採用管理システムのレビューシェアとは
レビューシェアとは、ITトレンドに投稿されたユーザーレビュー件数の割合から、「どの製品にどの程度レビューが集まっているか」を可視化した指標です。導入社数そのものを示すデータではありませんが、比較検討されやすい製品や利用者の声が集まりやすい製品を把握するうえで有用な目安になります。
本記事で紹介する採用管理システムのレビューシェアは、次の条件で集計しています。
- ●集計対象:ITトレンドに投稿された【採用管理システム・選考管理システム】カテゴリのユーザーレビュー
- ●レビュー件数:全338件
- ●集計期間:2025年7月までに投稿されたレビュー
これらのデータをもとに、主要な採用管理システムのレビューシェアと、その背景にある選ばれ方の特徴を見ていきます。
採用管理システムのレビューシェアランキング
2025年7月までにITトレンドで収集した【採用管理システム・選考管理システム】のユーザーレビュー(全338件)を集計した結果、最も多くのレビューを獲得したのはHRMOS(ハーモス)採用(株式会社ビズリーチ)で93件(全体の28%)でした。
2位はi-web(株式会社ヒューマネージ)の54件(16%)、3位はジョブカン採用管理(株式会社DONUTS)の42件(12%)、4位はsonar ATS(Thinkings株式会社)の35件(10%)、5位は採用一括かんりくん(HRクラウド株式会社)の20件(6%)となりました。
レビューシェアTOP5一覧
| 順位 | 製品名 | レビュー件数・シェア | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | HRMOS(ハーモス)採用 | 93件(28%) | 媒体連携・分析機能まで揃った総合型ATS/中途・新卒を問わず幅広い企業規模で導入 |
| 2位 | i-web | 54件(16%) | 新卒採用に強み/大手就職サイトや適性検査との連携が充実し、大量採用にも対応しやすい |
| 3位 | ジョブカン採用管理 | 42件(12%) | 低コストから導入しやすいクラウド型/LINE連携などで応募者対応を効率化したい企業に人気 |
| 4位 | sonar ATS | 35件(10%) | 新卒・中途を一元管理しやすい設計/大手〜成長企業の本格的な採用運用に選ばれやすい |
| 5位 | 採用一括かんりくん | 20件(6%) | Web面接・カレンダー連携など現場の負担軽減に強み/中小〜中堅企業での利用が多い |
検討企業の関心が高いのはどの製品?【ランキング編】
レビューは“導入企業の評価”を示す指標ですが、ランキングは、これから導入を検討している企業の関心度を表します。ITトレンド年間ランキング2024の採用管理システムカテゴリでは、ジョブカン採用管理、HITO-Linkリクルーティング、HRMOS(ハーモス)採用が上位にランクインしました。
レビューシェア上位のHRMOS(ハーモス)採用やi-webに加え、ランキングではHITO-Linkリクルーティングなど別の製品も上位に入っていることから、「導入後の評価が高い製品」と「これから検討されている製品」には違いがあることが分かります。
レビュー × ランキングを掛け合わせると見えること
- ●レビューの多さ = 実際に導入し、現場で評価されている製品
- ●ランキング上位 = 今まさに検討されている注目製品
- ●両方強い製品 = 市場で“導入され・選ばれ続けている”成熟システム
たとえばHRMOS(ハーモス)採用は、レビューシェアでもランキングでも上位に入る製品であり、導入企業・検討企業の両方から選ばれている中心的な採用管理システムといえます。
一方で、レビュー件数はそこまで多くなくても、ランキング上位に入る製品も存在します。こうした製品は、新機能や料金体系、連携のしやすさなどから「これから導入したい」と考える企業が増えている“新注目株”と捉えられます。
レビューシェアTOP5から見える3つの傾向
レビューシェア上位の製品を見ていくと、選ばれている理由にはいくつかの共通点がありました。ここでは、特に目立った3つの傾向を紹介します。
1.新卒・中途どちらにも対応しやすい「総合型ATS」が支持されやすい
HRMOS(ハーモス)採用やsonar ATSのように、新卒・中途・中途経験者など複数の採用チャネルを一元管理できる総合型ATSは、「採用の窓口を一本化できる」「人事部内で情報共有しやすい」といった声が多く寄せられています。採用組織全体の業務設計を見直したい企業ほど、総合型に支持が集まる傾向があります。
2.新卒採用フローに強い製品は大手・採用数の多い企業でシェアが伸びる
i-webのように、大手就職サイトや適性検査と連携し、大量の学生データを捌きやすい製品は、「説明会〜選考〜内定までを安定運用できる」「複数拠点での新卒採用にも対応しやすい」と高評価。新卒採用の母集団形成から最終選考までをシステムでしっかり管理したい企業に選ばれやすく、その結果としてレビューが集まっています。
3.LINE連携やWeb面接など“現場負担を減らす機能”に評価が集まりやすい
ジョブカン採用管理や採用一括かんりくんのように、LINE連携やWeb面接、カレンダー連携など日々のオペレーションを軽くする機能を備えた製品には、「現場担当者の工数が減った」「応募者とのやり取りがスムーズになった」という声が多く見られます。専任の採用担当が少ない企業ほど、運用しやすさを重視してこうしたツールを選ぶ傾向があります。
タイプ別に見る:シェア動向からわかる“向いている企業像”
レビューシェアのデータをもとにすると、採用管理システムのタイプごとに「向いている企業像」が見えてきます。ここでは、TOP5に入った製品を中心にタイプ別の傾向を整理します。
■総合型ATS・データ連携重視型(HRMOS(ハーモス)採用・sonar ATSなど)
- ●新卒・中途・アルバイトなど、複数の採用形態をまとめて管理したい企業
- ●媒体連携やレポート機能を活用し、採用データを分析・改善したい企業
- ●人事部だけでなく現場管理職も巻き込んで、採用を「組織の取り組み」として運用したい企業
■新卒採用フロー重視型(i-webなど)
- ●毎年まとまった人数の新卒採用を行っている企業
- ●就職サイトや適性検査、イベントなど複数チャネルからのエントリーを一括管理したい企業
- ●説明会・面接日程の調整や、学生とのコミュニケーションを効率化したい企業
■運用性・コスト重視型(ジョブカン採用管理・採用一括かんりくんなど)
- ●専任の採用担当者が少なく、他業務と兼務しながら採用を行っている中小企業
- ●まずは月額1~数万円台から、無理のないコストでシステム化を始めたい企業
- ●LINE連携やWeb面接など、応募者対応の工数削減を最優先に考えたい企業
シェアだけでなく自社に合う採用管理システムを比較しよう
採用管理システムのレビューシェアを見ると、HRMOS(ハーモス)採用・i-web・ジョブカン採用管理・sonar ATS・採用一括かんりくんなど、人気製品にはそれぞれ選ばれる明確な理由があります。しかし、レビューシェア上位だからといって、必ずしも自社にとって最適なシステムとは限りません。
重要なのは、自社の採用フロー・採用形態・採用体制に合うかどうかです。レビューシェアやランキングは判断材料の一つにとどめつつ、以下のような観点で比較検討してみてください。
- ●新卒・中途・アルバイトなど、どの採用形態に重点を置きたいか
- ●媒体連携・LINE連携・Web面接など、どの機能が優先度高いか
- ●人事だけでなく、現場の面接官も扱いやすい操作性か
- ●自社の採用目標(応募数・採用数・定着率など)に対して、どのシステムが効果を出しやすいか
ITトレンドでは、主要な採用管理システムの資料をまとめて請求できます。まずは気になる製品の資料を取り寄せ、レビューシェアやランキングだけに頼らず、自社の採用課題に合ったシステムを比較してみてください。複数製品を並べて検討することで、最適な1本が見えてきます。


