優秀な人材の特徴
優秀な人材とは、具体的にどのような特徴をもつ人のことでしょうか。
ビジョンを立てられる
優秀な人材は、目の前の仕事だけでなく将来のことを見据えて行動しています。これは普段の業務にも現れ、設定したゴールに対して効果的な計画を立てられます。仕事を段取り良く行えるため、優秀な実績を残しやすいでしょう。
社会の変化に強い
近年、システム導入による業務自動化、テレワークなどさまざまな変化がおこっています。従来のやり方にばかり固執すると業績悪化のおそれもあるでしょう。
優秀な人材は、長期的な視点で考え必要な情報を絶えず収集し、将来の役に立てようと考えます。変化に強い人は、普段の業務でも新しい業務や事業に対し柔軟に適応できるでしょう。
客観的な自己分析ができる
成長するためには、正しく自分のことを理解していなければなりません。客観的で正確な自己分析ができれば、課題を克服する方法が見つかります。
また、自分の能力やポジションを理解していれば、チームでの仕事を効率良く行えます。自分のことを冷静に分析できる人は、チームや会社が抱えている課題に対しても効果的な打開策を提案できるでしょう。
人間関係を上手に構築できる
優秀な人材はコミュニケーション能力が高く、チームワークを発揮して仕事をスムーズにこなせます。
企業では、一人で仕事をする機会は少なく、チームメンバーや取引先と一緒に仕事をします。人間関係を構築する能力が高い人は、個人の力だけでは達成できない成果を残せるでしょう。
優秀な人は自分の仕事だけでなく他人のことを考えて行動するため、チームや会社に貢献することが多いです。
誠実である
どんな人材でも、失敗することはあります。優秀な人材は、失敗をしても他人に責任転嫁せず正直に報告し、自分のよくなかった点と誠実に向き合います。失敗の原因を明確にし改善策を考えるため、同じ失敗が繰り返されることは少ないでしょう。
優秀な人材の見分け方
優秀な人材を確保するには、選考段階でそのことを見極めなければなりません。そこで、優秀な人材の見分け方を解説します。
1.将来設計について聞く
先述のとおり、優秀な人材は具体的なビジョンをもち、自身の将来も明確に考えます。そのため、応募者が具体的なキャリアパスをどのように考えているか質問しましょう。
例えば、「5年後、あなたはどのようになりたいですか」や「当社でやってみたいこと、成し遂げたいことはなんですか」などの質問が有効です。
回答のビジョンが明確で、実現するために行動をしていれば、計画性だけでなく実行力や行動力もあると期待できるでしょう。また、そのビジョンの達成にふさわしい環境を自社が提供できれば、双方にとって有益な採用となります。
2.過去の経歴を調べる
人の性格や能力は経験によって形作られます。したがって、その人が優秀な人材かを判断する見分け方として、経歴を調べることも有効です。
相手が学生であれば、学生時代をどのように過ごしたかを聞いてみましょう。本人がやりたいことを明確に意識し、そのために努力を惜しまなかったことがわかれば、優秀な人材である可能性が高いです。反対に、ただ漫然と周囲に流されるままに時間を過ごしたのであれば、自己分析もできず行動力もないという判断になります。
ここで気をつけたいのは、経歴が華々しいものである必要はないことです。仕事において必ずしも華々しい成果だけが重要ではないことと同じです。地味ながら、こつこつと努力を積み重ねられる人材こそが求められる場面はたくさんあります。経歴そのものより、その経歴に至るまでの心情や思考を重視しましょう。
3.長所や短所を聞く
自己分析能力を見定めるために長所と短所を聞くのも、見分け方として有効です。その回答で客観的であるかどうか、短所を改善する意識があるか、対策をしているかが判断ポイントになります。
ほかにも「あなたを採用することで、当社が得られるメリットはなんですか」という質問も有効です。このような質問では自己分析能力だけでなく、自己PR・プレゼン能力も確認できるでしょう。
4.コミュニケーション能力をみる
ビジネスのほとんどの場面で、コミュニケーション能力は仕事の効率や成否を左右します。正しく物事を伝達するのはもちろん、速やかにできるかどうかも重要な要素です。物事を伝える際に、一度で伝えられる人と何度も確認を繰り返す人では、コミュニケーションコストが異なります。メールや面接を通じて、コミュニケーション能力を確認しましょう。
見分け方の例として、メールの返信は早い方が望ましいです。すぐに返事をできない場合は、「明日中に確認してご連絡いたします」のように一言伝えられるとなおよいでしょう。
また、面接では面接官と求職者がコミュニケーションをとることになります。その時、面接官の質問に対して適切な回答を返せるかどうか確認しましょう。円滑な言葉のキャッチボールができれば、きちんとした意思疎通が可能と判断できます。
優秀な人材を採用するためのコツ
続いて、優秀な人材を採用するためのコツを3つ紹介します。
自社のブランディングに力を入れる
求職者やその周りの人々が、自社のことをどれほど知っているかにより人材の集まりやすさが変わります。人は物事を比較する際、自分がよく知っているものの方が優れていると考える傾向が多いからです。
ほぼ同じ業種・事業規模の2社があった場合、テレビCMなどで露出が多く、知名度が高い方を選ぶでしょう。求職者にとっての知名度はもちろん、その周りにいる家族や友人、教員などにも知れ渡っている方が有利です。また、「CMでよくみる○○社に入社した」というのは、求職者にとって自慢にもなるでしょう。
したがって、優秀な人材を呼び込むためにはブランディングに注力する必要があります。名前を知ってもらうことはもちろん、業種や業務内容、職場の雰囲気などを可能な限り伝え、親しみを持ってもらえるようにしましょう。
求人媒体を選別する
求人媒体は、どこを使ってもよいというものではありません。媒体によって集まる人材が異なるからです。
求人媒体には幅広い人材が登録しているものもあれば、特定の経歴や資格をもつ人に絞って集めているところもあります。優秀な人材を求めるのであれば、優秀な人材にフォーカスした求人媒体を利用しましょう。闇雲に求人情報を出稿するよりも少ないコストで理想的な人材を集めやすくなります。
社内のコネクションを活用する
求人媒体へ掲載するだけが採用方法ではありません。近年注目されている採用方法の一つがリファラル採用です。リファラル採用とは、社内の従業員に友人や知人を紹介してもらい、その人を採用する方法です。求人媒体のように掲載料がかからないため、採用コスト削減となるでしょう。
さらにリファラル採用の優れたところは、コストが低いことだけではありません。従業員と、比較的近い能力や特徴の人材を集めやすいこともメリットです。
基本的に、人は自分と近い人と関係を構築します。優秀な人材は、優秀な人と交友関係を築いている可能性が高いでしょう。したがって、社内の優秀な人材に知人を紹介してもらえれば、その人もまた優秀である可能性が高いと判断できます。就職する側から見ても、知人の紹介であれば企業を信頼しやすいため、意欲の高い状態で就職できるでしょう。
優秀な人材を逃さないためのポイント
せっかく優秀な人材に出会えても、入社してくれるとは限りません。仮に入社しても、定着せず早期退職になるリスクもあります。では、優秀な人材を確実に確保するにはどのようなことに留意すればよいのでしょうか。
経営者による面接を取り入れる
近年の若者は、精神的な充足を重視するといわれています。企業で働くうえでも、給与の高さよりも働きやすさややりがいなどを大切にします。
そのような求職者を逃さないために、企業の理念に共感してもらうことが大切です。理念はHPに掲載して伝えることもできますが、経営者が直接求職者に語る場を設けるとよいでしょう。特に面接のように、1対1で会話し理念を伝えると、求職者にとって強く記憶に残り、深く理解してもらえます。
ここで求職者の心を掴めることで、採用につながるでしょう。
身だしなみや言葉遣いに気を配る
面接では面接官が応募者を評価し、採用の可否を決めます。しかし、優秀な人材は逆に、面接官を見てふさわしい会社か判断していることも多いです。
面接官は「会社の顔」であるため、身だしなみや言葉遣いが適切でないと、教育がいき届いていない会社だと思われてしまいます。そのため、優秀な人材の採用を決めても、内定辞退になるケースが少なくありません。面接官は、応募者にマイナスな印象を与えないように注意しましょう。
合否の連絡を迅速に行う
早く就職先を決めて安心したい気持ちが強くなっているため、求職者はできる限り早く就職活動を終えたいと考えています。そのため、求職者は早く内定を出してくれる企業に入社を決める傾向があります。
つまり、合否の連絡が遅いだけで、優秀な人材を他社に取られる可能性が高くなるでしょう。選考後にはできるだけ速やかに結果を求職者に通知する必要があります。
ただし、結果を急ぐあまり選考が疎かになったのでは優秀な人材を見極められません。そこで、採用活動に有効な採用管理システムの活用がおすすめです。採用管理システムは、応募者管理やDM配信、選考日時の調整、社内での情報共有などさまざまな機能を備えています。雑務に要する手間を削減できれば、選考に注力したうえで速やかに合否連絡を行えるでしょう。
優秀な人材の見分け方を知り、積極的に獲得しよう!
優秀な人材とは、主に以下の特徴をもつ人です。
- ■ビジョンを立てられる
- ■社会の変化に強い
- ■客観的に自己分析できる
- ■人間関係の構築が上手
- ■誠実である
また、見分け方は以下のとおりです。
- ■将来設計について聞く
- ■過去の経歴を調べる
- ■長所と短所を聞く
- ■メールや面接でコミュニケーション能力を確認する
さらに、出会えた優秀な人材を逃さない工夫も必要です。よい印象を与えられるよう心がけ、採用活動を効率化して合否連絡を早めに行いましょう。