採用KPIとは何を測る指標なのか
採用KPIは、採用活動の進み具合を見える化するための指標です。最終的な採用人数だけを追いかけていると、うまくいかない原因がわからないまま時間だけが過ぎてしまいます。ここでは、KGIとの違いと、採用活動にKPIが求められる理由を整理します。
採用におけるKGIとKPIの違い
KGIはKey Goal Indicatorの略で、日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。最終的に達成したいゴールを数値で表したもので、採用活動でいえば「今年度中に営業職を10名採用する」といった目標がこれにあたります。一方のKPIはKey Performance Indicatorの略で、日本語では「重要業績評価指標」と訳され、そのゴールに近づいているかを測る中間指標を指します。応募数や書類選考の通過率、内定承諾率などが代表例です。
両者を分けて考える意味は、確認できるタイミングにあります。KGIだけを置いていると、達成できたかどうかが年度末になるまでわかりません。KPIを工程ごとに置いておけば、期の途中でも遅れに気づき、募集チャネルの追加や選考日程の前倒しといった軌道修正に動けます。KGIを分解した結果がKPIである、という関係を押さえておきましょう。
採用KPIを設定する目的とメリット
採用KPIを置く目的は大きく三つあります。第一に、採用活動の進捗を関係者が同じ数値で確認できるようになること。第二に、目標に届かない原因がどの工程にあるのかを特定できること。第三に、人事と現場の面接官、経営層が同じ言葉で採用を語れるようになることです。
課題の特定という点は特に効果が大きい部分です。応募数は計画どおり集まっているのに採用に至らないのであれば、選考の進め方や見極めの基準に原因がある可能性が高いといえます。逆に応募がそもそも少ないのであれば、募集要項や求人媒体の選び方を見直す必要があります。数値があることで、感覚に頼らない議論ができます。
採用プロセス別に見る代表的なKPI
採用KPIは、母集団形成、選考、内定から入社までという三つの段階に分けて考えると整理しやすくなります。段階ごとに追うべき数値は異なり、どこかの数値だけを改善しても全体の結果は変わりません。ここでは各段階の代表的な指標を見ていきます。
母集団形成の段階で追う指標
母集団形成の段階では、応募数がもっとも基本的な指標です。あわせて、求人ページの閲覧数、閲覧から応募に至った割合、募集チャネルごとの応募数も確認します。チャネルとは求人媒体や人材紹介、自社採用サイト、社員紹介といった応募の入口のことです。
応募数は合計だけでなく、チャネル別に分けて見ることをおすすめします。全体では足りているように見えても、特定の媒体に偏っていれば、その媒体の掲載が終わった途端に応募が止まってしまうためです。チャネルごとの応募単価まで並べておくと、次の期にどこへ予算を寄せるかという判断にもつながります。
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選考段階の歩留まりを示す指標
選考段階では、歩留まりが中心の指標になります。歩留まりとは、ある工程から次の工程へ進んだ人の割合のことです。書類選考の通過率、一次面接の通過率、面接の日程が実際に組めた割合、候補者側から辞退された割合などを工程ごとに数えていきます。
歩留まりを工程別に並べると、どこで候補者が抜け落ちているのかがひと目でわかります。あわせて、応募から内定までにかかった日数も追っておきましょう。選考期間が長引けば、その間に他社の選考が先に進み、辞退につながることもあるためです。通過率と期間の両面から見ることで、改善すべき工程を絞り込めます。
内定から入社までを測る指標
内定を出した後にも、追うべき指標があります。代表的なものが内定承諾率と内定辞退率です。内定辞退率は、内定を辞退した人数を内定者数で割って算出します。さらに、実際に入社に至った割合や、入社後の早い時期に退職した人の割合まで見ておくと、採用の質を評価できます。
内定辞退率が高い状態が続く場合は、内定後の関わり方に課題が潜んでいることが考えられます。連絡が途絶える期間が長い、入社後の働き方が具体的に伝わっていない、といった要因は珍しくありません。面談の設定や社員との交流機会など、内定者へのフォロー施策と結び付けて数値を追うことが大切です。
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採用KPIとして把握したいコスト指標
採用活動の効率を把握するには、応募数や選考通過率だけでなく、採用にかかった費用も確認する必要があります。代表的な指標が、一人を採用するためにかかった費用を示す「採用単価」です。ここでは、採用単価の計算方法と、採用コストを把握する際のポイントを解説します。
採用単価の計算方法
採用単価とは、一人を採用するためにかかった費用を示す指標です。「採用にかかった費用の合計÷採用人数」で算出します。全社の採用単価だけでなく、職種別や求人媒体・人材紹介などのチャネル別に算出すれば、どの採用方法が費用対効果に優れているかを比較できます。
ただし、採用単価は低ければよいとは限りません。コストを抑えすぎると応募数や候補者の質が低下し、必要な人材を確保できない可能性があります。採用人数や選考通過率、入社後の定着率などほかのKPIとあわせて評価することが重要です。
採用コストは外部コストと内部コストに分けて把握する
採用単価を正確に算出するには、採用活動で発生する費用を把握する必要があります。採用コストは、大きく「外部コスト」と「内部コスト」に分けられます。外部コストには求人広告の掲載料や人材紹介会社への手数料、採用管理システムなどのツール利用料、採用イベントの会場費などが含まれます。
内部コストには、採用担当者や面接を担当する現場社員の人件費、社員紹介制度のインセンティブなどが含まれます。特に人件費は見落とされやすいため、面接回数や一件あたりの所要時間なども記録しておくとよいでしょう。外部・内部の両方を把握することで、採用チャネルごとの費用対効果を比較し、予算配分の見直しに活用できます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で採用管理・選考管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
採用KPIを設定するときの進め方
指標の候補がわかったら、次は自社の目標に合わせて数値を決めていきます。手順を踏まずに指標だけ並べても、現場は何を目指せばよいのか判断できません。ここではKGIからの逆算と、目標値の配分という二つの段階に分けて説明します。
KGIから必要な数を逆算する
最初に、採用したい人数と時期をKGIとして固めます。次に、その人数を採るために各工程で何人必要かを、後ろの工程から順にさかのぼって計算します。内定承諾率から必要な内定者数を出し、面接や書類選考の通過率をたどって、最終的に必要な応募数を導く流れです。
計算に使う通過率は、自社の過去の実績を出発点にすると精度が上がります。過去のデータが残っていない場合は、いったん仮の数値を置いて動き出しても構いません。実際の選考が進むにつれて実績値が集まるため、月次で置き換えていけば、次の採用計画ではより現実的な目標を設定できます。
チャネル別に目標を配分し担当と期限を決める
必要な応募数が見えたら、それを募集チャネルごとに配分します。求人媒体で何件、人材紹介で何件、社員紹介で何件というように割り振り、それぞれに担当者と確認の期限を紐づけます。担当と期限まで決めて初めて、KPIは日々の行動につながります。
あわせて、数値をどこでどう集計するかも先に決めておきましょう。応募者情報が媒体ごとのメールや個別の表計算ファイルに散らばっていると、集計だけで時間を取られ、更新が滞りがちです。採用管理システムには、応募から内定までの人数や工程ごとの通過率を集計するレポート機能を備えた製品があり、確認の負担を軽くできます。
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採用KPIを運用に定着させるポイント
KPIは設定した時点では効果を生みません。決めた数値を定期的に確認し、差が出たときに手を打つ流れができて初めて、採用活動の改善につながります。ここでは、運用を続けるためのポイントと、陥りやすい落とし穴を紹介します。
定例で数値を確認し次の打ち手につなげる
採用KPIは、週次や月次といった一定の間隔で確認する場を設けることをおすすめします。確認の場では、計画値と実績値の差を工程ごとに並べ、差が生まれた工程を特定します。全体の応募数が足りないのか、面接の通過率が想定より低いのかによって、取るべき対応は変わるためです。
数値を眺めるだけで終わらせず、次の一手をその場で決めることが重要です。募集要項の見直し、面接日程の追加、紹介会社への依頼条件の変更など、担当者と期限まで決めて記録します。前回決めた打ち手の結果を次の会で振り返れば、改善の積み重ねが組織の知見として残ります。
指標を増やしすぎず数値以外の視点も持つ
KPIを細かく設定しすぎると、集計作業に追われて本来の採用業務が圧迫されます。追う指標は各段階で絞り込み、自社の課題に直結するものだけを選びましょう。指標が多いほど管理が丁寧になるわけではなく、むしろ形だけの運用に陥りやすくなります。
また、数値だけで採用の良し悪しを判断しない姿勢も欠かせません。通過率を上げようとして基準を緩めれば、入社後のミスマッチが増えるおそれがあります。候補者が選考をどう感じたか、面接官の負担が過大になっていないかといった定性的な情報もあわせて確認し、指標そのものを定期的に見直してください。
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採用KPIの集計を支える採用管理システム
採用KPIは、工程ごとの人数を継続して記録できて初めて運用に乗ります。ここでは、応募者情報と選考プロセスを一元管理でき、KPIの元になる数値を集めやすい製品を紹介します。
ジョブカン採用管理
- 募集から内定までこれ一つ。簡単高機能な採用管理システム
- あらゆる経路からの応募者の情報を取り込み、一括管理!
- 媒体別・面接官別など求人効果の分析・レポート作成も可能!
株式会社DONUTSが提供する「ジョブカン採用管理」は、新卒・中途・アルバイトの採用に対応した採用管理システムです。求人ごとの候補者情報と選考ステップを一元管理でき、レポート機能では応募数や内定数、各選考ステップの通過率を確認できます。経路別のレポートを使えば、どの媒体からどれだけ応募があったかの推移も追えます。求人媒体からの応募の自動取り込み、Googleカレンダー連携による面接日程調整、Slackやメールでの通知にも対応しています。
HRMOS(ハーモス)採用
- 応募、選考管理、候補者連絡など、採用業務を「一元化・効率化」
- 現状把握と分析に必要な 「採用データの可視化」
- 工数削減と適切なチャネル活用による「採用コストの最適化」
株式会社ビズリーチが提供する「HRMOS(ハーモス)採用」は、採用データの可視化を掲げる採用管理システムです。候補者情報や選考フローの一元管理、面接日程調整の自動化、応募者へのメール送信、エージェント管理や求人媒体連携、内定者情報の連携まで、採用活動の各工程を一つの基盤で扱えます。工程ごとの状況が同じ場所に集まるため、進捗の共有や現状把握に役立ちます。蓄積した情報はCSVで出力でき、社内の集計資料への転記にも利用できます。
ZohoRecruit (ゾーホージャパン株式会社)
- 75以上の掲示板にワンクリックで求人投稿可能
- Nucleus Research社が選出した、採用領域のリーダー企業。
- Zoho Workerly連携で有期雇用者を容易に管理
engage (エン株式会社)
- 求人掲載、採用ページ作成、応募者管理が0円
- チケット制で無駄なく活用可能
- 最大20の求人サイトへ一括掲載し応募数増加
まとめ
採用KPIは、採用人数というゴールを工程ごとの数値に分解し、途中経過を管理するための指標です。母集団形成では応募数やチャネル別の内訳、選考段階では工程ごとの歩留まり、内定後は内定辞退率、費用面では採用単価と、段階に応じた指標を選ぶことが出発点となります。KGIから必要な数を逆算し、担当者と期限まで決めたうえで、定例の場で差分を確認して打ち手につなげましょう。指標を絞り、数値と現場の声の両面から見直しを続けることが、採用活動の改善につながります。

