ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■データの取り込み元別
- 既存の基幹システムとの連携:J-CCOREs、MCFrameXA原価管理
- 会計ソフトとの連携:プロカン、マネーフォワード クラウド個別原価、LA-cPRO工事原価管理、建設工事業向け原価管理システム
- 勤怠・工数データの取り込み:プロカン、マネーフォワード クラウド個別原価
- ■データの活用方法別
- API・外部システムとの連携:「楽楽販売」、J-CCOREs
- ダッシュボードやレポートで分析:プロカン、マネーフォワード クラウド個別原価
- CSVや表計算ソフトへの出力:J-CCOREs、ProSee、工事台帳アシストAI
原価管理システムのデータベースが担う役割
原価管理システムのデータベースは、原価の計算に必要なデータを集めて保管し、必要なときに取り出せるようにする役割を担います。Excelで原価を管理する方法と比べると、その違いがわかりやすくなります。
原価計算の元データを一か所に集める
原価管理システムのデータベースには、材料の購入や使用、作業時間、外注費、経費といった原価の元になるデータが集まります。システムはこれらのデータをもとに、製品や工事、プロジェクトごとの原価を計算します。
元データが一か所にあると、計算結果に疑問が出たときに、どの実績が原価に含まれているかをさかのぼって確認できます。計算の根拠を説明できる状態を保つことが、原価管理システムのデータベースの大切な役割です。
Excelでの原価管理との違い
Excelで原価を管理する場合、月ごとや担当者ごとにファイルが分かれ、集計のたびにデータを転記する作業が発生しがちです。転記の誤りや、どのファイルが最新かわからなくなる問題が起こる可能性もあります。
データベースを使う原価管理システムでは、複数の担当者が同じデータに対して入力や集計を行えます。誰がいつデータを変更したかの履歴を残せる製品もあり、過去の月と比較する分析も、データを集め直さずに行えます。
原価管理のデータベースに蓄積するデータ
原価管理のデータベースに蓄積するデータは、大きくマスタ、実績、計画の3種類に分けられます。それぞれの役割を理解しておくと、導入時にどのデータを準備すればよいかを判断しやすくなります。
品目や工事、費目などのマスタ
マスタとは、原価計算の基準になる情報を登録した一覧です。製造業では品目や部品構成、工程、建設業では工事や工種、ITや受託開発ではプロジェクトといった単位のマスタを登録します。費目や部門、作業者ごとの単価もマスタとして管理します。
マスタのコードは、他のシステムとデータを受け渡す際の目印にも使われます。生産管理システムや会計ソフトのコードと対応がとれていないと、取り込んだ実績が正しい製品や工事に結びつかないため、コード体系の整理が欠かせません。
材料費・労務費・経費の実績データ
実績データとは、実際に発生した費用の記録です。材料費は購入や在庫からの払い出しの記録、労務費は作業時間と単価、経費は外注費や設備の費用などから集めます。
実績をどの粒度で記録するかによって、分析できる範囲が変わります。例えば、作業時間を工程ごとに記録すれば、どの工程で原価が増えているかを確認できます。ただし、細かく記録するほど現場の入力の負担も増えるため、目的にあわせて粒度を決めましょう。
標準原価と予算のデータ
標準原価とは、製品をつくるのにかかるはずの原価を、あらかじめ計算して定めた金額です。工事やプロジェクトでは、受注時に見積もった実行予算がこれにあたります。データベースにこれらの計画値を登録しておくことで、実績との差を計算できます。
計画値は、材料の価格や賃金が変わるたびに見直しが必要です。いつの時点の計画値かを区別して保存できるかを確認しておくと、過去の差異を正しく振り返れます。
原価データベースへのデータの集め方
原価管理システムのデータベースには、社内の複数のシステムからデータを集めます。手入力を減らし、取り込みの漏れや重複を防ぐには、取り込み元ごとに方法と頻度を決めておくことが大切です。代表的な取り込み元を紹介します。
生産管理や販売管理からの取り込み
製造業では、生産管理システムから製造指示や製造実績、在庫管理から材料の払い出しの記録を取り込みます。販売管理システムからは売上のデータを取り込み、製品ごとの利益を計算する材料にします。
取り込みの方法には、CSVファイルで受け渡す方法と、システム同士を直接つなぐ方法があります。どちらの場合も、取り込んだ件数や金額を取り込み元と照らしあわせ、取り込みに失敗したデータがあれば通知される仕組みを用意しておきましょう。
勤怠・工数管理からの労務費データ
労務費を計算するには、誰がどの製品や工事に何時間働いたかのデータが必要です。勤怠管理システムの出退勤の記録だけでは作業の内訳がわからないため、工数管理のシステムや作業日報で、作業の対象ごとの時間を記録する方法がとられます。
現場での入力が遅れると、月次の原価を確定できない場合があります。入力の締め日を決め、未入力の担当者に通知する仕組みがあるかも、原価管理システムや工数管理のシステムを選ぶ際に確認しておきたい点です。
会計ソフトとのデータの照合
原価管理システムに集めた費用の合計は、会計ソフトに計上された費用と一致している必要があります。会計ソフトから費用のデータを取り込む方法と、原価管理システムで集計した結果を会計ソフトに渡す方法があり、どちらを使うかは業務の流れで決めます。
月次の締めでは、両者の金額を照合し、差がある場合は原因を確認しましょう。計上の時期のずれや、原価に含めない費用の扱いなど、差が生じる理由を一覧にしておくと、照合の作業を毎月同じ手順で進められます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で原価管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
原価管理システムが使うデータベースの種類
原価管理システムがどのようなデータベースを使っているかは、提供形態や製品によって異なります。導入時の準備や費用、運用の担当範囲に関わるため、代表的な3つのパターンを押さえておきましょう。
製品に組み込まれたデータベース
パッケージ型の原価管理システムには、データベースのソフトが製品に同梱され、インストール時に一緒に設定されるものがあります。利用者がデータベースを意識せずに使えるため、専任の担当者がいない企業でも導入を進めやすい形です。
一方で、データベースのソフトの種類や設定を自由に変えられない場合があります。データ量が増えたときの性能や、バックアップの方法がどうなっているかは、製品の資料や提供元への質問で確認しておきましょう。
汎用のデータベースソフトを使う製品
原価管理システムの中には、Microsoft SQL ServerやOracle Database、PostgreSQLといった汎用のデータベースソフトの上で動くものがあります。社内ですでに使っているデータベースソフトにあわせて構成を選べる場合もあります。
この場合、データベースソフトのライセンス費用が別に必要になることがあります。データベースの保守やバックアップを自社で担う体制が必要かどうかも、導入前に情報システム部門と確認しておくとよいでしょう。
クラウド型でのデータの持ち方
クラウド型の原価管理システムでは、データベースは提供元の設備で管理され、利用企業はデータベースの保守を行う必要がありません。データのバックアップや性能の管理も、提供元が担うのが基本です。
そのぶん、データベースに直接接続して独自の集計を行うことは制限される場合があります。蓄積したデータを外部のツールで分析したい場合は、データを出力する機能や、外部のシステムとつなぐ仕組みがあるかを確認しておきましょう。
蓄積した原価データを活用する方法
原価管理システムのデータベースに蓄積したデータは、月次の原価計算だけでなく、利益の改善や見積もりの精度向上にも使えます。活用の方法と、長く使い続けるためのデータの管理について紹介します。
原価差異や利益の分析
原価差異とは、標準原価や実行予算と、実際にかかった原価との差のことです。データベースに計画値と実績が揃っていれば、どの製品や工事で差が大きいか、材料費と労務費のどちらで差が生じているかを分析できます。
差の原因がわかれば、材料の購入先の見直しや作業手順の改善、見積もり単価の修正といった対策につなげられます。分析の結果を次の見積もりや計画値の見直しに反映していくと、原価管理の精度を段階的に高められます。
BIツールや表計算ソフトへの出力
原価管理システムの標準の帳票では足りない分析を行いたい場合は、データを外部に出力して使います。CSVファイルで出力して表計算ソフトで加工する方法のほか、BIツールと呼ばれる分析用のソフトとつないで、グラフや一覧で可視化する方法があります。
出力するデータの範囲や項目を選べるか、決まった時刻に自動で出力できるかは製品によって異なります。原価のデータは機密性が高いため、出力できる担当者を限定し、出力の記録を残せるかもあわせて確認しましょう。
保存期間とデータ量の管理
原価のデータは、年数を重ねるほど蓄積され、データベースの容量や処理の速さに影響する可能性があります。何年分のデータを日常の分析に使い、古いデータをどう保管するかを決めておきましょう。
会計帳簿や関連する書類には、法令で保存期間が定められています。原価のデータがどこまで対象になるかは、経理部門や顧問の税理士に確認しておくと安心です。古いデータを別の領域に移す機能があるかも、製品を比べる際に確認しておきたい点です。
データ連携と出力で比べる原価管理システム一覧
この記事で紹介する原価管理システムを、データの取り込み元と活用方法に注目して一覧にしました。連携したいシステムや分析の進め方にあう製品を探す際の参考にしてください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| プロカン | 案件ごとの販売・購買・勤怠・経費などのデータを集約。ダッシュボードで予実や利益率を分析できる |
| 「楽楽販売」 | 見積から原価・収支までを一元管理。リレーショナルデータベースやAPI・外部システム連携を活用できる |
| マネーフォワード クラウド個別原価 | 工数入力・インポートから原価計算、仕訳生成まで対応。会計・給与計算ソフトと連携できる |
| J-CCOREs | 既存システムやExcelのデータを連携して原価計算。Excelによる原価データの抽出・分析にも対応 |
| ProSee | 製造業向けのオンプレミス型。Excelデータの取り込みや計算結果のExcel出力に対応 |
| MCFrameXA原価管理 | 製造業向けで4種類の原価計算に対応。既存システムとの連携や単独での導入が可能 |
| 工事台帳アシストAI | 請求書などをAIで読み取ってデータ化する建設業向けクラウド。CSV形式でのデータ出力に対応 |
| LA-cPRO工事原価管理 | 工事業向け。工事別の原価・予実管理に加え、会計ソフトとのデータ連携に対応 |
| 建設工事業向け原価管理システム | Excel形式の帳票を自由に設計でき、「勘定奉行」との会計連携に対応 |
原価データを集めて活用しやすい原価管理システム
会計ソフトや工数管理などからデータを集めやすく、蓄積したデータを分析や外部ツールで活用しやすい製品を紹介します。データの取り込み元と出力方法を中心に比較してみてください。
プロカン
- プロジェクト型ビジネスに特化した原価管理と工数管理システム
- 案件の工数原価・外注・仕入・売上を正確に捉え利益まで見える化
- IT/制作会社/コンサル業界に特化で、使いやすさと低価格を実現
株式会社PROCANが提供する「プロカン」は、受託型・プロジェクト型ビジネス向けの収支管理システムです。プロジェクトごとの販売・購買・勤怠・経費などのデータを集約し、作業工程別の作業時間も集計できます。集計したデータはダッシュボードで予実管理や売上・粗利分析に使え、プロジェクトや月、担当者などの切り口で収支を把握できます。会計連携にも対応しているため、原価データの集計から会計処理への受け渡しまでをつなげたい企業で比較しやすいでしょう。
「楽楽販売」
- 販売管理システム 売上シェアNo.1
- 見積もり~請求データの一元管理で、転記作業や請求ミスを削減
- 売上・原価の紐づけで、収支計算・集計の手間を削減
株式会社ラクスが提供する「楽楽販売」は、見積もり・受注・請求から、売上、発注、原価・収支までを一元管理できるクラウドシステムです。マウス操作で構築できるリレーショナルデータベースを備え、表示項目や入力画面を自社の業務にあわせてノンプログラミングで変更できます。登録した売上と原価を紐づけて計算し、案件・プロジェクト別の収支も可視化できます。API・外部システムとの連携にも対応しており、複数のシステムとデータを受け渡す運用を検討しやすい製品です。
マネーフォワード クラウド個別原価
- 工数管理~原価計算~仕訳生成までワンストップで対応が可能に
- 複雑な配賦計算も配賦ロジックで柔軟に対応
- プロジェクト毎に、月別のコスト推移を可視化
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド個別原価」は、IT開発やプロジェクト型ビジネス向けの個別原価管理システムです。従業員はクラウド上で日次の工数を入力でき、工数のインポートや会計・給与計算ソフトとの連携にも対応しています。クラウド会計Plusから原価実績を連携し、多段階の配賦計算を自動化できます。月別・科目別のコスト推移表でプロジェクトごとの原価実績を確認できるため、工数と費用のデータを一か所に集めて分析したい企業に向いています。
J-CCOREs
- 業種を問わず製造実態を反映できる「ころがし計算」
- Excelとの連携機能を標準装備しており、快適な操作性を実現
- 周辺システムには左右されない、独立した原価管理システム
JFEシステムズ株式会社が提供する「J-CCOREs」は、原価計算単体のパッケージとして提供される製造業向けの原価管理システムです。生産管理や会計、販売のシステムの有無や種類を問わず、現行システムやExcelで管理しているデータを連携して原価計算を行います。原価・採算分析の画面や帳票からワンクリックでExcelを起動でき、利用者が自由にデータを抽出して照会データを作れる機能も搭載。オプションとして、生産実績収集やSAP S/4HANAとのERP連携も用意されています。取り込み元のシステムが複数ある製造業で検討しやすい製品です。
ProSee(プロシー)
- 製品別の原価・利益を見える化します
- 「ガラス張り原価計算法」で費用配分の計算プロセスを可視化
- 経営改善に必要な管理情報を自動作成
MCFrameXA原価管理 (ビジネスエンジニアリング株式会社)
- 多通貨対応でグローバル原価を一元管理。
- 4種の原価計算で戦略的な原価管理を支援。
- 既存システム連携可、単独導入も柔軟に対応。
工事台帳アシストAI (ネクスゲート株式会社)
- 書類アップロードで全フォーマット自動読み取り。
- 案件管理で粗利率を可視化し、データを活用。
- CSV出力で既存システムと連携し、導入影響を最小化。
LA-cPRO工事原価管理 (リード株式会社)
- 多彩な分析項目とデータリレーション機能が標準装備。
- 最大5階層対応の予実管理で全層をカバー。
- 会計ソフト連携と内部統制機能で長期運用に対応。
建設工事業向け原価管理システム (株式会社オービックオフィスオートメーション)
- Excel形式の帳票を自由に設計し、活用できる。
- 「勘定奉行」と会計連携し、仕訳入力~会計処理を効率化。
- 業務に合わせた必要機能のみの導入が可能。
まとめ
原価管理システムのデータベースには、マスタと実績、標準原価や予算といった計画値を蓄積し、生産管理や勤怠・工数管理、会計ソフトからデータを集めます。どのシステムからどの粒度で集めるか、蓄積したデータをどう分析に使うかによって、選ぶべき製品の連携先や出力の仕組みが変わります。データの取り込み元と活用方法を整理したうえで、原価管理システムの資料請求で製品を比較してみてください。

