アルバイト選考時に重視すべきポイント
長期間働いてくれるアルバイトを採用するためには、どのような点に着目して選考すればよいでしょうか。まずは採用側がアルバイトに求める条件について解説します。
必要な日数の勤務が可能か
自社が求める条件に合っていることを確認しましょう。勤務条件をクリアしないまま応募者の意欲や人柄を重視しすぎて採用すると、シフトをうまく組めなくなります。
例えば、店側は1日5時間以上働いてほしいのに、採用したアルバイトは3時間しか働けない、となれば新たに別の人材を投入しなくてはなりません。それでは、余計な採用コストがかかってしまいます。
反対に、アルバイトは1日8時間働きたいのに、店側が1日5時間しかシフトを入れないとなれば、せっかく採用したアルバイトが離職してしまうかもしれません。双方の勤務条件が合致していることが重要です。
仕事に対する意欲は十分か
仕事への意欲は定着率に影響するため、面接時の重要な判断ポイントです。
応募者の志望動機が「時給が高いから」「家から近いから」といった勤務条件に関するものだと、採用後に仕事内容と雇用条件のバランスに不満を感じる可能性があります。また仕事内容を重視して選ばなかったために、いざ仕事が始まってから「イメージと違った」と辞められてしまうリスクもあるでしょう。離職はしなくとも、仕事に対する興味や意欲が低いまま、嫌々仕事をこなす人もいます。
そうならないよう、応募者の仕事への意欲や取り組む姿勢などを面接時に確認しましょう。
人柄が職場の雰囲気にマッチしているか
元からいる従業員と応募者の相性も重視しましょう。年齢層が極端に違う場合や、今いるメンバーと性格にミスマッチがある場合などは、周りの従業員も仕事がやりにくくなる可能性があります。
最低限のスキルや能力を持っているか
どんな職場や職種であっても一般常識やコミュニケーションスキルは必要です。例えば、業務を覚えるための理解力やとっさのトラブルに対応する判断力がないと、業務に支障をきたすでしょう。また経験者を希望する場合、それに見合うスキルも必要です。
そのほか接客業であれば笑顔、飲食業であれば清潔感なども、最低限のスキルとして判断してください。
アルバイトが職場に求める条件とは
アルバイトの定着率を上げるには、応募者が求めている条件を理解し、それを満たすことが必要です。アルバイトが職場に求める条件は次のとおりです。
- ■必要な給料が得られるか
- 多くの人はお金を稼ぐ手段としてアルバイトを行うでしょう。そのため応募者は「自分が稼ぎたいと思っている金額分だけ働けるかどうか」を重要視しています。
- ■柔軟にシフトを組めるか
- 学生であれば試験期間や長期休み、年末年始などに休みの融通がきくかどうかは重要でしょう。また専業主婦(夫)などは子どもの体調不良や学校行事で急な休みにも対応してほしいものです。
- ■求めるスキル・経験が身につくか
- アルバイトを通して将来のキャリアに向けてスキルを磨きたいと考える人も多いです。例えば接客・営業スキルやビジネスマナーなどが身についたり、職場で得た知識で資格を取得する人も出てきたりするでしょう。
どのような人に働いてほしいと考えているかを事前に明確にし、採用したい人材を見つけたら応募者の求める条件を確認し、採用のミスマッチを防ぐのがおすすめです。
定着率の高いアルバイトを見極める質問例
定着率の高いアルバイトを採用するには、面接時の質問で相手を見極めることが最も重要です。ここでは質問例を目的別に紹介します。
雇用条件に関する質問例
勤務日数や給料など、雇用条件についてはお互いに最重要視すべきでしょう。お互いの勤務条件がマッチするか確認してください。雇用条件に関する質問例は以下のとおりです。
- ●いつから勤務可能ですか
- ●週(月)にどのくらい勤務できますか(日数や時間)
- ●月にいくら稼ぎたいといった給料に関する希望はありますか
- ●土日祝日の勤務は可能ですか
- ●年末年始や長期休みなど、シフトに入れない期間はありますか
勤務意欲に関する質問例
仕事内容に興味をもっているか、やりがいをもって働けそうかを判断する必要があります。また、入社意欲についても確認しておくと採用後の辞退者を減らせるでしょう。勤務意欲に関する質問例は以下のとおりです。
- ●応募理由を教えてください
- ●仕事で挑戦してみたいことや目標はありますか
- ●当社に興味をもった理由は何ですか
- ●ほかに検討している勤務先はありますか
業務内容の適性に関する質問例
面接では応募者の適性を判断しなければいけません。応募者のエピソードを通じて忍耐力や課題解決力を知れます。適性を判断できる質問例は以下のとおりです。
- ●最近、辛かった経験を教えてください
- ●得意なこと、苦手なことは何ですか
- ●以前の職場を辞めた理由は何ですか
- ●〇〇な業務を担当してもらいますが、大丈夫ですか
なお、採用後にアルバイトを定着させるポイントは下記の記事で紹介しています。
理想のアルバイト面接の流れ
アルバイトの面接にも理想とする流れがあります。必ずしもこのように進める必要はありませんが、この流れで面接を行うとスムーズに面接を進められます。
- 1.自己紹介を行う
- まずはこちらから自己紹介をし、職場内における自身の立場と役割を伝えましょう。
- 2.アイスブレイクを行う
- いきなり面接の本題に入るのではなく、アイスブレイクを行い応募者の緊張を和らげるようにしましょう。例えば当日の来社方法や天気の話など、選考に関係のない話が一般的です。
- 3.会社や業務について説明する
- 募集要項に掲載していた情報を含め、今一度会社の概要や採用職種、仕事内容や雇用条件について説明します。ここで説明不足があると内定辞退や早期離職につながるため十分注意しましょう。
- 4.ヒアリングを行う
- 仕事に関する意欲や人柄がわかるような質問をしていきましょう。募集要項にあっている人か、職場に馴染めそうかなどを確認します。ただし、仕事とは関係のない質問や意図不明な質問をしないように気をつけましょう。
- 5.応募者からの質問を受ける
- 入社までの不安や疑問はここで解決しておくと、採用後の離職リスクを下げられます。また応募者にとってはアピールの場であるため、勤務意欲や入社意欲を判断する材料にもなるでしょう。
- 5.今後の流れを説明する
- 合否連絡をいつ頃どのような形で行うか告知し、採用となった場合のスケジュールについても説明します。
アルバイト採用にあたっての注意点
採用活動にあたって、どんなことに注意すべきでしょうか。気を付けるポイントを2つ解説します。
タブーとされる質問に気を付ける
応募者の人柄やスキルとは関係がなく、セクハラと思われる質問は避けてください。また、応募者の思想に関わる質問は人権侵害につながる恐れがあります。応募者の思想を理由に合否判定を出してはいけません。
質問内容によってはトラブルに発展するケースもあるため、細心の注意が必要です。タブーとされる質問例は以下のとおりです。
- ●あなたのご実家はどこですか
- ●〇〇党を支持していますか
- ●出産の予定はありますか
- ●ご両親と同居していますか
面接前後の連絡を迅速に行う
応募者は複数社志望している可能性もあり、面接の無断キャンセルや採用後の辞退も多いのが実情です。採用コストを抑えるためにも応募から面接、合否結果までの連絡は迅速に行うべきです。速やかに連絡をとることで、「この企業はしっかりしている」と好感度につながり、モチベーションのアップも期待できます。リマインドはこまめに行いましょう。
また合否連絡の際は応募者を思いやる一言を添えるとよいでしょう。新しい環境に入る前、人は不安を感じやすいです。採用が決まっても初日に出勤してこないというケースもあります。出勤前にも再度コミュニケーションをとり、従業員皆で入社を心待ちにしていることを伝えてみましょう。
アルバイトの面接におけるポイントを押さえて定着率向上を!
面接時は志望動機や勤務日数、適性を判断できる質問をするとよいです。反対に、タブーとされる質問もあるため注意してください。合否連絡は迅速に行い、採用辞退を避けましょう。面接で相手を見極め、アルバイトの定着率向上を目指してください。