムが被災しても、安否確認だけは止めたくない企業の候補です。
imatome
- 拠点状況や従業員の安否、災害情報など自動で効率的に情報収集
- 災害状況やタスク管理などをダッシュボードでリアルタイムに把握
- 平常モードと非常時モードでBCP対応の始まりと終わりを明確化
株式会社レスキューナウが提供する「imatome」は、クラウドやSaaSで利用できる危機管理サービスです。自社でサーバーを用意せずに、安否確認、拠点の状況確認、災害情報の収集をまとめて行えます。従業員数や拠点数の上限が異なるプランがあり、参考価格は月額15,000円~です。オンプレミスの基幹システムを持つ企業が、被災時の情報収集の手段を別に確保したい場合の選択肢です。
AcronisDisasterRecoveryCloud (アクロニス・ジャパン株式会社)
- 数クリックでリカバリサイトを立ち上げ、迅速に復旧。
- オンプレ/クラウドの物理・仮想環境に復旧対応。
- 未感染ポイントへ戻し、再感染リスクを抑制。
R-Cloud バックアップサービス (株式会社両備システムズ)
- DR・BCP対策が簡単に実現!
- 低コストでスモールスタートが可能!
- バックアップ&リストアが簡単!
EMERGENCYMAIL (サイバーソリューションズ株式会社)
- BCPに特化したクラウドサービスなので、BCP環境をすぐに実現
- 通常時のデータを切替後も、業務に支障なく利用可能
- 東西のデータセンターにて稼働、データも複数拠点にて保管
まとめ
BCP対策ソリューションをオンプレミスで運用する場合は、サーバーと本社の同時被災や停電、担当者の不在といった弱点を前提に備える必要があります。遠隔地へのバックアップや冗長化、クラウドとの併用を組み合わせることが大切です。保守や機器更新の費用、復旧手順の整備も含めて自社で担えるかを確認しましょう。資料請求で複数の製品を比べ、自社の規程と体制にあう提供形態を選んでください。

