アルバイト選考時に重視すべきポイント
アルバイトの選考では、勤務条件の一致だけでなく、応募者の意欲や職場との相性、必要なスキルを総合的に見極めることが重要です。ここでは、採用後の定着や戦力化につなげるために、面接や選考時に確認しておくべき4つのポイントを紹介します。
必要な日数の勤務が可能か
応募者が希望する勤務日数や時間帯が、自社のニーズに合っているかは、採用判断の基本です。条件の一致を確認せずに採用すると、シフトの調整が難しくなり、ほかのスタッフへの負担が増す可能性もあります。
例えば、店側は1日5時間以上の勤務を希望しているのに、応募者は3時間しか働けない場合や、逆に応募者が長時間働きたいのに勤務時間が短い場合など、条件が合わないままの採用は離職や追加採用の要因になりかねません。
まずは必要な稼働日数や時間帯を満たせるかどうかを明確に見極め、勤務条件の合致を最優先で確認しましょう。
仕事に対する意欲は十分か
仕事へのモチベーションは、採用後の定着率に直結します。応募者の志望動機から、業務への関心度や継続意欲を読み取ることが、採用可否を判断するうえで非常に重要です。
例えば、志望動機が「時給が高いから」「家から近いから」といった条件面だけの場合、仕事内容への関心が薄く、採用後に「イメージと違った」と離職するリスクがあります。仮に辞めなかったとしても、仕事に対する意欲が低いまま業務をこなされては、現場の雰囲気や生産性にも悪影響を及ぼす可能性があります。
そうならないよう、「仕事内容に魅力を感じているか」「長く働きたいと思っているか」といった視点で応募者の姿勢を見極め、面接時に意欲や仕事観を丁寧に確認しましょう。
人柄が職場の雰囲気にマッチしているか
人間関係のトラブルや空気感のミスマッチは、早期離職の原因にもなります。職場の雰囲気に馴染めるかどうかを、採用判断の視点で見極めることが大切です。
例えば、年齢層が極端に違う場合や、既存メンバーとの性格的なミスマッチがあると、チーム内のコミュニケーションに支障をきたし、周囲の従業員が働きにくくなる可能性があります。
実際の職場の年齢構成や雰囲気、従業員のタイプを踏まえて、応募者の人柄がフィットしそうかどうかを面接でしっかり確認しましょう。
最低限のスキルや能力を持っているか
応募者が業務に必要な基本スキルを備えているかは、即戦力としての適性を判断するうえで欠かせません。どんな職場や職種であっても、一般常識やコミュニケーションスキルは最低限求められます。
例えば、業務内容を理解するための理解力や、とっさのトラブルに対応できる判断力がなければ、業務に支障をきたす可能性があります。また、経験者を採用する場合は、それに見合うスキルが備わっているかの確認も必要です。
そのほか、接客業であれば明るい笑顔や丁寧な応対、飲食業であれば身だしなみや清潔感なども、職種に応じたスキルとして判断材料になります。これらを面接時にしっかり確認することで、現場に支障のない人材かどうかを見極めましょう。
アルバイトが職場に求める条件とは
アルバイトの定着率を上げるには、応募者が求めている条件を理解し、それを満たすことが必要です。アルバイトが職場に求める条件は次のとおりです。
- ■必要な給料が得られるか
- 多くの人はお金を稼ぐ手段としてアルバイトを行うでしょう。そのため応募者は「自分が稼ぎたいと思っている金額分だけ働けるかどうか」を重要視しています。
- ■柔軟にシフトを組めるか
- 学生であれば試験期間や長期休み、年末年始などに休みの融通がきくかどうかは重要でしょう。また専業主婦(夫)などは子どもの体調不良や学校行事で急な休みにも対応してほしいものです。
- ■求めるスキル・経験が身につくか
- アルバイトを通して将来のキャリアに向けてスキルを磨きたいと考える人も多いです。例えば接客・営業スキルやビジネスマナーなどが身についたり、職場で得た知識で資格を取得する人も出てきたりするでしょう。
どのような人に働いてほしいと考えているかを事前に明確にし、採用したい人材を見つけたら応募者の求める条件を確認し、採用のミスマッチを防ぐのがおすすめです。
アルバイト面接の質問事例
定着率の高いアルバイトを採用するには、面接時の質問で相手を見極めることが最も重要です。ここでは質問例を目的別に紹介します。
雇用条件に関する質問例
勤務日数や給料など、雇用条件についてはお互いに最重要視すべきでしょう。お互いの勤務条件がマッチするか確認してください。雇用条件に関する質問例は以下のとおりです。
- ●いつから勤務可能ですか
- ●週(月)にどのくらい勤務できますか(日数や時間)
- ●月にいくら稼ぎたいといった給料に関する希望はありますか
- ●土日祝日の勤務は可能ですか
- ●年末年始や長期休みなど、シフトに入れない期間はありますか
勤務意欲に関する質問例
仕事内容に興味をもっているか、やりがいをもって働けそうかを判断する必要があります。また、入社意欲についても確認しておくと採用後の辞退者を減らせるでしょう。勤務意欲に関する質問例は以下のとおりです。
- ●応募理由を教えてください
- ●仕事で挑戦してみたいことや目標はありますか
- ●当社に興味をもった理由は何ですか
- ●ほかに検討している勤務先はありますか
業務内容の適性に関する質問例
面接では応募者の適性を判断しなければいけません。応募者のエピソードを通じて忍耐力や課題解決力を知れます。適性を判断できる質問例は以下のとおりです。
- ●最近、辛かった経験を教えてください
- ●得意なこと、苦手なことは何ですか
- ●以前の職場を辞めた理由は何ですか
- ●〇〇な業務を担当してもらいますが、大丈夫ですか
なお、採用後にアルバイトを定着させるポイントは下記の記事で紹介しています。
理想のアルバイト面接の流れ
アルバイトの面接にも理想とする流れがあります。必ずしもこのように進める必要はありませんが、この流れで面接を行うとスムーズに面接を進められます。
- 1.自己紹介を行う
- まずはこちらから自己紹介をし、職場内における自身の立場と役割を伝えましょう。
- 2.アイスブレイクを行う
- いきなり面接の本題に入るのではなく、アイスブレイクを行い応募者の緊張を和らげるようにしましょう。例えば当日の来社方法や天気の話など、選考に関係のない話が一般的です。
- 3.会社や業務について説明する
- 募集要項に掲載していた情報を含め、今一度会社の概要や採用職種、仕事内容や雇用条件について説明します。ここで説明不足があると内定辞退や早期離職につながるため十分注意しましょう。
- 4.ヒアリングを行う
- 仕事に関する意欲や人柄がわかるような質問をしていきましょう。募集要項にあっている人か、職場に馴染めそうかなどを確認します。ただし、仕事とは関係のない質問や意図不明な質問をしないように気をつけましょう。
- 5.応募者からの質問を受ける
- 入社までの不安や疑問はここで解決しておくと、採用後の離職リスクを下げられます。また応募者にとってはアピールの場であるため、勤務意欲や入社意欲を判断する材料にもなるでしょう。
- 5.今後の流れを説明する
- 合否連絡をいつ頃どのような形で行うか告知し、採用となった場合のスケジュールについても説明します。
アルバイト採用にあたっての注意点
採用活動にあたって、どんなことに注意すべきでしょうか。気を付けるポイントを2つ解説します。
タブーとされる質問に気を付ける
応募者の人柄やスキルとは関係がなく、セクハラと思われる質問は避けてください。また、応募者の思想に関わる質問は人権侵害につながる恐れがあります。応募者の思想を理由に合否判定を出してはいけません。
質問内容によってはトラブルに発展するケースもあるため、細心の注意が必要です。タブーとされる質問例は以下のとおりです。
- ●あなたのご実家はどこですか
- ●〇〇党を支持していますか
- ●出産の予定はありますか
- ●ご両親と同居していますか
面接前後の連絡を迅速に行う
応募者は複数社志望している可能性もあり、面接の無断キャンセルや採用後の辞退も多いのが実情です。採用コストを抑えるためにも応募から面接、合否結果までの連絡は迅速に行うべきです。速やかに連絡をとることで、「この企業はしっかりしている」と好感度につながり、モチベーションのアップも期待できます。リマインドはこまめに行いましょう。
また合否連絡の際は応募者を思いやる一言を添えるとよいでしょう。新しい環境に入る前、人は不安を感じやすいです。採用が決まっても初日に出勤してこないというケースもあります。出勤前にも再度コミュニケーションをとり、従業員皆で入社を心待ちにしていることを伝えてみましょう。
アルバイトの面接におけるポイントを押さえて定着率向上を!
面接時は志望動機や勤務日数、適性を判断できる質問をするとよいです。反対に、タブーとされる質問もあるため注意してください。合否連絡は迅速に行い、採用辞退を避けましょう。面接で相手を見極め、アルバイトの定着率向上を目指してください。



