スカウトメールを活用するメリット
スカウトメールの最大のメリットは、自社に適した人材にピンポイントでアプローチできることです。
また、一般応募よりも広い範囲からターゲットを選定できるのも魅力です。一般応募では、初めから転職の意思がある人物しか集まりません。しかし、スカウトメールであれば、はっきりと転職の意思を持たない人物にもアプローチできます。
ターゲットの範囲が広くなることで、自社に最適な人材を見つけやすくなるでしょう。さらに、スカウトメールによって採用に至った人材は定着率が高いのも特徴です。お互いに条件をよく確認したうえで合意に至るため、採用後に不満が生じるリスクが低くなります。
注目されているスカウトメール
スカウトメールの注目度が上がっています。その背景には有効求人倍率の上昇があります。採用難度が上がっている昨今では、「特別感」を演出できるスカウトメールが有効な採用方法として使用されています。特に応募者の母集団を形成することが難しい中小企業では、ダイレクトにリクルートが可能なスカウトメールは有効な手段として重宝されています。
スカウトメールの作成ポイント
では、どのようにしてスカウトメールを作成すればよいのでしょうか。
ターゲットを明確にする
スカウトメールを送る前に、どのくらいの範囲のターゲットを狙うのかを決めなければなりません。メールを送信する目的によって、狙うべきターゲットの範囲は異なります。
希望職種や条件にマッチする人材の関心を広く集めたいのであれば、その条件が一致する人に一斉にメールを送信します。開封率は低くなりますが、広範囲へのアプローチが可能です。自社が求人をしていることを周知でき、ターゲットが自社に興味を抱くきっかけとなるでしょう。
一方、人材を精査して確実に採用したい場合は、明確にペルソナを設定します。ペルソナとは、ターゲットとなる人材の人物像のことです。年齢や経験、希望など、ターゲットの多様な要素を含みます。
ペルソナと自社の求人条件が一致する人材を絞り込むことで、スカウトメールへの良い反応を得られやすくなります。
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会社紹介は端的に行う
自社アピールをしたいという思いが強すぎて、長文の会社紹介を送りがちになってしまいますが、ここはできるだけ端的な文章にしましょう。長文メールは、あまり良い印象をもたらさず、最後まで読んでくれる可能性が低くなります。短い文で、最大限の魅力が伝わるように工夫していくと良いスカウトメールが作成できます。
相手に特別感を伝える
スカウトメールでは「自分だからこそ求められている」と相手に思ってもらわなければなりません。具体的には、相手のどこを評価したのかを伝えることが大切です。相手のプロフィールに記載されている経歴や資格などを踏まえて、文章を作成すると良いでしょう。
さらに、「自分ならできそうだ」と感じてもらわなければなりません。そのためには、職務で求められるスキルを具体的に記載しましょう。求められるスキルと自身のスキルがマッチすることが分かれば、相手は安心して応募できるようになります。
返信率を高めるスカウトメールの書き方
続いて、スカウトメールの書き方を、件名・書き出し・本文・行動喚起の4つの部分に分けて紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
件名:応募者それぞれに合ったフレーズにする
件名が適切でないと、そもそもスカウトメールを開いてもらえない可能性があります。そこで、次の2点に注意して件名を決めましょう。
- 相手のプロフィール情報を盛り込む
- 「システム開発経験5年のA様」といった形式で、相手の情報を件名に入れます。これにより、まさに自分が求められているという実感を相手に与えられるでしょう。
- 具体的なベネフィットを入れる
- 自社の求人に応募することで、相手にどのようなメリットがあるのか提示しましょう。具体的には、給与や待遇を明記します。それが相手の希望に沿えば、より詳しく求人情報を見たいと思ってもらえるでしょう。
- 相手のプロフィールを踏まえたうえでベネフィットを提示できればより効果的です。
書き出し:スカウト理由を説明する
メールを開いた段階で相手が抱いているのは、なぜ自分にスカウトメールが届いたのかという疑問です。そのため、初めにその疑問を解決する必要があります。書き出しでの自社の紹介や挨拶は最小限に抑え、まずスカウト理由を完結に記しましょう。
たとえば、「〇〇の経験をお持ちのあなたに、弊社の△△のポジションで活躍していただきたくご連絡いたしました」などがよいでしょう。この段階で納得が得られれば、続く文章を読んでもらえる可能性も高くなります。
本文:具体的な会社紹介と仕事内容の説明をする
本文では自社と仕事の特徴を説明し、さらに納得してもらうことが大切です。自社の紹介では、可能な限り具体的な情報を詰め込みましょう。なぜなら、当たり障りのない情報では他社と差別化できないからです。
たとえば、待遇が優れていることをアピールしたいのであれば、有給取得率やボーナスの体制などを紹介しましょう。特に数値で伝えられる情報であれば、相手にとって有力な判断材料となります。
仕事内容の説明では、仕事が相手の希望に沿ったものであることを伝えましょう。そのためには、相手のプロフィールを踏まえ、どのような点がマッチしているかを明記することが大切です。
その結果、相手は自身のプロフィールがきちんと考慮されていることを実感できるため、意欲が向上するでしょう。
行動喚起:次にしてほしい行動へと誘導する
最後に、次の行動へ誘導しなければなりません。これをしなければ、相手は具体的にどのような行動を起こしてよいのか分からず、応募を諦める可能性があるからです。
たとえば、電話で応募すべきなのか、メールにそのまま返信して良いのかなどを記載すると良いでしょう。対応可能な曜日や時間帯も記載しておけば、より丁寧な印象を与えられるはずです。
さらに、応募後の流れも書いておくと相手は安心して応募できます。面接の回数や採用・不採用の決定に要する日数などを記載しましょう。
今から使えるスカウトメールのテンプレート
次に、スカウトメールの良いテンプレートと悪いテンプレートを紹介します。前項で紹介した4つの要素に留意して比較しましょう。
理想的なスカウトメールの例
- 件名:【月収35万円保証】営業経験6年のA様の力をお貸しください
- 本文:
A様
はじめまして、X社代表のBと申します。
A様のプロフィールを拝見し、6年の営業経験をお持ちのあなたに当社の営業業務で活躍いただきたく、ご連絡いたしました。
現在、当社は独自開発した商品の営業に注力しています。同業他社とは異なる魅力を持つ商品であるため、現在営業件数が増加中です。新規のプッシュ型の開拓は必要ありません。
A様のこれまでの経歴を踏まえ、現在の月収35万円を保証します。その上に歩合制の給与を加えるため、さらなる給与UPも可能です。また、働き方改革にも注力し、有給休暇取得率は80%以上を維持しています。
このほかにもお伝えしたいことはありますが、まずはこのメールに直接お返事をいただければ幸いです。面接可能な日時などを提示いただければ柔軟に調整いたします。A様からのお返事、心よりお待ちしております。
良くないスカウトメールの例
- 件名:【急募】働きやすい環境で営業業務に取り組みませんか?
- 本文:
はじめまして、X社代表のBと申します。
現在、当社は独自開発した商品の営業に注力しており、今後も販売規模を拡大する予定です。そこで、営業職を募集することになりました。
当社は残業が少なめで有給取得率も高い労働環境をめざしています。給与も実力次第でUP可能です。いかがでしょうか。よろしければ、ぜひご応募ください。
良くないスカウトメールの例では、件名や本文で応募者に合った情報を提示できていません。さらに、仕事内容の情報が曖昧なうえ、行動喚起も具体性に欠けています。これらの点を改善することで、良いスカウトメールに近づくでしょう。
良いスカウトメール、悪いスカウトメール
以上を踏まえて、良いスカウトメールと悪いスカウトメールの違いをまとめました。自社でスカウトメールを作るときのチェックポイントとして参考にしてください。
良いスカウトメール |
悪いスカウトメール |
特別感がある |
使いまわしの定型文 |
希望条件にマッチしている |
応募するメリットが感じられない |
端的なオファー |
長い会社紹介 |
明確な評価ポイントがある |
働くイメージがわかない |
次にすることがわかりやすい |
返信しづらいメール |
スカウトメールのポイントを把握して返信率の向上を!
スカウトメールを活用することで、大手企業だけでなく中小企業も自社に適した人材を獲得できるチャンスが増えます。今回紹介したテンプレートやチェックポイントを参考にして、適切なスカウトメールを作成してください。
採用管理システムを使えば、スカウトメールがシステム上で簡単に送信できたり、返信を管理することができます。今後効果的にスカウトメールを活用していきたい方は、システムも合わせて検討することもおすすめです。
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