アルバイトが定着しない理由
アルバイトが定着しないのはなぜでしょうか。多くの場合、以下3つの理由が挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
職場の人間関係がうまくっていない
どのような方でもアルバイトの初日は不安や緊張を抱えています。職場の雰囲気や人間関係など「職場の第一印象」は定着率に大きく影響します。もし雰囲気が悪い職場だと感じれば、人間関係を構築する前に辞めようとするでしょう。
特に人手不足で忙しい店舗では、早期離職が起こりやすいです。人手不足で忙しい店だと、ピリピリしていて雰囲気が良くないためです。
また、「アットホームな職場」ではスタッフの仲が良く、チームワークをウリにしていることもあるでしょう。しかし、仲間内で盛り上がり過ぎていると、その輪に入りづらく疎外感があります。そのような状態では、職場に馴染めず辞めていく可能性があります。
仕事量と賃金が釣り合っていない
採用され働くことが決まった段階では、採用された人は給与など諸々の条件に納得しているでしょう。
しかし、仕事量がその人の許容できる範囲を超えたり、賃金とのアンバランスを感じたとき、辞めてしまいます。特にサービス残業が発生したり、休日が希望通りとれない場合は、ストレスが蓄積しやすく、辞めるという決断を早期に下してしまうでしょう。
応募段階の勢いで決めず、採用するときによく話し合うことが大切です。
仕事内容が自分に合っていない
人間関係や賃金などの条件が良い場合でも、アルバイトが早期離職してしまうことがあります。それは、自分が望んでいた仕事内容でなかったときです。
事前説明や募集内容にはない仕事であったり、想定よりも大変だったりする場合があります。
たとえば、ホテルの部屋の掃除と聞いていたのに、トイレ掃除しかしない、といったことです。ほかにも簡単な作業とだけ説明されており、実際は力作業がメインだった場合なども早期離職につながるでしょう。
また厚生労働省が調査している「雇用動向調査結果による離職理由」には、下記の理由が上がっています。(今回はアルバイトの離職についてなので、離職理由が「定年、契約期間の満了」は除いています。)
離職理由(性別ごと) |
男性 |
女性 |
1番多い理由 |
労働時間、休日等の労働条件が悪かった 12.3% |
労働時間、休日等の労働条件が悪かった 14.8% |
次に多い理由 |
給料等収入が少なかった 11.0% |
職場の人間関係が好ましくなかった 13.1% |
こちらは、すべての雇用形態に関するデータとなっていますので、一例としてご参考ください。
出典:
平成30年雇用動向調査結果の概要|厚生労働省
採用段階でアルバイトの定着率を高める方法
では、具体的にどのようにしてアルバイトの定着率を高めれば良いか見ていきましょう。採用の前段階で意識すべきポイントを紹介します。
応募者への連絡を迅速に行う
現在はWeb上で手軽に応募できるため、複数の求人に応募している可能性が高いです。
当然ですが、求職者のモチベーションは応募した時点がもっとも高い場合が多いため、採用の段階ではなるべく早く応募者とコンタクトをとりましょう。マメに連絡を取り合い、応募者のモチベーションが高い状態を維持できれば、採用後もやる気のある状態で働いてもらえます。
仕事内容や条件を丁寧に説明する
早期離職を防ぐためには、採用後に「思っていたのと違った」というギャップを防ぐことが重要です。
たとえば、採用率を高めようとするあまり、募集要項に「初心者歓迎!土日休み可!」と記載し、応募のハードルを下げることがあります。しかし、実際には経験者でないと難しい業務であったり、土日の出勤が定常的に発生している場合には、募集要項と実態が異なるため早期退職に繋がります。結果として余計な採用コストがかかってしまうでしょう。
アルバイト採用においても、仕事内容や条件、職場の雰囲気を丁寧に説明することが大切です。また、シフトや時給に関しては、どれくらい稼ぎたいのか、希望するシフトはいつなのか丁寧にヒアリングする必要があります。
アルバイトの面接に関しては、下記の記事で詳しく説明しておりますので、あわせてご覧ください。面接で困ったことやうまく採用を行うためのコツを記載しております。
採用後にアルバイトの定着率を高める方法
採用した後の段階で、アルバイトの定着率を高めるために何ができるのか見ていきましょう。
アルバイトの研修制度を充実させる
研修制度を整え、現場で安心して働ける環境を作ることは非常に重要です。仕事に早く慣れることで緊張や不安が取り除かれ、勤務しやすくなるでしょう。
座学やロールプレイングの機会を設けたり、業務が比較的落ち着いている時期に現場の研修を行ったり、教育担当者を明確にするなど、できることから実施していきましょう。
また、アルバイトに対してもスキルアップできる体制を構築して、継続的に成長の機会を提供することも長期的な雇用の成功につながります。
個人のニーズに応じた柔軟なシフト体制をとる
前述のような対策をしていても、シフトの不満によってアルバイトが早期離職してしまうことがあります。仕事内容や職場環境に対して不満はなくても、シフトが希望に合わないと離職のリスクが高まります。
特に短時間勤務や休日だけ働きたいというニーズは高いため、アルバイトの要望を踏まえてシフトを組んでいきましょう。たとえば短時間勤務を希望するアルバイトが多い場合は、シフトを早番・遅番のみで分けるのではなく、もっと細かい時間帯で分ける、など工夫しましょう。
職場のコミュニケーションを活発にする
アルバイトも正社員と変わらず、職場内の人間関係が離職理由に上がってきます。人間関係を理由とした離職を防ぐために、職場のコミュニケーションを活発にする必要があります。たとえば、職場での悩みや仕事の悩み、少し踏み込んで個人の相談や意見を聞けるようにするなど、人間関係についてフラットに相談できる雰囲気を作ることが重要です。
アルバイトでも、他店舗間や他部署間の交流などのコミュケーションを活性化させるイベントを設けるとよいでしょう。
もちろん、アルバイトの要望をすべて聞いてしまえばビジネスが回りません。ある程度柔軟性を持ちながら、上手く運営していきましょう。
アルバイト社員に対して適切な対応を取り定着率の向上を!
アルバイト社員は職場の人間関係や仕事量と賃金のバランスの悪さ、仕事内容が合っていないことで早期離職してしまいます。
アルバイトの定着率を高めるために、採用段階では応募者への連絡を迅速に行い、仕事内容や条件を丁寧に説明しましょう。採用した後は、しっかり研修を行い、個人のニーズに応えられるシフト体制の構築が重要です。
適切に対応してアルバイトの定着率を上げましょう。