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給与明細電子化システムにIT導入補助金を活用する手順と計画の立て方

給与明細電子化システムにIT導入補助金を活用する手順と計画の立て方

給与明細電子化システムの導入にIT導入補助金を活用するなら、補助事業の期間内に電子化を終えられる計画を先に立てることが重要です。補助金は交付決定後に契約したツールが対象で、導入と実績報告までを交付決定から6か月程度で終える必要があるとされています。この記事では、申請の進め方や従業員の承諾取得と並行させるスケジュール、電子化の範囲の決め方、自己負担額の試算方法を解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■電子化の範囲別
    ■従業員の閲覧方法別

    給与明細電子化にIT導入補助金を使うメリット

    給与明細の電子化は、紙の印刷や封入、配布の手間を減らす取り組みです。IT導入補助金を活用すると、システムの導入費用の一部が補助されるため、費用面のハードルを下げられます。2026年度は「デジタル化・AI導入補助金」の名称で実施されています。

    導入費用の自己負担を抑えられる

    通常枠では、ソフトウェア購入費やクラウド利用料、導入関連費の原則2分の1以内が補助されます。クラウド型の給与明細電子化システムなら、利用料は最大2年分まで補助対象に含められます。

    紙の明細にかかっていた用紙代や印刷代、郵送費は電子化によって減らせる可能性があります。補助金でシステム費用の負担も抑えられれば、電子化の効果を早い段階で実感しやすくなります。

    関連記事 給与明細はペーパーレス化できる?メリットと注意点を解説

    電子化の範囲を広げるきっかけになる

    補助金の申請では、どの業務の生産性を高めるかを事業計画として整理します。この作業を通じて、給与明細だけでなく、源泉徴収票や雇用契約書の電子化まで検討を広げる企業もあります。

    給与計算や勤怠管理と一体になったシステムを選べば、データの受け渡しや転記の手間も減らせます。ただし、範囲を広げるほど導入と社内調整の負担も増えるため、補助事業の期間内に終えられる範囲に絞ることが大切です。

    補助金を使った給与明細電子化の進め方

    補助金を使う場合は、通常の導入とは手順が異なります。申請の準備やIT導入支援事業者との相談が加わり、契約は交付決定を受けた後でなければなりません。全体の流れを3つのステップで確認しましょう。

    1. 電子化の範囲と対象者を決める

    最初に、どの書類を電子化するか、どの従業員を対象にするかを決めます。正社員だけでなく、パートやアルバイトも含めるか、パソコンを持たない従業員にはどう配信するかを整理しておきましょう。

    範囲が決まると、必要な機能や利用人数が見えてきます。対象者ごとに配信方法が異なると、設定や問い合わせ対応の手間も変わります。これをもとに、補助対象として登録された給与明細電子化システムを比較し、候補を絞り込みましょう。

    2. 申請に必要な準備を整える

    申請には、行政手続き用の共通認証である「GビズIDプライム」の取得と、IPAが実施する「SECURITY ACTION」の一つ星または二つ星の宣言が必要です。GビズIDプライムは発行に時間がかかる場合があるため、早めに手続きしましょう。

    あわせて、事業計画の作成に使う決算情報や従業員数、賃金の状況も準備します。紙の明細にかかっている作業時間や費用もこの段階で記録しておくと、導入後の効果を説明しやすくなります。

    3. 交付申請から導入まで進める

    IT導入支援事業者から申請マイページへの招待を受け、事業計画を入力して交付申請を行います。IT導入支援事業者とは、ツールの提供と申請サポートを行う登録事業者のことです。

    審査を経て交付決定を受けたら、システムの契約と支払い、初期設定を進めます。導入が終わったら、支払いの証明書類をそろえて実績報告を提出し、内容が確定すると補助金が交付されます。補助金は後払いのため、費用をいったん自社で立て替える点に注意しましょう。

    補助事業の期間内に電子化を終えるスケジュール

    補助金を使った導入で最もつまずきやすいのが、スケジュールの管理です。交付決定までは契約できない一方で、交付決定後は限られた期間で導入と報告を終えなければなりません。準備を前倒しで進めるコツを紹介します。

    交付決定までに準備を済ませる

    交付決定までは契約や支払いができませんが、契約を伴わない準備は進められます。例えば、電子化を従業員に知らせる文書の作成や、承諾を得るための書面の準備、社内規程の見直しです。

    従業員情報の整理も、この期間に済ませておきたい作業です。社員番号やメールアドレス、雇用区分を一覧にしておくと、交付決定後のアカウント登録をすぐに始められます。交付申請の締切は公募回ごとに設定されるため、公式サイトで最新のスケジュールを確認しましょう。

    従業員の承諾取得と並行して進める

    給与明細を電子で交付するには、所得税法にもとづき、あらかじめ従業員の承諾を得る必要があります。承諾しない従業員には書面での交付を続ける必要があるため、承諾の状況は運用の設計に影響します。

    承諾の取得には一定の期間がかかるため、システムの初期設定と並行して進めるのが効率的です。承諾の取得や記録をシステム上で行える製品もあるため、比較の際に確認しておきましょう。

    関連記事 給与明細の電子化には同意書が必要?関連する法律や導入の流れを解説

    実績報告の期限から逆算する

    補助事業の期間は、交付決定から6か月程度とされています。この期間内に、契約や支払い、導入、実績報告の提出までを終える必要があります。

    給与明細は毎月の給与支給にあわせて配信するため、どの支給月から電子配信を始めるかを先に決め、逆算して作業日程を組みましょう。初回の配信前にテスト配信を行い、明細の表示内容や閲覧できない従業員がいないかを確認する期間も確保しておくと安心です。

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    補助金申請前に決めたい電子化の範囲

    電子化する書類の範囲によって、選ぶべき給与明細電子化システムや、申請できる補助額の区分が変わります。自社の課題と補助事業の期間を踏まえて、無理のない範囲を決めましょう。範囲ごとの特徴を整理します。

    給与・賞与明細から始める

    まずは毎月の給与明細と賞与明細の電子化から始める方法です。対象が明確で、従業員への説明もしやすいため、補助事業の期間内に運用を始めやすい範囲といえます。

    既存の給与計算ソフトを使い続ける場合は、そのソフトから出力したデータを取り込めるかを確認しましょう。給与計算と明細配信が一体になったシステムに切り替える場合は、給与計算の移行作業も期間内に終える必要があります。

    関連記事 給与明細をスマホで閲覧できるメリットとは?

    源泉徴収票まで広げる

    年末調整後に交付する源泉徴収票も、従業員の承諾を得れば電子で交付できます。給与明細と同じ画面で閲覧できると、従業員が書類を探す手間も減ります。

    ただし、源泉徴収票の交付は年に一度のため、補助事業の期間中に実際の配信を迎えない場合もあります。配信のテストや承諾の取得を期間内に済ませておき、本番の配信時に慌てないよう準備しておきましょう。

    労務書類までまとめて電子化する

    雇用契約書や各種届出まで電子化したい場合は、人事労務の機能を持つシステムが候補です。入社手続きや住所変更などの手続きもまとめてペーパーレス化できる可能性があります。

    導入範囲が広がると、通常枠の上位の区分である150万円以上450万円以下の補助額も検討できます。ただし、この区分では4つ以上の業務プロセスと賃上げ目標が求められます。要件を満たせるかをIT導入支援事業者と確認してから決めましょう。

    申請前に試算したい費用と注意点

    補助金を使っても、費用の一部は自社で負担します。補助が終わった後も利用料は続くため、導入前に数年分の費用を試算しておくことが大切です。申請前に確認しておきたい2つの点を解説します。

    補助率から自己負担額を計算する

    通常枠の補助率は原則として2分の1以内です。例えば補助対象経費が60万円の場合、補助額は最大30万円で、残りの30万円以上は自社で負担します。最低賃金に近い水準の従業員が一定割合を占めるといった条件を満たすと、補助率が3分の2以内に引き上げられます。

    補助金は後払いのため、いったん全額を支払う資金の準備も欠かせません。支払いの時期と補助金が入金される時期のずれを踏まえ、資金繰りの計画も立てておきましょう。

    補助終了後の利用料も見込む

    クラウド型の場合、補助の対象になる利用料は最大2年分までです。3年目以降は全額を自社で負担するため、長期で見た費用も比較しましょう。

    あわせて、導入後には事業実施効果の報告が求められます。労働生産性の向上や賃上げの状況を報告する仕組みで、報告を怠ると補助金の返還を求められる場合があります。制度の内容は公募回によって変わることもあるため、申請前に公式サイトで最新の公募要領を確認してください。

    電子化の範囲で比べる給与明細システム一覧

    補助金の申請前に決めたい電子化の範囲を検討しやすいよう、この記事で紹介する製品が扱える書類や閲覧方法をまとめました。

    製品名特徴
    ポケット給与最大12種類の受け取り方法から選べる給与明細配信システムで、年末調整やマイナンバー収集、オリジナル帳票も電子化できる
    SmartHR給与明細や源泉徴収票の作成・配付をペーパーレス化し、蓄積データを退職手続きの書類作成にも活用できる
    freee人事労務給与明細・賞与明細の作成を自動化し、PC・スマホ・タブレットからWebで閲覧できるようにする
    i-Compass WEB給与明細給与明細と源泉徴収票に加え、WEB雇用契約や入社手続き、年末調整、安否確認などの機能を選んで利用できる
    KING OF TIME 人事労務WEB給与明細の発行・閲覧に加えて、入社手続きやマイナンバー管理などの労務業務にも対応する
    レコル勤務管理から給与計算、Web給与明細、年末調整までを完結でき、給与明細や源泉徴収票をWebで発行できる
    web給与明細サービス給与・賞与明細、源泉徴収票、勤務詳細表、住民税決定通知書をWebと専用アプリで電子化できる
    e-navi給与明細給与・賞与明細や源泉徴収票をPCやスマートフォンのブラウザで閲覧でき、扶養控除申告書などの電子申告にも対応する
    Esia-Zero電子署名で労働条件通知書の作成・捺印をデジタル化でき、WEB明細機能やRPAによる自動化も備える
    FocusU給与明細ブラウザで給与明細を確認でき、給与ソフトからのデータ連携や通知・資料配布にも活用できる

    電子化計画にあわせて選べる給与明細システム

    給与・賞与明細から始めるか、源泉徴収票や労務書類まで広げるかによって、候補になる製品は変わります。補助事業の計画を立てる際に比べたい製品を紹介します。

    ポケット給与

    株式会社ICSソリューションズ
    《ポケット給与》のPOINT
    1. 給与明細をスマホ・PC・タブレットで、いつでもどこでも閲覧可能
    2. 年末調整・マイナンバー収集・オリジナル帳票など幅広く電子化!
    3. 充実した機能と分かりやすい操作性で業務をサポート

    株式会社ICSソリューションズが提供する「ポケット給与」は、最大12種類の受け取り方法から選択できる給与明細配信システムです。給与明細はスマホ・PC・タブレットで閲覧でき、年末調整やマイナンバー収集、オリジナル帳票など幅広い書類の電子化にも対応しています。専任スタッフが導入から運用までをサポートするため、従業員への周知や設定を相談しながら進めたい企業に適しています。

    SmartHR

    株式会社SmartHR
    《SmartHR》のPOINT
    1. 給与明細の作成・配付にかかる時間を99%削減
    2. 配付ミスや紛失などのセキュリティリスクを防止
    3. 蓄積データを活用し、「離職証明書」などの退職手続きも自動化

    株式会社SmartHRが提供する「SmartHR」は、給与明細や源泉徴収票の作成・配付をペーパーレス化できる人事・労務のクラウドサービスです。印刷・仕分け・封入といった工程をなくし、紛失や誤配付のミスを防ぎます。蓄積したデータを活用し、離職証明書などの退職手続きも自動化できます。給与明細の電子化を足がかりに、労務書類まで範囲を広げる計画を立てたい企業が比較したい製品です。

    freee人事労務

    フリー株式会社
    《freee人事労務》のPOINT
    1. 10万事業所が利用!中小企業向けクラウド給与計算
    2. PC・スマホ・タブレットでいつでもどこでも明細閲覧
    3. 給与明細のペーパーレス化による配布・保管コストの削減

    フリー株式会社が提供する「freee人事労務」は、給与計算から給与明細・賞与明細の作成までを自動化するクラウドサービスです。電子化した明細はWebで共有でき、従業員はPC・スマホ・タブレットからいつでも閲覧できます。配布・管理・郵送にかかるコストの削減にもつながります。まずは給与・賞与明細の電子化から始め、給与計算もあわせてクラウドへ移したい中小企業の候補になるでしょう。

    i-Compass WEB給与明細

    DAIKO XTECH株式会社
    《i-Compass WEB給与明細》のPOINT
    1. 給与システムデータをわずか数クリックで明細のアップロード完了
    2. 安否確認、年末調整、WEB雇用契約など豊富なラインナップ
    3. 入社手続きもWEB上で完結!

    DAIKO XTECH株式会社が提供する「i-Compass WEB給与明細」は、給与明細をスマホやパソコンから確認できるようにするクラウドサービスです。給与明細と源泉徴収票のほか、WEB雇用契約や入社手続き、年末調整、安否確認などの機能を必要に応じて選べます。雇用契約書など労務書類の電子化まで見据えて、電子化の範囲を検討したい企業が比べたい製品です。

    KING OF TIME 人事労務

    株式会社ヒューマンテクノロジーズ
    《KING OF TIME 人事労務》のPOINT
    1. 入社手続き、給与明細の発行など労務担当者の業務を軽減します。
    2. 勤怠や給与と連携し、スムーズな一元管理を実現できます。
    3. データベースの二重化など万全のセキュリティ対策。

    株式会社ヒューマンテクノロジーズが提供する「KING OF TIME 人事労務」は、勤怠管理・人事給与システム「KING OF TIME」シリーズの人事労務製品です。WEB給与明細の発行・閲覧だけでなく、入社処理やマイナンバー管理などの労務業務にも対応しています。勤怠や給与と連携して一元管理できるため、明細の電子化と労務手続きのデジタル化をまとめて進めたい企業に適しています。

    レコル

    中央システム株式会社
    《レコル》のPOINT
    1. 勤怠管理・給与計算・Web給与明細・年末調整すべてレコルで完結
    2. 月額ひとり300円とリーズナブル!すべての機能を利用可能
    3. 給与明細や源泉徴収票をWeb発行

    中央システム株式会社が提供する「レコル」は、勤務管理・給与計算・Web給与明細・年末調整までを一つで完結できるクラウドシステムです。給与明細や源泉徴収票をWebで発行でき、社労士監修のもと給与担当者の負担を減らす機能がそろっています。勤怠や給与計算も含めて導入するため、明細の電子化と同時に勤怠や給与の業務も見直したい企業が検討できる製品です。

    e-navi給与明細 (株式会社イー・クリエーション)

    《e-navi給与明細》のPOINT
    1. 公開日時を指定して給与データを取り込むだけの簡単運用
    2. 一斉連絡に使える同報メール機能を搭載!
    3. 年末調整関連書類(扶養控除申告書など)の電子申告に対応

    Esia-Zero (株式会社日本シャルフ)

    《Esia-Zero》のPOINT
    1. 電子署名対応で労働条件通知書の作成・捺印をデジタルで完結
    2. WEB明細機能でコストと紛失リスクを削減
    3. RPAで申請・給与計算を自動化

    FocusU給与明細 (キャップクラウド株式会社)

    《FocusU給与明細》のPOINT
    1. 給与ソフトからのデータ連携が可能で、導入負荷が低い。
    2. ブラウザ対応で明細をどこでも確認し紙作業を削減
    3. 給与明細以外に通知・資料配布にも活用可能。

    まとめ

    給与明細電子化システムにIT導入補助金を活用するなら、交付決定から6か月程度の補助事業期間内に導入と実績報告を終えられる計画を立てることが重要です。交付決定前は契約できないため、従業員の承諾取得や情報整理を前倒しで進めましょう。電子化の範囲は期間内に終えられる大きさに絞り、補助終了後の費用も含めて試算することが大切です。資料請求で候補の製品を比較し、補助対象かどうかもIT導入支援事業者に確認してください。

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